広報未経験からOKANのPR立ち上げに携わった中村氏が登壇

中村星斗氏(以下、中村):株式会社OKANの中村です。よろしくお願いします。みなさん、すごくまじめに聞いてくださってると思うんですけど、みなさんの真剣な顔が登壇者にむちゃくちゃプレッシャーを与えるので(笑)、ぜひ「これはちょっと笑ってあげたほうがいいなぁ」というところがあれば、大笑いしてもらえると助かります。

今回は「PRの目的は何か? OKANのPR、過去と今」をテーマにしました。私がこれまで5年半ぐらいOKANのPRに関わってきているので、その辺りのお話ができればなと思っています。

簡単に自己紹介をさせていただきます。もともと情報番組のADからキャリアをスタートしていて、今6社目です。けっこういろんなところを渡り歩いてきていて、OKANに関わり始めたのは「オフィスおかん」のローンチ直前。実はボランティアというかたちで、毎週1時間のミーティング、プラス、少しプロモートをするぐらいの関わり方でした。

実はPRの経験ってほぼありませんでした。OKANには外部の人間としてお付き合いをした後、入社しています。そのへんを年表にしたので、見ていただきながらお話をしようかなと思っています。

事前にみなさんに謝らないといけないなと思っています。今からお話しすることは「明日から使える虎の巻」ではありません。

今回登壇させていただくにあたって、どんな話をしようかというのを考えていたんですね。私が3年前ぐらいだったらどんな話を聞きたかったかなと考えました。

こういう場に出させていただいても、いろんな広報の方とお話をさせていただいても、“点”というか、そのタイミングタイミングでうまくいったこととか、課題感のお話はよく聞きます。

ただ、個人的には事業会社の広報の経験がなかったので、その先々フェーズが変わっていく中で、そこに対してどう取り組んできたかみたいなところが、けっこうイメージしづらくて、苦労したんですよね。なので、今日は具体の話に触れるのではなく、これまでの流れを薄くお話しします。

たとえば、組織だったら「30人の壁」とか「50人の壁」とか「100人の壁」みたいなのがあると思うんです。それと同じでPRでも、1事業の壁とか、それが複数になるとまた壁がある。そこをちょっとでもイメージしていただけるような話ができればいいかなと思っています。

OKANのPRの考え方

はじめに簡単に会社の話をさせていただいて、そこからOKANのPRの考え方、そして、PR史の話をしていければいいかな。

ちなみに、OKANという会社を知っている方って、どれぐらいいらっしゃいますかね?

(会場挙手)

おっ、めっちゃホームじゃないですか。ありがとうございます。OKANは、「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッションにしています。よく「ミッションファースト」と社内でも言っていますが、このミッションを実現するために、事業だったり組織を作っています。ミッションについては話し出すとちょっと長いので、割愛しますね。

今やっている事業は、「ハイジ」という企業の健康診断をするようなサービス、サーベイといわれるものです。あと、「オフィスおかん」を提供しています。

けっこう食のイメージを持たれることが多いんですが、OKANはHRの会社です。なので、そこの変遷みたいなところもちょっと話ができるかなと思っています。

では、OKANのPRについてお話ししますね。会社の想いとか、サービスの想いとか、ベネフィットみたいなものを、社会だったりステークホルダーに寄り添った文脈で、どう伝えていくのかを考える。それによってファンをつくることがPRだと思っています。これは他の会社さんとも変わりません。

タイミングによっては、会社の思いと社会の接点にフォーカスをして情報発信することもあれば、社会とステークホルダーと会社それぞれ3者が統合されることもある。その時々で適切な情報発信ができればいいなとは思っています。

事業・組織・象徴・CSRについての情報発信を通して企業活動を知ってもらう

OKANのPRグループでは、これぐらいの領域をカバーしています。

OKANはミッションを実現するHRカンパニーです。事業・組織・象徴・CSRについての情報発信を通して「どういう想い・考えを持って活動しているのか」を知ってもらうことが、その会社のイメージにつながっています。

それに一番寄与するところがどこなのか。もしかしたらすべてを広くやっていくのかもしれないし、どこかにフルベットしてやっていくのかもしれないんですが、そういったものをタイミングタイミングで調整しています。パブリシティにこだわらず、けっこういろんなことをやっています。

