2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Discover21×アカデミーヒルズライブラリー 『99% の人がしていないたった 1% のメンタルのコツ』刊行記念トークセッション(全6記事)
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千葉正幸氏(以下、千葉):ええと、先ほど後ろのほうでも手を挙げられた方がいらっしゃったと思います。
質問者3:都内で教員をやっていて、たまたま今、受験生を担任していて。この本を全部読めていないので、見当外れの質問になってしまうかもしれないんですけれども。
正直、生徒を洗脳して短期間でガーッとやる気にさせるとか、というのは簡単なんですけど、やっぱり先ほども言っていたように、長く持続的に続けさせるというのが非常に難しい。
やっぱり10代だと、結果が出てこないと焦っちゃったり、あきらめちゃったりというところで、コツコツ自分の気持ちを整えていくということがなかなか難しくて、どんな声かけをしていったらいいのかなあ、ということ。
自分自身がけっこう追いつめてやってきた人間なので、逆にそうやってしまうことによって、追いつめてしまうような危機感というか、恐怖心もあって。逆に、「正直どこの大学でもいいから、とりあえずみんなに、時流に乗って進学しよう」みたいな子もいるので。
個別にやれればいいんですけど、やっぱりその時間もないので、どういうふうにコツコツやっていくメンタルと、サポートしていったらいいのかなというところで、なにかアドバイスをいただければなと思います。すいませんまとまらないんですけれども、お願いします。
千葉:ありがとうございます。どうでしょうか? 今度は京さんからいきますか?
田中ウルヴェ京氏(以下、田中):ご質問の内容はたぶん、コツコツやっていくと結果が出ない、すぐに結果が出ないことに対して、コツコツどうやってもらうかみたいなことでよろしいでしょうか。
たとえば、こちらの思う「こうやれば成功なのにな」という、勝手な思いがあるじゃないですか。こちらの成功経験なり、失敗経験なり。それでたとえば自分だったら、18歳の息子と15歳の娘がいます。こんな親だと面倒くさいじゃないですか。若い子たちには言われませんけど、外に行ったら、おじさん、おばさんに「お母さんメダリストなんだったら、おまえこの競技でがんばんなきゃな」「当然、メンタル強いんだろう」とか言われますよね。
いろんな社会で、私の知らないところで、そういうふうに言われて帰ってくるであろう子どもらに、小さい頃からすごく気をつけてたことは今まさにおっしゃったことで、人はどうとでも見るし、ママもどうとでも見ちゃう。
つまり、ママの成功経験はママが成功した経験なだけで、あなたの成功経験は、何が成功かっていうことも決まってないし。
一流大学に入ることが成功なんだったらそれでもいいし、でもぜんぜん違うなにかをやりたいんだったら、もうそれでも(いい)。なにかとにかく、「自分にとって何が成功なのかということはすごく考えてね」ということはいつも言っています。
田中:でもそれってすごく曖昧すぎて、じゃあ技能的にはどんなことに気をつけたか?
