「複数のコミュニティへの所属」が幸福度につながる

菅原弘暁氏(以下、菅原):ということで、次のパートは「PRの概念、どう変わる?」。わりと抽象度高めのテーマを用意したんですが。これも話しているとキリがないので、大きく世界がこれからどう変わっていくのか、それに伴いPRの概念はどう変わっていくのかについて、お話をできればなと思っております。

ということで嶋さん、これから世界およびPRはどう変わってしまうのでしょうか(笑)。

嶋浩一郎氏(以下、嶋):世界とPRはどう変わるか。大きいテーマだよね、これね。

(一同笑)

ペストが流行したときなんかも、人はもっと自由になりたくてルネッサンスが生まれるとか……それぐらいの変化があってしかるべきだと思うんですよね。明らかに働き方は変わるよね。それは三浦もすごい興味・関心領域があるところだと思うし。

そうすると会社と人との関係が一番(変わるはず)。家族とか教育のこととか、もっといろんなことが変わるんだけど、働き方はまずすごく変わると思いますよね。「もう会社そんなに行かなくてもいいじゃん」みたいになると思うし。そういったときに、PRで言うとインナーコミュニケーションとか企業文化、ミームみたいなものをどう共有する……つまり何が言いたいかっていうと、新しいコミュニティの場所みたいな。

PRって、ある共同体の中で新しい文化を生み出す仕事だから。今までの共同体だと思ってた場所が一回崩壊して、新しい共同体ができていくから、そこをどう捉え直すかっていうのが、このあとのPRパーソンの腕の見せどころかな。勘のいいPRパーソンは「ここに共同体ができてる」というふうにわかる、みたいなとこはあると思うんだよね。

三浦崇宏氏(以下、三浦):そうですね。まさに働き方の部分、僕もそう思ってて。たぶん今回「なんだよ、会社行かなくていいんじゃん」って思っている人もいっぱいいて。

たぶんさっきの話に出てきたエッセンシャル、こういう状況下において、自分にとって何が本当に大事だったかがわかるという話で言うと、たぶん多くの人が「8割の給料でいいんで、6割の労働量にしてくれよ」と思う変化が、大きく起きると思ってるんです。そうなったときに、それによって生まれた時間を何に使うかということが、一つ問われます。

もう一個大きいのが、この昭和・平成とかけて、組織で偉くなること、大卒からのヒエラルキーを登ってくことが求められた時代だと思うんですけど。今たぶん、それよりも「いくつかの複数のコミュニティに所属している」ことのほうが、心理的充足性とか安心感とか幸福度につながるってことがまた、明らかになってると思うんですよ。

会社の組織の中にいることよりも、今こうやってTwitterでPR Tableのみんなを応援している(注:当日配信中、音声トラブルがありました)とか、配信が始まるのを待っている感じに幸福感があったりとか。ヒエラルキーから、複数のコミュニティを作っていくことがすごく重要で。その複数のコミュニティの中で自分を確立することが、おそらくPR的な発想としてすべての人にとって実装されるようになっていく。そんなような感じがします。

:その感覚、すごい理解するね。今俺の背景、経営してる本屋のB&Bのバックになってるんだけど。本屋をやってる自分がいて、雑誌の編集長の自分がいて、広告のクリエイティブディレクターの自分がいて、PRパーソンの自分がいて、会社の経営者の自分もいる、みたいな。そういう多動・マルチみたいなこと、スラッシャーみたいなことはめちゃくちゃ重要になっていくと思うね。

三浦:そうですね。どれだけのコミュニティにどれだけバランスよく所属できるかっていうことなんでしょうね。だから僕、本当に一時期「オンラインサロンとかクソだ」と思ってたんですけど、今こそ必要な時代になってきたと考え始めました。

コミュニティの質は“元に戻る”

菅原:コミュニティといえば、別の言い方をすれば地域社会とも言えると思うんですけれども。松原さんも河さんもそれぞれ、今東京ではないところにいらっしゃって。そこらへんで今のお話聞いてどう思いました、お二人は?

