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パネルディスカッション(全2記事)

pixiv片桐氏「個人最強の時代でも、仲間と働くほうが幸せ」 - 81起業家5名が語る、これからの働き方

2014年3月末に81世代の起業家5名が集まって開催された、『81ベンチャー大就活祭!』のパネルディスカッションを書き起こしました。「働き方」をテーマに、IT業界の未来や働くことの幸せ、またベンチャーと大企業の比較などを徹底討論。気鋭の起業家たちのユニークな発言が、自らのキャリアを考え直すきっかけを与えてくれます。

これからの時代、「働き方」はどう変わる?

司会:第2部は、5名の81ベンチャー起業家によるパネルディスカッションを行いたいと思っております。今回の題材なんですけども、前にあります、1.今後の働き方、2.IT業界は今後どうなるか、3.ベンチャーと言える大企業とは、4.各社が求める人物像、最後は各社の会社自慢という形です。シモダさんのほうでモデレーターを務めていただければと思います。

シモダテツヤ(以下、シモダ):モデレーターの意味をよくわかっていない、よくわかっていないんですけども、司会・進行で。パネルディスカッションということで、皆さんに今後の働き方とか、今出ているお題について聞いていきたいなと思うんですけども。順番、どっちから行こうかな。とにかく会社の未来とかそういう話なんですかね、それとも自分としてどう働くのかな、というところなのか。今後の働き方について、nanapiの古川くんにちょっと(聞いてみようかと)。

古川健介(以下、古川):今後の働き方? 

シモダ:書いてあるんで。今後の仕事の仕方はどう変わってくるのか、とかですね。どんな働き方が理想かについて4名にお話を伺いたいなと。僕も答えたかったですけど、省かれてるんでしょうがないなと思います。

古川:逆にランサーズさんから見て、働き方がどう変わるのかを知りたいです。

秋好陽介(以下、秋好):まさかの逆質問(笑)。働き方がどう変わるか。今、正社員とか派遣とかいろんな働き方があると思うんですよね。さっき、僕、プレゼンの中でも書いたんですけど、割とこう「あったらいいな」じゃなくて、具体的な数値として2020年とか2025年になると3分の1がオンラインワーカーになるみたいな、どこでも働けるみたいな、そういう選択肢が出てくるんですよね。そうしたい人はそうすればいいし、そうしたくない人は今と同じようにチームで会社に行って働くみたいな、選択肢はめちゃくちゃ増えるんだろうなという風には思っています。

逆に、そういう選択肢が増えることのメリットもあるんですけど、デメリットもあって。例えばそうなると、グローバルで戦うみたいな、エンジニアだとベトナムとかの人って優秀で、単価という言い方をしてもいいのかわからないですけど、値段で言うと安かったりするんで、そういうふうなところとの戦いになるみたいな。そういうこともあったりするんで、いいこともあったり、悪いこともあるんですけど、言いたいこととしては、選択肢はたくさんあって、自分の好きなように働ける時代になってくるという風に僕は思っています。

合理的じゃなくても、人は仲間といっしょに働きたいもの

シモダ:めっちゃかっこいいっすね。かっこいいなと思った人、手を挙げてもらってもいいですか?(笑) 結構今のはかっこよかった。今の超えられるかな? 梅田さん(笑)。かっこいいこと、言うてくださいよ、かっこいいこと。

梅田優祐(以下、梅田):僕は、意外と働き方はそんなに変わらないんじゃないかっていう派で。うちの会社は出勤簿がないんですよ。出社時間も決まっていないし、どこでも働いていいようにちゃんと働ける環境を作っているんですね。にも関わらず、みんな集まってくるんです。在宅ワークしたとしても、週に1回やるかやらないか、という感じだったりもするんですね。

なんでかなと思うと、やっぱりこっちの方が便利だから生産性が高いとか、そういう合理的な理由だけじゃなくて、人間ってもっと情的な、人と一緒にいたいとか、仲間と一緒に時間を共有して働きたいとか、そういう方が意外と大きくてですね、勝手に集まってくるんですね。

