2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
2015年9月14日気象庁記者会見(全1記事)
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北川貞之氏(以下、北川):火山課長の北川でございます。本日9時43分に阿蘇山で噴火が発生しまして、10時10分に噴火警戒レベルを2から3に引き上げましたので、それについて説明させていただきます。阿蘇山の中岳第一火口では本日9時43分に噴火が発生しました。噴火に伴い、火口から弾道を描いて飛散する大きな噴石を確認しました。
噴煙は火口縁上2000mまで上がりました。今後も同程度の噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から1km以上に飛散する可能性があります。火口からおおむね2kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石、及び火砕流に警戒してください。風下側では降灰、及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。
このような形で本日10時10分に警報を発表しまして、阿蘇山噴火警戒レベルを2、火口周辺から3の入山規制に引き上げました。
なお、この噴火に際して9時50分に噴火速報を発表してございます。噴火速報の発表につきましては、本年8月4日から運用開始でございますが、初めての発表になります。また、10時35分に阿蘇山の降灰の詳細を発表してございます。
お手元のほうに資料を配布させていただいてます。
まず、これが噴火した当時の画像でございます。黒い噴煙が立ち上ってございますが、上方向だけではなくて、水平方向にも噴煙が出ているのが確認できます。火砕流の可能性もございます。
これが地震計の記録の様子でございます。1本が5分で、5分経ちますと次の行に移るという形でございます。9時20分くらいから連続的に微動が発生してございまして、それが大きくなったり小さくなったりしてございますが、43分というのはこのあたりになりますが、特にそこで多くなったという様子はございません。47分頃にその振幅が大きくなって、それ以降は振幅が小さくなっている状況でございます。
同じく空振の記録、空気の振動の記録でございます。噴火発生は43分くらいですが、その頃はそれほど書いてはございませんが、47分頃に一番大きな部分がありまして、その前後で空気の振動、空振を観測してございます。
その次のページは噴火した当時のクローズアップしたもので、空振と地震の記録を並べてございますが、このあたりで一番大きな噴火に至ったということになってございます。
その次のページは傾斜計ですが、噴火発生するまでは特段の変化はございませんでした。ただ噴火に伴いまして、変化書いてございますが、ここにありますように10のマイナス7乗、しかもこの記録、5倍に拡大してございますので、10のマイナス8乗程度のごく小さな記録しか今回は観測してございません。
次のページ参考までに、観測点の配置図をつけさせていただきました。すると今回発表しました噴火速報、それから降灰予報の詳細、それから阿蘇山の噴火警戒レベルのリーフレットを添付させていただきました。
今回警報文等で噴石が飛散するのを確認したというふうに発表してございますが、これにつきましては気象庁の阿蘇山火山防災連絡事務所、職員常時2名派遣してございますが、その職員が今日も現地で観測する予定でございまして、その職員が噴石が飛んでいるのを確認してございます。
それから2000mの噴煙の高さにつきましては、遠望カメラでは高さを振り切れてしまいますので、熊本地方気象台より確認した値で2000mほど上がったということを確認したものでございます。
私のほうからは説明以上でございます。
記者:防災上の留意点を教えてください。
北川:今回噴火が発生して、火口からおおむね2kmの範囲では噴火にともない弾道をえがいて飛散する大きな噴石、火砕流に警戒してください。風下側では、降灰、風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。
記者:今回のような規模の噴火は、前回を振り返るといつ頃ですか?
北川:噴石の飛散距離までは確定できておりませんが、1kmほど飛ばす噴火というのは1990年4月20に発生しております。それから火砕流の到達範囲、画像を見た限り1kmには届いていないんですが、そういった火砕流が発生したのは1979年9月の噴火以来ということです。
記者:今回のものは「火砕流と見られる」ということですが、どうなんでしょうか?
北川:火砕流の定義は専門家によって分かれるところですが、火砕流が発生している可能性があるというふうに考えております。
記者:今後の噴火活動として、繰り返し起きるということもあり得るのでしょうか?
北川:今のところGNSS(連続観測)では、下からあがってくるマグマがふえてきたというデータは得られています。ただし、今回も前兆があるわけではありませんので、こういった規模の噴火がこれから発生する可能性もございますので、警戒してください。
記者:傾斜計の変化がないままにこういう噴火が起きたということですが、これは阿蘇山の特徴なんでしょうか?
北川:そうですね。今回2000mの噴煙があがったというのは、小さくない規模ではありますが、それほど大きな噴火とは言えないと思います。阿蘇山も地殻変動で、こういった傾斜計が噴火の前に動いていないというのもあまりないと記憶しております。
桜島のように傾斜計が直前に動いて、爆発的な噴火が観測されたということは阿蘇山ではこれまでありません。
記者:噴火の予想として、現地観測とずれたというのはどういったデータなんでしょうか?
北川:例えば現地観測で火口の様子なども観測していますし、火口点の温度が上昇してきたとか、そういったものでこれまでは判断してきました。あるいは阿蘇山特有の孤立型微動という微動が出たりとか、昨年の11月から今年の5月くらいまで活発な状況でしたが、そのときにも連続的な微動というものがありまして、そのときの増減で火山活動を判断しております。
記者:孤立型微動というのはなんでしょうか?
北川:孤立型微動というのは、阿蘇山特有の、微動というのは先ほどお見せしたように連続しているものなんですが、ひとつ、ふたつだけという微動を見せることがあります。すごい特徴的なものが阿蘇山では観測されています。
記者:今回はその微動はあったんですか?
北川:孤立型微動は活動は落ちてきましたが、6月以降も観測はされております。回数にすると1日何百個という数で確認はされているんですが、数の増減、振幅の大きさで活動を判断しております。
記者:今はどうなんでしょうか?
北川:数としては、阿蘇山としてはそれほど多くないというふうに聞いております。
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