2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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赤羽雄二氏:まだまだ質問はあると思いますが、ひとまずお手元の資料をご覧ください。今から「A4メモ書き」をしていただきます。多くの方が私の本を読まれているのでご存知かと思われますが、「メモ書き」というのはA4用紙を横置きにし、左上にタイトル、右上に日付、4~6行、20~30字を1分で書くというもので、毎日10~20ページ書くことをお勧めしています。
本をよく読まれていても、この「1分で書く」という点をあまり気にされない方が多いようですが、重要なポイントです。1分で必死に書くことによって、余計なことを考えずに頭の中のもやもやを外に出していくことができるからです。
頭に浮かぶイメージを、一瞬のうちに描くことができるようになります。時間制限をしないと、人の頭はそのようには動きません。だらだらとああでもない、こうでもないと無駄なことを考え始めます。
『ゼロ秒思考』A4メモ書きのポイントは以上ですが、お勧め通りに実践されていない方が多いので今からやっていただきます。ポイントは3つ、「頭に浮かんだことを吟味せず、ともかくはき出すこと」「ギリギリ読める程度のきたない字で書くこと」「筆圧ゼロで書ける水性ボールペン」です。ペンはパイロット Vコーンをお勧めしています。シャープペンシルではこのレベルで早く書くことは不可能に近く、古いボールペンもほとんど無理でしょう。書くスピードが3~5割遅くなります。
1分で80~90字書くためには、筆圧がゼロで、ギリギリ読める程度のきたない字で書かないととても間に合いません。なぜそんなに急ぐかというと、誰でも、急げば書けるからです。また、急ぐと言わなければ大して書きもしないのに3~5分もかけてしまうからです。最高速度で書けば、ダラダラせずに済みます。
このスピードでA4メモ書きをすれば、「早く終われ」「腹減った」といった余計なことを考える時間がなくなります。つまり、無我夢中で書けるようになるということです。
これを私は「アクティブ瞑想」と呼んでいます。ご存じのように、瞑想は大事ですが普段なかなかできません。お寺で座禅しても、いろいろ雑念が入るのでバチンと叩かれたりします。
瞑想というのは、あくまでも目を閉じて呼吸を整えますが、『ゼロ秒思考』のA4メモは目を開け、集中して書きます。やってみればわかりますが、心は結構、無我の境地になります。なので、「アクティブな」瞑想と呼ぶことにしました。
話すと繰り返しになったり冗長だったり、無駄があったりが多いです。書くと、はるかにまともで、整理されます。話し言葉と書き言葉はおそらく脳の違う部分で処理されているようですね。
赤羽:では、これを今よりA4メモ書きを始めます。1分で、できるだけ4~6行、20~30字書いてください。はい。
(参加者はA4メモ書き中)
はい、これが1分ですね。では次のページへ。より速く、より考えずに感じたままを書き出してください。次のタイトルは「今日なにを学んで帰るか」です、はい。
(参加者はA4メモ書き中)
先ほどよりも長めに書けましたか。もし2行あるいは5字程度しか書けなくてもいったん気にしないでください。このスピードで書き続けていれば、必ず何ページか後にはできるようになります。1行に20字というのは、A4用紙の2/3、この辺までですね。「早起き」だと3字ですね。15~20字だとこの辺まで書けます。
このように長く書けるようにならないと、物事を言語化して相手に伝えることがうまくできません。自分の頭を整理できません。アバウトなままでいると、先ほどのようにもやもやしたままで、「それって違うよね、なんというかその……」みたいなことになってしまいます。
これがパパッと書けるようになると、「これがよくなかった」「自分は今なんでこう思ってるのか」「日本はどうすべきか」「自分の今後の身の振り方をどうするのか」といったことをたちどころに整理できるようになるんですね。
ですので、この、1分間で4~6行、20~30字を1日10~20ページ書くことが非常に大事です。日本やインドの支援先でのワークショップでは、300人ぐらい同時にA4メモ書きをやっています。台湾やベトナムでもA4メモ書きを取り入れています。
では、次は「将来に向けてどう準備していくのか、三日坊主にならないためには」について書きます。はい。
(参加者はA4メモ書き中)
赤羽:先ほどご紹介した本、『3年後に結果を出すための最速成長』には、AIやブロックチェーン、また世界の情勢変化について、それぞれどんなテーマでメモを書いて頭を整理したらいいか、頭を良くしたらいいかということがリストになってますので、それについて書いていただくのもよいかと思われます。
