「国と企業が近くなっていく時代だからこそ」シェアサービス4社が今、日本で声高に主張する理由

シェアサービスを急成長させるマーケティング戦略 成約率を高めて成功へと導くために #3/5

シェア経済サミット
に開催

2016年11月25日、国内初のカンファレンス「Share!Summit -シェア経済サミット-」が行われました。なかでも「シェアサービスを急成長させるマーケティング戦略」では、シェアサービスを行う4社が登壇。昨今、注目され続けているシェアリングエコノミーですが、サービスが発展した先にはどのような未来があるのでしょうか。各社が見つめる目線の先とは?

ドライバーが増えると配車時間が短くなり、回転率が上がる

上田祐司氏(以下、上田):時々よく聞く話なんですけど、ホストからゲストへの紹介、またはホストからゲストへ転換などはありますか?

経沢香保子氏(以下、経沢):シッターさんが、働いて稼いだお金で自分の子供の家庭教師をキッズラインで……そういうのはあります。

あと、女子大生シッターさんが180人くらいいるんですけど、なかにはお母さんと2世帯で働いている人もいるんですよ。だから、クチコミの世界はかなり濃いかなと思いますね。

髙橋正巳氏(以下、髙橋):うちが海外でやっているのは、例えばUberはいろんなものを呼べます。なかにはタクシーを呼べたりするのですが、そのタクシーのドライバーが、普通に乗ってきたお客さんに対して、「次回はこんなのもありますよ」と紹介したり。

あとは、ドライバーが乗ってきた方に「ドライバーなりませんか?」「ホストになりませんか?」と紹介するなど、本当にいろんな人が登録してできることをやっていますね。

重松大輔氏(以下、重松):そこのリクルーティングの仕組みなどは、さすがですよね。

髙橋:とくにリアルタイムであればあるほど、オンデマンドであればあるほど、誘導性が高い。非常に需要があるんですよね。

つまり、需要と供給の両方で利便性が上がっていくので、ドライバーが増えれば増えるほど、配車の時間が短くなる。そうすると1時間あたりにできる回転率も上がるし、誘導性も良くなっていくので、非常にそこは注力しているところですね。

重松:昨日みたいな雪の日とか。

髙橋:いや、そうなんですよ!

重松:電話してもぜんぜんつながらなくて。どうしてもタクシーを捕まえなきゃって。

髙橋:料金もダイナミックに変わる仕組みになっています。需要と供給のバランスを見て、例えば、雪が降った日ですよね。需要が跳ね上がります。みんなが乗りたい。でも車が足りない。場合によっては、3倍や4倍に上がる。そうすると需要が下がります。これは本当は全域ではなくて、局地的な状態でも起こります。

東京ドームでコンサートがあって、終わった後はみんな帰りたい。そんな人が、会場から何千人と出てくるわけですよね。そうすると需要が跳ね上がります。そこで料金が2倍になっていると「いや、2倍じゃ乗らないですよ」と、需要がひと回り下がるわけですよ。

今度は、ドライバーさんに今東京ドームに来ると、「2倍にしてあげますよ」と情報を伝えるので、供給がたくさん集まるんです。需要が下がって供給が上がるので、料金がまた下がる、という仕組みをクラウドで処理してやっています。

重松:このビックデータ活用感が、半端ないですね。

経沢:そういうのを見ていて楽しいでしょう。私、振り回されているユーザーです(笑)。

(会場笑)

重松:雨や雪を待っているドライバーとかいるわけですよね。

髙橋:UberEATSも同じで、配達員は、みんな自転車や原付なので、雪だと寒かったり。

逆に、本当に来なかったりするわけです。そういったなかで、いかにその需給のバランスを取るかは、システムができる部分もあれば、人が管理をして、ある程度ちゃんとセッティングをしないといけない部分もありますね。

シェアリングエコノミーは、自分たちで経済圏を作れる

経沢:でも、シェアリングエコノミーはいいなと思っていて。1つの経済圏を自分たちで作れるじゃないですか。

上田:そうですね。

経沢:要は提供する人と、お客様と両方で。それをやっている事業者として楽しいと思うのが、フラットな法律みたいなものを1つひとついろんなケースが起こるたびに考えて、決めていくことによって、みんながハッピーになる。ずーっと考え続けるサービスだと思いません?

