なぜ芸能人のブログは「アメブロ」なのか?
3億円の損失が後の成功に

失敗力の身に着け方 #2/4

楽天失敗力カンファレンス2014
に開催

失敗は成功のもと。失敗のリスクに果敢に挑戦してきた経営者3名―サイバーエージェント・藤田晋氏、オウケイウェイヴ・兼元謙任氏、ホッピービバレッジ・石渡美奈氏―が一堂に会し、「失敗力」をテーマに意見を交わしたセッション。一流の経営者らが、失敗から得た学びについて語りました。

社員教育で徹底しているのは人間力

岩本隆氏(以下、岩本):次に、組織としての失敗力の身につけ方ということで、議論に移らせていただきます。こちらも、石渡さんのほうから資料を用意していただいています。

石渡美奈氏(以下、石渡):ありがとうございます。切り替わらないですかね、スライドが。ありがとうございます。

組織としてなんですけれども、弊社は来年おかげさまで創業110年の会社なんですが、ちょうど2002年に父からいずれあなたに第3創業、バトンを渡すと私は言われていまして、その時に、「今日からあなたのその第3創業を支える、心を共にしてくれる社員を育てなさい。そういう組織にしていきなさい。あなたに渡すと決めた会社だから、目は離さないけれども、手は離すと、口は出さない」って言われたんですね。

その父の一言が背中を押してくれまして、私はその第3創業の組織を新卒採用にチャレンジして、社会のことを何も知らないピヨピヨ達を私がゼロから育てていくと言って、それを力に学習する組織にしていくという戦略をとったんです。

ですから、創業の歴史の中で本当に100年を手前にした2007年に、新卒1期生が入ってきていまして、現在、約40名の社員のうち過半数がもう入社1年目から8年目までの新卒社員という、あまり老舗でないような組織になっているんですが、その中でまだまだ10年未満の新卒社員ばかりですので、今徹底してやっているのが基礎力なんですね、人間力という基礎力を徹底して教えています。

成功と失敗ではなく、行動と結果で考える

石渡:失敗というのもどういうふうに教えているかと申しますと、弊社は、実は、失敗とか成功という言葉が存在しておりません。なぜならば、私のようにしぶとくなりますと、失敗も失敗と思わずに乗り越えようとするんですが、やっぱり若いと失敗したと思うと、そこからおじけづいてしまって次に同じことに挑戦できなくなる。

例えば、営業の社員があるお客様に叱られると、「あー、失敗しちゃったな」と思うと、もう次からそのお客様のところに行かなくなってしまうんですね。 それは、成長の芽を摘んでしまう。

また、成功というのもこれ問題でして、成功したなと思うと、その瞬間傲慢になってしまって学ぶことをやめてしまうので、実は、弊社には失敗も成功も両方存在していません。

若い社員たちに教えているのは、感情を抜きにして、それはもう自分が行動した結果、成果である。その結果、成果を受けて、それをどう理解して、次にどう続けるの? やめるの? 進化させるの? ということ、これをありとあらゆる手段を使って教えております。

ひとつ、今、その中では、やはり失敗を許す許容範囲というのを私はトップとして持っていますし、マネージャーはマネージャーの器量で持ってもらいますし、若いリーダーは若いリーダーとして持つという。そこは、持つというか受け止めるという、それは奥深い組織にしていこうよと言っています。

石渡:もうひとつ心がけているのが、これうちの社員たちの写真なんですけど、明るくオープンな企業風土、文化にしていこうと。

やっちゃったなと思うことを明るく報告ができたり、語ることができて、そこに対して私をはじめとした先輩社員たち、上司たちがアドバイスしたり、寄り添うことができたり、今そういった企業風土、文化を作ろうということを心がけております。

岩本:ありがとうございます。

社内でのコミュニケーションを円滑にする方法

岩本:それでは、兼元さん、よろしくお願いいたします。

兼元謙任氏(以下、兼元):自分の起業した時の失敗を、社内みんなで共有しようということになっているんですけど……。

まず、起業してしばらくお金が集まらなくて、Q&Aサイトを15年前に立ち上げたんですが、なかなか支援をいただける方がいらっしゃらなかったんですが、そこでいろいろサービスだけをやっていて、これをどうやって広げたらいいかなという時に、楽天の三木谷さんとサイバーエージェントの藤田さんにたまたま目をつけていただいてご出資をいただけたっていうのがラッキーでしたね。

ですが、その後すぐ、ある競合サイトを作ろうとした会社から、「お前ら買収したい」と言われて、結構高圧的な提案を受けたのですぐ断ってしまったんですね。その時に、社員が20人ぐらいいたんですが、小さいオフィスなのでその会話がみんなに伝わっていて、断って席に戻ったら、メールに「社長、もう辞めます」って書いてあったんです。

