2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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谷本有香氏(以下、谷本):さぁこの4名でこのあとの議題を進めていきたいと思うんですけれども、ぜひ未来のことをじっくりおうかがいしたいと思います。
1つ目の議題。「2017年はどういう年だったか?」ということの振り返りに関してさらりとおうかがいしたいと思うのですが、一人ひとりにおうかがいするのもなんなので、挙手制というか、話したい方が話すというかたちで(進めます)。
例えば非ゲーム系もかなり伸びてきましたし、アプリというものが消費行動にもずいぶん根付いてきたと思うんですけど、みなさんにとって、2017年はどういった年だったのでしょう?
堀江裕介氏(以下、堀江):自分のマーケットってことですか? それとも自分の……?
谷本:まぁ自分のマーケットの目線で語ってもよろしいですし、全般的でも。どちらでも。
堀江:なるほど。はい。「非常にお金のかかる年だった」というのが僕らの感想です。今、アプリのマーケット自体が相当お金のあるプレイヤーしか戦えなくなってるような現状があります。
それこそ僕らも、アプリを作り始めてから3ヶ月後ぐらいに、まず2017年は、10億円ぐらい一気に調達した資金をもうすぐバーンって使って。テレビCMと、あとは、Webの広告。「出せるものは全部出せ」って、タクシーにも出しましたし、屋外にも出しましたし、 電通さんの周りも全部手を出したりして。
メルカリさん含めいろんなところの戦い方を見て、競争環境が激しくなってくると、やっぱりスタートダッシュが大事だなと僕らも思ったので。「いかにマーケットシェアを最初期に取って、LTVを伸ばしていくか」「ユーザーを獲得していくか」「認知を上げていくか」というところをとにかくやらなければいけない年でした。
もちろんプロダクトの質をがんがん上げることは非常に大事ですが、それ以上に「ユーザーさんに最初に知ってもらう」というところで、とにかくお金を必要としました。だいたい1.5年ぐらいで70億円ぐらい集めてどんどん使っちゃって、「ああ、やばいな……」って。
小泉文明氏(以下、小泉):使いすぎだよね。
堀江:そうなんですよ。
小泉:あんなに使わなくていいと思う。
堀江:確かに。そうしてほしいですね。できれば。
小泉:僕、株主だったら絶対止めるもん(笑)。
堀江:言っておいてください。はい。
渋谷修太氏(以下、渋谷):一方、メルカリ的にはどういう感じなんですか?
小泉:僕らは、どちらかというと本当に、獲得フェーズから「使ってください」みたいなフェーズに入ってきているので、あんまりそういうフェーズではないんですけれども。去年1年間、そうですね……世の中的にはビットコインじゃないですか(笑)。
去年の始まりには誰も言ってなかったのが、気づいたらみんなビットコインの話しかしないみたいな。やっぱりみんなお金の話題は好きなので。
でも、ビットコインの話もそうなんですけれども、メルカリもそうですし、「個人がエンパワーメントされる流れにどんどんいってるな」「流れてきてるな」と思っているので、ついに「ビットコインとかお金のほうもそういうdecentralizeな流れが来たな」って。
切り替わる良いタイミングだったんじゃないかなと思っています。そのなかでルールメイキングされていなくていろんな問題が出てきているのかなという見方もできるし、それがどう進化していくかという話もできるので。
渋谷:あの、ちょっと宣伝も入ってしまうんですけれども、ここに『2017年アプリトレンドレポート』というやつがありまして。
世界……日本と韓国とアメリカを比べてるんですけど、これを見ると2017年までの傾向として、日本ってゲームアプリの利用というのがすごい多いんですよ。ほかの国に比べて、スマートフォンを使ってるなかでゲームに費やす時間がすごく長い。
そんななかで、去年ぐらいから非ゲームのところがどんどん伸びていて。伸びてるカテゴリでいうと、ショッピングのところとフードなので、お三方がいらっしゃるようなジャンルなのかなと思ってまして。
これは5,000円で入場できるところで売っておりますので、ぜひお買上げいただけるとたいへんうれしいと思っています。「50冊ぐらい売ってこい」ってノルマを課せられたので、よろしくお願いいたします(笑)。
一方で、ゲームに関してはやっぱり日本って割と特別で、韓国とアメリカに比べてすごくマネタイズも進んでいたりという話があると思うんですけど、シンさんから見て、ゲームって2017年はどんな感じなんですか?