上田:そうですよね。そういう雰囲気は、もうプンプン。

経沢:ありがとうございます。保育の仕事は命をお預かりするサービスなので、大変なんですけれど。「ベビーシッターは高い」「待機児童で保育園に入れない」という人も多いので。

ご存じない方がわりと多いのですが、実は保育園に0歳児を預けると、園の運営は国と自治体は1人当たり毎月60万円を負担しているんですよ。助成金でやっているんですよ。待機児童が何人もいて、用地取得とか今オリンピックで土地も足りなくて。でも私は、箱物じゃなくて保育シッターの活用で、「待機児童をすぐゼロにできますよ」という提案をいろいろな方にさせてもらっています。

みなさんは耳を傾けてはくださるんですけど、「ベビーシッターってどうなの」があるので、とにかくたくさんの人にまず使っていただきたくて体験キャンペーンをやらせてもらっているんです。

キッズラインは渋谷と調布と千代田区で使ったら年間約5万円を使った人に補助金が出るんです。それはユーザーの方が自治体に電話してくれたんですよ。「なんで、キッズライン対象にしてくれないんですか?」って。

だから、なんだかんだ言ってユーザーの人たちを大事に思うことが、結局、未来の発展や事例の蓄積につながると思っています。

上田:みなさんもですね、「シェアリングエコノミーとは一体どうなんだろうかな?」みたいな感じでいらっしゃったと思うんですが。たぶん、今日の登壇者みなさんの話を聞いていて、紹介なんだと。1回使ったらすごく満足するんだと。そしてクチコミで広がります。

そして、みなさんが1つひとつのサービスをいかに良くして、経済圏を良くしていく。本気でがんばっていることが伝わってきたんじゃないかという気がします。

ロスでは、タクシーの利用回数が4倍になった事例がある

このままの話で進んでいきたいんですけど。どんどん紹介していくとなると、どこまでも普及してしまうような気がします。

髙橋:結局、使い勝手が良くなって、全体的な範囲が広がっていくんですよね。海外では、例えば経済的な負担も安く、相乗りしたかったができなかった。ところが、それができるようになるとさらに需要が増える。

「今まで不便だったから、なかなか使えなかった」という、既存のニーズによるもの。まさにベビーシッターなどもそうだと思うんです。それこそ、いい開催場所がないから、イベントをやらなかった人たちがやるようになったり。

食べなかった人が食べるようになる……ということはないかもしれませんけど。でも、外食率にデリバリーを含めたら上がるなど、利用する頻度の高まりは、結局、経済に対してプラスで良い循環に繋がることがあるのではないでしょうか。

上田:具体的なシーンで、「きっとここくらいまでくるぞ」はありますか?

髙橋:ドアツードアの交通資料という見方をすると、従来の公共交通機関だけだったときに比べて、4倍になっている年ありますね。

重松:サンフランシスコとかね。

髙橋:ロスもそうですよね。既存の交通システム自体、日本は発達しなかったこともありますが、年間で何万回も人々がタクシーで移動していることに比べて、利用回数が4倍になった事例も出てきています。

上田:すごいですね。

髙橋:全体の範囲が広がるということだと思うんです。

シェアリングで、マイクロアントレプレナーが増えてくる

上田:それぞれのサービスで、「こんな未来まで持っていっちゃうぞ」みたいなものはありますか。

重松:そうですね。やはり気軽に、ちょっとしたイベントやミーティングなどがあれば、簡単にできるようなインフラにしていきたいですよね。

あとは、シェアリングがおもしろいのは、ニューヨーク大学の教授も話していますけれど、マイクロアントレプレナーがどんどん増えてくるんですよね。

今まで諦めていた主婦や母親など、ちょっとお小遣い稼ぎをしたい人など、そういった遊休資産を活用して、工夫する。お金を稼ぐには、やはり工夫することは大事です。

ちょっと稼げるようになると、うれしいと同時に、どんどんがんばってくれるんですよね。

上田:具体的な話などはありますか?

重松:千葉に住む実家の母親に、海が見えるスペースを貸し出したんです。バーベキュー場のような店舗なんですけど、ちょいちょい買い手がついて、両親がバーベキュー台を組み立てたりしています。

あと、しおりみたいなものを作って「この網戸はこうしちゃダメ」と絵が描かれていたりして、だんだん良くなっているんですよ。写真とか見てみると、うちの親もなかに入っていたりするんですよね。ワッと。そのほか、コスプレもありますし、写真撮影もあります。

Makuakeさんなんかも、うちで合宿してくれたんですけど。この前、子供たちと一緒に映画を見に行ったんです。そういう子供も増えていく。そんな感じの人生は、すごく楽しい。お金も入るし。

上田:商売されて?