そうすると、自分の勝手な思い込みがとにかく怖いから。とくに先生だったら、生徒のことをすごく愛してたり、すごくよくなってもらいたいって心から思うじゃないですか。そうなると、「成功してほしいな」って思っちゃう。母親なんて、一番面倒くさい存在ですよね。「幸せってなんだ?」なのに、「幸せになってほしい!」みたいな。
その思い込みを一生懸命外すようにして、やったことは2つですよね。情報開示をする。「ママは先週のあなたから今週のあなたを見て、こうこうこんなふうに変わったように、ママには見えたよ」と。「へえ、本当。なんで?」「ママはこうこうこんなことは素敵だと思うし、ここはどうなのかなって興味を持ったよ」みたいな、客観性はいつも気をつける。
でも、2つ目は「でも、正解ないもんね」って。そうすると、自己責任感を与えられるし。あとは、メンタルって可視化されないとか、コツコツは可視化されないって言われますけど、我々が気がついてない表出行動でたくさんメンタルを可視化できてるんです。
努力をしてる人は、その主観では気がつかないけど、客観ではたくさんあるはずなんです。「なんか数学の時にすごく背筋が伸びてて集中してたな」とか、とてもつまらないことを見逃さない。「首筋がまっすぐだったね」とか。ごめんなさい、私、身体反応からいっちゃうんですけど(笑)。
(会場笑)
先生しか見えないその子の変化、「あ、なにか変わったの?」ということはセルフアウェアネスになるので、そこを一生懸命伝えるというのが重要だと思います。
この遠い結果はわかんないじゃないですか。自分だってオリンピックをがんばってる時に、オリンピック選手になれる保証なんてないし、毎日が不安だし、「こんなことしてていいのかな」「息こらえてるって脳細胞が死ぬらしいな」とかずっと思ってましたから。
(会場笑)
でも、この日の成果は分かりますよね。「今日、これはできた」「今日の私はイラつきながら(でも)やれた」とか、そういうつまらない成果をちゃんと可視化するというのは、それは……まあ(本に)書いてるとおりです(笑)。
千葉:ありがとうございます。河野さん。
田中:すいません、長くなってしまって。
河野英太郎氏(以下、河野):高校3年生、9月、10月だという状況は難しいとは思います。今回の本のテーマとは若干外れるかもしれないんですけど、自分が高校生だった時を振り返りつつ、あと後半ではビジネスの観点からお答えします。
高校生だった時、私は岐阜県の岐阜北高校という、本人が名門だと思う高校にいたんですけど。やっぱり東京大学って、ほとんど入らないんですよね。東京大学って言葉に出そうもんなら、それこそ大笑いされる。そういうところで、高1の夏に400番だったんです。430人ぐらいしかいなくて、欠席者を入れるとたぶんビリだった。偏差値は37だったんですよ。
夏休み明けにそれをやって、(成績)見て、「あ、ヤバいな」と思って、担任のところに行ったんですね。それで冗談半分に「先生、俺この成績だったのに、東大に行くことにしたよ」って言ったんですよ。反応としては「バカ言ってんじゃねえ」という反応を期待したんですけど、「当然だろ。目指すべきだよ」と真面目な顔していわれたんですよ。その瞬間、スイッチ入っちゃって。「あ、そう? 目指していいんだ」って思ったんですね。
その担任の先生が言ったなかで一番すごく覚えてる言葉で、そのシーンも明確に覚えてるんですけど、「おまえら、東京大学に行くために必要なことってなんだと思う?」とクラスに質問にして。いろいろみんな手を挙げて言いますよね、なんか「岐阜県で1番になること」「岐阜高校に勝つこと」みたいな。
そんなことを言っているなか、「いや、違う違う。そうじゃない。行きたいと思うことだよ」と。「なるほどな」と、行きたいと思わなきゃ絶対行けないですよね。僕はオリンピックに行きたいとすら思わなかったんで、行けなかったですけど。
(会場笑)
このなかで、たぶんもしかしたらオリンピックに行きたいと思ったのは京さんだけかもしれない。出場者いたらごめんなさいね、でも、京さんだけかもしれない。行きたいと思わなきゃ絶対できないんですよ。
そういう基本的なことを教えてもらったのは高1の先生で。あと、高3になった時に、それこそね、東京大学なんかに行けない学校で、水泳やってると夏までやらなきゃいけないんですよ。それでインターハイに行けたわけじゃないんですけど、東海予選ぐらいまでは行ったんですよね。
