2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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岩瀬大輔氏(以下、岩瀬):みなさん、こんにちは。今日は4人いますが、みんな共通するのはコンサルティング会社出身で、今はベンチャーで働いていて、「コンサルティング会社なんて行く必要ない」という人たちかなと思いますので(笑)。
1人ずつ簡単に自己紹介と、「いま自分が学生だったらどんな会社に就職するか」をひと言で言っていただければと思います。それでは中島さんから。
中島真氏(以下、中島):こんにちは、中島です。リブセンスの取締役をやっております。ちなみに裏番組では、代表の村上(太一)がやってるので、そちらもあわせてよろしくお願いします。
私は大学を卒業したあとにコンサルティングファームを2社、そのあとにDeNAを経て、今リブセンスです。それぞれ、3年から4年ずついたという感じで、ここまでのキャリアを歩んでいます。
岩瀬:大学卒業したときって、こんなふうになると思いました?
中島:いや、ぜんぜん思ってなかったです。
岩瀬:当時はどういうイメージだったんですか?
中島:当時、そもそも大学のときに、私自身が小さい商売みたいなことをちょこちょこやっていて。言葉を選ばずに言うと、けっこう舐めていたというか、「仕事って金稼ぎでしょ?」ぐらいに思うところがあって。
そうしていると、自分自身の時間を焼畑的に感じるところが出てきて、「ちゃんと仕事するって何なんだろう?」と言うのが半分と。でも、半分は舐めていた自分もいたので、それでコンサルに入ったんですね。なのでイメージもなにも、というスタートです。
岩瀬:「楽勝」ぐらいの気持ち?
中島:いや、楽勝というか「どれぐらいできるのかな?」みたいな。腕試し感みたいなのは意識してたかな。
岩瀬:当時、将来の夢はあったんですか?
中島:なくはないんですけど、確かなものというよりも目の前での「自分自身がどれだけやれるか?」みたいなほうに向いていた気がしますね。
岩瀬:ありがとうございます。今、もし中島さんが大学4年生で、これから就職先を選ぶとしたら、リブセンス以外、どういう感じの会社を選びますか?
中島:僕個人としては、まず小さい会社に行くであろうということですね。小さいといっても30人より小さい会社を選ぶかなというところですね。あとは、そこにいる人間をできるだけ深く知って、仲間としてどれぐらい肩組めるかみたいなところで見られた会社で選ぶ。
岩瀬:その心は? なぜ30人以下の会社なんですか?
中島:「いろいろやりたい」というのがすごく強くて。いろいろというのは、とくに若いときは、職種でもそうですし、役割とか、そのへん含めていろんなことを経験したいなと、今振り返っても思います。
人数が少ないというのは、自ずとそういう機会にふれる可能性が高いという意味で、小さいところというところですね。あと、30人程度までであればどうやっても全体を把握しうるという意味で。
岩瀬:次、福島さんお願いします。
福島広造氏(以下、福島):福島です。今はラクスルという会社で、経営企画部部長、執行役員やってます。
これまでは、フューチャーアーキテクトというシステムのコンサルティングを4年、そのあとBCGで8年間(内1年間はドイツ)。企業変革をミッションに日本の大企業のトランスフォーメーションをやってきました。
岩瀬:BCG8年ってすんごい長いですよね。
福島:そうですね。岩瀬さんからの一言目が「長いよね」でしたね。
岩瀬:8年もいる人ほとんどいないです(笑)。
福島:スタートアップにチャレンジできる最後のタイミングで出てきました(笑)。
岩瀬:相当大企業のエスタブリッシュメントの中にどっぷり入っちゃう感じなので。それを踏み出して、しかもそのお歳で……そんなにお歳じゃないんですけど、ベンチャー行く人ってBCGでもほとんどいないんじゃないですか?
福島:そうですね。8年経験してからスタートアップは、もう私ぐらいですね。
岩瀬:どうぞ、聞きますよ。
福島:私、学生の頃「電脳隊」というガラケーのアプリを日本で初めて作ったスタートアップでバイトしてて。そこがヤフーに買収されて、そこから上場したてのシステムコンサルティング会社入って、その後BCGでした。
「スタートアップから大企業まで無駄にいろいろ見てきたな」という感じがあるので。そのなかで、今みなさんの立場で何をするかというところを、このパネルで話せたらなと思ってます。
岩瀬:いま学生だったら、どうするんですか?