みんなそのことを聞いて、「大きい会社さんがやってくるので、もうまずいだろう」っていうことを感じて辞めたと思っていたんですが、後々その子に聞いたら、「相談してほしかった」って言われたんですね。

小っちゃいときにちょっと経営者に陥りがちっていうのがよくいろんな本でも書かれているんですが、自分がやっているみたいなことがあるんです。

数10人でも仲間とやっているので、これは迂闊だなと思って、それ以来ずっとコミュニケーションをものすごく大事にしています。自分の携帯とメール以外に、社内にもOKWaveがありまして、社内OKWaveというのはQ&Aで、特に何か提案をするんだけど、どうしたらいいかって聞かれると、特に失敗例を挙げてくれって言っています。

そうすると、失敗例を挙げるんですが、失敗例だけじゃ駄目です。その失敗例をこう乗り越えましたっていうやりとりも出してくれということで、社内でそれを表彰してあげる。「ありがとう」がたくさん多いやつを表彰してあげることで、ともかくコミュニケーションを、社内でもQ&Aをやろうということでシステム化し、制度化してきました。

岩本:何か、失敗力サービスみたいなものを提供できそうですね、このQ&Aサイトを活用して。

失敗を捉える視点

岩本:それでは、藤田さん、お願いします。

藤田晋氏(以下、藤田):岩本先生ご存知かもしれないですけど、サイバーエージェントは大変たくさん新規事業とか、社内の新しい制度とか、本当にとにかく新しい挑戦を多くする会社なんですね。

うちはデータ上のファクトとしては、例えば、新規事業をやるのは必ずしも新会社を作ってやるわけではないんですけど、会社を作っただけでいうと、過去94社、新会社を作って、残っているのは59社なんです。

ですから、1年に何社も作るんですけど、だいたいその成功確率が60パーセント、失敗確率が40パーセントということになるんですけれども……。

柳井さんのほうの1勝9敗とか言われると、9割失敗しているんで結構きついんですけど……。われわれ、もしかしたらちょっと高いほうかもしれないですけど、60パーセントは成功して、逆に言うと40パーセントは失敗するんだというふうに捉えて、失敗がないと6割が取れないので、それも十分にリスクを負った上で事業の投資を決めるというか、そのような考え方をしています。

残り4割失敗したといっても、それは中長期的な会社の財産になっています。例えば、2000年にわれわれ10数億しか売り上げがないのに、7億円もメルマっていうサービスにテレビCMをガンと打ったんですけれども、それを打ったことで、今後のCMの打ち方というのを今学んで効率が上がってきていますし、単純にCMを打てば伸びるわけじゃないというのがわかりました。

なぜ芸能人のブログは「アメブロ」なのか?

藤田:2002年から2003年にかけては、テレビ番組をひとつスポンサーとしまして、これは秋元康さん、当時はおニャン子クラブとAKBの間で、秋元さんもそんなに調子がいい時期ではなかったんですけれども、今のフジテレビの吉田正樹さんというプロデューサーの方とかにお世話になって、その番組をやりました。

ちょっと金額は忘れましたけど、だいたい月5,000万だったから、3億ぐらいか、当時のわれわれとしては大きな額を投資して、全くうんともすんとも事業には跳ね返ってこなかったんですけれども……。

その時もやっぱり、失敗したんでいろんな人に「芸能界の人に騙されているんじゃないか」とか、「藤田がミーハーでやっているんじゃないか」とか言われたんですけど、やっぱりそれを機会に、いろんな番組制作の方とか、プロデューサーの方とか、構成作家の方とどんどんつながっていきました。

それがその後のアメブロにおける芸能人ブログ、非常に芸能人が多く集まっているのは、あれをきっかけにたくさんの芸能事務所とのつき合いが広がっていって、特にサイバーエージェントは付き合えるというようなご判断をいただいて、他のブログではなくみんなアメーバに来てくれたというのがあります。

失敗したことはやっぱり組織の財産になってきているので、6割成功して4割失敗して、4割は必ずしも無駄ではない。そのために、制度面と風土面の両方で可能になるように一生懸命やっております。

新経済連盟

shinkeiren

当団体は、eビジネスを中核としたあらゆる産業分野でのイノベーションや成長戦略の実現、公正な競争環境の実現、国民のさらなる政治参加の促進や行政プロセスの効率化、地方の活性化等について、建設的な議論を深めていき、政策提言等を通じてわが国における環境の整備並びに枠組み作りに貢献してまいります。 公式サイト

「失敗力カンファレンス2015」 詳細はこちら

制作協力:VoXT

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