その人(ターゲット)に意識変容・行動変容・態度変容してもらうために考えないといけないのって、リーチと情報の濃度みたいなところなんじゃないかなと思っています。

例えばガイア(『ガイアの夜明け』テレビ東京系)とかカンブリア(『カンブリア宮殿』テレビ東京系)に出れば、リーチもその濃度も高いと思うんですけど、そういったものってけっこう少ない。

なので、リーチを稼ぐ手段では、情報量が薄くなってしまいやすい。今日のように対象になる方が100人ぐらいだったとしても、そこに対してきちんと伝えるべきことを伝えられるのであれば、それは1つ有効かなと思っています。この辺りを組み合わせながら、情報を提供しています。

OKANのPR史 ローンチ期から成長期、未来まで

では、OKANのPR史の話をしていきますね。サービスのローンチのタイミング。そこからだいたい2年ぐらいまでのサービスの成長期。複数の事業がスタートしてからのタイミング、その先どうしていくのかについてお話をしようかなと思います。

タイミングによって、PRチームの目的・立ち位置みたいなのはけっこう変えてきています。例えば、サービス成長期にはマーケティングの所属で、マーケティングPRをやっていました。

複数事業になるタイミングであれば、いち事業のPRとしてではなく、複数事業も見られるような立ち位置に変更しています。

各々のタイミングについて1つひとつ説明しようかと思ったのですが、実はあと70枚ぐらいスライドがあって話しきれないので(笑)、どこかにフォーカスをしてお話をしようかなと思っています。(スライドを指して)今からこの4つのタイミングの中でどの部分を聞きたいか、ぜひ手を挙げていただきたいなと思うので、ちょっと考えてください。

サービスローンチ期について話を聞きたい方って、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。じゃあ、サービス成長期。

(会場挙手)

あっ、多い(笑)。新規事業・複数事業を走らせるタイミングについて興味ある方って、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。あと今後については?

(会場挙手)。

成長期か。ありがとうございます。じゃあ成長期にフォーカスをしながらお話をしていこうかなと思います。それ以外のところもちょっとなぞりながらお話ししていきますね。

ローンチ期に取り組んだ、“4つの切り口”の広報活動

サービスローンチ期に関しては、部署がありません。正社員0人からだいたい10人ぐらいまでになるタイミングを、サービスローンチ期としました。この時期はPRの専任担当がいませんので、外部から私が少し関わっていました。

当時メディアに提供できた情報が、サービスに関連するものと、代表の沢木に関連するものぐらいだったので、このへんをうまく組み合わせながら活動していました。

当時はメディアを介して情報発信していくことが、もちろんお問い合わせの獲得にもつながるし、社会からの信用、第三者からの情報信頼にもつながっていました。なので、このタイミングはメディアをメインターゲットとしています。

活動は基本的なもの。プレスリリースの配信だったり、メディアへの直接のプロモート、あとはミニイベントみたいなものを組み合わせながら情報提供しました。

このサービスローンチ期は、会社の想いと社会の重なるところを伝えてきました。「オフィスおかん」は、BtoBでありながらBtoCのような特徴があり、ちょっと独特だったりするので、比較的ニュースになりやすいサービスだと思います。認知を広げるためには、ベネフィットが伝わりにくかったとしても、社会の動きに合わせて情報を発信していくのが重要だと考え、一旦文脈を度外視し、認知獲得にフォーカスした動きをしてきました。

大きくこの下の4つの切り口で考えていました。

この「なぜ今?」とか、事象対象の紹介実態みたいなのは、メディアが企画を作る時どんなことを考えるかを意識して当時作ったものです。「なんで今それを取り上げるんだっけ?」みたいな話があって、それに対して事例、事象ですね。「こういうことなんだよ」とか、そのサービスの紹介をしていくと。その上で、「じゃあ、それってどう使われてるの?」みたいなところを紹介していくんじゃないかなと。