例えば、この前も技術チームが、朝9時からミーティングをやっていて、一人の技術者が「僕、家に帰るわ」って言っていて、もう一人の技術者が「一緒に行っていい?」って言って、2人で家でプログラミングしてたぐらい、人は人を求める。そうすると、選択肢は広がると思うんですけど、結局働き方っていう本質のところは、仲間とみんなで集まってやるということは変わらないんじゃないかって思います。

シモダ:なるほど~。だいぶかっこよかったんじゃないですか(笑)。反応聞いてみてもいいでしょうか? 今のかっこよかったな、という人は? 気を遣った挙げ方が出はじめていますけど。でも、いい話ですよ。では、片桐さん。

個人最強の時代、でもチームで時間を共有するほうが幸せ

片桐孝憲(以下、片桐):働き方ね。そもそも、今って、ランサーズとかを含めてインターネットを使えば、時間とか場所とかとらわれないということも起こってくるとは思うけれども、そういう人たちも出てくるだろうというのもありつつ。pixivでやろうとしていること、グローバルで戦えるようなプロダクトを作る場合は、やっぱり人が集まって作らないといけないと思っているので、pixiv自体は在宅で仕事できるような感じではないし、みんなが同じ時間に同じ場所に集まってコミュニケーションを取りながらものを作っている、というのが基本にあると思うんですよね。僕らはそれをやっていくと思うので。

そもそも、個人最強の時代なんですよね。個人クリエーターが最強。昔に比べてね。インターネットが進化したことによって、個人クリエーターが最強になっちゃったんで、さっき言ってたようにベトナム人のエンジニアと競わなきゃいけないし。人間の幸せって何かって考えたときに、やっぱり楽しいとか苦しいとか、そういうものの時間を、そういうプロセスを共有していくことだと思うんで。

しかも、瞬間瞬間というよりも、例えば5年後とかに、5年前を振り返って「あのときしんどかったよね」とか「お前、泣いてたよね」とか、そんなようなことが言い合えるということが、人の幸せだと思ってるんで、pixivでは同じ時間を共有して、チームで価値観の高いものを作っていきたいって思っています。

「共感経済」が主流になる

シモダ:いいこといいますよね。次、nanapiの古川さん。じゃあ代わりにですね、nanapiの古川さんが、今まだしゃべる前ですけど、もうかっこいいという方、手を挙げてください(笑)。結構なもんですよ。もうかっこいいとこれだけの人が言っている前で、かっこいいことを言ってもらえればな、と思いますけど。

古川:今まで経験してきたパネルディスカッションの中で一番やりづらいですね(笑)。僕はですね、今後どうなるかというところで、将来「共感経済」というものが主流になるんじゃないかなと思っています。今って、日本でも、給料が2倍になれたら転職するっていう人はあんまりいないんですよ。それよりか「この会社で働きたい」とか「このプロダクトに共感する」とか、一緒に働く人に共感するみたいなものが主流になっています。

発展途上国とかだと、1万円、2万円給料が上がると、生活が変わりますし、家族がその分だけ幸せになったりするんですね。冷蔵庫買えるとか。ただ、日本だと、そこまで生活レベルに差が出ないので、となると、どんどん「共感」の方にいくと思っています。なので、この会社に勤めるとかよりかは、この人と一緒に働きたいとか、このプロジェクトに参加したいとか、こういう世界にしたいというところに共感して働いていくんじゃないかなという風に思います。

シモダ:いいですね。すごく。いいキーワードがいっぱい出て。みんなが良すぎるので、早くもどう回していいのか、わからないんですけども(笑)。今日来ていただいている方々も、各社長のそういう働き方やビジョンみたいなのを聞いて、ここ受けたいな(就職面接)という人も出てくると思うんで、これからもかっこいいことをバンバン言っていってもらいたいですけれども。

10年後の世界は非言語になる?

シモダ:次のお題、IT業界、今後どうなるのか。さっきからちょっとそこにも触れてるな、という感じもしたんですけども。IT業界とか、自分の働いている会社だったりとか、世界の産業におけるIT業界の位置みたいなこと。(話の規模が)デカイから、うまくしゃべれないですよね。やめちゃおうか?

