日本人イノベーション最強論

濱口秀司氏(以下、濱口):こんにちは、よろしくお願いします。

プレゼンの前に、僕はガンガン大阪弁でいきますんで、よろしくお願いします。

今日KOKUYOさんに呼んでいただいて、名前は濱口と申します。1時間いただいてお話したい内容が3つあります。

もちろん1つめがイノベーションの方法ですね。どうやってイノベーションを起こすのかと。

2番目が、日本人とつなげようと思います。日本人とイノベーションとどんな関係があるのかと。日本人はイノベーションが得意なのか、不得意なのか。これ2点目ですね。

3番目ですね。もし得意であればより強くするために、もし不得意であれば克服するために何をしなきゃいけないのかと、この3点をお話していこうと思います。

プラス、せっかくお時間をいただいていているので、自己紹介とか、何でこんなものがなかったんだみたいな背景の話もさせていただこうと思います。よろしいでしょうか? ぶっちゃけ、結局何が言いたいかと言うと。この1時間で。結論先に言っちゃいます。

まず言いたいこと。実はイノベーション力において、日本人は本来最強であると。「日本人イノベーション最強論」を今からしゃべっていきます。これ本邦初公開です。今年何回か言おうかと思ってるんですけれども、今回は一番目ですね。

ただし2つのハードルを克服すれば、と。「2つのことを克服すれば世界最強になれる」。これが僕の持論ですね。

2つというのは後で詳しく説明しますけれども、1つがフレームワークです。物事をどう捉えるかというフレームワーク。簡単に言っちゃうと、日本人は小さく捉えすぎていると。これが1つめですね。

もう1つ、マネジメント。イノベーションというのは非常に難しいです。後で申し上げますけれども、不確実性を伴ってやってくるので、経営者から見ると分析しにくいと。これをいかにマネジメントするかと。

でもこの2つを乗り越えれば、実はイノベーションに最も近い民族が日本人であると。もちろんこの中で日本人でない方がおられたら、後で殴りかかってこないでくださいね(笑)。

人にはそれぞれ得意な仕事分野がある

まず自己紹介からいきます。濱口秀司、一体何者ぞやと。人にはそれぞれ得意な仕事分野がございます。

今日はちょっと違った見せ方をしようと思っていまして、こんな数字が書いてあります。

これって一体何でしょうか? なぞかけじゃないんですけれども。

0から1を作るのが得意な人がいます? 全く何も無いところから、発想を豊かにですね。こういうのが得意な人もいますね。会社でこういう方も必要ですよね。加えて、今度は出来上がった新しいものをとにかく立ち上げると。こういうのが得意な人もいますよね。立ち上げ屋みたいな。それをガガッと大きくすると。こういう方もいますよね、ビジネスマンで。

そして、例えば1万になったものを保持すると。1万が9千にならないようにがっちり保持すると。こういう方もいますよね。その1万を少しずつでも伸ばしていく。こういう仕事も必要ですよね。会社の中で、これ全部そろわないと回らないです。どの仕事も重要です。

こういう見方ですね。もちろん、これ1万を下げていく人もいると思うんですけれども、今日はその話はしないようにします。

私はこの0、1、10です。新しく作る、0から全く何もないところから発想して、問題を解決するというのは非常に得意ですね。それから立ち上げも得意です。大きくするところはやったことはあるんですけれども、そんなに得意じゃないです。自白すると、これが僕のキャラクターですね。

USBフラッシュドライブの生みの親

0、1、10というのは一体何なのかというのを、少しだけ自慢をさせてください。

1つめが、USBフラッシュドライブです。これは掛け値なしに全くゼロから、このUSBにフラッシュをつけてドライバーで認識させるというものを作ったのは僕ですね。

99年に思いついて、2000年にイスラエルの会社に作らせています。これは大成功してますね。多分5年間で0から250ミリオンぐらい売ってますね。ミリオンっていうの個数ですね。ユニット。皆さん使っておられますよね。

少し昔の話になるんですけれども、皆さんイントラネットを使ってますよね。日本で最初にイントラネットを作ったのはサイボウズっていう会社、ご存知です? サイボウズの高須賀がパナソニックにいる時に、高塚と僕が作ってるんですね。日本初のイントラネットを、商用イントラネットは私たちが作っていますね。全然グラフィックデザイナーでも、プログラマーでもないんですけれども、当時プチッと押すボタンのデザインまで僕やりましたね。これがまた0、1ですね。

