業務は絞ろうにも絞れなかった

記者8:産経新聞のソワタニと言います。先ほど、「業務拡大に体制が追い付かない」という話のくだりがあったと思うんですけれども、その時に「人員の採用がうまくいかなくてこういった事案を引き起こした」ということだったんですが。その際に、「業務のほうを控えることで人員に見合ったかたちにする」という選択を取ることはできなかったんですか。

(和田氏と大塚氏、約20秒間の沈黙)

大塚雄介氏(以下、大塚):私のほうからご説明させていただきます。業務のほうを縮小して、ということですが、価格全体がボリュームが上がってきてしまったことによって、お客様全体(の総数)が増えてしまったと。そういうかたちになりますので、絞ろうにも絞れなかった、というのが実態でございます。

記者8:それは例えば、その取引を一旦完全に停止して……。要はホットウォレットでしか管理していない状況は、当然わかっていたわけですよね。それはやっぱり危険な状態だからというので、「しばらくNEMの取引は中止させていただきます、安全性が確認されたら再開します」ということもできたような気はするんですけれども。そのへんというのはできないんですか。

大塚:その時点でお客様が資産を持っていたというかたちもありますので、なかなかそのような判断に至れなかった、ということもございます。

記者8:それは業務を優先させた、というようなことですか?

大塚:お客様の資産の保護のほうを優先させていただきまして、お客様の資産を預かって取引をやっていた状況ですので、安易には取引自体を止めるという判断には至れなかった、というかたちでございます。

過去のことや仮定はお答えできない

記者8:「資産の保護」というと逆に、ホットウォレットという危険な状態から切り離したほうが資産の保護に繋がるような気がするんですけども。実際に運用が続けられる環境を維持することのほうが資産の保護であると、いまだにお考えなんですか?

大塚:いや、そういうわけではなくて。その当時でいうと取引をされていたところがありますので、その取引自体を止めてしまうということは、お客様の資産の保護に繋がらないという決断をして、その時点では取引の終了というのはできなかった状況になります。

記者8:今振り返って……。

司会者:大変恐縮ですが、ご質問は2問とさせてください。

記者8:はい。最後。今振り返って、どういう対応をしておけば良かったか、ということはありますか。

大塚:ちょっと、過去のことないし仮定のことというのは、お答えのほうを控えさせていただければと思います。

記者8:いや、それが再発防止に繋がるんだとは思うんで(笑)。

司会者:続いて質問のある方は、お手をお挙げください。

(会場挙手)

じゃあ、手前の方。ただ今マイクをお持ちします。

システムセキュリティの責任者はどういう人物か

記者9:すいません、週刊ダイヤモンドのワタナベです。2点ほどおうかがいさせてください。1点目、NEMの補償についてなんですが。補償額は約460億円と、騒動後にNEMが下落した時の数字から算出して、多少実際に盗まれた額より少ない、という点でけっこう批判が集まっていると思うんですが。この額につきまして、460億円で確定という認識で間違いないのか、まず1点目おうかがいさせてください。

大塚:まず、NEMの不正送金額に関しましてはNEMの額になりますので、その数量。5億2630万10NEMが対象となっております。こちらに関しましては、先日我々で補償の方針として出させていただいたレートで、確定とさせていただいてございます。

記者9:あと2点目についてなんですけれど、「新しくシステムセキュリティの責任者のCISOを選任した」というのは、これは具体的に社内・社外、どちらの人間なのか。そして「金融機関出身」というのは、具体的にどういう人物をここに据えているのか、おうかがいさせてください。

大塚:はい。CISOは、情報セキュリティの専務のものに関しましては、社内の者になります。もともと金融機関の証券等担当している、シニアな担当の者でございまして、その者がCISOのほうを担当しております。

さらにその者を支えるCISO室というところを準備させていただいておりまして、そこにはシステム的な情報セキュリティをもともとやっていた社員の者と、あとは外部から今回、セキュリティ専門のことをやっているメンバーを揃えて。CISO室として、CISOを補佐するチームとして発足させていただいております。

記者9:これはいつ頃から設置が始まるという認識ですか?

