リスク委員会で議論する

記者16:日経BP社のゲンです。再度になるんですが、「お客様の資産との分別がきちんとされていた」という説明、改めて事件で盗まれたNEMとの関連で、ちょっと確認したいんですが。「お客様の資産を分別して」というのは、仮想通貨そのものについても、という理解でよろしいのか。

この盗まれたNEMですが、1つのアカウント・1つの鍵データのウォレットですべて盗まれたと思うんですが。その時、この盗まれた資産はお客様のものだけであって、御社が自社で持っていたものは盗まれていなかった。そういう意味で分別されていた。そういう理解でよろしいんですか?

大塚雄介氏(以下、大塚):左様でございます。

記者16:わかりました。じゃあ再度確認ですが、すべての仮想通貨について、お客様の資産と御社自身の持ち分はすべて分別していて。さらになんですが、今回1つのアカウントについてすべてのNEMが5億2,600万、蓄積されていたということですが。それを分散させて管理するとか、管理の仕方については今後、どうしていく予定ですか?

大塚:今後の対策に関しましては、預かったNEMに関しまして、コールドウォレット化のほうを今させていただいております。その中で、コールドウォレットでも複数にしたほうが、よりリスクの分散というかたちになりますので。そういうところも視野に入れて対応していく所存でございます。

記者16:なるほど。コールドウォレットは複数にするし、取引に使うウォレットのほうも、これは1つのままということなんですかね?

大塚:そこはリスクの洗い出しの中で、どこまでのリスクを許容するかというのを、先ほどのCISO室も踏まえまして議論をしていって。最終的にはリスク委員会で、どこまでのリスクをとるか、というところで決めていくようなかたちになっております。

記者16:はい。わかりました、どうもありがとうございました。

コールドウォレット化は自社で開発?

記者17:日経フィンテックのオカベと申します。4点ほど教えていただきたいんですけども、途中から来たので、もしかしたらかぶる部分があるかと思うんですけれども。

まず先ほどおっしゃられたコールドウォレット化の話なんですが、こちらは自社で開発する予定なのか、既存のハードウォレット等々使って対策を打つのか。いずれなのか教えてください、というのが1つ目。

2つ目が、マルウェアに感染した端末なんですが、こちらについては御社の社内にある会社用端末なのか。あるいは御社は在宅勤務等々も可能だったのかなと思っているんですけども、いわゆる社外で使われていた端末なのか。そちらを教えていただきたいのと。

3つ目がですね、こちらの内容には書かれていないんですけども、かなり気付くまでに時間がかかったかと思いますが、そちらはなぜなのか。「アラートを出す仕組みも整えていた」というお話も先日、あったかと思うんですけども。それに気付けなかった理由というのを改めて教えていただきたい、というのが3つ目です。

4つ目が今、金融庁等々と、今後の交換事業者の登録に至る際に、なにをすれば登録できるのか、といった前向きな会話みたいなところはあるのか。4つ、教えていただけますでしょうか。

大塚:はい。私のほうからご回答させていただきます。

まず1点目、コールドウォレットの開発のほうなんですが、こちらは社外のセキュリティの専門家の方のアドバイスを受けながら、開発自体は弊社の社内で行っているかたちになります。

2点目、マルウェアに感染された端末に関しましては、弊社社員の会社から支給されたPCのほうでの感染となっております。

3点目、時間がかかってしまったというところに関しましては、我々のほうでそこに気付くシステムがなかったところがありまして、気付く時点が遅くなってしまったという事実がございます。

4点目、登録に向けてに関しまして。基本的には仮想通貨交換事業者登録に関しましては、そちらの要件というのが出ていますので、そちらの要件を満たすべく今、我々のほうで努力しているかたちになっております。以上になります。

資本増強に向けた選択肢はあるのか

記者18:東洋経済のニカイドウと申します。よろしくお願いいたします。1点目、今現在の業務資本提携に関する考え方、ならびに進んでいる場合の進捗状況。御社として、どういった業種・会社が提携先として望ましいと考えられているかも含めて教えてください。1点ずつお願いします。

