2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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岩本隆氏(以下、岩本):じゃあ他に質問。じゃあ、そちらの真ん中の方。
質問者:藤田さんにお伺いしたいです。今お話を伺っていて、今まで90何社立ち上げたうちの成功率が6割で、失敗率が4割っていうお話が1番興味深かったんですけれども、それだけサンプル数が多いとなると、結構その6割と4割というのは確度の高い数字なのかなと思うんですけれども。
その成功した6割、失敗した4割のそれぞれの要因とか法則みたいなものっていうのは社内で分析されていらっしゃるんでしょうか。もしそういうのがあったのであれば、教えて頂きたいです。
藤田晋氏(以下、藤田):はい、おっしゃるとおり、6割成功しているっていうのは結構確度が高いと僕も思っています。自分達の中でも確率が上がってきていますし、過去はもっと失敗していたと思うんですけれども。
これはやっぱりまず新しい運営にチャレンジする上で、恐らく倒産された起業家の人はみんなそうだと思うんですけれども、要は勝てる確率がより高いところ、7割勝てるとか8割勝てるとかそれ以上であれば、ものすごく多額の勝負をするというか、大きな勝負をするし、勝てる確率が低ければ、勝負をしなかったり、それ相応の挑戦しかしないと。これは、最近僕ちょっと麻雀最強位になりまして。
(会場拍手)
ああ、すみません(笑)。麻雀最強位という日本で1番麻雀が強い人を決める、プロのタイトルホルダーも集まった大会で優勝しちゃったんですけれども、麻雀と同じで、確率が常に伴って、より勝てる時に大きな勝負に出るし、勝ってもリターンが少ない場合は小さな勝負しかしないと。
もしくは無理しないというふうに、状況判断が時々あるので、94分の59と言われても、それが必ずしも一律で同じようなチャンスの規模かって言われるとそうじゃないんです。
ただこれだけ数があると大枠のサンプル率として6対4というのは信じられる数字じゃないかなというふうに思うんですけれども。
藤田:今までですね、我々の1個の反省として、失敗しても、さっきちゃんとそれを1回受け止めることも大事というふうに言いましたけれども、結構流してきたんです。
変化も早いんで、後を振り返るのも嫌いだし。企業文化としてそれを残し、企業の資産として失敗をみなすということを実は去年まで全然やってなかったんですけれども、とある先輩企業、我々がかなり影響を受けているリクルートさんなんですけれども、リクルートさんはそういう企業文化を紙に残すということにかなり力を入れているというお話を聞きまして、そこの部分が欠けていたというふうに感じて、去年からヒストリエっていう部署ができたんです。
ヒストリエって漫画のタイトルなんですけど、歴史記述家みたいな人がずっと付いてて一生懸命書き残しているんですね、そこで起きたことを。
で、それを後から挑戦する人が見て学ぶというものがあるんですけれど。今まで良い人材を採用して、社内を活性化し、ちゃんと人を育成していけば事業は伸びると思って、その採用育成活性化という3つには非常に力を入れていたんですけれども、それに加えて、そういう企業文化のところに今すごく力を入れている一環として、社内の失敗を書き残すというような試みを今やっております。
岩本:はい、では次に質問のある方。
質問者:私は仕事上、精神障害者の施設に勤めています。近年PTSDとPTGという言葉がありまして、要はPTSDっていうのは心的外傷後ストレス障害といって、ショックによってそれが障害となってマイナス方面に進んでいく。
かたやPTGというのはそのショックがその後自分を成長させていくということが、今精神のほうで言われていまして、先ほど藤田さんのお話で人はやっぱり良い時にはついてくるけれども、状況が悪くなると離れていったり、文句を言われるとかっていうお話がありまして、そういう部分でもやはりお三方っていうのは様々苦境を乗り越えてきてリカバリーをしていらっしゃる。
やはり1人ではなくて社員さんがいるという中で、社員に対して、従業員に対して、人材育成で1番大切にしていることっていうのを教えて頂けたらなと思います。
岩本:お三方ということで、兼元さんから。
兼元謙任氏(以下、兼元):ちょっと創業期からいろいろ変わってくると思うんですけど、創業期はですね、信頼がないので選んでいられなくてですね。ともかく会った人に一緒にやらない? って言って、それが良いとか悪いとか関係なくて、ともかく声をかけてレスポンスがあったところに一緒に行くっていう感じなんですね。
段々と先ほどのようなイベントがあった時に、やっぱりこちらが信じないと向こうも信じてくれないので、もうひたすら何を裏切られようが何しようが信じて、アドラーじゃないですけど、他に行っちゃった時には、今このポストはこの人抜けちゃったけどって考えるんじゃなくて、このポストにより相応しい人が新しく入ってくるんだって考えるとわくわくする。
