価値観が違う人間を切り捨てただけじゃないの?

ナレーション:前回、自身がサークルの代表を務めた経験を組織のマネジメントなど社会で活かせると語った高橋くん。しかしその発言に一貫性はなく、価値観の合わない人に寄り添えていなかったという指摘を受けた。いったいこのあと、どうなるのか。

高橋氏(以下、高橋):そういう人は残らなかったですね。逆に言うとそういう人は残らなくて、でも自分のことを本当に信頼してくれる30人くらいは残ってくれました。

井坂智博氏(以下、井坂):じゃあ、高橋くんが結局残ってもらいたい人が残っただけじゃん。ぜんぜん救ってねーじゃん相手のことを。価値観が違う人間を切り捨てただけじゃん、それは。違うんか?

高橋:それは捉え方の問題じゃないですか?

井坂:どういう捉え方の問題なんだよ。ノリソリが合わない人間とはやらない。って聞こえるんだけど、どう?

高橋:「楽しい」を求めてくる人はいっぱいいる。そして、「楽しい」を提供できるサークルもいっぱいある中で、なにを軸に判断するかって人とかじゃないですか。

肌感合わない人はいくらでもいるじゃないですか、でも(サークルに)行ってみないとわからないじゃないですか。そうなったときに、自分と温度感の合う人が残っていったということだと思います。

「社会のせいなんかにするんじゃねーよ」

井坂:それが社会とか組織にどう活かせるの? その価値観が。

ナレーション:寄り添うことが強みだと言っていたにも関わらず、まったく寄り添えていない。

高橋:どう活かせるのと……。

井坂:だって社会は多様性が豊かで、もっともっと考え方や価値観がばらばらで、言うことを聞かないメンバーがたくさんいる。そんな社会にも関わらず、「自分と温度感が同じ人だけ仲良しクラブで手を繋いでます」、それがどう活かされるんだよ。

ナレーション:井坂からの厳しい指摘に高橋くんは。

高橋:今はまだ見つからないです。

井坂:じゃあぜんぜん話がおかしいじゃん。だって、言ってることが。

ナレーション:ここで、この状況を見守っていた藤野が静かに割って入る。

藤野貴教氏(以下、藤野):自分のことのなにを足らないって言われているんだと思う? 

高橋:自分が社会に出てなにができるか、っていう部分ではっきりしていないこと。

井坂:違うだろうよ。違うだろ。社会のせいなんかにするんじゃねーよ。自分自身の問題だろうが。仲のいい考え方の合う奴とお手々繋いで仲良しクラブやってましたって自慢してんだ今、自分は。それを受け入れてんのかよ。

自分にはなにも問題はなかったの?

ナレーション:井坂からの指摘に言葉を失う高橋くん。そして藤野が。

藤野:一番気になっちゃったのは、やっぱり今、井坂さんが「仲良しクラブだけじゃ社会はやっていけない」と。

今言ってるのは、「私は仲良しクラブを作ってきたことを自慢してるだけに聞こえる」っていうこと、それを受け入れてない、って聞こえてるわけですね。つまりあなたは、「俺が言ってることをちゃんと受け入れてないだろ」「受け入れた上でどう思うか話してくれ」と。適当になんか返しているように聞こえる。

さっき「社会の問題のせいにするなよ」って話がありましたけど、要は自分には問題はないのかと。辞めていった人間は合わなかっただけじゃないですか、そういう奴は残らなかったんですよ、って言ったのは、俺には「お前には問題はないのか」「自分に問題があるってなんで気づかないんだよ」ってなったんですよね。

問題がない人っていないじゃないですか。そして、「自分の問題はなんだったのか」とをちっとも話してくれないから、「お前、人のせいばかりで、自分の話をしてないじゃないか」と見えてしまうんですよ。

仲のいい人にしか寄り添っていなかった

ナレーション:藤野からの言葉は彼の心にどう響くのか。

高橋:先ほど、一人ひとりに寄り添ったって言ったんですけど、それっていうのはたぶん「自分と仲がいい人」「自分が少し気に入った人に自然と寄り添ってあげていた」だけで、残りの辞めていってしまった50人とか60人は寄り添いもしなかったのかなって、今改めて思いました。

ナレーション:そして、これまで冷静に現場を見守ってきた水谷がついに重い口を開いた。

水谷健彦氏(以下、水谷):なんかあの、まあ、世界を広げたら、っていう印象なんだけど。

ナレーション:水谷の意見とは?