福島:私はやっぱり、スケールしていくスタートアップに行くだろうなと思います。
みなさんにとって、コンサルかスタートアップって二元論かもしれないですけど。私から見ると、スタートアップという中に、本当に5人の会社から、人が集まってスケールしていけるスタートアップまで本当にいろいろあると思っています。
私は、小さくておもしろい会社よりも、「これから日本を変えていく」とか「1,000億になっていく」とか、本当に社会にインパクトを生めるチームがいて、その一員で自分がなにかできるという。そういう思いをちゃんと持っているスタートアップを選んでいきたいなという感じですね。
岩瀬:なるほど。ありがとうございます。次に井口さん、お願いします。
井口善文氏(以下、井口):はじめまして。私はウィルゲートという会社で取締役CFOをやっております。
私のキャリアでいいますと、新卒でソニーに入りまして、6年ぐらいいました。そのあとリクルートに転職して、こちらも6年ぐらいお世話になって、経営共創基盤というちょっとお堅い名前の会社に3年半おりました。そのあと、今のウィルゲートというところにおります。
経営共創基盤という会社、ご存知の方っていらっしゃいますか?
(会場挙手)
あ、いるんですね。
岩瀬:意識高いですね。
井口:よかったです。あんまり知られてないというのと、なんか「産業再生機構」みたいな感じがするので、「それってコンサルか?」みたいなことを先ほど……。
岩瀬:言ってないですよ、そんなこと(笑)。社長の冨山(和彦)さんは僕とすごいキャリアが似ていて。司法試験合格、東大法学部、BCG、MBAみたいな感じの人なんですけど。その人が作られた会社です。
井口:若干コンサルとして異色ではあるものの、まあ、みなさん知っていただいているので、コンサル出身者として今日はこの場に立たせていただきます。
岩瀬:コンサルティングもやるし、投資もやるし、いろんな事業のハイブリッドな感じですよね。
井口:そうですね。会社を改革するためにはなんでもやるという感じで。私自身ほとんどクライアントに常駐して、分析やアドバイスをするだけでなく、事業を動かすために、例えばその会社の中に新たな組織を作ったりもしました。
そういう意味で、少し昔の産業再生機構みたいな。ご存知ない方もいらっしゃるかもしれないんですけれども。そんな動き方をするコンサルですね。
岩瀬:いま井口さんが学生だったら、どういう最初の就職先を選びますか? 先ほど、「もしかしたらソニーにはいかないかもしれない」ということをちょっと聞いたような気がするんですが。
井口:ソニーの関係者の方がいらっしゃったら言いにくいんですが、リクルート、経営共創基盤、この2つのどちらかかなと思ってます。
今、ウィルゲートというベンチャーで働いていて、人生で最高潮に楽しいんですけども、それもリクルート、経営共創基盤という経験があって、はじめて自分の価値を出せて、楽しめてるというところがあるので。
もし新卒というところでいうとその2社。どっちかと言われると難しいですけれども、その2社どちらかかなと思ってます。
岩瀬:ありがとうございます。じゃあ次に、コンサルで働いて「こういうことを学んだ」とか「こういうことがよかった」みたいなことを順に話したらおもしろいかなと思います。
ちなみにDeNAの南場(智子)さんは、最初に(基調講演を)聞かれた方も多いと思うんですけど、コンサル全否定論者なんですか?