わくわくするとその人を送り出す時も、じゃあ次で頑張れよみたいなことで段々良くなっていくっていうのを繰り返していくとですね、非常に毎回どちらでもわくわくする。
一緒に信じたとおりにやってくれればよく頑張ったなって言うし、いやぁ駄目でした辞めますって言っても、ここに新しい人が来るんだ、より相応しいポジションに、能力を持った人が来るんだ、どんなやつが来るんだろうなっていうのを考えるとですね、彼も自分もお互いにハッピーになれるっていう視点を持つことで、お互いに良くなれるんじゃないかなということが、心の持ち方のひとつだと思います。
石渡美奈氏(以下、石渡):もう一度ちょっとスライドを……恐れ入ります、ありがとうございます。
今うちは中途採用もさせて頂くんですが、今日は新卒のお話をさせて頂くと、社員が入社をしてくる直前、2月・3月に、実はご実家の近くまでお邪魔してご両親にご挨拶をさせて頂いているんです。
要はご子息、お嬢さんを私に預からせて下さいというですね。必ずプロに育て上げますという約束を実はさせて頂いておりまして。
その約束がどういうことかと言いますと、今ここに出したスライドなんですけれども、弊社ではですね、これは今日閉会の辞を述べられます平井理事と全く同じ、共有させて頂いているところなんですが、オーケストラ型組織を目指しております。要は全員がプロであると。
1人1人がソリストとしても活躍出来るし、アンサンブルとしてもお客様に喜んで頂けるし、指揮者、ここは経営者だと思いますが、共にオールホッピーになって大きなハーモニーを奏でた時に、もしかしたら一生忘れ得ぬ感動をお客様にご提供出来るかもしれない。そういう組織にしよう。
だからあなた達を1人1人をプロにしますと。で、どんな人生でも生き抜ける。自分が実現させたい人生を実現出来る、人生を謳歌出来る大人に、ホッピーピープルに育てるというのが約束なんですね、1人1人と。
石渡:その中で10年構想という、プロになるまでの10年構想というものがありまして、最初の5年間は丁稚扱い、もちろん給料は出していますけれども丁稚扱い。徹底的に基礎教育をする。
これは学生気分と社会人意識というお話なんですが、学生はみんな社会人5年目ぐらいまでは学生気分の延長で生きるので、そうではなくて、我々は社会人を常に意識しなければいけない。そのことを徹底して教えます。
その後5年目以降が、ここは共に育つというコ・クリエーションのフェーズに入っていきまして、プロに育てていくという。なので、入社する時に、何があってもこの10年間、愛情もお金も時間も最大限に注いでプロにするからと。
だからこの会社に入ると決めたらば、10年間は何があっても付いてくるという約束をするというですね、実は何の法的拘束も無いんですけれども、ペーパーにサインして貰って、私はそれを貰っているんですね。
その私と1人1人の10年の約束というのが弊社の中で1番大切な約束という位置付けになっていまして、でもそれがあることで、社員達も壁にぶつかった時にそこに振り返ることが出来て乗り越えられるというようなことを言っております。
その私がもっとも大事にしていることというのは、その約束したことを絶対守りぬくという。ですので、社員との約束、私から差し出した手を私からは絶対引っ込めないっていう。
で、この手を離すか、どんな力で握ってくるかは、あなた達社員の選択ですということで、私からは絶対手は引っ込めないということで約束しています。それは何があっても守り抜くということを貫いております。
岩本:ありがとうございます。なんか質問を予言していたかのような資料を次々と(笑)。
岩本:じゃあ藤田さんお願いします。
藤田:我々の会社は創業してから数年、大体まあ4年ぐらいは、本当に社員の入れ替わりが激しい会社で。当時の世の中の空気感もあったんですけど、サイバーエージェントは実力主義の会社で、実力主義の報酬制度だと。
中途採用でばんばん人取りますし、要はアップオアアウトみたいな考え方も流行っていましたから。上に上がるか去るか、みたいな感じでやっていたんですけれど、会社が厳しくなると本当に沈没船から逃げ出すようにみんな辞めていった時期もありましたし、世の中から非常に会社及び僕が叩かれている時に、一緒に批判する社員も結構出てきて、会社を中長期で経営しようと思っていましたので、それではもう脆いと。長くもたない。
どの会社もそうなんですけど、良い時はばーっと人が集まりますけど、悪くなると去っていくような会社は、良い時しかもたないと思いまして、今から10年以上前に長く働ける会社を作ると。
社員も、長期に渡って働いてくれる社員を歓迎するというふうに考え方を改めまして。そうしたらですね、不思議な程、厳しい状況に強い会社に変わったんです。