「健康経営」という考え方がトレンドとして出てきたタイミングだったので、じゃあどういうものを作っていくか。BtoBと呼ばれる、企業の中に設置するサービスといったものがけっこう増えてきているので、それをひとまとめに置きましょうと。サービスはけっこうおもしろかったので、それを取り上げてもらいました。

あとは、「オフィスおかん」のお惣菜を作ってくれてる企業さんが、新潟の有名な企業さんでした。なので、そこを切り口にちょっとでも紹介してもらえないかなと。ここも露出につながりました。

メディアの情報流通構造を見極め、戦略的にアプローチ

もう1つ意識したのは、メディアの情報流通構造です。

当時はガジェ通(ガジェット通信)とかロケットニュースがよく話題になっていました。なので、そういった媒体だったり、日経トレンディや日経MJ。やっぱりメディアが見ているメディアとして非常に重要だなということで、この辺りのメディアにを重点的にお話ししました。

最初のローンチをしてから3ヶ月ぐらいで、この辺りの媒体に取り上げていただきました。特に日経トレンディのFacebookでのシェアの影響が大きく、先ほどのメディアでの紹介につながりました。

Facebookでシェアされたものを『NHKニュースおはよう日本』(NHK総合)のディレクターさんが見ていたり、AERAの記者さんが見ていて、そこで取材したいと言ってくれました。さらに、AERAがたまたまヤフトピに載って、それを見たガイアとか、がっちり(『がっちりマンデー!!』TBSテレビ系)だったり、カンブリアの方々に声をかけていただいて、メディアを介して情報が広がっていきました。

ポータルサイトへの転載も意識しました。ヤフーのニュース提供社みたいなものだったり、ライブドアニュースへのニュース提供社みたいなものは、公開されています。そのへんを意識して活動していて、『AERA』さんとか『ITmediaビジネスオンライン』さんとか、ニュース提供企業さんに積極的にアプローチしました。

成長期はステークホルダー寄りのPR活動を実施

つぎは、サービス成長期の話です。従業員がだいたい10人から30人ぐらいに増えたタイミングです。グループが作られ始め、マーケティンググループができたのがこのタイミングです。

サービスの認知が取れてきたんですが、セールスをやっていく中で、ベネフィット、強みが伝わっていなかったりするというところが非常に大きな課題になっていました。そこで、サービスの成長に深く関わるためにマーケティンググループの所属となりました。

会社の思いや社会よりも、よりステークホルダーへの情報発信にフォーカスをして、人事系のメディア、総務系のメディアへのアプローチをおこないました。

サービスのベネフィットを伝えるために、一般社団法人の立ち上げだったり、オウンドメディアの立ち上げ、あとカンファレンスをやったり、けっこういろんなことをしてきました。みなさんにはサービス成長期に手を挙げてもらったんですけど、手を広げすぎて、4つにわけた中でいちばんやりきれなかったのがこの時期でした。

この時、意識したのがこの2つ。

構造化、「コンテクストマップ」と書いちゃってるんですけど、簡単に言うと「オフィスおかん」に関して、どういう情報・単語がひもづくのかの見える化です。

例えば、従業員満足度を充実させるために「健康経営」がある。健康経営には運動・睡眠・食事があり、食事の中には例えば「社食」があったり、「仕出し弁当」があったり、「オフィスおかん」があったりします。サービスの周辺にどういう情報があるのかを明確にしました。

メディアが取り上げやすい要素をコンテクストマップ化

これは、メディアにアプローチをするためにも非常に重要だなと思っていて、この黄色の印がついてるのは、メディアが「なぜ今?」として取り上げやすい要素。

メディアの興味が「オフィスおかん」に近いところにあったり、かなり離れているところにあったりするので、そこからどういう流れで伝えていくのか。どこを巻き込んで、どういう情報を提供していくのか。例えば、どこか健康経営に重点的に力を入れている……例えばヤフーさんとかと組んで、PRやメディアへのプロモートをするとか、イベントをするということを意識しながらやるためにも、こういったものは非常に重要じゃないかなと思っています。

あと啓発系では、一般社団法人を立ち上げました。これは工数がぜんぜん足りずに、協力いただいた方々にご迷惑をおかけしました。初期の段階でこういった一般社団法人の立ち上げは苦労するので、お勧めではありません。

