2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
著者と語る朝渋『人生の勝算』著者・SHOWROOM代表取締役社長・前田裕二さん・幻冬舎編集担当/箕輪厚介さん(全8記事)
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西村:ある意味「カードを磨きこんでいく過程」をやられているんですけど、その1つの方法論が、日記だったんですか?
前田:そうですね。学生のときは日記というかノートにずっと書いてました。本屋さんに行って、1番ページ数の多い自己分析本みたいなのを買って、答えるということをやっていたんです。それを何周もやる。2周目とかは微妙に自分の考えが変わったりするから、それをずっとやってた。
西村:研ぎ澄まされていくわけですね。
前田:たくさん書いたノートを見ると、「これ絶対に面接落ちるわけないな」と思いながら面接に向かってました。自己暗示のようなところはありますけど。だから、内省は大事という話でした。
竹田:その内省ノートは何冊くらい作られてましたっけ? 8冊、9冊とかありました?
前田:たぶん30、40冊書いたと思います。
竹田:そんなに考えたことない。
前田:ちゃんとした、(手で大きさを示して)これくらいのノート。積み上げるとけっこうな高さになる。
西村:へ~すごいなぁ。
前田:だから自分のことを聞かれるとき、どんな質問でも、「3つあります」って言う状態になってる(笑)。「好きな色は何ですか?」と言われても、「僕、3色あって」とか(笑)。普通だいたい「好きな色は何ですか?」って言われたら、「え、なんだろう。まあ、青ですかね」みたいな感じになると思うんですけど。「3色あるの、こいつ!?」となる(笑)。
(会場笑)
西村:しかも全部理由がある。こわいですね(笑)。
前田:という状態にまでなってたら、それは自信あるじゃないですか。
西村:ありますねぇ。
前田:「なんでそんなに自分のことがわかってるの?」ということもよく言われましたけど、それくらい勝ちたかったんですよね。就活というゲームに。僕、就活はゲームだと思っていたんで。就活自体が。ゲームのルールを理解して、勝つためにはそれが必要で、戦術として今言ったようなことが必要だとわかっていたから。
起業というか、事業もそうですよね。ある程度ルールがあって、「ルールの中で成功するには、どうしたらいいんだっけ」というハックが絶対にあるから。ルールを正確に正しく理解するという見極めの作業と、理解したあとに、やりきるという熱量の2つがあれば、どんなビジネスでも成功すると思っている。
箕輪:僕も新卒で内定してた会社が潰れて、1年間超ヒマだったんですよ。就職浪人みたいに。確かにそのときずーっと考えてました。前田さんみたいなクオリティじゃないですけど。「本当に何がやりたいのかな。テレビか出版か」と。最初の就活もテレビ、出版、あと沖縄。
竹田:沖縄!?
西村:1個だけレイヤーが違いますね(笑)。
箕輪:ふざけた人生を送ってきたし、本当にずっと人の悪口とか意地悪ばっかしてたんで。
(一同笑)
箕輪:そういうのを活かせるのって、編集者とかプロデューサーだけだなと思いまして。普通の銀行員だったら一瞬でクビだし、だからテレビか出版かなと思っていたんです。でもそれは狭き門だから、無理だった場合は沖縄に行って泳いで暮らそうと(笑)。
西村:第3の選択肢だったんですね。
箕輪:沖縄だけ最初の就活で受かったんです。リゾートホテル。当たり前ですよね。高卒の人が多いなかで、いきなり早稲田の人が受けに来たんだから。あっちも「こいつ何を求めてるかわかんない」という感じで。僕、パラソルを刺すのとマングローブを案内するっていう係に内定してて。
(会場笑)
竹田:もし箕輪さんがそうなってたと思うと、それはそれで超楽しみですけどね~。
箕輪:そこがリーマンショックで潰れたんですよ。ヤフー見てたら倒産って書いてあって(笑)。
前田:ヤフーで知った!?
箕輪:ヤフーで知って、そしたら後日電話がかかってきて、「内定取り消しです」って言われて。
前田:やば!
箕輪:でもそこでもう1回、「俺は本当に沖縄行くのか?」と考えた。
(会場笑)
箕輪:「内定取消しです」と言われたあと、本当にもう1回考えようと思った。学校もないから、ずーっと考えてて。でも不思議なもので、ちゃんと言語化して考えて、2回目の就活に臨むときも、結局テレビか出版か沖縄だった。
前田:へ~!