要は良い時も良い時でみんな活き活き頑張るんですけど、悪い時も長く働く自分の会社が厳しいと、何とかしなきゃとやっぱり思ってまして。
これが昔の時であれば、ストックオプションとか報酬をベースに来ている人とか、その仕事をやりたいと、仕事ベースで集まっていた人だったんですけど、同じ人であっても長く働ける、自分が働こうと思っている会社が厳しい状況になればみんなで力を合わせてこの苦境を脱しようというふうに変わっていきましたんで。
人を育てているというよりは、組織のあり方を変えたことによって厳しい状況に強い組織に変わったなというような感覚を持っています。
質問者:ありがとうございます。
岩本:最後、あとひとつだけ質問お受けしたいなと思います。
質問者:今自分は人が好きなことと、SNSの時代に生まれたということもあり、結構横の繋がりが出来て、全国的に知り合いが出来たということもあって、学生向けの広告代理店業をやっているんですけれど、そういうような形でいろんな社員さんの数とかもお三方抱えていらっしゃると思うんですけれども、人が増えていくと、出来ることが増えて、舞い込んでくるお話というのが増えてくると思うんです。
その中でやりたいことだとか、得意なことだとか、出来ることっていう基準の中で、やるやらないの基準にされていることがあればお聞きしたいというのがひとつと、その基準の中でやられたことで失敗をされて、1番解決しづらかったというか、なかなか解決出来なかった失敗があれば教えて頂ければ嬉しいです。
岩本:はい、じゃあちょっと簡単に1分ずつぐらいでお答え頂いて。
兼元:やはりもう繰り返しになってしまうんですけれども、ミッションに僕らお互い助け合いの場を創造するとかなんですが、頂いたお話はそこに沿ってるの沿ってないのっていう話で、沿っていて立ち上げて駄目な時はどう軸がぶれてたのか、どう修正したら良いのかっていうのを基本的にぐるぐる回していく。
で、それをメンバーと一緒にどうする? どうしない? やるのやらないの? 僕はこう思うけどみんなはどう思う? っていうのを、本当にQ&Aをたくさんやりだして、最後決断するのは責任者なので、最後は任せてくれと。
議論はするんだけど最後は任せる、というようなところの取り決めを、どういうプロジェクトでどうやっていくかっていうところを決めさせて頂いて、フレームワークを作っています。
質問者:はい、ありがとうございます。
石渡:弊社も理念経営を取り入れているんですが、先ほど藤田社長のお話の中にもありましたけれども、最期やるやらないの基準は銀行がOKと言うかどうかです。銀行がNOと言ったら、どんなにやりたくても辞めるというのをひとつ持っています。
そういう意味で今までは一応良いよって言ってくれていることなので、それは続けてきているんですけれども、祖父、父、私という3代の歴史を持つ会社の中で苦労していることがもしあるとするならば、別に苦労とは思っていないんですけれども、やはり遺産の中に良い遺産も残れば、よろしくない遺産もあるわけですね。
特に人が積み重ねて出来たものという。多分私が戦っているのは、先達たちが残してくれた良い遺産のおかげで私は今若い社員たちとすごく幸せな毎日を送れているんですけれども、やっぱり良くない遺産も社内にはたくさんあるんです。
ただそれをきちんと払拭して、新しい土壌にしていかないと、若い社員達は成長出来なくなるので、それを今戦っております。ありがとうございます。
岩本:じゃあ最後、藤田さんお願いします。
藤田:はい。最低限のルールみたいなものを、我々はミッションステートメントと決めておりまして。インターネットから軸足をぶらさないとか、ちゃんとコンプライアンスを守るとか、そういったことが書かれていて、その範囲であれば好きにやっていいよと。
社員の独創性とか芸術性とか存分に活かしてやってくれというふうにやっているので、やりたいものをやっているんですけれども。とは言っても、投資が伴うので、ネットビジネスの場合はそんな石渡社長みたいな大きな投資がかからないので銀行はあんまり関係ないことが多いんですけれども、それでもやっぱり投資が伴うので、最後その人が熱狂した目をしていたら、じゃあやれよというふうになることが多いです。はい。
岩本:どうもありがとうございました。ちょっと時間が参りましたので、これで閉めさせていただきたいと思います。今回、失敗力ということで、失敗だけだとちょっとあれなんですけれど、力という言葉がついたことでですね、非常に有意義なシンポジウムになっているのかなというふうに思っています。
是非ともみなさんも失敗力の身につけ方というところでですね、参考にして頂いて、経営に活かして頂ければというふうに思います。スピーカーのみなさま、ありがとうございました。
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