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『売上の地図』から読み解く「良い売上」と「悪い売上」(全2記事)

2023.02.21

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無理に買ってもらった顧客との関係は長続きしない LTV向上のカギを握る、納得感と不安解消のための施策

提供:株式会社ZEALS

ユーザーがAIチャットボットと会話しながら商品の購入や予約ができる「チャットコマース®️」を展開する、株式会社ZEALSの渡邊大介氏と、昨年『売上の地図』を上梓した、株式会社トライバルメディアハウスの池田紀行氏。共にマーケティング業界の著名人であり、15年来の友人でもあるお二人に「売上」という切り口で、業界を取り巻く課題と今後の展望をお聞きしました。前編では、チャットコマースによるユーザー接点の作り方や、ユーザーに寄り添う情報の伝え方について対談しました。

ブログ全盛期に、広告系人気ブロガーとして出会う

——お二人は15年来の交流があるということですが、出会ったきっかけを教えていただけますか?

池田紀行氏(以下、池田):「アドマン2.0」のブログは何年から書いていたんだっけ?

渡邊大介氏(以下、渡邊):2006年の入社直前に書き始めたので、たぶんその年の2月~3月とか。

池田:mixiができた2004年は、まだTwitterが存在していませんでした。2005~2006年頃になると、ブログ全盛期に。その当時、彼が「アドマン2.0」というすごく勢いのあるブログを書いていて、僕も「イケダノリユキのCommunitainment Blog」というブログを書いていたので、コミュニティ界隈でみんな仲良く引用し合うことも多くありました。

渡邊:当時はトラックバックカルチャーでしたね。お互いのブログで引用し続けて、解析ツールのリファラルデータで「あ、書いてくれてる」と気づいたり。

池田:懐かしいね。「誰々さんのブログ経由で、自分のブログのトラフィックがこれだけ増えている!」みたいな感じで、お互いのブログの送客力を測り合いましたよね(笑)。

業界人がみんなブログを書いている中で、サイバーエージェントの新卒だった彼のブログがめちゃめちゃ的を射ていておもしろかったので、「この人すげえな」と感じていたんですよ。当時、広告系の主要ブログが50個ぐらいあって、それらのブログを運営している「広告系ブロガー」だけが集まるイベントで初めて会いました。

渡邊:僕のブログはどちらかというと尖っていて、今思うと完全に若気の至りですけど、池田さんはめちゃくちゃ整理してくれていました。お互いにブログの名前かIDで呼び合う感じで。いや、いい時代でしたね。

池田:そんなところからの縁ですね。彼はもともと、お客さまの課題や消費者がどういう状態なのか、競合は何なのかを考えて、どういうコミュニケーションで商品を売れるようにするかというのを考える仕事をしていたから、昔の経験が今の仕事にもうまいこと活きているよね。

——なるほど。確かにユーザーとのコミュニケーションを最適化する、ZEALSさまのチャットコマース事業につながっていますね。

トップマーケターが、広告の世界に来て一番驚いたこと

——続いて、対談のテーマにも関わるのですが、昨年池田さまが出された『売上の地図』の執筆の背景を教えていただけますか?

池田:単著としては2012年以来で、この10年、ずっと自分の中で蓄積してきた問題意識を全部出しました。広告・マーケティングの業界は、「PDCA」とよく口にはしますが、PlanとDoばかりでCheckとActionを本当にしない。すごく楽観的で、「次、何をやろうか」と言葉にはしながらも実行しないパターンが多いんですよね。

しかも大企業の代表的なジョブローテーションだと、だいたい10年で3つの部署を回るので、単年度で売上を最大化した実績を引っ提げた方が、昇進・昇格・昇給しやすい。「中長期的にブランドを育てていこう」という志向性よりも、「今期はどうやって売上を最大化するか」ということに、どうしても施策が寄ってしまいがちなんです。

僕はマーケターのキャリアの前半では、商品開発やチャネルなど店頭の施策をずっとやっていたのですが、広告の世界に来て一番びっくりしたのが、みんなが「広告で売れる・売れないが決まっている」と思っていること。

企業の技術力や商品開発力、パッケージデザイン、ネーミング、チャネルなど売れた・売れなかった要因はすごくたくさんあるじゃないですか。なのに「広告が良かったから売れたんだ」「広告がダメだったから売れなかったんだ」と思い込んでしまう。

「いやいや、大企業の売上って、そんな簡単に上下動しないでしょ」ということに、なんでみんな気づかないんだろうと。

売上が上がるプロセスは、「電子回路」みたいなもの

渡邊:マーケティングの4P(Product:商品・サービス、Price:価格、Promotion:販促、Place:流通)の「プロモーション」しかやっていないってことですよね?