松原佳代氏(以下、松原):じゃあ、私からいきましょうか(笑)。コミュニティ。この話すごくおもしろいなと思って、今お二人のお話聞いてたんですけど。やっぱり共同体に所属する、いろんなコミュニティに所属するっていうのが増えています。まさに私とか河さんって、東京のコミュニティにも所属し、こちらにもコミュニティを持ち、いくつものコミュニティの中で生きていると思うんですね。

私はそのコミュニティの質っていうのが、すごく……元に戻ると思っていて。このつながりとかコミュニティが、誰のために作っているものなのかっていうのが今、コロナで問われたなと感じているんですよ。

もともとコミュニティって地域自治会のような、地域で使われる言葉で。その地域を成り立たせるための、みんなのためのものだったんだけれども。最近都市部で増えているコミュニティというのが、趣味型とか目的型コミュニティと言われているように、自分がなにかスキルを得るとか、自分の自己実現の目的のために、つながりを形成したりコミュニティが生まれてきていたと思うんです。

今回のコロナって、自分の行為が誰かに影響するということを感じる出来事だったと思うんですね。これからのコミュニティのあり方に対してニューヨーク州のクオモ州知事がシンプルに「It's about us, not me」といっていました。

自分のためのコミュニティじゃなく、みんなのためのコミュニティ。自分がgive、与えるところから始まる、もともとの地域の自治会のようなコミュニティのあり方に、これからどんどん変わっていく。そこにどれだけ所属し、みんなのため……先ほどの「小林さん(注:PRTableのオンライン配信担当者)がんばれ」じゃないですけど(笑)、思いやりを持って支え合っていく。そのための役割をコミュニティが持つんじゃないかな、というのを感じていますね。

「場」が変わることで「共同体そのもの」も変わる

河炅珍氏(以下、河):おそらく、共同体・コミュニティをめぐる問題がこれから変わっていく、という話たと思います。

やっぱり私も、共同体的なものを育む「場」が変わっていくことによって、共同体そのものも変わっていくと思ってるんですよね。

例えば私は大学に勤めてるんで、大学が私の「わが社」なんですね(笑)。おそらく聞いてるみなさんとも共通している感覚かと思いますが、いわゆる「我が社」的な意識を持つための条件として、オフィスという物理的な空間がすごく大事だったことを、自宅で仕事をし始めてわかったんです。

この「オフィス」という場所がオンラインに移行していく。物理的な空間ではなくてバーチャルな空間で仕事ができるようになる。シンプルに聞こえる話ですが、実際にはもっと複雑です。共同体そのものが成り立っていく上で、対面式による経験がいかに大事だったのかを、改めて知る機会にもなっているのではないかと思ます。

実際にオフィスというのは、仕事をする空間でもあるんですけれども、人と喋るとか、仕事が終わって飲みに行くとか。あとは入社式をするとか、セミナーや研修をするとか。そういった色んな活動も全部含めて、「我が社」という一体感が生まれてくる。だとすれば、これからオフィスがデジタル化していくとなると、こういった場のデザイン・設計そのものも根本的に変わっていかなければならなくて。

そこでPRパーソンの、おそらく嶋さんがおっしゃったような新しいチャレンジが見えてくるのではないか、と個人的には考えましたね。

“プロフェッショナルなPRパーソン”とは一体?

菅原:やれることが増える半面、やらなきゃいけないことが増えていくと思うんですけれども。あえてその役割を言葉にして定義するとしたら、どんな役割になるんですかね。みなさん、ここらへんどう思います?

三浦:ごめん、何の役割?

菅原:PRパーソンの役割。

三浦:あー……まずその「PRパーソン」という概念そのものがけっこう難しくて。まずPRを「複数の関係主体と合意形成をデザインする能力」と定義したときに、これが今では企業とか、企業の広報あるいは政府系の人材にのみ必要だったものが、すべての人間がメディアになった以上は、全員がそのテクノロジーを持っていかなきゃいけないっていうことだと思うんですよ。

だからさっきのメディアリレーションあるいはメディアスタンスの話だと、すごいシンプルに言っちゃうと「PRの技術と発想を全員持っておこうぜ」ということになってくる。

菅原:全員がね。

三浦:全員が。全員がPRパーソンにならなきゃいけない。その上で「プロフェッショナルPRパーソンとは一体何か」という議論になってくるよね。それはたぶん、大きくはやっぱり企業とか政府とか、あらゆる大きなパワーを持っているもの。その関係主体とのバランスの取り方をデザインする人間だと思うんですよ。