そうすると、7月の終わり、8月の頭まで泳がなきゃいけないんですよ。そうすると担任はどうするかというと、「おいおい、やめろよ。そろそろ引退しろよ」ってみんな言うわけですよ。高3はブラスバンドと野球と僕らしかやってないんですよ。みんな引退して勉強してるんです。
でも、お子さんもオリンピック選手になった糸井さんという先生が監督だったんですけど、「先生、やっぱりやめなきゃいけないのかな?」って言ったら、「絶対行ってこい」「やるべきだ」って言われたんですよ。
それ、ぜんぜん根拠ないじゃないですか。だけど、高校生のやる気って無限なんですよ。もうとにかく、さっきの首筋がよかったとか、根拠なくてもほめて、「おまえ、行けるよ。やれるよ」って言われれば、豚もおだてりゃ木からさらに宇宙まで行っちゃうんですよね。
なんで、変にすれてない高校生ならそれが可能かなと思って。僕は本当に本気で目指し始めたし、水に入ってない時期は勉強ばっかりやってました。
もう本当に体が壊れ……当時は体が壊れても大丈夫だったんで、体が壊れるぐらい。本当にね、高3の冬場とか、水泳部なのに味噌汁に顔突っ込んでね。食ってる時に眠たくなって味噌汁とか天つゆとかに顔突っ込んで、溺れそうになったことも何度もあります。
(会場笑)
それぐらいやれたんですよね。僕、本当にね、青天井ですよ。だからほめまくると本当に上っちゃうんですよ。僕は自分の高校時代を思って、メンタルトレーニングとはあんまり関係ないかもしれないですけど、思いました。
河野:あと、ビジネスの観点でいっても、カルロス・ゴーンという人が2000年に日本に、日産に来た時のことを覚えてる方? だいたいみなさん生まれてますよね? 17歳、16歳。
「とんでもない奴が来た」「コストカッターだ」と。「日産なんて会社、リバイバルできるのか?」というビジネス界の論調だったんですけど。日産リバイバルプランというプランを出してですね。
「5年後かなんかに達成して、そのために1年目はこれこれだ」という目標設定をつくって、それを日本語でバーンとイベントで発表したんですよね。日本語は最初の2フレーズぐらいだけだったんですけど。それが伝わったんですよ。
よくよく見ると、1年目は絶対達成できる目標なんですね。それで1年後に「達成しました!」とかバーンとやって、そうするとみんな社員がやる気になるんですよ。そうするとビジネス界の論調も「クロスファンクショナルチームというのが機能したんだ」とか。
(会場笑)
「そんなの知ってたよ」って話でやるんですけど、盛り上がっちゃって、どんどん回復して、今や三菱自動車まで吸収して、世界に冠たる会社に戻ったわけですよね。今度のリーフなんかすごいですよ。ボタン1つで車庫入れしちゃいますからね。……回し者じゃないですけど。
(会場笑)
それぐらい、ほめられるとか、達成を喧伝されていい思いをするというのは、大人でもやっぱり効果があるんだなと思うので、とくに高校生だったらおだてまくって、万が一失敗したって、「1年後にもっといいことがある!」となるんじゃないかなって、僕は思います。すいません、メンタルとは違かったですけど。
千葉:いい話をいただいたような気がします。ありがとうございます。他にどなたか、この機会に聞いておきたいこと。
質問者4:貴重なお話をたくさんありがとうございます。メンタルに直接関係するかどうかわからないんですけど。ビジネスのうえでも、プライベートのところでも、スポーツをやる時でも、迷いが生じる時がけっこうあると思うんですけれども。
とくに最近はダイバーシティとか言われると、自分が「Aだ」と思っていたところが、たとえば部下だったり、カウンターパーティの人から「Bだ」「Cだ」と言われると、「それも正しいんじゃないのかな」という迷いが生じて。
意思決定の時に、自分がメンタル的に弱くなっちゃうというか(笑)。そういうことがたまにあるんですけど、そういう時にはどのように対処というか、対応していけばいいのかなということを、ご助言いいただければと思います。
河野:ありがとうございます。私も現在進行形でその迷いはあって。私のチームに、3年目で非常に優秀な人がいるんですね。だけど、3年目というとミレニアル世代の中でもさらに若い世代でして。金曜日の夜7時から月曜日の9時、10時ぐらいまで音沙汰なし。それが当たり前の世代です。
僕はもう、ハラハラして、週末になってメール送っても返ってこない。12月28日に提出するお客さんへの資料を彼はぜんぜん提出しなくて、僕は毎日「でも、ミレニアル世代にメール送っちゃいけないかな」って気にして。でもどうしても我慢できなくて、1日1通ずつ、「大丈夫?」「大丈夫?」って。
田中:送ってんじゃん。