大塚:はい。1点目のほう、お答えさせていただきます。業務資本提携ならびにどちらかというと経営体制の抜本的な見直しだと思うんですが、そちらに関して本日、業務改善命令のほうを受けまして。これから鋭意、そちらの検討を進めさせていただくというかたちになっております。

記者18:この前だと、和田社長のほうから資本増強に向けた選択肢もあるようなお話があったと思うんですけども、そちらに対しては今どういうスタンスなんでしょうか。

大塚:あくまでもそれは選択肢の1つ、というかたちになっておりますので、なにか具体的なものがあるというわけではございません。

記者18:それに対して、どういうふうにしていきたいっていう考え方ってありますか? 必要に応じてやるのか、極力やらないのか。

和田晃一良氏(以下、和田):私たちとしては、基本的には顧客の保護を第一と考えております。そのための手段として、取り得る手段、1番良い手段を取りたいと考えております。

記者18:であれば、大手の傘下に入るようなことも1つの手段としては考えられる?

和田:それが顧客の保護に繋がるのであれば、当然そうだと思います。

監査役はどういう役割なのか

記者18:わかりました。もう1点、今朝出たコインチェックの行政処分の書面の中に、「監査役も機能を発揮していない」という記述がありました。今後この監査役は交代するのか、それとこの監査役というのは昨年、御社の創業以降から関わっている方だと思うんですが、どういう役割を発揮されてきた方なんでしょうか。

大塚:私のほうからご説明させていただきます。基本的には「経営体制の抜本的な見直し」というところに、もちろん監査役も含めて対象としております。そこも含めて新しくどうしていくかというのを今日以降、こちらを受けて検討のほうを進めていくようなかたちになっております。

記者18:創業初期から関わってきた方だと思うんですが、一心同体と言いますか、経営に対する考えを一にする方だと思うんです。どういう役割を発揮されてきた方なんでしょうか。

大塚:監査役ですので、我々が取締役会として決めることに対して監査をしていく、という立場で振る舞ってきた方でございます。

記者18:出資者でもあると思うんですけども。

司会者:ご質問を制限させてください。お願いします。

記者18:どういう役割を発揮してきたか、今回こういうかたちで指摘を金融庁からされているわけですから、この方についてどういうご評価をされてるか、教えていただきたいんですが。

大塚:株主であり監査役であり、というところで……繰り返しになってしまいますが、我々が取締役としてやることに対して、監査の機能をやっていただいた方になります。

司会者:続いての質問に移ります。なお、できるだけ多くの方からご質問をお受けするために、ご質問はお一人様2問とさせてください。ご協力をお願いします。

(会場挙手)

では、その後ろの方、お願いします。

なぜNEMを取り扱ったのか

記者19:『財界』のオオウラと申します。2点お願いいたします。以前のご説明で、体制が整わないうちにNEMという新たな仮想通貨を取り扱った、というような大枠の理解をしているんですが。この動機は一体なんだったんでしょうか、ここを改めてお願いします。

もう1点が、御社の利用者の方でNEM以外の仮想通貨を保有していらっしゃる方々の中で、この間の業務の停止で、取引ができないことによる損失を被っている方も多くいらっしゃると思います。こういった方々へのなにか、補償なりというのはお考えがおありでしょうか。以上です。

大塚:(和田氏に)これはいける?

和田:まず、なぜNEMを取り扱ったのか、というところなんですけども。私たちとしては、当時2017年4月にNEMの取り扱いを開始いたしました。

その当時ではまだまだ現在のように、仮想通貨に対して一般の方が興味を持っているような段階ではなく、私たちとしてはなるべく多くの仮想通貨の購入機会を設けることが、この仮想通貨業界の発展に繋がると考えておりました。

ただその後、4月から5月、6月にかけまして、NEMであったりほかの仮想通貨の価格が急騰しました。それを受けて、私たちが予想していたよりもかなり多くの顧客が、新しく登録や取引をすることになりました。その頃から内部管理体制だったりというところに、業容の拡大に対して私たちの管理体制が追い付いていなかったものと考えております。

続いて2番目の質問ですが、価格の下落への補填というところなんですけども。私たちの利用規約上、ここについては責任は負わないと、私たちとしては考えております。