梅田:全然わかんないと思うんですよね。10年前、2004年を振り返ったときにiPhoneもなかったですし、Facebookができたのが2004年で、ちょうど10年前ですし。GoogleがAndroidを買収したのも、ちょうど10年前なんですよね。それで今いっぱいになってるじゃないですか、この10年の中で。そのことを僕が2004年のときに振り返ってみても絶対にわからないですし。僕はわかんないと思うんですけど、けんすうは?

シモダ:確かにね(笑)。未来を見据える感じがすごいですよ。

古川:どうしてこうなっちゃうのかな(苦笑)。ひとつあるのが、30年後にほぼテクノロジーで貧困とか食糧危機とかエネルギー危機とか解決する、というふうに言われてるんですね。そうするとですね、戦争とかもほとんど起きなくなってきて平和になって、しかもみんな働かなくても食えるみたいな時代になってきます、と。

そう考えると、ITの使い方というのは変わってくるかなーというふうに思っていて、今はビジネスとか効率化というところにいくんですけれども、そこから先はどちらかというと、感動とかエモーショナルとか、各国が非言語とかでやりとりして、「こういうの楽しいよね」とか「きれいだよね」ということがやりとりされるんじゃないかなと思っていますが。

自分の担当領域の未来は見えているべき

シモダ:見据えましたね。でも、10年後って僕は正直わからないし、さっき梅田くんが言ったような、何が起こるかを考えることすら僕は無駄だと思うところがあって、今一生懸命、話さなくてもいいんじゃないのかなと思うんですけども。社長だと計画立てたりすることも、未来を見据えてるということになったりするじゃないですか。未来こうなってんちゃうかな、みたいなことを経営に活かしたりすることもあったりするじゃないですか。結構、未来こうなってんちゃうかな? みたいなことを経営に活かしたりするんですか? 予測から「こう来るな」みたいなことを「準備しとこうぜ」みたいなことってあるんですか?

梅田:僕、全く予測できないので考えてもしょうがないっていう派なんですけど、唯一予測できることって、自らを変えることだと思うんですよね。将来のこと。自分たちがやっている領域って、我々であれば経済メディアっていう、そこであれば我々が先頭に立って未来を作ることができるので、どういう未来になるかっていうのは僕たち次第だと思っています。なので、自分たちの領域であれば当然見えています。大きなITの業界であれば全くわかんないです。

シモダ:そうですよね。その言葉が一番聞きたかったです。わかんないし、そんな責任持てないですからね。もし外れてたときの恥ずかしさを思うだけで、言えなくなっちゃいますからね。

ベンチャーは本当に安定していない?

シモダ:じゃあ、次なんですけども。これは皆さん、すごい言葉を持たれてたりするんじゃないかなと思うんですけども。大企業の魅力とベンチャーの魅力っていうのをまず皆さんから聞きたいなって思うんですけども。

秋好:そうですね。大企業VSベンチャー、どっちが勝つの? みたいに、この文字列を見ると感じるんですけれど。個人的に、ニフティって富士通系で、グループで言うと10万人みたいな感じなんですよね。みんなもしかしたらそう思ってるかもしれないですけど、大企業には大企業の良さがあって、やれる規模感、何百億の予算で仕事できますとか、いきなり僕なんかも新卒で入ってパートナー企業をいきなり20人入れるみたいな、そういうマネージメントに近いことをやらせてもらったり、いいことはあるし。

逆にベンチャーだと、よく言われることですけど、(与えられる)裁量は大きいので自由にできる。なんかそこって個人の価値観っていうか。僕がよく思っているのは、ベンチャーだと非常に自由度が高い代わりに、もしかすると安定というところではないのかもしれないですし、大企業だといい意味で人事制度とか育成教育とかされているので、安定という意味ではすごく安定している反面、自由というのがないって思っているので、どっちがいいとか悪いではなくて、その人が何したいのかだとか。あと大企業でも、ニフティとリクルートとかでも全然違うと思いますので、一緒くたにできないなっていうのはありますね。

片桐:質問していいですか? ベンチャー安定しないって言ってたけど、ほんとに安定してないんですかね?

秋好:そこ、会社のステージにもよるよね? 