それから皆さん、イオンドライヤーみたいな。これもだいぶスタンダードになってますよね。これの一番最初を作ったのが僕です。マーケティングで、松下電工からイオンドライヤーっていうのが出ている時に、髪の毛が描いてあって、イオンドライヤーを使ったときと使ってないときっていうのが、ダイエーとかあちこちで写真に載ってたんですけれども、あの電子顕微鏡をとったのが僕です。

アメリカで起こした奇跡

それとかですね、こういう商品だけじゃなくて、積層板。積層板事業で、劇的にある工場の生産性を上げています。プロが入って生産性を50パーセント上げたいのに15億円かかるといったものを、6千万円で3ヶ月で1.5倍にしたりですとかね、こういうこともやりますね。0、1ですね。

それから、これ面白いケースです。日本では知られていないんですけれども、アメリカではもうミラクルと呼ばれているんですけれども。コールマンっていう会社ご存知です? アウトドアの。1995年、気が狂ったんです、あいつら。で、売上が伸びないと。我々のブランドというのは過酷な環境から人間を守るというブランドだと。よし、それを室内に持ち込もうと。

室内で人間を守るといったら何かというと、火災報知機だと。火災報知機を作ったこともないのに、アメリカの企業なんで、人を雇ってきて作り始めようとしてZibaに来たんですね。その時僕が参画して、何が起きたかと言うと、ちょっとしたトリックをしたんです。これデザインで売れたんじゃないんですね。ぶっちゃけ言うと、何をやったかというと、部屋ベースのコンセプト出したんです。

それまでは、火災報知機というのは、店に行くとドバーといっぱい並んでて、5ドルから300ドルで、「でも俺の命を守るから5ドルは安すぎる」みたいな。「でも300ドルは多いな」みたいなので適当に選ぶっていう市場だったのに、部屋別のコンセプトにしたんですね。これは例えばキッチン用です。寝室用です。例えば、スモークデテクター(煙報知機)が壊れて店に来たときに、「あ、寝室のが壊れている。買おう」と。

新しい家に移ったと。うちはベッドルームが3つだから3つ買おうと。子供が生まれた。子供用にこれを買おうと。一瞬で判断できるようにしたんですね。

これ何が起きたかというと、これは伝説なんですけども、1年目でマーケットシェアが何パーセントになったと思います? 多分いろんな事業をされてると思うんですけれども。初年度、全くゼロ。そして、コールマンのブランドが39パーセント、市場の4割を一気に取ったんですね。これが業界でえらいことになってしまって、ナンバーワンのファーストアラート、それからサンビームがぐちゃぐちゃに入って買収劇が起きて、98年にコールマンはこの事業を手放して、ファーストアラートが買収したことによってまたナンバーワンに戻ったと、こういうやつですね。これも僕がやっていますね。

イノベーションにはやり方があることを伝えたい

それからフェデックス。たまたまなんですけれども3日前、アメリカの雑誌のファストカンパニー。アメリカのことをよく知っている方はそういうビジネスの関係のおもしろい記事が書いてある雑誌なんですけれども。

2010年からフェデックスのブランドが劇的に上がってるんですね、ブランド価値が。それのケーススタディが書いてある本があって、そのケーススタディーは僕がやったやつです。時間があれば、またこの後に説明しますけれども、こういうこともやっています。ブランド価値を高めることも。これもいっぱい賞を取りましたね。

この箱なんですけれども、ついこの間オープンにしていいって言われたんで出しますけれども、カークランドというブランドがあるんですね。で、石鹸売ってたんですよ。全然売れなくて、あるトリックをかましたんです。これは実はパッケージを、見せ方を変えたんですね。

日本だとちょっとわかりにくいんですけれども、実は箱買いをしたり、それを例えば自分の倉庫に並べたり、そういういろんな使い方をする人に向けて、実は箱を変えることによって、売り出し時点から、このパッケージを変えただけで、売上がコンスタントに50パーセント増しになったという事例ですね。こういうことをいろいろやってます。

それから銀行の事例もあります。銀行で、預金高を1ヶ月で240パーセント上げました。

USBのフラッシュドライブを1つのイノベーションと、あの程度のものを数えるのであれば、多分僕は220個以上作ってると思います、この手のやつを。

これ自慢しているわけじゃなくて、何が言いたいかというと、やり方があります。これ天才じゃないし、まぐれあたりじゃないです。だんだん上手くなってるんですけど、やり方に沿ってやってて、再現性があります。これが、今日皆さんにお伝えしたいことですね。やればできると、学べばできるということです。よろしいでしょうか。