例えばですよ。ごめんなさい、この配信を聞いている中にたぶん関係者もいると思うので。あえて失礼な言い方をしますけど、例えばスタートトゥデイいう企業……今はゾゾか。ゾゾという企業と前澤友作さんっていう個人だったら、どっちの影響力が強いかって、ちょっと一瞬わからないときがありますよね。

個人や企業や政府主体とか、圧倒的に強い影響力を持っている人がいるんですよ。企業としても。それがどういうふうにあれば、世の中にいい影響を与えられるのか。そしてそれが結果、巡り巡って自分のためにも良くなるかのメディア環境を、三方良しでデザインする力が必要になってくると思う。

だから「今このタイミングでそんなことを言ったら、売名に見えてしまいますよ」とか「御社のビジネスモデルでいえば今はちょっと損かもしれませんけれども、このタイミングでこういうことをやらなくてはいけませんよ」とか。そういう最も広い視野と高い視座を持って、強い影響力のある存在に対して、良い情報環境を提案するということ。

今まではこれが「今こういう発言すればいいですよ」「こういう商品作ればいいですよ」「そうすればメディアに取り扱われますよ」。メディアに扱われるにはどうすればいいかという、極めて狭い出口でPRしたと思うんだけど。

そうじゃなくて、極めて広い視野で、360度の視点で、良い行動・良い言動・良い思想を提案できる人間になっていかなきゃいけないんじゃないかなと思ってます。ごめん、ちょっと喋りすぎたかな。

菅原:PRパーソンと呼ばれていた人たちがそういうふうになっていくのは、けっこう僕個人の願いでもあって。だからこういうイベントをやっているわけですけれども。じゃあどうすればそこに行けるのか、そういう仕事ができるのかっていうのが、未だに答えがないんですよ。

三浦:大前提は倫理と教養だよ。

菅原:倫理・教養ね。

三浦:やっぱり嶋さんがこのタイミングで「古典ばっか読んでる」っていうのはやっぱり、ある種のヒントだと思っていて。……あれ、嶋さん寝てます? もしかして。

(一同笑)

:寝てない(笑)。

三浦:あぁ、すいません、すいません(笑)。

(一同笑)

兆しを感じる能力と、それを普遍化する力

菅原:今、三浦さんに聞いて「倫理と教養」という言葉が返ってきたんですけれども。世界から求められる仕事であるはずなのに、やっていけない方がたくさんいらっしゃると思うんです。どうやったらそういう仕事をできるようになるのか。企業から「あのメディアに出してください」と頼まれて終わるのではなくて。もっと世の中を良くする仕事に多くの人が関われるようにするためには、どんなことができるのか。

もしくはPRパーソンがそうなるのではなくて、すでにそれに近い位置にいる方にPRのことを学んでいただくとか。「学ぶ」っていうのもちょっと上から目線で嫌ですけれども、知っていただくのか。両方のアプローチがあると思うんですけれども。

僕の願いとしては、PRの仕事を今してる人にそうなってほしいんです……というのは、どうしていけばいいのか。それは今回を、不謹慎かもしれないですけどチャンスと捉えたときに、どういうふうにしていけばいいのかっていうのが……。

:いろいろ分解できると思うんだけどね。兆しをちゃんとつかめる能力はまずあるよね。働き方がどう変わるとか、親子の関係がどう変わっていくって、たぶん今の人たちこう思ってるよねっていう。まだ言語化されていない世の中の動きを直感的に感じる力と、「でもそれがすごく素敵な未来を創るよね」と言語化できるスキル。兆しを感じる能力と、それを普遍化する力と、その2つかなぁ。

三浦:そうですよね。まさに身体感覚というか。「今、時代の風がこっちに吹いてるよね」とか「今、時代の気温がちょっと上がってきてるよね」というか。社会とか時代に対する、古い言葉で言うところの“肌感”の解像度が高いことが、重要だと思っていて。

それはおそらく……学者系ユーチューバーのイシケン君って友達がいるんですけど、彼が書いてたのが「フロー型の知識ではダメで、ストック型の知識が必要」って言ってて、まさにそのとおりだなと思ってて。

