イラクに派遣された航空自衛隊について

山本太郎氏(以下、山本):生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。安保法案に関して質問します。総理、よろしくお願いします。航空自衛隊がイラクに派遣されていたことは、総理はご存知ですか?

安倍晋三氏(以下、安倍):航空自衛隊はですね、イラク特措法に基づきまして、平成16年の3月から平成20年12月までの間、クウェートを拠点としてイラク国内の飛行場との間で人員・物資を輸送をしておりました。

具体的にはイラクの復興状況や、国連・多国籍軍の輸送ニーズ等をふまえまして、国連・米軍等の要員、事務機器、医療機器、車両、航空機部品、テント等を輸送したわけでありまして、その際、輸送対象となる人員が、武器を携行することについては、それが常識的な範囲内で、通常携行するものであれば、輸送の対象としていたわけであります。

これらの内容は、活動期間中や、活動終了後に国会に説明報告するとともに、適切に公表をしております。

山本:丁寧にご説明ありがとうございました。それはそうですよね、空自の先遣隊、クウェート出発した時は、内閣の官房副長官であられたんですもんね。ありがとうございました。

えーっと……航空自衛隊、イラクで何を運んでいたんでしょうかというお話です。平成19年4月24日、衆議院本会議にて総理は、航空自衛隊のイラク派遣について、「国連その他の人道復興支援のための人員・物資の輸送を行っている」と説明されました。これに間違いはございませんか?

安倍:それに間違いはないわけでありまして、いまご答弁申し上げた通りでございまして、国連や多国籍軍の輸送ニーズをふまえて、国連米軍等の要員や事務機器、医療機器、車両、テント等を輸送したわけでございます。

人員輸送のうち、約60%が米軍関係者

山本:そうですか……えっと……みなさんのお手元の資料の円グラフをご覧ください。元データは2009年10月、防衛省が開示したもの。航空自衛隊がイラクでの活動を開始した、2004年3月3日から最後の空輸となった2008年12月12日までの空輸実績の全記録をグラフ化しました。全体で46,000人輸送しましたと。

先ほどの、平成19年の総理の国会答弁だけを聞きますと、輸送のメイン、国連の関係者がほとんどなのかな? と勘違いしそうになりますが、実際は国連の関係者はたった6%ほど……。その10倍……約60%が米軍や米軍属だったということなんですが これ、なんの目的だったんですかね?

中谷元氏(以下、中谷):数字の話ですが、ご指摘のとおりです。総人員が、46,479人でございます。米軍人は約半分の23,727人でございます。

この活動につきましては、特措法に基づいて、人道復興支援活動を政策的に重視をしましたが、基本計画におきまして、派遣部隊の編成規模については、人道復興支援活動をするのに必要な規模という観点から定めるとともに、派遣活動は人道復興支援活動に影響を及ぼさない範囲で「安全確保活動」。これを実施することといたしておりました。

イラクに派遣された航空自衛隊、こうした方針のもとで活動を実施しまして、米軍は国連の安保理決議に基づいて治安維持活動のみならず復興支援活動にも取り組んでいたということで、この2つの任務のなかで活動したということでございます。

山本:ふたを開けてみたら60%が米軍だったり軍属だったという結果があるわけですよね? じゃあどうして、国会の答弁で国連その他の人道復興支援のための人員・物資の輸送を行っているという答えをするのか。どうして一番多い人たちがその他に込められるのか? 意味がわからない。もういちいち法律見てたら……「等」。そこに全部集約されてんだろって。

国連関係と言いながら、メインは米軍の輸送に使ってたんじゃないか。お手元の2枚目の資料に「運輸実績の実例」。黒塗りの資料。裏が黒塗りが外された、開示文書がご覧いただけます。

国連職員と言いながら、その中身はほとんどが米軍関係・自衛隊関係の人員だった。人道復興支援と言いながら、戦闘員を輸送してたんじゃないですかって話なんですけど、自衛隊が運んだ米軍兵士も、復興支援のための人員だったと宣言されますか? 総理、大丈夫ですか? ひとことでお願いします。

輸送した米兵の活動内容についてはわからない

安倍:これは、あの、イラク特措法に基づく活動としてですね、クウェートを拠点としたイラク国内の飛行場との間で人員・物資の輸送をしたわけでありまして、あくまでも特措法に基づく活動をしていたわけでございます。

山本:なるほど……。そうおっしゃるのならば、総理は、自衛隊がバグダットまで輸送した兵士たちが、そのあと何をしたのかという詳細まで把握されているということでよろしいですよね?