池田:まあ大企業なのでもちろん全部やっているんですが、意識がプロモーションに寄りすぎというか、「売れるも売れないもプロモーション次第!」と考えている節がある気がします。たとえば「推奨意向を上げたい」という時に、「そもそも商品自体がいいものじゃなかったら、広告の力だけでは上がらないよね」という話を、なぜか誰もしないんですよ。

だから、短期と長期の両方の施策が必要なことだったり、売上の上げ下げにどれだけの変数が影響しているのかということだったり、僕がこの10年で考えたことを書いてみようと思ったんですね。

渡邊:そのあたりは、池田さんが向き合っているお客さまに多い課題だったんですか?

池田:うちのお客さまに多いというより、いろんなところで行っているセミナーや講義の受講生数百人と会話をする中で寄せられる、質問やコメントにそういったものが多いという感じですかね。

自動販売機のボタンを押すと商品が出てくるように「どうしたら売上が上がりますか」「これをやっていたんだけど、あんまり効かなかったんです」など売上をとても単純化して捉えてしまっているな、と。

残念ながら、そこまでシンプルではありません。売上が上がるプロセスは、いろいろな部品で作られた電子回路みたいなもので、うまく電流が流れないと、最終的に利益という豆電球は光らない。

狭くて深いところの認識や理解をするために役立つセミナーや本はあるけれど、1個の部品だけでは当然効かない。個々の部品の話ではなくて、それら1個1個がどんな順番でどうつながっているかという設計図を作って、構造化する必要があると思ったんです。

売上の地図の中の「チャットコマース」

渡邊:なるほど。企業のマーケなどの担当者向けに書いているということですよね?

池田:大企業のマーケ担当者は、業務分担が超細分化された部署のチームの中の個人で、しかもジョブローテーションしていきますよね。だから、『売上の地図』に書いていることを全部自分1人でやっている人はいないんですよ。

でも、「自分の仕事はどこからパスが来て、次に誰へパスを渡すのか」という全体図がわかるだけでも、心持ちも仕事の仕方も変わるだろうなと思っています。

(『売上の地図』 p7 より)

渡邊:むしろ関わる人全員に読んでもらって、みんなが設計図を共有できている状態を作れたらグッドだよねと。

池田:そうですね。さらに違う部署間でも、共通言語を持ってちゃんと会話ができるようになればなと思います。

——渡邊さまも、この本のチャットコマースの部分の執筆に協力されたとうかがいました。

渡邊:そうですね。「間違ってないです」ということで確認を(笑)。

池田:人的セールスが関わる商品・サービスの場合、売上にすごく大きな影響を与えるのは店舗での販促活動なんです。そこに、オンラインでコミュニケーションが取れるライブコマースやチャットコマースが出てきて、「これから移行していくだろうな」と思っていました。

ただ、それぞれが「どこに効くのか・効かないのか」ということがすごく重要で、僕はそこまで詳しくなかったのでプロに聞こうということで協力をお願いしました。

新しい手法が出てきて、どこかが成功事例を作ると「うちもあれをやりたい」とみんなが言い始めるので、その時に「チャットコマースやチャットボットが効くのはここですよ」とわかるようにしたかったんです。

チャットコマースで実現する、真のOne to Oneマーケティング

渡邊:「チャットコマース」というソリューション名は、ZEALSが商標を取っているんですけど、かなり広まってきていて、もうカテゴリーネームになってきています。ちなみに、チャットコマースはけっこう網羅性が高いんですよね。

(『売上の地図』 p235 より)