シン・ジュノ氏(以下、シン):そうですね、中国のゲームの市場は、去年、約3兆円ぐらいになりましたね。今、全世界のグローバルのゲーム市場が、これだいたい11兆円です。11兆円で、中国は3兆円、アメリカは2.5兆円、ヨーロッパは2.2兆円、日本が1.5兆円。あとは韓国がありますけど。
今、世界の(ゲーム市場の)3割ぐらいが中国で、世界のゲーム市場はどんどん伸びているというなかで固く3割を持つと思います。そういう競争があるので、中国自体も去年たぶん40パーセントぐらい伸びたんですけれども。
変化としては、中国市場が伸びる一方で、中国での競争も激しくなって。言い方が悪いですけど、ゲームはお金がお金を生む産業になりましたので、もう勝てないんですよね。
資本集中の産業なので、勝てなくなってきた。エンタメだけでいうとゲーム(の市場)が一番でかいんですけど、映画だとまだ世界レベルで2兆円。ゲームが11兆円。これが5年経つと、たぶんさらに伸びてきます。
何が起きてるかというと、最近はApple、Google、Amazon、アリババが全部オフライン企業を買い集めています。オンライン企業の時価総額が数十兆円規模になっちゃうので、 PERから見てもオフラインの企業を買いやすい時期になったので、AmazonがWhole Foodsを買ったように、最近はアリババが中国の……なんで金融の話をしてるのかわからないですけれども。
要は何が言いたいかというと、ゲーム企業はこの高い利益をもとにほかのことをし始めています。
谷本:はい。そんな2017年だったんですけれども、そういったことを踏まえて、2018年はどういった年になるのか? もちろん今、AIだとかARだとかさまざまな新しいテクノロジーも出てくると思うのですが、どういったところに注目をされているのか、またどういったものがキーワードになってくるのかという視点では、みなさん、2018年はいかがでしょうか?
小泉:どちらかというとシンさんが言う話の近いところにいて。リアルとネットの境ってどんどんなくなってきたなというところで。中国を見ても、やっぱりWeChat PayとかAlipayとかが本当にもう現実世界のスタンダードになっていってるように、いろんなハードのものがネットワークにつながっていく。
そういうなかで、どんどんもっとリアルとネットがつながっていくというか、入っていくのかなと思っています。現実問題、日本ってまだオンラインのコマースが5パーセントとかですよ。95パーセントはオフラインの会社なので。
谷本:(堀江氏に)大丈夫ですか?
堀江:そうですね。僕らもだいたい同じような感じはあるなと思っていて。今、服のEC化率は11パーセントぐらいです。それに対して、食料品はまだ2パーセント前後なんですね。
そういった意味で、「人間が楽な方向に流れていくことに、いかに僕らが対応できるか」が勝負だと思っています。AmazonがAmazon Freshを出したりAmazon Goを出したりしてるなかで、人間は間違いなく楽なほうに流れるというのはもう避けられない流れなので。
重複するんですが、実はレシピという分野は、他の分野に比べてECがなかなか浸透していない。その理由として明確で、僕のなかで1個間違いなくあるなと思うのは、料理っていうものは購買フローがすごく複雑であることです。
例えば、「子どものアレルギー」「体調」、あとは「運動してる・してない」「冷蔵庫の中になにが入ってるか」、そういう中からものをチョイスして、頭で今までの経験でカスタマイズしなきゃいけない。そういうジャンルなので、非常に意思決定が複雑なんです。
そういった課題を克服することができれば、食料に関してもEC化の流れが来るんじゃないかなと思っています。ファッションが確か1桁兆円、9兆とか10兆ぐらいのジャンルで、食が35兆ぐらいのマーケットです。まだ伸びてます。というところを考えると、まだまだインターネットでやる余地がある。
堀江:ただし、それを取りにいくにはオフラインの施策が必要だと思うんですよね。というのも、『クラシル』がオンラインだけのマーケティングで食の市場を取れるとかというと、僕は取れないと思っているので。
クックパッドは20年やってますから、もう辞書、『広辞苑』みたいな感じでインフラみたいになってますので、それをひっくり返すのは相当に難易度が高いです。そのために、もしかしたら『クラシル』でスーパーを作ってもいいかもしれないし、カフェをやってもいいかもしれない。
渋谷:おっ。
堀江:そういうのをメルカリさんが先に策を打ってるので、僕らは勉強させてもらっています。いつも「メルカリをパクれ!」というのを言っていて、最近の社内では(メルカリのバリューである)「Go Bold」って僕がめちゃくちゃ言ってるんですけれども、やらせてもらっています。
小泉:(笑)。
堀江:なので、そういうことでどんどん楽なほうに流れるときに、僕らの企業がどれだけ提供できるか、どんだけ成長できるか、人間の欲に逆らわないように流れを作っていかなきゃいけないなと思っています。
谷本:消費者の買い物習慣の変化の年になりそうですか?
堀江:そうなると思いますね。「意思決定が面倒くさい」という人間の気持ちに沿うサービスをつくっていきたい。
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