重松:みたいな感じですよね。最近は味をしめて、自分で工作したシーグラスも売り出しているんです。メルカリで3,000円とかで売れたりするんですよ。そうすると、一端のシーグラス作家みたいな気持ちになったりして。

スキルに自信がなかった人たちも働き始めてほしい

経沢:私は、まずとにかく今の日本の問題である待機児童を、来年はゼロにすることに貢献したいと思っているんです。そこで、都知事の小池(百合子)さんや、そのほかいろんな人に提案の機会をみては、提案にうかがっています。

あと、マーケティングの話で言うと、最近は「いい夫婦の日キャンペーン」をやっています。それがさっきの成功事例なんですが、調査したら夫婦でご飯を食べる回数は、子供を持つと圧倒的になくなっちゃうんですよ。年1回か2回あるかないかで、食べてない夫婦は多い。

そこで「ベビーシッターを使って、2人っきりでご飯を食べに行ってください」というキャンペーンを行ったんです。平日も、夫婦の時間は30分以下になっているご家庭が半数以上だったので。やはり「夫婦が幸せだと、お子さんもハッピー」という、いい夫婦を増やしたい。そんな提案を(笑)。

あとは、今の少子化は「女性に対してプレッシャーが大きいから産めない」があります。だからいつでも子供を気軽に産める社会にしたいんですよ。「キッズラインがあるから預かってくれる人が、こんな安く簡単に見つかるんだ」となってほしい。

今の日本では、実家との同居率が8パーセントなので、親が手伝ってくれる確率が非常に少ないわけですよね。だから、近所のコミュニティで女性が子供を産める社会にしたいこともあります。

あとは、扶養控除が外れていくと思うんですよね。そうすると、今まで専業主婦で働くスキルに自信のなかった方が、「自分は育児のスキルがあるから」と言って働き始めてほしいんです。それによって世代間の循環する。育児をみんなでする社会を作りたいなーというのが、私の願いなんですよね。

上田:なるほど。その数字のイメージとして、既存産業の交通が1だとしたら、Uberさんは4倍になるという話ですよね。

経沢:私は数字よりも、イメージとしてはクロネコヤマトになりたいな。

上田:そこらへんに、ネコがいるのとか。

経沢:違います(笑)。同じマンションに手伝ってくれる人がいるとか。

上田:あ、呼べば。

経沢:そう。キッズラインは時給1,000円〜で、それに対して手数料10パーセントと交通費もいただきます。交通費はないほうがお互い安全安心、便利で安いので。できるだけ近いところがいいんです。

今登録したら毎月50人か100人くらいシッターさんが、新規デビューするんですけど。「近所のシッターがデビューしました」と通知をするようにしているので、できるだけ近いところで行えるようにはしています。

国が提供できないサービスをシェアリングエコノミーで助ける

髙橋:そうですね。結局、コミュニティーを作ることだと思うんですよね。今までつながれなかった人が、テクノロジーがあることによって繋がっていく。総合評価があることによって、透明性が増していることがちゃんと理解されることも大事。マッチングされることの本質だと思うんですよね。

これ、とくに日本は、昔からやってたことなんですよね。

経沢:そうなんですよね。犯罪が増えて、みんな子供を外に出すの怖い。だから、できるだけいろんな人が繋がることが、すごく大事。

髙橋:すべて民営化するということですよね。

上田:確かに。そのコミュニティができているとか。例えば、それこそ同じマンションで預けあうとか。1つのシェアリングサービスを使うと、他のサービスも使い始める。そうなってくると、聞いている方などは、そうだと思うんですが、普通のビジネスなど、今のしっかりとした一流企業、政府の役割などがどうなっていくんだろうと、すごく思いますよね。

経沢:でも、企業はいろいろな意味で間に立ってくれるニーズは、永遠になくならないと思うんですよね。私は、シェアリングエコノミーをやっていて思うのは、国の仕事をお手伝いしている感覚なんですよ。

つまり、国と企業がどんどん近くなっていく時代になっていると思っていて、国が提供できないスピード感や、公共のサービスをシェアリングエコノミーでやることで、より働き手もサービス受給者も安く、そして提供する人も稼げるイメージで働いていますよ。

上田:国か。なるほど。

髙橋:そうですね。スペースを確保する、古民家を作る、車を新たに購入するなど、そういったことにはお金や投資が必要なことですから。

地方に行けば、そこでのコミュニティパスを維持するために、税金を使って、補助金などを出しているわけですよね。そういったことが、もっと持続可能な支え合いによってできるようになれば、みんながハッピーになれると思うんですよね。

逆にそれ以外、今後数十年後の日本を考えたときに、どういった解があるのかが気になりますね。

経沢:税金、税収は間違いなくですよね。

重松:税収は、がっつりありますからね。だから、消滅の可能性がある自治体は今、たくさんあるじゃないですか。どんどん統廃合されていくわけですよね。

北海道のJRを見ればわかるとおり、インフラとしてもちょっと成り立たなくなってきています。全体の2〜3割くらいが、ほとんど使われない駅だったからすべて閉じる感じなんです。

そういった状況でどんどん人口は減っていくので、やはりインフラの維持は、前提として厳しくなる。税金も入ってこないし、助け合っていくしかない。じゃあ、どう助け合っていくか。今からやっていかないといけないんですね。

本当に悠長にやっていると、一気に壊れてしまう。だからこそ、ちゃんとやっていきたいという感じですね。

上田:わかりました。みなさんも、なにか感じていただけましたでしょうか? こんな世界になるぞ、というのを。

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