渡邊:ここ(興味喚起)で取れたデータをこっち(購入)に変換できたりするので、マーケティングファネル全般に寄り添えるようになってきています。僕はOne to Oneマーケティングとかパーミッションマーケティングが好きな世代なんですけど、約20年の時を経てそれが実現できるようになってきていると思います。

この真の意味でのOne to Oneマーケティングを実現する上で重要なのが「言語モデルの発達」と「ゼロパーティデータ」という新しいデータタイプの浸透です。

例えば、昨今SNSやメディアでも話題になっている「ChatGPT」は、相当クオリティが高いなと思っていて。あれはOpenAIがリリースした対話に特化した言語モデルを使ってユーザーが対話するためのWebサービスで、例えば「池田紀行ってどんな人?」という質問をすると、「こんな人です」というのを齟齬がない感じで回答してくれるんです。

池田:AIがチャットでのやりとりを学んで、顧客獲得にもつなげられるということですか?

渡邊:そういう世界は着実に近づいてきているし、今でも簡単な問いだったら、ほぼ人間と変わらない会話ができるようになってきています。「One to Oneマーケ実現のための顧客接点の自動化」が、本格的に社会実装される時もそう遠くないのではないかなと思ってます。

池田:人と会話をしているかのような返しが返ってくると。

「ゼロパーティデータ=メリットがある」と思えば、ユーザーは情報提供してくれる

池田:ちなみに、チャットボットで質問に対して齟齬のない返しはできても、そのためにはまず最初にユーザー側のアクションが必要になりますよね?

渡邊:なりますね。それを僕らは「初期会話」と呼んでいるんですけど、最初に僕らのボットに来た時に体験してもらう会話のことを指します。ちょっと診断コンテンツっぽくしたりして、回答するモチベーションを作って、データをインプットしてもらうんです。

この「パーミッションを得られたインサイトデータ」のことを「ゼロパーティデータ」と読んでいますが、サードパーティクッキーの利用が制限されていく中で、今後存在感を増すデータタイプだと考えています。

僕らは先にこの情報(=ゼロパーティデータ)をもらって、相手に最適なタイミングでコンテンツを送っているんですけど、コンテンツを作るところはまだ人力なので、これをどんどん自動化しようとしています。

池田:なるほど。「初期会話をしたい」と思ってもらうところまでは、別のコミュニケーション施策で誘わないとダメなんですね。

渡邊:そうそう。いわゆるインターネットのバナー広告って、自分自身の実感値としては「誰がクリックしているんだろう?」って思うこともあったりするじゃないですか。

でも、やっぱりみんな、クリックしたり自分の情報を入れてくれているので、「メリットがあるなら、自分の情報を渡すのはそんなに嫌じゃない」と思っているユーザーは僕らの感覚以上に確実に存在していますし、こうした個人と企業のあり方は今後拡大していくと思いますね。

そういう意味でも、こうした会話体験から得られるゼロパーティデータは今後主流になっていくと思います。

無理に買ってもらった顧客との関係は、長続きしない

池田:チャットコマースは、初期会話でちゃんとユーザーのニーズを顕在化して、そこからお役に立てますよというものですよね。

渡邊:そうですね。コンバージョン偏重のウェブマーケティングと異なり、無理やり刈り取るわけじゃなくて、本当に不安が解消されて納得した人だけ購買につなげられるんです。これがめちゃくちゃ重要なんですよね。

僕は、LTV向上のためには、「最初の購買が発生する時の状態も良くなきゃいけない」と思っているんですよ。無理やりクーポンとかで引っ張ってきて買ってもらっても、本当に納得して購買しているわけではないので、長期的な関係性を築きづらい。こういうのって、購買後のコミュニケーションをがんばっても、なかなかリカバリしきれない。

でも、最初にある程度の疑問が晴れて初期購買してくれると、測り方はいろいろありますけど、その後のLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)も高くなることがあるんです。我々の導入事例でいうと、リスティング広告から入ってきた方よりも高くなったりすることはたくさんありますね。