大塚:既に設置のほうは、議決を取締役会で決議しておりまして。すいません、2月の26日かな……。正確な数字を忘れてしまったんですけれども、我々の定時取締役会のほうで任命と設置のほうをさせていただいております。

記者9:ありがとうございます。

人員の採用問題について

記者10:共同通信のフジサワと申します。問題の背景として、人員の採用がうまくいかなかったということを挙げていらっしゃいましたけれども、ここについては今後クリアできるのでしょうか? もしくはもうすでにクリアできているのでしょうか?

和田晃一良氏(以下、和田):はい。その点につきましては経営体制の抜本的な見直しとともに進めていく予定でございます。

記者10:当時はできなくて、今はできるというのは、どういう理由なんでしょうか? できる見込みがあるというのはどういう?

和田:そうですね。そちらについては、詳細が固まり次第ご報告させていただければと思います。

記者10:もう見込みが立ってるという会見だと思うんですけど、どうクリアしたのかというのを説明しないと、なぜ安全性が確保できたのかというのがわからないと思うのでちょっとご説明いただきたいのですが。

和田:安全性が確認できたというのはシステムリスクに関する部分でございまして、このたび本日金融庁より受けた業務改善命令の中では、また別の経営管理体制であったり内部管理体制についての見直しと構築を求められております。そういった意味で、これからその点については構築を進めていく次第でございます。

記者10:じゃあそれが体制が整う前に、来週のサービス開始を迎えるってことになるんですかね?

和田:そのようになります。

記者10:わかりました。ありがとうございます。

記者11:コインポストのイケマと申します。金融庁の業務改善命令の中で、取り扱う仮想通貨について、各種リスクの洗い出しという項目がありますが、コインチェックの業務再開にあたり、この件はどのような対応をされるのでしょうか?

大塚:こちらに関しましては、私からご説明させていただきます。取り扱う仮想通貨に関しましても、このたびリスクの洗い出しをさせていただきまして、改めていろいろなリスクの観点を踏まえて、どれを扱うかを検討をさせていただいている所存でございます。

人手不足に手は打っていたのか

記者12:読売新聞のクロキと申します。先ほど質問があったんですけれども、やはり人の採用が進まなかったというお話があったのですが、具体的に人というと、例えばコールドウォレットを開発する人だとかシステムの人材が足りなかったのか。

それとも、例えばコールセンターだとかお客様対応するところが足りなかっただとか、もう少し具体的におうかがいできますでしょうか?

そもそも人が足りなかったというのは、求人とかを手を打ったけれども集まらなかったという認識でしょうか?

和田:はい。人員につきましては、システムの人員もさることながら、内部管理体制であったり内部監査の部門、システムリスクの部門について足りなかったものと、私としては認識をしております。

そこにつきましては、私たちとしては当然求人であったりとか、紹介会社を使ってその体制の拡充というところを図ってまいりましたが、今回このような事案にいたってしまったというところになります。

記者12:すいません。人手が集まらないことについて、御社の取締役会か経営会議とかで、そこで議論になったことというのはあったのでしょうか?

和田:はい。ございました。

記者12:そこではどういう結論にいたったのでしょうか?

和田:そこでは、より採用活動というところを強化をして、体制の拡充を図っていくという結論になっております。

記者12:ということは、そこに対して、十分な人を確保するためのお金はかけていたという認識?

和田:そのようになります。

記者12:わかりました。あと、すいません、もう1点。

司会者:すいません。最後の質問にさせてください。

記者12:わかりました。先ほどお話の中で、お客さんの資産保護という意味であえてストップしなかったというお話があったと思うんですが、御社にとってのお客様の資産保護というのはなにを指すのでしょうか? 具体的に教えていただけますでしょうか?

大塚:私のほうからご回答をさせていただきます。お客様の資産保護に関しては、今回もそうなんですが、お客様に対して、お預かりしている分をちゃんとお返しをさせていただくと。これが一番のまずは保護になると思っております。