片桐:あんまり見たことないから。働いてね、会社がなくなって路頭に迷っている学生。

シモダ:そうですよね。

片桐:あんまり見たことないから。本当の意味で安定してるとか、安定していないとかって言えるのかなって。ベンチャーと大企業の話になると、すぐに安定とか安定じゃない、とかいう話になるんだけど、実際にベンチャーに入って不安定な状態に陥っちゃった人を見たことないから、あるのかなっていう質問。

梅田:片桐さん、消費者金融行ってたじゃないですか?(参照:pixiv片桐代表が明かす、驚異のグロースハック術

片桐:それは苦し紛れだよ(笑)

ベンチャーにいると食いっぱぐれない理由

シモダ:ベンチャーと大企業の境目って何なんすか? そもそも……。

梅田:教えてもらってもいいですか?

シモダ:オレ? どこなんですかね。わかんないですけど、みんなそれぞれイメージがあって。例えば、究極の話なんですけど、大企業に入ったときは誰かのせいにしやすいのかなと思ってて。ベンチャーだと一個一個の裁量は大きかったりもするんで、自分の責任やと思えることが結構大きな差なのかなっていうのが、勝手なイメージで僕は思ってたりするんですけども。

ただ、ベンチャーの本当の良いところって、どっちがいい、悪いはないと思うんですけども、細分化されてて会社全体が見れなくなっちゃってる大企業に比べて、自分の仕事量とかも、AもBもCもDもする、みたいなチャンスが結構あったりとかするから、最悪、飯とか食うスキルってそこで育ちやすかったりするんですよね。誰かに依存しまくってて、急に会社が潰れたみたいなことになったときに、自分に何の才能もないから前と同じ職種を探す、みたいな行動になりにくかったりするのが、ベンチャーで働くメリットだったりするんかなって勝手に思ったり。なんかめっちゃ長く喋っちゃったんですけども。そんな風に思ったりするんですけども、どうですかね?

古川:会場の人でベンチャーよりも大企業に行きたいと思っている人ってどのくらいいますか? 

シモダ:3人? 4人? 結構少ないですね。

古川:ここにいらっしゃるような方たちっていうのは、ベンチャーに行きたいっていう人が多いってことですか? 他が決まってないという感じですよね?

シモダ:なるほどね。我々としてはベンチャーを薦めたいところですけどね。

大企業にいても「大きい仕事」はできない?

梅田:完全に僕の主観なんですけど、僕がまた学生のときに戻って、僕がベンチャーという選択肢を理解していたら、絶対にベンチャーを選びますね。これは主観で、僕だったら、ということなんですけど。僕は、投資銀行でグローバルの会社だったんで超大企業を経験して、ベンチャーで働いてるんですけど。自分で創業して、周りにベンチャーの方なんかを見ている中で、本当にもしこの大企業の中で人生終わってたら絶対に後悔したな、と思ったので。大企業のメリットって何なのかなってさっきからずっと考えてたんですけど、あんまり思いつかなくて。

唯一、世の中の常識ってあるじゃない。世の中の常識が作られてるっていうのは、やっぱり大企業が作っている。世の中の常識をちゃんと体現できて、それを理解すると。その常識を理解すると、BtoB向けのビジネスだったりとか、いろんな考え方の基礎になったりもするので、世の中の常識っていうのを体現できるっていうのはあるのかなと。それぐらいなんですよね。

よく言われるのが、大企業は大きなプロジェクトができると。僕が前、投資銀行でやってたときっていうのも、JALのファイナンスをするっていうのが日経の一面に出たんです。対外的にはすごく大きな案件だという風に出るんですけど、僕がその中でやってた仕事っていうのは、メールと懸案書のチェックとかだけをずっとやっていたんですね。1年目だったんですけど。

一見大きな案件だったとしても、それに関わる人間は30人、40人いるわけなんですね。そこで責任を持てっていうのは非常に難しいことで、自分でやっている感覚っていうのは全然なくて。4年間、5年間っていうのはすごく少なかったというところがあって、いろいろなシーンを思い浮かべて考えていたんですけど、ベンチャーを選ばないでいる方がナシだなっていう考えですね。

古川:逆に、今は大企業の方が優秀な社員さんって多いような気がしていてですね。優秀な人って大企業に行きがちなので、そういう人と働けるっていうのはあるのかなと。ベンチャーやる人って、こんな感じで大企業じゃ絶対出世できないような人たちがベンチャーやってたりしますし。そういうのではない、スタンダードな優秀な人と一緒に働けたりとか、起業したら引っ張れるみたいなところはあるのかなというのはありますね。

社員はバイトよりラク

シモダ:なるほど。片桐さんは何かあったりしますか?

