原点は「俺らが面白ければいい」 カヤック・柳澤氏が語った、面白く働き続けるということ

Let's start up! #1/4

IVS 2014 Spring Workshop
に開催

SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)出身の3人の起業家、カヤック・柳澤氏、コロプラ・千葉氏、じげん・平尾氏が、母校で起業を目指す後輩たちに向けて行なった講演。個人・企業の成長の仕方、スタートアップ時の心得、ベンチャーが求める人物像などについて語りました。(IVS 2014 Spring Workshopより)

個性豊かなSFC卒の3人の実業家

小林雅(以下、小林):今回のセッションは、起業、スタートアップというテーマでいきたいと思います。

今回お呼びしているお三方は年齢、世代が分かれているんですけれども、それぞれ学生の時とか若い時から起業しながら、ユニークな経営といいますか、変わっているといいますか、違った意味で面白い会社経営をされています。ということで、まず先輩からご紹介したいなと思います。「面白法人カヤック」の柳澤(やなさわ)さんです。よろしくお願いします。

柳澤大輔(以下、柳澤):よろしくお願いします。

(会場拍手)

小林:柳澤さんの本名は「やなぎさわ」さんなんですよね。

柳澤:そうです。本名は。

小林:本名は「やなぎさわ」さんで、面倒くさいから「やなさわ」さんにしたという話を聞きました。

柳澤:そうなんです。

小林:さすが「面白法人」といったところですね。ありがとうございます。続きまして隣は、先ほど登壇されていたリクルートの加藤史子さんの旦那さんということで、いじられて本当にヒートアップしていますけれども、僕からもどんどんいじっていきたいなと思います。「コロプラ」の千葉さんです。よろしくお願いします。

千葉功太郎(以下、千葉):旦那です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

小林:そして、今回の中では一番若手。最近上場されて資産価値もうなぎ登り「<a href="http://zigexn.co.jp/#zigexn_top"tareget="_blank">じげん」の平尾さんです。

平尾丈(以下、平):どうも、「じげん」の、「愛情、友情、平尾丈」こと、平尾丈です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

東証一部上場でも、まだスタートアップ

小林:今回も早速、自己紹介がてらプレゼンという形で、SFCの時にどんな学生だったのか、どんな風に起業したのという話など簡単に触れたいと思います。じゃあ最初は千葉さんで行きましょうか。今回「コロプラ」さんは本イベントの特別協賛ということなんで、熊のぬいぐるみとかいろいろお配り致したいと思うんですけれども、どうもご支援いただきありがとうございます。

千葉:いえいえありがとうございます。では改めまして「コロプラ」の千葉です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

千葉:皆さんこれもらいました? 

千葉:今日は特別に非売品の熊を入れておきました。ヤフオクに入れない約束で持って帰っていただければと思います。

(会場笑)

結構余ってるらしいんで、今日来れなかった友だちとかいたら、その分もぜひ持って行っちゃってください。ではよろしくお願いします。最初にですね、CMを流そうかなと。

千葉:観たことありますかね? これ知ってる人。

(観客が挙手をする)

やった! ありがとうございます! CMやってよかったです。CMやるとなんか急に有名企業になった気分になれて嬉しいですよね。CMを初めてやってみたのはこの一年くらいなんですよ。創業からまだ5年くらいなんですけど。それでは、まず自己紹介を簡単にやってみます。僕は93年入学です。恥ずかしい写真見つけて来ました。卒アル(笑)。

千葉:アドグル(アドバイザリーグループ)の写真で、まさかの恥ずかしいやつですね。t93なので、4期生です。AVコンサルタントメディアセンターにいました。AVって、あのアレじゃないです。オーディオビジュアルの方ですね。

秋祭りの実行委員会、クラブ棟鍵の貸し出し、奥出先生の授業を取ったりとか、今はいらっしゃらないんですけど、藤幡正樹さんの研究室とかカメラとか、あと友だちとCD-ROMの仕事をガンガンやってたりとか、結構仕事をしながら学生生活を、SFCをフルにエンジョイし、24時間SFCにいるんだけど、時々昼間に出勤するというスタイルで、楽しくやってました。

その後リクルートに入って、企画職をやった後、「サイバード」ってところに入りました。元々ベンチャーを、特にその中でもモバイル系をやりたかったので、そこからやりたいと。で、2001年に「KLab」と「ギガフロップス」の二社の創業にありがたく携わらせていただいて。

この後登壇する(株式会社ネットプライスCEOの)佐藤輝英くんとか、SFCの仲間3、4人+リクルートの仲間と起業して2009年に「コロプラ」がスタートしております。その時の恥ずかしい写真、やはり見つけて来ました。こんな感じですね。

千葉:これが2009年1月のコロプラ社。場所は秋葉原のとあるマンション、六畳一間。なぜなら、自作PCが買いやすいから、という理由で社長が秋葉原の近くにいたので(笑)。社長の馬場は「KLab」時代に一緒に働いていた優秀なエンジニアなんですけれども、一緒にスタートしております。そこから何だかんだと生きてきまして、ちょっと嬉しい話があって、来週の火曜日、東証一部に上場することになりました。