今コロナがどうなったとか、今日は感染者数が少なかったって、そりゃそうなんですよ。土日で検査数少ないからね、みたいな(笑)。更新されていく情報は情報で、もちろん取っていくのは大事なんだけど。

そうじゃなくて、さっきまさに嶋さんが言ったような「ペストが流行ったとき社会はどうなった」「スペイン風邪がはやったとき社会どうなった」「第二次世界対戦終了後にコミュニティってどうなったか」とか。そういう歴史の構造を知っておくことが、結果的に社会の肌感の解像度を高めるんじゃないかという気がしています。

これからのPRは「本質に戻る」

:いいですか、ちょっと話が変わってしまうかもしれないんですけれども。おそらく三浦さんと嶋さんがおっしゃったのとつながってると思うんですけど、私は、このwithコロナ時代、アフターコロナ時代でもいいんですけれども、これからのPRはやっぱり本質に戻るというか、本質そのものを見直すような時代へ突入していくのではないかと思っていて。

そのとき、重要なポイントになるのは、けっこう忘れがちなんですけど、PRって「Public Relations」ですよね。このPublicっていうのは、私は「他者」という言葉で表現したりするわけなんですけれども。

三浦:あまねく他者ですよね。

:そうですね。これからのPRパーソンが倫理と教養っていうところでがんばっていくとき、研究者の立場から現場の方々に期待を込めてお願いしたいのは、「他者」に対する想像力です。これをどこまで追求していけるのか、これにかかっているような気がしています。

コロナ禍っていう状況は、全世界で起こっている問題なので。しばらくの間私たちは集団的なトラウマというか、非常に共通的な体験をすることで普遍的な価値を確認していくと思うんですよね。

ただそれだけではない、もちろんその経験が土台にはなるんですけれども、今世界各国ではすでに分断とか差別とか嫌悪とか、他者の中での分裂が見られているじゃないですか。センスの良い・感度の高いPRパーソンなら、それにどう対応していくのかが問われると思うんですよね。

そのとき、大事になるのは「新しい他者」で。今まで社会に存在していたんだけれども埋もれていて、可視化されなかった他者を、どうやって発見するか。これにすごくかかっているような気が、直感的にはしています。このアイディアに対して、みなさんどう思っているのか、うかがいたいんですけれども。

三浦:僕もまさにそこ、素晴らしい観点だと思ってて。他者に対する想像力というのは、今までは他者というものはもう一定数可視化されてると思ってたけれども、可視化されてない他者がいるってことですよね。

:そうですね。

三浦:まだ生まれていない子どもであったり、自分が想像もできない価値観を持っている人だったり。今まで自分の視野にいなかった価値観の方々とか。他者に対する想像力の「他者」を、どれだけ平行に自分の視点で量産できるかが、すごく重要な時代になっていくんだという気がします。

:まさに。

松原:私もそう思いますね。

withコロナでジェンダーレスは加速する

菅原:そうですね。withコロナ、アフターコロナっていうのは今回メインのテーマではあるんですけれども、withコロナだからといって、ちょっと前までテーマにされてたジェンダーレスとか、そういうのってなくなったわけじゃないんですよね。

三浦:むしろ加速していくんじゃないですか。

菅原:そう、僕これすごく大事だと思って。「withコロナ×ジェンダーレス」だったりとか、そこらへんを取り扱ってなきゃいけないと思うんですよ。最近、ニュースとしては減ってるんだけれども、社会課題を解決するという意味では本当に、withコロナ、アフターコロナをチャンスと捉えられる気もしていて。

:そうですね。アメリカや日本もそうなんですけれども、歴史的に見て社会が危機的状況に陥ったとき、政治家でもいいですし経営者でもいいんですけれども、リーダーたちは何をしていたか。

それまで忘れられていた人々を発見して、つまり、他者を見つけ出して、その他者との関係性を築いていくことで、共同体をアップデートしていくための動力・エネルギーを作ってきたんですよね。

例えばコロナの問題で、すでにいろんなメディアで報道されているのが、障害のある方々にとっての自粛はどういう意味なのかとか。あとは、年寄りの方、福祉施設もそうなんですけど、子どもたちや主婦、シングルマザーやシングルファーザーの家庭とか、あとはインフラの従事者とか。