西村:懲りずにまた沖縄きたんですね。
前田:ブレないっすねぇ。
箕輪:でも今回は言語化してるから、ぜんぜん1回目の就活と違って、僕の実力はなんにも変わってないのに、出版社もテレビ局も全部最後のほうまで残った。やっぱり大事です。実力が変わってなくても、どれだけ考え尽くせるか。当たり前だけど、なぜ自分がその理由でそこに行きたいのか。
前田:はいはい。
箕輪:コンパスはないけど、あれだけヒマで考えて、出版かテレビか南国だったんだから、本を作るのは大変だけど、「まぁ間違いないな」「向いてるな」と思うのは、あれだけ考える時間を持ったというのが大きいと思います。ノリで入ってたらもっとグズグズになっていたような気がします。
前田:本当に思うんですけど、社会人になってから「立ち止まって考える時間はマジでなくなったな」って思って。
西村:絶対ないですよねぇ。
前田:だから大学生の3年、4年のときにちゃんと1年くらいの時間を取って、ずーっと考えられたのはすごく大事だったなと思っています。
西村:それは今につながる資産になっているということですね。
前田:なってると思います。本当に。
西村:まだまだいろいろ聞いていきたいんですが、せっかくなんで、会場のみなさんからも。いろいろ質問しましたが、これとは関係なくてもいいので、前田さん箕輪さんにお聞きしたいことを、手を上げて聞いていただければなと思います。いかがでしょうか?
前田:もしそれが難しかったら、これに(資料)答えていく方法を取るんですけど。誰に何の質問をしてもらったかということが僕にはすごく大事なので、できれば挙手制でやりたいなと思ってます。
西村:お、パパッとあがりましたね。じゃあ先に。地声で大丈夫ですかね。
質問者1:今、内省というお話がありましたが、自己分析だけではなく他己分析も意識してやられましたか?
前田:他己分析という意識でやったことないですけど。僕はずっとやってたのはあれですね。「面接ごっこ」をめっちゃやってて、フィードバックをもらってました。
西村:へー。模擬面接みたいなやつですか?
前田:そもそも僕は、面接をこなした回数がたぶんこの中で1番多い自信がある。
西村:何回くらい?
前田:数えきれない。1000回とかですね。
西村:1000回!? 1000回面接できるんですね! 人生で(笑)。
前田:グループディスカッションも1000回くらいやってるんで。そりゃ得意ですよね。
西村:百戦錬磨どころじゃないですね。千戦錬磨ですね。
竹田:すげぇ。
前田:だって数が違うから。懐かしいんですけど、渋谷の宮益坂にジョナサンってあるじゃないですか。
西村:お~あそこですか(笑)。
前田:あそこで毎日、朝までコンサルの人を呼んで、ずっとグループディスカッションしてました。これは回数だなと。ていうか、グループディスカッションで落ちたら嫌じゃないですか。個人面接だったら絶対勝てる自信あるけど、GDで負けるってすごく嫌だった。だから僕は全部の役割ができるんです。今回はタイムキーパーで勝とうとか。
(会場笑)
西村:タイムキーパーの勝ち筋なんてあるんですね(笑)。
前田:実はタイムキーパーが1番勝率が高いんですよ。
西村:え~。すごい。1000回やってるから間違いないですね(笑)。
前田:本当はこれね、始まった瞬間に腕時計を外して、「時間、俺見るね」ってやる。そうすると「時間見てくれるんだ、ありがとう」ってみんな思うんです。だけど、時間を掌握している時点で、そもそも……。
西村:時間を掌握! タイムキープじゃないんですね。掌握なんですね(笑)。
箕輪:時間を掌握!(笑)。
前田:15分あるという時に、「残り3分だからこういうこと起こりますよ」みたいなことを、自然に言えるというか。「俺、リーダーやります!」とか言うと「何か気張ってるなコイツ」って思いませんか?
箕輪:確かに、確かに。
竹田:戦略的!
前田:300回目ぐらいに気付いたんです。
(会場笑)
前田:「タイムキーパーが1番強いな」と本気で思って。なぜかと言うと、周りを警戒し始めると、あまり自分の意見を聞いてくれなくなっちゃうんですよ。「俺、リーダーやります!」みたいなことでリーダーになるよりも、「タイムキーパーやります!」というほうが、「縁の下の力持ちやってくれるんだね」と思われる。
なんで面接ごっこをしていたかというと、「面接官はどんな気持ちなのかな」というのを理解するためにやっていたんです。だいたいそれがわかったのは、「みんな話がなげーな」というのがわかる。だから面接の時も、「相手が関心があることは何か」というのをちゃんと引き出すために、まずはお品書きを出す。それはさっきの「3つあります」じゃないですけど、そういう話し方のスタイルに変わったし。
その過程で、自分が面接ごっこをしていた相手に、「今のやりとりはこうだった」というのをすごくインプットしてもらったというのはあって。プロ意識じゃないですけど、面接して、過去分析して、どう思ったかというフィードバックはものすごい数だなと思います。やらないよりは、絶対やったほうがいいと思います。
西村:もう量が尋常じゃないですよね。1000回。
前田:もう、むっちゃやってましたね。50万人ぐらい就活生がいるとしたら、それこそ外資系投資銀行は1万人受けて、1人受かるぐらいのところだから、その確率論で言ったら相当な能力値が求められているわけです。少なくとも50万人中の上位1パーセントには入れるぐらい、面接とかグループディスカッションが得意じゃなきゃまずダメだし、それは何かというのは、練習量だと思っている。サッカーや野球と一緒で、みんなそこを練習している人はあまり居ないから、むしろ本当に負けたことがないというか。
西村:絶対的な自信に繋がりますよね。
前田:そうですね。すごい得意ですね。
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