(会場拍手)

千葉:ありがとうございます。別に我々がすごいんじゃないですけれど、スタートアップというお題なんで、6年、5年半とちょっとで、マンションの一室の完全独立形の会社が一応、東証一部になったという事例のお話ができればなと思っております。自慢したいわけではないんですね。

千葉:で、うちの会社なんですが、"Entertainment in Real Life"、「インターネットでリアルをつないで世界中の日常をより楽しく、より素晴らしく」ということをやりたい、非常に若い会社です。それで非常にクリエイティブな会社なんですけれども、スマートフォンのゲームに今特化していまして、「黒猫のウィズ」は2300万を突破して、全体では今8000万ダウンロード越えたくらいですかね。

いっぱい作っていて、特徴としては、全部内製。社内のエンジニア、プランナー、ディレクター、デザイナーが一生懸命考えて作ると。その結果なんとか、世界ランキング、Google Playでは最近上の方に出るようになってきて。

ゲームってすごい馬鹿にされるんですよ、日本社会において。「ゲームなんてやってるのって、どうなの?」とか、「そんなことやってどうすんだ」とか、よく言われるんです。でもゲームって、インターネット市場において日本が世界で戦える、力を出せる分野なんじゃないかと思っていて。我々は日本のベンチャーだからこそゲームに力を集約して、世界でちゃんと戦ってほしいな、と思っています。

その証拠に、トップ10ランキングを見ていても、日本の旗がいっぱいひらめいているんですね。

千葉:これ、素晴らしいことだと思いません? 他にインターネット業界でこんなに日本が頑張っているところはないんじゃないかと。

千葉:そして「コロプラ」はゲームの力に位置情報を加えたりとか、リアルの連携をしたりとか、そういうことを行っていて、例えば位置情報は嫁さんの会社(リクルート)と業務提携をしたりとかしながら、非常にいいサービスを提供しています。まとめると、スマホゲーム、あとゲームとリアルを連携させたり、位置情報を活用したこととか、こういうことを本気で頑張って行きたいと思っているベンチャーとして、我々はまだまだスタートアップだと思っています。

人数もたった390人だし、世界ランキングもまだまだ下の方にいると。で、世界の市場の広がりを考えると、こっから10倍とか100倍とか行くはずなんで、そういう意味では全然スタートアップだという話をちょうどこの間の新卒社員にも研修でしたばかりですが、こんな"ど"ベンチャーの視点ということで、今日はよろしくお願いします。

(会場拍手)

福沢諭吉が語った「慶応らしさ」とは?

小林:どうもありがとうございます。では続きまして柳澤(やなさわ)さんに。

柳澤:なんか全然小林さんにもらった質問と違う感じなんですけど、いいですか?

小林:いいですよ。

柳澤:では初めまして、「面白法人カヤック」の柳澤(やなさわ)と言います。千葉君の一期上の三期生になりますね。SFCの話が今日はどっぷりできるのかと思って楽しみにやって来ました。僕は高校から慶應だったんだけど、入る前に『学問のすゝめ』を初めて読んで。読んだのが初めてなはずはないんだけど、初めてじっくりと読んだって言うのかな。さすがに慶應行くんだったら読んでおかないわけにはいかないと思って。

そしたら実はSFCが最も慶應らしいということが書かれていました。知っていましたか? 知らないでしょ。SFCってできたとき、慶應っぽくない、慶應っぽくないってさんざん言われて、今までの慶應らしさから外れた人が揃っている、そういう学校なんですけどね。(自分は)高校から来ているから、そういう感覚もよくわかるし。

ところがですね、福沢諭吉先生の本には、最も新しいことっていうのかな、とにかくイノベーションを起こすことについてものすごくたくさん書かれていて、「慶應らしくないものを作るのが最も慶應の精神だ」って書いているんですよ。つまりSFCが一番慶應的な感覚を持っていると言うことなんだな、ということが本を読んでわかって、かつその本に書いてあることはほぼカヤックの理念と同じだった。あらららららっていうね。

(会場笑)

小林:現代の福沢諭吉ってことですね。やがてお札になるっていう。

柳澤:そうそう。僕は思ったんだけど、たまたまSFCの3人でやってるからなんだけど、知らず知らずのうちに影響を受けているのか、そういう人間だから慶應を選択したのか、カヤックを作ったのか。わかんないですけど、たぶん学生の頃からその人の本質っていうのは表われていて、自分の選択に一貫性があるんですよ。

なので何が言いたいかっていうと、これから起業したり会社に入ったりすると思うんですけど、会社の理念が自分の感覚と一致していないとたぶん間違ったものになるし、直感で大学を選んだと思うんだけど、大学のルーツとか考え方を見ていくと、たぶん自分の感覚に似ていると思いますよ。そういうことになるんだろうなという気がしますね。

柳澤:何だか全然違う話になってしまったんだけど、質問いただいたんでね、SFCにいた時何をしてたか。僕はね、勉強してました。学生の本分という意味でいくと。高校は付属であまりにも勉強しなかったから、逆に大学では勉強して、成績がB1個、あとは全部Aっていうくらい勉強してましたね。真面目なんですよ、とにかく今やることを一生懸命にやるっていう感じで。