もう1つ。「エンプロイー・エクスペリエンス」をテーマにサミットを開催しました。経産省の方や、DeNAのCHO、ヤフーの移転プロジェクトを推進した方など、従業員投資について知見のある方々に登壇いただきました。

当時この言葉に目をつけたのは、2018年かな……アメリカの大手人材会社が毎年発表している“今年流行になるであろうトレンドワード”のうちの1つに入っていたからです。あと、日本の検索ボリュームも少なかった。当時まだ3,000ぐらいだったんですよね。なので、ここのワードを取れたら「エンプロイー・エクスペリエンス=おかん」と連動した情報が発信できるんじゃないかなと考えて、ここを狙った動きをしていました。

社員が30名を超えたあたりから、組織カルチャーや制度の発信も

次が、新サービスローンチのタイミングです。従業員が30人から50人ぐらいになっていました。PRの専任担当がやっとこのタイミングでついたという感じです。とは言え、私もOKANの社員にはなっていたんですが、工数のうちの8割ぐらいが採用になっていたので、このタイミングではまだまだ動けない状況でした。

新規事業がスタートしたこともあり、所属をコーポレートに移しました。1つのサービスだけを成長させていくのではなく、複数のサービスを組み合わせながら、「OKAN=食」のイメージを払拭し、本当に伝えるべきことを伝える活動にシフトしました。

このぐらいの時期になると、やっぱり組織面でも、ニュースにできるものが増えてきているので、例えば組織のカルチャーだったり、仕組みや制度だったり、これまでとは違った視点からも発信していました。

このタイミングは、全体を対象に、幅広く広報やってきた印象です。ターゲットとしても、法人だけじゃなくて、社内のメンバーの共通認識をどう作っていくかみたいなところであったり、例えば入社を希望してくれる人たち、いわゆる採用広報に対して、どう寄与していくかだったりとか考えました。

あとは関連企業さん。OKANはけっこういろんな企業さんとアライアンスを組みながらサービスを提供していて、そういった企業さんと頭のすり合わせみたいなところをするために、情報発信を意識してやってきています。

OKANリブランディングの裏側

リブランディングもこのタイミングで実施しました。それに伴い、このタイミングでけっこういろいろ進めた感じかな。なので、より真ん中のところに近い情報発信をしていこうという考え方です。

例えば、「働く人のライフスタイルを豊かにする」みたいな話をしてるんだけど、採用では「ビジネスで社会課題を解決する」のように、もっと上流の話をしていたり、オフィスおかんではさらに下のレイヤーで「食の福利厚生」みたいなところを推していると。

「ハイジ」というサービスは「ハイジーンファクターを改善する」。ちょっとパッとわかりにくいところです。「離職を防ぐためにどうしようか」みたいなメッセージを出しているので、それぞれが方向性は一緒っぽく見えるんだけど、バラバラになっている。なので、これを統一するためにどうしようかを考えました。

自分たちが言いたいことだけを発信していてもつながっていかないので、メディアにヒアリングして、どういうメッセージにしたほうがいいかとか、どう発信していくべきかみたいなことを設計。その要素を含めたワードにしていこうということで、EX(エンプロイー・エクスペリエンス)をテーマにしました。

なので、このエンプロイー・エクスペリエンスをもとに、さっきのサービスだけじゃなくて、関連するすべての要素をこういったかたちで構造化して、それに対して、EXだからどう紐づけてそこを紹介するかとか、関連しそうな要素ってどこにあるかというのを引っ張ってやってきたというような感じです。

年間計画の策定は前年のリード獲得数、お問い合わせ数を参考に設計しました。盛り上がる時期にあわせ、集中的に情報を当てることで、そこの効果を上げていきましょうと、これを狙った施策の設計をしました。

活動をより印象的に伝えるために、リブランディングや新規事業の立ち上げと、移転の情報をひとまとめにして、メディアだったりインフルエンサーを巻き込んだ情報発信をしようと考えていたんですけど、結果、動きが変わったので、情報発信の方法を変えました。