片桐:大企業ってわかんないから、自分に置き換えて考えてみたんですよ。僕アルバイトしようと思って大学生のときにファミリーマート受けたんですけど、落とされたんですよね。コンビニでもバイトできなくて(笑)。ローソンは受かったんですよね。2週間くらいで「君、これ以上ちゃんと覚えないとクビにするよ」って言われて、そのくらいダメダメだったんですよね。

ダメだったんですけど、ウェブ制作の仕事を先輩にもらったんですよ。同人誌の通販サイトの構築みたいなのをやりに行ったんですよね。それは結構給料がもらえて、行ったら寝ててもいいし、最終的にできてればいいという状態が楽しすぎて。バイトだと毎日100%の力を出してもダメだったところが、昼間寝てても、夜じゅうに次の日までに150%の力を出して終わらせておけば、ちゃんと成果が出ていればオッケーという世界で、マジ社員ってラクだなって思ったんですよ。逆にバイト、マジキツイと。

起業家たちのアルバイト体験

シモダ:話変わるかもしれないですけど、皆どんなバイトやってたんですか? 温度感とかも近しい話になると思うんで。昔何やってました? 僕は競馬場のバイトやってたんですよ。JRAという。競馬場のバイトを始めたときに、びっくりして。ある意味大企業じゃないですか。国営ですけども。仕事が細分化されすぎてて、俺は何をやっているんだっていう仕事だったんですね。ターフィーくんっていう馬のきぐるみなんですけど、その馬のきぐるみの中に入る人のチャックを閉める仕事だったんですよ(笑)。

それで1日1万円くらいもらえるんですよ。9時に行くじゃないですか。そうするとまず9時半まで休憩なんですよ。意味わかんないじゃないですか。9時半にターフィーくんのチャック閉めて、ターフィーくん前見えにくいから「足元きいつけてください」とか、子どもがしっぽ触ろうとしたら「しっぽ触らんといてね」という仕事なんですよ。で、お金がもらえて、それで1回20分出たら2時間半休憩なんですよ。一回帰るわっていうくらいの。

このままやったら人間だめになるって思って、焼肉屋とかそういうところで働くようになったんですけども。世の中ちょろいところはちょろいんだなっていうことをそこで勉強したんですよね。だから? っていう話なんですけど(笑)。皆さんのバイトとかちょっと聞いてみたいですね。

古川:僕は、ライブドアで一時期バイトをしていましたね。ライブドアってひどい会社で日給4500円だったんですよ。最低賃金ギリギリで710円くらいだったんですけど、そこで掲示板が荒れたときに炎上の対応をする、みたいなことをやっていました。

片桐:ライブドアって当時の堀江さんの時代のね。堀江さんがいて、ガシガシ「時価総額じゃ~」って言ってたときの。

シモダ:そうか、一番イケイケのときに。そのとき、もうイヤだとはならなかったですか?

古川:いや、なりましたね。辞めましたね。

シモダ:なるほど。でも企業バイトだったんですね。

古川:そうですね。起業して会社を500万で売って、ちょっとアルバイトで働いて、辞めて。やっぱり自分でウェブ制作とかやったほうが、はるかに楽といえば楽ですし、稼げるんで。そういう感じで仕事してましたね。

ブランドよりも、裁量が大きいところに行きたかった

シモダ:なるほど。そこの昭和天皇に似た方。

梅田:僕のことですか(笑)。今日メガネ変えてきたんですけど。恥ずかしいんですけど、僕、日焼けサロンで働いていたんです(笑)。今日、写真出そうかと思ったんですけど、そのときは取り憑かれてて、黒くなったほうがかっこいい、みたいな感じだったんですよ。そのためには日サロで働くしかないと。