これは学歴や仕事、経験によりません。むしろ普段訓練していない人のほうが、効果が大きいです。3週間ぐらいすると、人の話がよくわかるようになります。「人の話」がよく理解できない、「聞くのが実は苦手」という人が実は多いかと思います。とくに話をすり替えられた時、言い逃れされた時、何だか変だと感じてもよくわからなくなることがあると思います。それがその瞬間にわかるようになります。
また、考えが整理されるので、発言に説得力が出て意見が通りやすくなります。あるいは、リーダーシップが発揮できるようになります。「なぜか今までよりも、自分の意見が通りやすくなる」というのはよく聞きます。それも、やはり3週間ですね。
こうように簡単にもやもやがなくなり、確実に頭がよくなる方法は、多分、世界中を探しても他にないと思います。そのようにうたっているものはいろいろあるでしょうが。お金はいっさいかかりませんし、時間も1日10分~で済みます。朝起きてから寝るまでの間に、思いついたこと、気になったこと、いやなことを書くだけで、圧倒的な効果を誰でも実感されていますので、今日からの実践を強くお勧めしたいと思います。『ゼロ秒思考』には、普遍性があるんですね。シリーズで28万部ほど出版されました。
赤羽:マインドマップを使う方もいらっしゃると思いますが、あれは1つのテーマを速い人でも20~30分、遅い人だとたぶん1時間半ぐらいかけていないでしょうか。私もつい、そのくらい時間をかけてしまいます。
しかし、そういう深掘りも大切ですが、多くの人にとっては気になることが多すぎて、それを先に整理し、もやもやをなくし、行動しながらさらに深めていくほうが大切ではないかと考えています。あと20~30個は考えるべきテーマがあるとすると、1つのテーマに時間を使うよりも、まず多くをメモで整理する方をお勧めしたいです。
マインドマップは1つひとつに20字書くようなスペースがあまりないため、単語で書いてしまいがちです。例えば、「早起きする」というとき、「3時までカラオケに行って、疲れていてもいつも通り7時に起きる」のように具体性と明確なイメージがないと、頭も整理されませんし、する行動することができません。
マインドマップだと、1つの課題・テーマに対して時間をかけがちで、それを完成するだけで仕事をやった気になってしまいますので、メモを数千ページで書いて、もやもやなどがあまりなくなったあとに行うことをお勧めしています。
次はアイデアメモについてお話しします。これは1年半ほど前に始めたもので、A4 1ページの中にメモが4つはいっています。
これを3分で書きます。基本的にはメモを4ページ書くのと同じですが、そこでのストーリー性と深掘りがポイントです。
例えば、「TOEICの点数を900点にする」「転職する」「彼・彼女と別れる」「ここに住む」といった、これまでみなさんが決めても実行できなかったことについて、それは「何をやろうとしたのか」「どのくらい続けることができたのか」「どこで終わってしまったのか」「どうだったら続けられたかもしれないのか」というのを3分で書きます。
その後、2分間で隣りの人に説明していただきます。1人1分程度ですね。あまりに恥ずかしいことは遠慮してもいいですが、どうせ隣の人は知らない人でしょうから、まあいいかな、と思います。
(会場笑)
アイデアメモを書いて他の人に説明するといろんな発見があります。書くのが3分、説明しあうのが2分ですから、わずか5分の間にですね。では、始めます。3分でこのページをできるだけ完成してください。
(参加者はアイデアメモ書き中)
赤羽:はい、終了です! 説明時間が少ないのはよくわかっています。 では次のページ。「これまで自分で決めて実行できたことはなにか?」に行きます。始めます。
(参加者はアイデアメモ書き中)
はい、終了です! 次のページにいきます。これまで実行できなかった、実行できたをもとに、「今後自分で決めたことを確実に実行していくには?」です。
先ほども申し上ましたように「仕事がなくなる」「得られる仕事と自分ができる・やりたい・我慢できる仕事のミスマッチが起きる」「会社も変わる」なかで生き延びなければなりません。好むと好まざるに関係なく全員トライアスロンができなければいけないような状況で、「決めたことは実行できない、でもなんとかなったよね」という時代は終わったと考える必要があります。
実行すべきことが「できなかったとき」と「できたとき」に注目し、「どういうとき、どういうことだったら自分は確実に実行できるのか」という、勝ちパターンの整理が必要です。