このタイミングでやったことは、情報をひとまとめにした花火を打ち上げるんじゃなくて、3ヶ月ぐらい毎週毎週情報を出し続けるみたいなことです。それはメディアを介した情報だけじゃなくて、オウンドメディアでの情報配信であったり、広告、ペイドもぜんぜん使えばいいかなと思っていたので、そういったところも含めて、OKANの会社としての考えの発信方法を調整しました。

リブランディングの話は、「OKAN リブランディング」と調べてもらえれば出てくると思うので、よかったら見てください。

社内グループによって異なるレイヤーの情報を、どう統一していくか

ここからが、直近の動きです。このタイミングでは従業員数が50人から100人ぐらいに変わってきました。やっとPRがチームとして誕生です。

事業成長、採用の強化によって、ビジネスサイドのグループがめちゃくちゃ増加しています。けっこうSaaSあるあるだと思うんですけど、マーケから始まって、SDR、インサイドセールス、カスタマーサクセスなど、企業さんとコミュニケーションを取るグループがかなり増えました。

さっき、いろんな事業がバラバラなレイヤーで発信しているという話がありましたが、今度は社内のグループで、異なったレイヤーのメッセージの発信になっている。このへんをどう統合していくかみたいなのが1つの課題になっていました。

ここで、社長直轄のCEO室に異動。体制としてもチームを組みました。出せる情報はけっこうあるんですけど、今年は「オフィスおかん」にフォーカスした活動をしようという話になっています。

というのも、「ハイジ」という新しいサービスもまだまだ出たばかりのサービス。組織の話をするにしても、やっぱり出目とかが限られてくる。「オフィスおかん」はすでに2,000社に導入していただいているので、認知され始めていてインパクトが出しやすい。

フェーズ2のタイミングでは、よりステークホルダー寄りのところで会社との思いの接合点みたいなのを作っていましたが、それをより真ん中に近づけていく。

例えば「食の福利厚生サービス」みたいなところから「HRサービス」みたいに認識を変えてもらうためにはどういうことをしようか、もう180度メッセージを変えてやるぐらいのところを、今からやっていこうと思っています。

全部を全部いきなり変えるのではなくて、だいたいそのうちの1割ぐらいの対象に対してのコミュニケーション手段を変えていくみたいな話になるんじゃないかなと思っています。もし、興味があったら、あとで声かけてください。

5年半PR活動をして感じた「早めにやればよかった」4つのポイント

最後に5年半ぐらいやってきて感じたことをお話しします。この4つを早めにやればよかったなと思っています。

1つはチームの役割を具体的にしなきゃいけないな、と。やっぱり人数が少ない時って、外部要因だったり内部要因によって、自分たちの役割がどんどん変わっていくと思っています。それがベストな選択なのか、もしくはKPIを追うべきなのか、会社として優先順位が高いものなのかというのが判断しづらいので、ここは早めに追うべき役割・KPIを明確に設定したほうがいいかな、と考えています。

2つめはPR専任の担当の設置。初期だとPRの優先順位がどうしても下がってしまうので、全体のストーリーを意識して情報の整理ができる、完全に専任できるメンバーが1人でも早めにいればよかったなと思います。

3つめは構造化。これはたぶん社内の認識を合わせるうえでも、メディアと話をするうえでも、使い勝手が良かったので、おすすめです。ちょっとレイヤーを変えて、例えばOKANであれば、組織課題みたいなところから、じゃあそれを分解して、どういう要素があって、それにどこにハマるのかみたいなのをもう少し考えないといけないなと。ただし、BtoCとBtoBだと文脈が割ってきます。マス(BtoC)を意識して、時流みたいなところから考えてしまっていたので、伝わる内容と本質に乖離ができてしまった。そこのは反省しています。

最後は、社内のメッセージ統一ですね。これが個人的にはいちばん難しいと思っています。最終的な目標は一緒なんですけど、グループごとに追う数字が異なるので、注視するポイントが変わってきます。社内のメッセージも実は早め最適化しておいたほうがいいかなというのが、この5年間での反省というか、思ったところです。

時間の関係で具体に言及せず、端折ってお話をしたので、「この話を細かく聞きたい」みたいな話があれば、個別にお声がけでもいただけるといいかなと思います。以上です。ありがとうございました。

(会場拍手)