若い女の子が抱く、理想の男性像のレベル

山田玲司氏(以下、山田):そういえば、こないだ『ViVi』で仕事した時に思ったんだけど、そこに寄せられてくるお便り、ViViっ子たちのメッセージ、すさまじくハードル高いよね、彼女たち。

倉田真由美氏(以下、倉田):例えば?

山田:スペックがどうのこうのっていう時の、基準の高さがハンパじゃないよね。

倉田:相手の男に求める?

山田:そうそう。「イケメンなのは当然のこと」みたいな。「あれ? これ、バブル期か?」っていうぐらい、相変わらずめちゃめちゃレベル高い男をお望みでいらっしゃって。

倉田:あー、そう!

山田:それで、これを口にしてるんだって思ったら、この猛獣たちを若い男が相手にするのかと思ったら、気の毒でならないっていう。

倉田:なるほどね。

山田:俺たちバブル期に育った組からすると、その後の氷河期組とかが出てきた時に、わりとお金がかからなくなってきた、みたいな話があったじゃない。

倉田:あった、あった。

山田:みんな、お金かけなくてもわりと怒らなくなった、っていう。だけど、意外とViViっ子の局所的な話を聞くと「まだまだだな」って。だから、女たちの、少女の持っている夢、男に対する理想みたいなものは、やっぱり相変わらずすげーな、って。

倉田:そう。

山田:それが、例えば、大学の時に隣にいた女の子が、そういうふうに考えてたとすると、たぶんすべての男たち、周りにいる連中はもう眼中になくて「こいつら意味ないから」って思って、ずっとはるか遠くの人を見てるんだろうな、っていう。

倉田:そうなのかねー。

童貞男子vs猛獣ViViっ子

山田:そうすると、若けりゃいいよ、若けりゃモテるよ、とかって感じでもなくなってくる。要するに、周りの男たちはおびえて近寄れないから。

倉田:まあ、そういう人はね。

山田:うん。だけど、そういう童貞の若い男ほど、見た目でしか女を見てないから。というか、見た目でしか見ることのできないスペックなんだよね、まだオスとして。

倉田:うーん。

山田:そうすると、結局、AKBのトップの神7を選ぶような感覚で、大学の女の子たちを選んだりする。そうすると、猛獣ViViっ子がいるわけね。

倉田:そうね。

山田:うん。

倉田:たぶん、その猛獣ViViっ子の女の子たちは、別にきれいも汚いもいると思うんだ。

山田:あ、それはそうだね。

倉田:だから……。

山田:メンタルの問題だね、それは。

倉田:そうそう。きれいとか汚いは関係なく、「男に求めるものは、まず金です」とか「甲斐性です」って言う女は、昔からでも一群いるからね。

山田:いた。いたし、なんか、すっごく多かったんだよね。

倉田:うん、昔からいたよ。昔からいるし、やっぱそれは、あの……、主流の一派なんでしょうね。

山田:そうねー。

女の理論「好きになっちゃったから、しょうがないじゃん」

倉田:私は、そういう選び方ができなかったことが、自分としては……。

山田:そうなんだ?

倉田:うん。自分が男に求める大事なことの上のほうに入ってこないから、やっぱり失敗もしてるよね、それで。

山田:だから、俺、最初にだめんずの企画を聞いた時に、「え、これってあれなんだ」って思って。「好きになっちゃったから、しょうがないじゃん」って言ってる女の子たちを取材してるな、と思って。

だめんず・うぉ~か~(1) (SPA!コミックス)

倉田:そうそう。

山田:それで、それを見ながら、「わー、気の毒だな」って言いながら、作者自身の立場としては「ハイスペを選べよ」って言ってんのかなって思ったの、最初。

倉田:ううん、違う。

山田:そしたら、違うんだよね(笑)。

倉田:あのね、ダメだと思う人と付き合ったらダメ男なんだけど、でも、結局、お金持ってる人を選ぶ女は『だめんず・うぉ~か~』のなかにはあまりいなかった。

山田:あ、そうなの?

お金が大事な人は男選びを間違えない

倉田:なぜなら、お金ってやっぱり情報としてわかりやすいから。お金を持ってるか、持ってないかって。だから、お金が大事な人というのは、間違えようがないのよ。

乙君氏(以下、乙君):あー。

倉田:そもそも。

乙君:なるほど。

倉田:うん。だから、神田うのみたいな人は、低年収とはなから付き合わない。

山田:そうだね。

倉田:はなから、もう視界にも入らない。

乙君:あー、そりゃそうですね。

倉田:そう。だから「ダメ男に引っかかってね」みたいな、「悲しいのよ」みたいな目に遭わないんですよ、そもそも。

山田:うんうん。

倉田:神田うのは……「神田うのは」とか言って、何回も繰り返しちゃうけど(笑)。

(一同笑)

山田:そこ掘ってもいいんですけど(笑)。とってもおもしろいんですけど(笑)。

キャバ嬢は時給でものを考える

倉田:そう。だから、『だめんず・うぉ~か~』って、いろんな職業の女の人を扱ったけど、キャバクラ嬢が少ないの。

山田:あ、そうなんだ。

倉田:何人かはいたけど、風俗嬢のほうが多い。

山田:へぇ。

乙君:あーー、なるほどね!

倉田:キャバ嬢は、やっぱり時給換算でものを考える人が多いから。

山田:コスパで生きてる。

倉田:うん。コスパで生きてるし。男も、やっぱりこう……。

乙君:選んでいく。

倉田:うん。いくら金持ってるかで選ぶ人が多いから。もちろんキャバ嬢のなかにもだめんずいたし、何人かはいたけど、比率的にはやっぱり、風俗嬢とかになっちゃう子のほうが圧倒的に多かったな。

山田:へぇ。

倉田:やっぱり、やさしさとか、おもしろさとか、「なんとなく気が合う人がいい」とか、そういう曖昧なことを言ってる人のほうが多かった。

山田:あーー。

倉田:まあ、私もそうなんだけどね(笑)。

(一同笑)