ということは、それらの兵士の所属部隊や従事した作戦まで知っていたという話になります。それが把握していたということになりますから。もう一度お伺いします。把握していたということでよろしいですか? 内容は結構です。把握していたのか、していなかったのか。

安倍:この法律によってですね、まさに、これは人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うということになっているわけでありまして、また自衛隊の部隊については、物品の輸送に際しては、武器の輸送は行わないことにしているわけですが、詳細については承知しているわけではございません。

山本:なるほど。詳細についてはわからないわけですね、要は。当時も、そういうふうに聞かされているというお話ですよね。先に進みましょうか。

総理は、航空自衛隊がバグダットに……。あっ、そうや、これ資料請求したいんですけど、資料請求はできますかね? いまは把握してないけど、昔、話聞いてた限りはそういうことだと思うんですけど。

本当にその人たちが平和活動のみに、バグダットから旅立っていったのか? そのことに関する詳細っていうのは……これ、資料請求できますかね? 隠したりしないでしょ? 出してもらえますか?

安倍:あの、輸送した米兵についてはですね、イラク国内において復興支援または治安維持のいずれかの活動に従事していたというふうに認識をしております。

山本:なるほど、そうですか。総理は航空自衛隊がバグダットに米軍兵士らの輸送活動を行った2006年7月以降、それによって市民・米兵の犠牲者数がどのように変化していったか把握されてますか?

上村司氏(以下、上村):米軍の犠牲者数ですが、ある一定の期間を区切って米国が発表しているものではございません。我々が持っている数字は、米国国防省の数字ですけれども、2003年3月19日から2010年8月31日までのイラク作戦全体の総数でございますが、4,424名の犠牲者が出ているという数字は持っております。

2007年のイラク民間人の犠牲者数は2万4000人

山本:こちらのグラフですが、イラクで犠牲になった亡骸の数をカウントしているNGO・イラクボディ―カウントが発表しているもの。ご覧になればわかるとおり、2007年の民間人の犠牲死亡者数、24,000人にも上っている。自衛隊のクウェートへの輸送が始まったのは、2006年の7月だと。この当時は安倍官房長官時代ですね。

これ以後の約1年間、開戦直後の空爆が激しかった頃を別にすれば、最もイラク市民の犠牲が多かった時期であり、米軍兵士の犠牲も一番多かった時期だそうです。総理にお聞きしたいのですが、2007年の1年間と言えば、第一次安倍政権で、総理になられたんですよね? 2007年の1年間で、米軍が爆撃した回数はご存知ですか? これ、通告していません。ご存知かご存知でないかだけで結構です。

安倍:爆撃した回数まではお答えすることができません。

山本:突然の質問すみません……1,447回。2007年の1年間で1,447回も爆撃されたというのがイラクの現状です。いわゆる「テロとの戦い」ということで先進国が始めた戦争によって、子ども、女性、お年寄り、多くの市民が犠牲になったと。

イラク戦争に賛成したんですよね? 安倍総理は。賛成してなかったらたぶんここまでこれなかったですもんね、総理まで。アメリカ兵の輸送に関しても、賛成されたわけですよね? これ、賛成してなかったら総理までこれてませんもんね。

我が国の総理が、イラク戦争の実態、あまり詳しくご存知でないようです。その一方で、自衛隊の活動を拡大しようとしている。アラブの人々、世界の人々が聞いたらどう思うんですか?

人道支援の実態は、米軍との「武力行使一体化」

航空自衛隊のイラクの空輸活動については、2008年の名古屋高裁で違憲判決が確定しています。このことについてはご存知ですか? ご存知か、ご存知でないかだけ、お答えください。

中谷:平成20年の4月17日に名古屋高裁における判決について、違憲の確認および差し止めを求める訴えは、不適法なものであると却下をされました。また、損害賠償請求は法的根拠がないとして、棄却をされておりまして、国側が全面勝訴の判決でございました。

山本:「総理」とお願いしたんです。総理にお答えいただきたい。最高責任者なんでしょ? この違憲判決、要はイラクでの空輸が違憲だ、憲法違反だという判決が出た。その中身を見てみると、政府と同じ憲法解釈、イラク特措法を合憲だとしても、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる。

人道支援と言われるものの実態は、結局、米軍との武力行使一体化であったと。それがはっきりと司法によって判断された。イラク戦争でも我が国は、多くの民間人を殺すことに加担していた可能性が高いということを伝えているわけですよね?

輸送した米兵のなかでは、ひょっとしたら、戦場に向かって人道的復興支援だという話になっていたかもしれない。表向きは。でも、その中身はわかんないってことですもんね。

総理は衆議院での質疑で、国際憲章上、違法な武力の行使を行っていれば、それは国際法上認められないことであり、我が国はそのような国を支援することはないとおっしゃいました。

総理、我が国がジュネーブ条約や、国際人道法や国際人権法に違反する行為、つまり戦争犯罪に協力する行為なんてありえませんよね? ひとことでお願いしたいです。ありえるか、ありえないか。

安倍:我が国として、国連憲章上、違法な武力を行う国に対して支援や協力を行うことはないわけです。