中島:目的にもよると思いますが、事業家を志すなら否定的だったんじゃないでしょうか。
岩瀬:そうですね。「コンサル意味ない」ってすごい言われるんですけど。僕は新卒で2年しかいなかったので、8年いた福島さんと比べるとそんなにコンサルを語る資格はないんですけど……やっぱり行ってすごいよかったなと思いまして。
仕事の基本動作みたいなものとか、プロフェッショナリズムみたいなものとか、あとパワポがすごくうまくなるとか、ゴリゴリ分析するとか。あとは大企業の偉い人の前に行ってもぜんぜん動じずになにかするとか。
あと、わりと俗人的なんですけど、人に学ぶことが多くて。僕は御立(尚資)さんといって、この間までBCGの日本代表をやられていた方で、よくワールドビジネスサテライトに出てる方がいるんですけど。その人とけっこう仕事していました。
やっぱりプレゼンがめちゃめちゃうまいんですよね。歌舞伎役者みたいにプレゼンするんですよ。そういうのをよく見てたり。
僕がすごいよく覚えているのは、御立さんはタクシーを降りるときに、運転手さんにいつもすごい丁寧なんですよ。若いときにそういうの見て、「偉い人でもこうやって誰に対しても誠実に接するんだな」というのがすごく身について。
そういう人たちの生き様みたいなものがあるので。コンサルのそういうハードなスキルもあるし、ソフトなスキルもあって。
僕はライフネットを作るときに、132億円のお金を集めたんですけど、そのときのパワポはBCG関係者が見ると、「あ、BCGだな」みたいなところがあるので。
やっぱりそういう大きいお金を集めてくるとか、なにか説得して動かすときのきちんとしたロジックとか、大企業の人たちの議論に耐えうるものを作るとか、そういうことを学べたのはよかったのかなと思います。
じゃあ、中島さんはいかがですか?
中島:僕自身、コンサルでの経験は、基本的には学んだことばかりなので、産業としても個人的なキャリアとしても、すごい感謝しています。
たくさんある中で1つあげるとしたら、「今思うと」というところなんですけど、「コンサルは時間があるな」ってすごい思っていて。
どういう意味かというと、岩瀬さんがいったように、まず物理的にもすごい時間はあるんですけど、僕自身も朝タクシーで帰って、家でタクシー止めておいて、タクシーで出社するみたいな。そういうのを毎日暮らすぐらい、1日の時間がすごく長くなるという。
岩瀬:時間あるってそういう意味なの(笑)。「忙しくて時間ない」って言おうと思ったんですけど。労働時間が長いということですね。
中島:働き方として、コンサル……そういう限りじゃないですけど、けっこうプロジェクトワークって時間を止めるなと思っていて。
例えば2ヶ月間のプロジェクトをものすごい勢いでやるんですけれども、使う時間もたくさんやりながらやるんですけど。
事業自体が本当に進んでいる、会社の経営自体が動いているというところに対して、スパっとプロジェクトというかたちでアジェンダをセットして止めて、その時間はそのテーマに乗って必死で考えて、2ヶ月後にアウトプットする。
これは僕が辞めて気づいたことなんですけれども、「そんなに優雅に意思決定をする時間はないな」と思っています。そんなに自分自身で考えて考えて「これだ」というところまで追い込んでアウトプットして意思決定する時間はないと思っていて。
実際の経営の立場になると、感覚的にはその2、3割のテンポで意思決定をどんどんしていかなきゃいけないというところなので。
何が言いたいかというと、アジェンダに対する時間があったのはよかったというところで十分に考えるクセとか考え方とか、それなりの体感速度の中でトレーニングできたかと。
基本形としてそれをフル回転させ最短距離で意思決定に持っていくという経験ができていたというのは、結果としてすごい貴重な時間だったかなと思います。
岩瀬:ありがとうございます。福島さん。
福島:1個目は、みなさんおっしゃったとおりで、やっぱり自分が尊敬できるとか、「この人はすごいな」という人が周りにいる環境が一番刺激になったし、学びが多かったなと思いますね。
2つ目でいくと、やっぱりインパクト。
100億のインパクトを生むとか、10万人の組織を変えていくお手伝いとか、そういう本当に大きなインパクトを、自分がその中に入ってやっていく経験というのはすごくおもしろかったし、やりがいがあったなと思いますね。
一方で、シリコンバレーはスタートアップがスケールして、メガスタートアップと大企業の切磋琢磨の健全な競争と危機感のなかで、世界がよくなっていくというメカニズムが働いていると思っています。そのためには、日本にもっとスケールするスタートアップが出てきてほしい。
そういう構造の中でいくと、自分自身インパクトはあるものの、本当に企業を変えるというときに、どこの立場でやるのがいいのかなって思って。「変えたい」という思いは変わってないんですけど、その立場はスタートアップで大きくなるっていうところでやりたいなと感じています。
今はスタートアップにも、若手も経営陣も刺激になるような人が行っているので。いまラクスルでも同じような刺激を受けながら毎日やれてるという。そこは時代が変わってきたのかなという感じですね。
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