無我の境地でひたすら書く「アクティブ瞑想」

赤羽雄二氏:まだまだ質問はあると思いますが、ひとまずお手元の資料をご覧ください。今から「A4メモ書き」をしていただきます。多くの方が私の本を読まれているのでご存知かと思われますが、「メモ書き」というのはA4用紙を横置きにし、左上にタイトル、右上に日付、4~6行、20~30字を1分で書くというもので、毎日10~20ページ書くことをお勧めしています。

本をよく読まれていても、この「1分で書く」という点をあまり気にされない方が多いようですが、重要なポイントです。1分で必死に書くことによって、余計なことを考えずに頭の中のもやもやを外に出していくことができるからです。

頭に浮かぶイメージを、一瞬のうちに描くことができるようになります。時間制限をしないと、人の頭はそのようには動きません。だらだらとああでもない、こうでもないと無駄なことを考え始めます。

『ゼロ秒思考』A4メモ書きのポイントは以上ですが、お勧め通りに実践されていない方が多いので今からやっていただきます。ポイントは3つ、「頭に浮かんだことを吟味せず、ともかくはき出すこと」「ギリギリ読める程度のきたない字で書くこと」「筆圧ゼロで書ける水性ボールペン」です。ペンはパイロット Vコーンをお勧めしています。シャープペンシルではこのレベルで早く書くことは不可能に近く、古いボールペンもほとんど無理でしょう。書くスピードが3~5割遅くなります。

パイロット Vコーン【黒】 LVE10EFB

1分で80~90字書くためには、筆圧がゼロで、ギリギリ読める程度のきたない字で書かないととても間に合いません。なぜそんなに急ぐかというと、誰でも、急げば書けるからです。また、急ぐと言わなければ大して書きもしないのに3~5分もかけてしまうからです。最高速度で書けば、ダラダラせずに済みます。

このスピードでA4メモ書きをすれば、「早く終われ」「腹減った」といった余計なことを考える時間がなくなります。つまり、無我夢中で書けるようになるということです。

これを私は「アクティブ瞑想」と呼んでいます。ご存じのように、瞑想は大事ですが普段なかなかできません。お寺で座禅しても、いろいろ雑念が入るのでバチンと叩かれたりします。

瞑想というのは、あくまでも目を閉じて呼吸を整えますが、『ゼロ秒思考』のA4メモは目を開け、集中して書きます。やってみればわかりますが、心は結構、無我の境地になります。なので、「アクティブな」瞑想と呼ぶことにしました。

話すと繰り返しになったり冗長だったり、無駄があったりが多いです。書くと、はるかにまともで、整理されます。話し言葉と書き言葉はおそらく脳の違う部分で処理されているようですね。

1日10〜20ページ書くことが大事

赤羽:では、これを今よりA4メモ書きを始めます。1分で、できるだけ4~6行、20~30字書いてください。はい。

(参加者はA4メモ書き中)

はい、これが1分ですね。では次のページへ。より速く、より考えずに感じたままを書き出してください。次のタイトルは「今日なにを学んで帰るか」です、はい。

(参加者はA4メモ書き中)

先ほどよりも長めに書けましたか。もし2行あるいは5字程度しか書けなくてもいったん気にしないでください。このスピードで書き続けていれば、必ず何ページか後にはできるようになります。1行に20字というのは、A4用紙の2/3、この辺までですね。「早起き」だと3字ですね。15~20字だとこの辺まで書けます。

このように長く書けるようにならないと、物事を言語化して相手に伝えることがうまくできません。自分の頭を整理できません。アバウトなままでいると、先ほどのようにもやもやしたままで、「それって違うよね、なんというかその……」みたいなことになってしまいます。

これがパパッと書けるようになると、「これがよくなかった」「自分は今なんでこう思ってるのか」「日本はどうすべきか」「自分の今後の身の振り方をどうするのか」といったことをたちどころに整理できるようになるんですね。

ですので、この、1分間で4~6行、20~30字を1日10~20ページ書くことが非常に大事です。日本やインドの支援先でのワークショップでは、300人ぐらい同時にA4メモ書きをやっています。台湾やベトナムでもA4メモ書きを取り入れています。

では、次は「将来に向けてどう準備していくのか、三日坊主にならないためには」について書きます。はい。

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