シモダ:タダですしね。

梅田:いや、社割だったんです。

シモダ:そうなんですね。

梅田:一緒に働いている人たちは、ギャルやギャル男ばっかりで、僕、その中で圧倒的に仕事ができたんですね。圧倒的に優秀だったんです。何が優秀だったかというと、汗を拭いたりだとか、お客さんを順番に案内するとかをちゃんとできた、っていうだけの話なんですけど。ものすごく真面目にやってたんです。そしたら上の社員の人から、「お前超優秀だな」と言われて、「汗拭くのうめえな。拭き残しねえな」という感じで言われて、「社員にならないか」と。

当時、大学2年生だったんですね。その会社は日サロがメインで、そのうち飲食事業を展開していくっていうことをやっていて。僕そのときから起業したいってわけじゃないけど、オーナーシップを持って仕事したいというところがあったから、「この日サロ、いいかもしれない」と思って、そのときに本気で考えたんです。ここに就職しようかなって。そしたらそこの店長だった人が捕まっちゃったの。それでちゃんと就職したんですけど、もしそのときその店長が捕まらなければ、もしかしたらその仕事をやっていたかも。

その後就職活動をして、会社に入っていったんだけど、そのときはよくわからなかったから、なんとなくブランドがあるところ、かっこいいところっていう、そういうので動いちゃっていた形だね。それは、今ベンチャーっていうことの中身とか選択肢とかわかっていて、そこで働いていたら、すげえ楽しかったと思う。どんどん裁量が増えてくるっていう。どんな小さいものでもいいから、やりたいなっていうのがすごくあったので。

シモダ:なるほど。面白いですね。バイト話って、いざ集まってお酒飲むときでも喋んないですもんね。

古川:今の話でメモってた人って、何をメモってたんだろう?(笑)

バイトに向いてなかったからネットの仕事に

シモダ:それがきっかけで、今こういう会社をやってるんだっていう原点が見える場合もあるかもしれないですからね。秋好社長は?

秋好:僕はあんまりバイトやったことなくて。3つしかやったことないんですよ。1個目は普通にフォルクスというところでステーキを1日50枚ひたすら焼くっていう。いまだにステーキ焼くの超うまいですけど。ミディアムレアとミディアムの違いがいまだにわかるっていう。

シモダ:話が長くなりそうな……(笑)。

秋好:これが1個目で。2つ目は棚卸しってあるじゃないですか。コンビニとか行って何箱か数えるみたいな。それができなくて、全部適当に書いていたんですね。給料はもらえたんですけど、二度と呼ばれなくなってクビになったんです。それが2つ目。3つ目は、引越のアルバイトってあるじゃないですか。僕も日サロじゃないですけど、肉体的に働くってかっこいいなと思ってですね、勇気を持って応募したんですよね。

シモダ:プロバイダーっていう経歴ですもんね。意外ですね。

秋好:で、肉体労働をやってみようと思って行ったんですけど、1階から4階にタンスとかを結構運ぶんですよね。一往復したら腰がやられてしまって、もう30分で邪魔じゃないですか。で、帰れと。日給7000円もらって、それで呼ばれなくなる。

シモダ:でも30分働くだけで……。

秋好:7000円もらったんですよ。

シモダ:めっちゃスゴイな。繰り返せばすごい会社とかできるんじゃないですか?

秋好:それでもうバイト向いてないなって思って。すぐクビになっちゃうんで。で、インターネットの仕事しようって思いました。

シモダ:なるほどね。僕、学生の時とかは、飲食店以外、アルバイトってないものだと思ってたんですよ。けんすうくんとかが、リクルートで社員になるまでバイトしてたとか、そこの思考が行き着かなかったんで、チャック閉めとかそういう。企業で働くっていうのを知っていたら、僕だってうまくもうちょっとやれたんじゃないかって思うんですよね。

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  • リッツ・カールトンで学んだ一流の経営者の視点 成績最下位からトップ営業になった『記憶に残る人になる』著者の人生遍歴

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