池田:例えば車を買おうというニーズが顕在化した人がいたとして、「もっと知りたい」と思って、まずオウンドメディアを見に来ても、次はディーラー(販売店)に来てもらいたい。オウンドメディアをちょっと見に行くのとディーラーを検索するのとでは、当然まだ温度感に差があると思うんですね。

そこにチャットボットが入って、「あれはどうなの?」「これはどうなの?」というのが聞けると、不安が解消されたり理解が進んだりして、ディーラー検索とか試乗予約に行きやすくなる、ということですね。

渡邊:そうですし、今日の売上にならなくても、ずっと関係性を維持することで、未来の売上につながるので、焦って刈り取る必要がないのもいいところですね。

長文が読まれにくい時代に、どうすれば情報を届けられるか

渡邊:あと、僕らの時代はけっこう長文のブログを一生懸命書いてましたけど、今はコンテンツが分散してきて、Twitterぐらいの文字量になっているじゃないですか。

読解力が下がっているという話も聞きますけど、これは大きなトレンドだと考えていて。例えば長いLPを読んでもらうよりは、問いに対して答えを返すチャットコミュニケーションの方が、メッセージが伝わりやすいことが増えてきている。

よくLPやウェブサイトの企画の話になると、その「内容」について多く議論されることがありますが、「どのようなコンテンツフォーマットでその内容を届けるのか?」というところにもチャットコマースは一定のポジションを得ているなと思ってます。

池田:その通りで、悩ましいところですよね。短文はごくごく飲める情報で、1〜2万字の記事は噛まないと飲めない。みんながだんだん長文を読まなくなってきたから、“飲み物化”をしようというのがまさにチャットだと思います。それに抗うために、僕はたまに2万文字のnoteとかを投稿してみるんですよ。

渡邊:(笑)。

池田:「こんな長文は誰も読まない」と思っているけれど、実はけっこう読まれていて。とはいえ、(Twitterと長文noteの間の)ちょうど3,000字とか5,000字ぐらいでバズるものがなくなってきている感じはあります。

渡邊:そうですね。

池田:完全な液体と、すごく硬い固形物みたいな情報があったとして、後者は超良いものじゃないと、絶対に誰も口に入れてくれない。

2万字の記事も話題になってなかったら誰も読まないんだけど、ある程度のインフルエンサーが「これはすごい」「これは読むべき」とツイートしてくれると「長文だけど、あの人もあの人もいいって言っているから読むか」といった感じで読んでくれるんですよね。

「誰々が書いたから」「誰々と誰々が薦めているから」という取っかかりがないと、やっぱり情報を噛み始めようとはしてくれない。そういう意味では「べき論」ではなく、どういうアプローチをしたら浸透するのかというふうに考えるのは、とてもいい方法ですよね。

取っつきにくいコンテンツの理解を助ける、チャットの使い道

渡邊:あとは使いどころかなという気はします。例えば、僕らも金融商材や自動車の細かい約款とか契約に関する各種条項はなかなか読めないじゃないですか。

チャットボットは、そういう情報を解きほぐして伝えられると思います。読解力の低下がそのまま理解力の低下につながるわけでもないかなと思ったり、専門的な商品の理解には向いている気がしますね。

池田:なるほど。要するに役割分担だなと思います。僕は昔『ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳』という本を書いた時に、全編マンガにしたいと編集者に相談したことがありました。

その時に「池田さんが言いたいことをマンガにすると、内容を10分の1まで圧縮してから、マンガでストーリー展開をする必要がある。だから、マンガはわかりやすいけれど、伝えられる情報は10分の1になってしまいますよ」と編集者から言われたのと似ている気がします。

つまり、数万文字を最初から読みたいと思わせることは難しいけど、チャット形式にすることで「だったら読んでみようかな」と思わせるきっかけや動機づけになる。

渡邊:本の要約YouTuberみたいな。

池田:はい。例えば、オウンドメディアのコンテンツを読んでほしい時に、「いやいや無理無理」と思っている人に、チャットで「気になったらここで詳しく」という感じで、入り口を作るのはありだなと思います。