次に、「途中の誘惑に勝つにはどうすべきか」という点に関しては、「眠さ」「友達からの誘い」など、常に誘惑があるので、それらへの対処法を書きます。それから「見習うべき人が身近にいないか」という点については、身近な人の中から自分で決めたことを確実に実行している人を思い浮かべ、なぜその人がよくできるのかを徹底的に観察するとよいと思います。最後は、「さらに一歩も二歩も進化するには?」で、確実に実行していくだけではなく、その方法論も含めて進化し続けるにはどうしたらいいかを書きます。
(参加者はアイデアメモ書き中)
赤羽:はい、終了です! このアイデアメモのテンプレートは「重要な案件がうまくいかなかったとき」「うまくいったとき」「今後うまく進めるには?」、「新入社員をうまく育てられなかったとき」「育てられたとき」「今後育てるには?」など、懸案事項を考えるときに大変有用です。
1ページ目の「うまくできなかった、いかなかったとき」を完成させたらそれをコピペして、「できなかった」を「できた」に変えて2ページ目の「うまくできた、いったとき」を作ります。すぐできます。それぞれ、メモタイトルに対してメモと同じ、4行書いてるだけです。「できなかったとき」「できたとき」をベースとして、「今後うまく進めるには」は、少し違う角度から、より高い見地から、大事な4つを書いてください。
このテンプレート作りは、慣れると15分くらいでできます。それを同僚または友達3人に頼んで一緒にやってもらうと、上司へ重要案件を説明する前や、むずかしい営業案件へ取り組む前など、さまざまな場面において大きな発見があります。シミュレーションなので、自信にもなります。
アイデアメモは1ページ書いてAさんと説明しあい、2ページ目を書いてBさんと説明しあい、3ページ目を書いてCさんと説明しあう、というふうに3ページとも別の人と説明しあうことをお勧めしています。
その理由は、自分が何かに引っかかってできないときに、相手は何も引っかかずにうまくできていたり、あるいは自分が当然のようにしている動作や活動の結果できているのに、それができなくて非常に困っている人がいることがわかるからです。そのような発見がわずか15分の間にあり、多くの刺激を受けます。ぜひこのアイデアメモを自分でやってくださいね。
今日の課題があと2ページあります。こちらは「3年後・5年後・10年後の目標設定・達成シート」です。
先ほどの、『3年後に結果を出すための最速成長』という本の中にあります。今日のタイトル「10年後みなさんはどうなっていたいか」ということで、今33歳だったら43歳、25歳だったら35歳、43歳だったら53歳のとき、どうなっていたいですか。
そのためには、2027年にどうなっていないといけないか。置かれた環境やアクションや注意点がどうかですね。5年後にはどうなっていないといけないか。3年後にはどうなっていないといけないか。右側から書いていきます。10年後の目標から順次さかのぼって書いていくのは、そうしないと目先の話だけになるんですね。いいですか? では頑張って3分で書いてみてください。はい!
(参加者は目標設定・達成シート作成中)
まだぜんぜん書けていないのはよくわかってますがいったん終了です。先ほどと同じように2分間で説明しあってください。
(参加者は二人組になってお互いに書いたものを説明しあう)
はい、終了です。 今の時間で十分でないのはよくわかってます。家に帰って、あるいは帰り道に改めて右側から順番に書いてください。今焦って書いて説明しながら、「あれ?」と思ったこともあるだろうし、相手の話を聞いて視野が狭いなと感じたり、けっこう賢いなと思ったりしたこともあると思います。それをもう1回、自分で帰り道に書くんですね。
赤羽:最後のワークシートはこちらです。
先ほどの目標設定・達成シートに書いた内容に関して、12ヶ月以内に何をするのか、6ヶ月以内、3ヶ月以内、1ヶ月以内には何をするのかですね。10年後にみなさんが満足できる生活をするには、10年後、5年後、3年後、1年後をイメージしなければいけません。さらに、12ヶ月以内、6ヶ月以内、3ヶ月以内、1ヶ月以内に何をするのか、こういうことを全部イメージする必要があります。
将来は自分で作れるんです。今まで高度成長期とか、少なくとも5年くらい前までなんとなく来れた人がいるでしょう。ところが、これからは勝ち組が負け組になったりもする。自分の将来は自分でコントロールしなければいけない時代になりました。では、アクションプランを右側から書きます。3分です。
(参加者は今後1年間のアクションプランを作成中)
終了です。こちらを向いてください。もうあとわずかですね。全ページ含めてよく整理してみてください。A4メモ書きを毎日10~20ページに加え、アイデアメモをやっていると、こういうこともシャープに、カチッカチッとできるようになります。
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