オフィスのカッコよさも「働き方改革」の一部

越野昌平氏(以下、越野):FiNCさんのアプリケーションは非常に人気があって、当社藤原さんも毎日使っているんですよね?

藤原茂晴氏(以下、藤原):毎日歩数を数えています。ポイントももらっています。

小島かおり氏(以下、小島):ありがとうございます。

越野:SlackでFiNC SPIRITを共有されていらっしゃるということでしたが、社員の方が全員されているということだと、見るのはけっこう大変なんでしょうか?

小島:そうですね、みんな見てますね。これは社長が自ら重要だと言っていますので、必ずみんな読んでいます。

越野:素晴らしいですね。ありがとうございます。では続いて尾形さんから、freeeの施策についておうかがいできればと思います。

尾形将行氏氏(以下、尾形):その前にちょっとだけ。気になったんですが、(FiNCさんでは)瞑想されるということですよね。私はミーティング時間に3分ぐらい遅れてしまうことがあるのですが、そういう人はいないですか?

小島:けっこういます。

(一同笑)

尾形:瞑想が終わったあとに入ってくる?

小島:瞑想している間にコソコソと入ってきて、チーンっという音で終わって、そこからミーティングが始まります。

尾形:すごいですね。うちも取り入れたほうがいいなと思いました。freeeではオフィスのインテリアもウッド調にしたり、グリーンを多く置いています。これは会計ソフト業界が堅くて難しそうなイメージだからこそ、敢えて「らしくない」を追求しています。

あとは、地下の部屋をムーディーな空間にしてビーズクッション等を置いて、仮眠を取ったり、リラックスしながら働けるようにするなど、いろいろと工夫しながらやっています。

越野:ありがとうございます。そうですね、オフィスがかっこいいというのは、けっこう大事かなというご指摘が上がっています。かっこよさや働きやすさという観点で、こういうところで働きたいなと思ってもらえるということも、働き方改革なのかなと私は個人的に思っています。ありがとうございます。

行動指針をグローバルに徹底させるために行っていること

越野:では、藤原さん、Slack側として何かあればお願いします。

藤原:先ほどお伝えしたように、Slackを通じて働き方を改革するというところもそうなんですけど、さらに加えていくと、会社のカルチャーが、生産性を向上させるのに大きく寄与するという話をできればと思います。

先ほどお伝えしたミッションもそうなんですが、行動指針があって、「Playfulness」楽しい、「Empathy」、「Courtesy(思いやり)」、「Craftsmanship(みんなで作っていく)」という6つの行動指針があります。会社が急成長していても、そこをしっかりと浸透させていく。それこそが生産性の向上なのかなと考えています。

そもそも、そういったマインドセットをもっている人が採用されていて、ベースがあるというのはもちろんです。そのなかでもグローバルで浸透させていくための(施策の)1つがオールハンズ、全社会議ですね。いまだに全社会議を毎月1回、1,400人全員参加でやります。

私たちはZoomというコミュニケーションツールを毎月使っています。あいにく日本時間ではだいたい深夜2時くらいが多いんですが、そのZoomで全員が集まって、CEOやCTOなどいろんな方からお話がある。そこでは行動指針が本当に口酸っぱく言われます。

そのデータはしっかりとレコードされて、誰でもそのあと見れるようになっている。月初版のオールハンズもあって、それも毎月その部署の人間が全員参加して、そのあと録画して見にいって、そこでも口酸っぱく言われるようになっているというのが1つです。

その中でもクエスチョンなところがたぶん出てくると思います。そういった内容についてはSlackに「exec.ama」というチャンネルがありまして。amaというのは「Ask me anything」ということなんですが、エグゼクティブのCEO・CTOなど、そういった方々に質問を直接投げかけることができます。そういったカルチャーを作っていくことに対して疑問を持っていたとしても、直接聞くこともできちゃう。そんな環境を作り上げるということそのものが、私たちの施策かなというところであります。

8時間きっかりで退社することが、本当に生産性向上につながるのか

越野:そうですね。私もSlackに入って3〜4ヶ月なんですが、そのフラットさというのは「コミュニケーション向上させましょう」、「コミュニケーションをオープンにしましょう」という観点でもできているのかなと、私も感じているところです。

2つ目の大質問に移らせていただきます。ちょっとネガティブに聞こえてしまうかもしれませんが、「こういう施策でけっこううまくいっている」というお話を各社様からいただきましたが、おそらくそれが定着するまでにはいろいろな課題があったかと思います。

例えば、新しい方がなかなか馴染んでくれないとか、新しい施策を始めるときにこのメンバーがなかなかついてきてくれないとか。施策を推進するうえで、組織がアライメントを取ることが難しいケースがなにかあれば、ぜひお聞かせいただければと思います。小島さんいかがでしょうか。

小島:そうですね、健康を推進するというのはそんなに難しくはないのかなと思います。企業カルチャーに関しては、どんどん新しい人が来るのでちょっと工夫しています。刷り込みじゃないですけど、新しい人が入ってくると必ず5回バリューランチ(FiNC SPIRITについての体現など語りながらランチをすること。)というものに行ってもらうとか、そんなことをしてしています。

いままで話してきた話から少しそれちゃうんですけど、働き方改革を推進するという意味での課題をお話します。働き方改革というのはブラックな面をなくしていこうというのもあると思うんで、そういうことをちゃんとやっていこうとすると、うちなんかはエンジニアが多いこともあって……。エンジニアって働くのが大好きなんですよ。

途中で作業を止められちゃうと、せっかく乗ってきたのに、というところがあります。「毎日8時間で帰ってください」となると、逆にモチベーションが落ちるということもあって。そのあたりは今後の課題ですね。

時間を縛ることが、働きやすさの向上につながるとは限らない

越野:難しいところはありますよね。freeeさんもエンジニアがたくさんいらっしゃると思うんですが、そういったところでアドバイスいただけますか。 

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