友達やロールモデルは簡単に見つからない
質問者7:すいません。出口さんが今日もおっしゃっていたんですけど。人・本・旅っていうところで今日もお話がありました。本と旅については、私もせっせと個人的にはやっているんですが、人については難しく思っていて。「イエス」とまず付いて行くことっておっしゃっていたんですけど、もし別にアドバイスというかそういうのがあれば、もしくはバーっとしてこういうのがあれば。
出口治明氏(以下、出口):他にはないと思いますね。もう少し言い方を変えれば、毎晩合コンに行く以外に人には出会えないですよね。家で考えていても無理だと思うので。人ってやっぱりすごく難しいんで、いろんなところに行っていろんな人に会って初めてだんだんわかってくる気がしますから。
まだ僕もそれ以外のいい解は見つけていませんので、まずイエス、あるいは毎晩合コンに行ってがんばってねぐらいしか言えません。ダメでもともとという気持ちは、すごく大事だと思いますよね。
そんなに簡単に友達とかロールモデルとか見つかるはずもないし、簡単に見つかったら人生は楽ですよね。そんなもんあらへんと思った方が楽だと思いますが。
質問者7:ありがとうございます。
なんでも読めばいいという考えは間違っている
出口:はい、次の方。どうぞ。
質問者8:ありがとうございました。私は自分の専門書だとか資格の本とか、例えば出口先生みたいに歴史の本や生命保険の本とか、そういう本は読めるんですけれども、小説とか物語がなかなか読めなくてですね。どの児童書から始めればいいかなと思っているところなんですけれども。
どうやったら楽しめるのかなというか、どうやって小説を読んでいったらいいのかなということですね。
出口:でも、専門書を普通に読めるんだったら、たぶん小説に興味がないだけの話だと思うので。別に小説を読む必要はないじゃないですか。
(会場笑)
だから好きなものだけを読んで、読みたくなれば手を広げればいいだけなんで。なんでも読めばいいって考えることが、むしろ間違いなんだと思います。
「なんにも本が読めへん」っていうのはちょっと問題ですけれども、専門書とかをちゃんとお読みになれるんであれば「じゃあ自分は専門書を極めよう」と思えばいいんじゃないんですかね。小説とかはだれかに任せておこうとか。
質問者8:ありがとうございます。児童書から始めたいと思います。
(会場笑)
出口:はい。最近読んだ小説では、宮部みゆきさんの『この世の春』っていう小説がとてもおもしろかったです。すごくテンポが早くて、最初から「え、この先どうなるんやろ」とドキドキの連続でした。
本屋に並んでいると思いますので、もし興味があれば本屋で最初の10ページ、立ち読みしてください。そこでおもしろくなければ捨てておけばいいと思います。