どんな研究をしていたかというと、今これ競馬の写真が出ていましたけれども、武藤研というのに入って、ニューラルコンピューティングというのを利用して競馬の予想プログラムをほぼ三年間作ってましたね。ちょっと特徴的で、馬の運を予想するというのを作ってました。単純に競馬の一着二着を予想するプログラムを作っても、世の中の人気とあまり変わらない結果になるんですよ。それならあんまりやってもしょうがないなと。

であれば、一番人気の馬が一着になる運が高いか低いかっていうのかな、二番人気だったら二着より上に来るか下に来るか、三番人気だったら三着より上に来るか下に来るかというだけを予想するってのを二年くらいかけてやって、結構なとこまで行ったんですけど、だめでした、全然(笑)。っていうのをやってたのが学生時代ですね。

俺らが面白いと思えばそれでいい

柳澤:で、卒業して、一応この写真のとおり三期生三人で立ち上げました。貝畑、柳澤、久場、頭文字三つをとって「カヤック」と。大学一年の時にもう会社を作ろうということを決めていて、三人で沖縄旅行に行って、シナリオを考えました。卒業して僕がサラリーマンを二年くらいやって、久場がアメリカに放浪して、貝畑が大学院に行って技術を学ぶと。で、二年後に集結してカヤックを作ろうと。で、その通りに会社を作ったのがカヤックっていう会社ですね。

ただ、することが何も決まってなかったっていうね。とりあえず集まって、っていうそのシナリオしかなかったんで。今でも覚えていますけど、久場がアメリカの空港から帰ってきてそのまま僕ら二人が住んでいた家にやってきて、三人の共同生活がスタートしたんです。なんにもすることが決まっていないので給料は5万だったかな。僕がソニーミュージックを辞めたばかりの時、ボーナスが80万くらいあったので、それを三、四ヶ月くらいでくいつぶして、さあどうする、というところからスタートした会社です。

柳澤:なぜ創業したか、スタートアップの楽しさは何か、という質問をいただいたのですが、一番最初に決めたコピーっていうのが、実はその「面白法人」っていうもので、どんな会社にするかということですね。起業家っていうのは普通、どんな事業をやるかってことを考えるんだよね。

ところが僕らはどんな会社にするかってところから入ったんですね。面白く働く会社がいいなと。とにかく楽しそうに面白がってたらそれでいいんじゃないかと。それで面白法人って付けた。で、他の人から「面白い」って言われるほうは後回し、と思ってたんですけれども、15年やってきて、いろんな面白い制度がありますので、それを人から面白いと言われるようになって来たと。ただ、出発点、原点は「俺らが面白ければいい」というところでスタートしました。

で、それを徹底するために、やはり言葉の力というのがすごく重要で、言葉を先に作るとそれを実現するために仕組みが生まれてくるんですよね。例えばうちは今250人くらい社員がいますけれども、全員に三ヶ月に一回「面白く働けていますか」っていう問いを十段階のアンケートでやってます。

そうすると面白く働けていない人の割合が増えてきたら会社の活力が下がったということで、人事が手を打って面白く働けていない人に話を聞いて直していったりとか、自分の部下に面白く働けていない人が多いチームのリーダーは評価が下がるとか。そういうふうに言葉から評価が生まれ、評価から文化が生まれていくというそういうような順番になってます。

だからすごく言葉の力を大切にしていて、「初めに言葉ありき」という言葉があると思いますけれども、言葉を使ってドライブしていくという形ですね。最近は結構当たり前になっちゃったんだけれども、僕らが起業する時っていうのは、おじさんたちから「仕事なんて楽しいもんじゃないし、友だち同士で起業したってうまく行かないぞ」とさんざん言われましたけれども、何をするかに対するキーワードを大切にして、気の合う仲間とやれば、事業はなんでもいいんじゃないかというところからスタートしてやってます。

柳澤:それでまあ急に会社概要になりますけれども、うちもゲームとか作っていて、コロプラさんより前にうちも「クイズキングダム」ってクイズゲーム出してました。あとは「koebu」っていう、日本最大オタク媒体はpixiv・ニコニコ動画・koebuって言われてますけれど、そんな音声投稿のコミュニティサイトをやっていたりとか。

あと、三割くらいのチームが広告的なキャンペーンの仕事をやっているので、例えば今年やったものだと「貞子」ですね。スマートフォンと映画を世界で初連動させると。スマートフォンのアプリをダウンロードして、スマートフォンを起動させながら「貞子」を観ると、映画の中で電話が鳴る時、自分の電話が鳴ってくるとか。

これ観た方いますかね。何人かですかね。このアプリはすごい面白くて、実際観終わって夜中の十二時に貞子から電話が掛かって来て、おお怖い、びびる、みたいな。すごい話題になりました。

左下に「うんこ演算」とかあるんですけど、これは長くなるんでやめましょう。こんな感じです。

小林:どうもありがとうございます。

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