そういった例を含めて、私たちは自分のことはすごく敏感に捉えているんですけれども、普通の生活者はそれでいいと思うんです。ただ、PRパーソンはやっぱり、普通の人たちの目の届かないところにいる他者をどうやって見つけ出すのか。そこにどうやって光をあてていくのか。これを本当にがんばっていただきたいと、研究者としては思います。

みなさんがそれをやってくだされば、私が追っていきながら研究をすると。非常にいいチームプレーになるので(笑)。

(一同笑)

:本当に心から期待しています。

「痛みを共有する」という前提

菅原:PRパーソン総力戦だと思うんですよね。一人ひとりがやる、ではなくて。

三浦:本当に、現場の仕事は試行錯誤することで、学者先生の仕事は論理的に一般化していただくってことだと思ってるので。一生懸命失敗していかないといけないですよね。今まさにおっしゃったダイバーシティとか。

今回ってあらゆる人、子どもも大人も、あらゆるセクシュアリティ、あらゆる年齢の人、あらゆる国籍の人が同じような危機を同時に味わうっていう。新しいですよね。戦争だったら勝つ国・負ける国あったりとか。地震だったら日本だとか。

世界が同時に一つの危機を共有したっていうのは、これはもう本当不謹慎なんですけど、いろんな悲劇がある中ですけれども、大きいチャンスだと思っていて。だからこそ同じ悲劇を、同じダメージを受けている別の価値観の誰かがいるっていうことを、想像するきっかけになりますよね。おそらく。

松原:先ほどコミュニティの話があったけど、世界全体が大きなコミュニティになったなっていう気がしていて。全体が見えるようになったから見つけ出すこともできる、そういう時代になってきたなと思いますね。

菅原:望まないかたちではありますけれども、痛みって共有できるのかもしれないですね。

三浦:その意味で、痛みを共有するって前提で、さっき河先生がおっしゃったとおりです。一般の生活者はやっぱり視野が狭くてもある程度仕方がないけれども、そしてそれは経営者やマーケターも当然、自分の市場しか見えない。自分の経営する企業しか見えないっていうのがまぁ、仕方がない。ある意味。

その中でPRパーソンっていうのは、Public Relationsですよね、あらゆる関係主体との合意を決定するという知性を持ってるからこそ、最もあまねくたくさんの視点を持って、それを提供できる人間でいたいということですよね。

越境する能力を持つのがPRパーソン

松原:私、先週一つやったことがあって。SDGsの17の項目をプリントして、デスクの前に貼ったんですよ。そこにヒントがあるかもしれない、直感的に「これを印刷して貼るべきだ」という感覚があったんだけど。そこに社会全体を見渡すヒントが、もしかしたら足がかりがあるかもしれない。そういう行為をしました。

菅原:うん、今こそですよね。ちょっと嶋さんの残り時間が短いので、なにか一言いただければなと思うんですけれども。

:そうだね、三浦の言っていた感覚がすごい近くて。越境する能力があるのがPRパーソンだと思いますよ。まったく違うカルチャーを持ってる人たちの間に越境していけるrelationsの作り方と、双方にわかる言語でちゃんと話せること。自分のPR人生振り返るとそうだったんだろうな、とも思うし。たぶん三浦もそうやって、みんなそういうことをやってると思うんだけど。

ディバイドがすごい増えてく状況にもあるわけじゃないですか、今の世の中って。格差もそうだし、ジェネレーションもそうだし、情報に対する感覚値もそうだし。だからこそPRパーソンがめちゃくちゃ重要になっていく感じはしますね。

コロナによって……まぁネットの影響もものすごくあるんだけど、二極分化的なものがどんどん進んでいる。だからディバイドを乗り越えるのは、PRの力だと思いました。

:同感です、本当に。

:という感じで、すいません、次の打ち合わせに行ってまいります!

(一同笑)

松原:行ってらっしゃい(笑)。

三浦:絶対ワイン飲みながらの打ち合わせですよ、これ。

:いや……ちょっとビール飲んでたけど(笑)。

三浦:嶋さん、ズボン履いてます?

菅原:在宅ならではの(笑)。履いてますか?

:今……そうね、脱がなきゃいけないね(笑)。

(一同笑)

三浦:今日はちょっと、女性の方もたくさんいらっしゃるんですいません。

菅原:お忙しいところありがとうございました。

一同:ありがとうございました。