渡邊:そうですね。たぶん今までテキストフォーマットでの解決策がなかったので、チャットボットがそこにはまっているのかなと思います。動画ではTikTokやYouTubeの切り抜きが市民権を得ていると思いますが、チャットボットによるコミュニケーションも今後のマーケティングの世界で市民権を得ていくと思いますね。

目の前の課題を解決するには「診断と処方」が重要

池田:今の若者は「電話は緊張するし嫌い」とコールセンターに電話しないし、メールもあまり使わない。そうなると、この先の問い合わせのハードルを越えていくのはLINE形式のチャットだから、賢いところに目をつけているなと思います。

渡邊:僕が前に「Geppo」という人事システムをやっていた時に、こんなことを考えたことがありました。会社がある程度の規模になると、各社産業医と契約して相談できる窓口を設置していると思うのですが、今の若い人たちはなかなか電話だと相談してくれない。問い合わせ率が低くなっちゃってるんですね。

それで、チャットなら相談しやすいからと有人チャットを開設窓口したら、今度は応答工数が電話の3倍〜5倍かかることがわかってしまった。電話ならすぐに返せるものが、チャットはテキストに落とすのと、センシティブな内容が残ることにもなるから。

その確認などで工数がかかるので、結果的にコストも数倍になる。でも、その方が相談はしやすいというジレンマがあり、なかなか解決する手段がなかったのですが、こうした課題にもチャットボットはうまく生かしてもらえると思いますね。

本質的な問いはやはりちゃんと人が対応しないと厳しいですけど、簡単な仕分けはボットでやったほうがいいよねということで。

——確かに、チャットボットが有効な場面が人や時代の変化と共に広がっている気がします。先日の池田さまがnoteに書かれていた「診断と処方」の話にも通じますね。無数の課題に対して、どんな“薬”が効くのかという見極めがすごく大事だと思います。

池田:そうですよね。人間って生きていればいろいろな病気にかかりながら大人になるから、頭が痛ければ「頭痛薬だな」とか、「このくらい体調が悪くなったら病院に行かないと」と考えるじゃないですか。

マーケティングの場合は、それが軽い症状なのか重い症状なのかがよくわからないということがあって。わかりやすい身体症状ならどこが悪いかを自覚できたり、知識があれば適切な治療を選べたりするかもしれない。

でも、(仕事に関する課題は)そもそも自分の中で「ここが悪いからこのセミナーに行こう」「この本を読むべきだ」という仮説がないとたどり着けないんですよ。なんとなく本屋さんに行って、売れていそうな平置きの本を見て「今はチャットか!」みたいな話になるわけです。

世の中には、間違った「診断と処方」があふれている

池田:だから、まさに診断なんですよね。ZEALSは、本当にマーケター向けのチャットボットを作ったほうがいいかもしれませんよ!?

渡邊:(笑)。

池田:「こういうことに困っているんです」「それなら胃腸科に行くといいですよ」というふうに、大枠でどこに行けばいいのかがわかるようにしていかないとダメだと思うんですよ。

渡邊:そうですね、そこはまだ人が入ったほうがいいでしょうけど、課題の仕分けとかそういうものは必要ですよね。

池田:そうですね。しかも業界1位の会社と3位の会社とで課題は違いますし、アイスか車かといった商材によっても違うから、縦・横・斜めと立体で違うんですよね。この業界のこの市場ポジションとこの課題と予算ならこれがお薦めだけど、同じ業界でもポジションが違うと別の施策のほうが有効ということもあって、正しい診断ってとても難しいんです。

渡邊:昔と比較すると複雑化してるんですかね?

池田:昔はすごくわかりやすくて、「認知が足りていないから認知を高めよう」とか「店頭が弱いから店頭販促をがんばろう」みたいな話でしたが、今はなんだかいろいろな部分が少しずつ悪いという感じなんですよね。

「これをやったら一発OK」という話ではなくて、「ここが0.8で、ここが0.7で、ここが0.6で、全部を掛け合わせるといくつ」という計算のような話だから、いろいろなところを全体的に直していかないとならない。しかも、施策をする側も部署やチームが違うから、ここが悪いのに違う部署が自分の仕事だと誤解して、ぜんぜん違うことをやっていることがあるんですよね。

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