(会場笑)
河野:ぜんぜん返答ないんですよ。でも、Facebook見てると遊んでるんですよね。
(会場笑)
年明け2日ぐらいに、「これ、本当ヤバいんで、28日ってお客さんに言ったじゃないですか。一応メール見てくれない?」ってFacebookでメッセージ送ったら動き始めてですね。「え、でも28日はお客さん閉まってるから、年明けまでいいと思ってました」「まあそうだろうねえ……」という感じで、僕の正月はお屠蘇も飲めないぐらいの、働き方弱者みたいなかたちだったんですけど。
(会場笑)
そういうことがあってですね。グローバル企業で中心は日本の夜中で動いてるわけですよ。「メール見てよ。一応11時とか朝5時ぐらいに見てくんないかな」と思いつつも、「ダイバーシティだし……」「ミレニアルだし……」ということが何度もあったんですけど。
でもね、一言相談すべきだと思うんですよ。僕の価値観とズレてるのは間違いなくわかってて、向こうもこっちはバブルの経験もないのにバブル世代だと思われてるんですけど。
(会場笑)
一番損な、それを氷河期世代というんですよね。
田中:そうなんだ。
河野:一番損な世代、全部損ですよ。220万人……240万人でしたっけ? そのぐらいいて、受験も大変、就職も大変、老後も大変、みたいな。
ただ、「四半期末なんで、夜11時と朝起きてすぐにメールだけ見て」というと、「あ、そうですね」とか言ってくれる時ってあるんですよね。やっぱり黙って我慢してるのが一番よくなくて。話してみると、ロジカルでさえあれば理解するんですよ。
それを本当のバブル世代の人は、「俺たちが若い頃はなあ」って、「9時にタクシー止めに走って、12時に止まったんだ」とか言って。今なんかね、手上げたら20台ぐらい止まりますからね。
(会場笑)
だからロジカルに説明できない価値観の押し付けというのはいけないと思いますけど、やっぱりロジカルに説明しさえすれば、合意って必ずあるはずです。それでダメだったら、やっぱりスパッと切る、ないしは自分が離れるという判断を、一番最後にすればいいと思うので。話もしないで避けるというのが一番いけないなって、最近、現在進行形で思ってますね。
田中:迷いの整理をできたらいいなと思います。たとえばメンタルトレーニングだったら、壁一面のホワイトボードに「何を迷ってますか?」って聞いて、ダラダラ言ってもらって、バーッと書いていくんですけど。
それと同じようにご自身で、「だって」って自分で書く。とにかく、できたら書く、筆記。面倒くさかったらPCでもいいです。要は、可視化したい。
そうすると、究極「あれ? 迷ってないや」になったり、「決めてんじゃん」みたいな。「デシジョン・メイキング終わってるくせに、『迷ってる』とか言ってるなあ」という気づきになったり。あるいは、「あー! だから、迷ってるんだ」とかというのは、言語化するのがベストです。
もしも言語化しにくい方なのであれば、それは認知行動療法の専門家……あー、人によるよなあ。ぜひうちに来てください。
(会場笑)
営業のつもりじゃなく、あの……ぜひ。自分だと高いから、もう1人、同じことできる人いますから。
(会場笑)
それだけでもぜんぜん違います。迷いとか不安ってちゃんと自分でわかってることが多いから。
あともう1つは、迷ってるってこと自体は、すごく素敵なことですから。つまり、それだけ大事なことだし、それだけデシジョン・メイキングに責任がかかってるって、わかってることだから迷うのであって。
「何がいいんだろう? 人にとってウィン・ウィン・ウィンって、どういう意味だろう?」って迷うからこそ、本当にいいデシジョン・メイキングできる自分は素地を持ってるってことですから。だから、ちゃんと迷ったらいいと思います。すいません、そんな言葉しかいえなくて。
質問者4:ありがとうございます。
田中:ぜひぜひ。
河野:さっきから思ってるんですけど、やっぱりアプローチぜんぜん違いますよね(笑)。
田中:そう! さっき思った!
(会場笑)
河野:地べたアプローチとアカデミック・アプローチって(笑)。
田中:いや、違う違う。私、逆ですよ。こっちが地べたでしたよ。
河野:あ、そうですか?(笑)。
田中:「高尚なこと言ってんなあ!」って思って。
河野:(笑)。
田中:いいコンビだね!
河野:ね(笑)。
(会場笑)
田中:でも、デュエットは合わないからね。ぜんぜん合わない。やってること違うもん。振り付け自体が違うもんね。
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