幼稚園時代、太陽系について興味を持った

米山維斗氏:というわけで、ケミストリー・クエストの取締役社長の米山維斗です。今回お話しする内容は、去年TEDxSeedsというイベントに招待されまして、そこでお話しした内容に近いものです。

僕は探検することが好きです。幼稚園のころ、僕は英語幼稚園に通っていました。近所にあっただけなんですけど。要するに教育も幼少時代から結構自然科学を取り入れようという感じの幼稚園で、そこで太陽系、ソーラーシステムについての授業があって、太陽系について興味を持ちました。

図書館などで本を借りて惑星について、どのように惑星ができたのかとか、何で惑星ができているかなどを調べました。家の近くにJAXA宇宙航空研究開発機構の相模原キャンパスがあったので、そこの一般公開によく行っていました。

あとは、そういうのがある博物館などにもよく行っていました。そこの博物館の一般公開には、今でも毎年行っています。

たぶん宇宙とかの本を読んでいて地球のでき方のようなページがあったんだと思います。地球で生きていく際に重要なものってなんでしょう? やっぱり生命っていうのは、大きなものじゃないでしょうか?

次々とつながり、広がっていく興味の幅

そういうようなのがあったかどうかはわかりませんが、小学校2年生のころには生物学、特にアンモナイトが好きでした。これがアンモナイトの化石なんですけど、一見巻貝のように見えますが、実は巻貝ではなく、巻貝と同じ軟体動物でも巻貝が属している同じ類ではなくて、頭足類と呼ばれるイカやタコと同じ仲間に属しています。

頭の中がアンモナイトでいっぱいになってしまったので、アンモナイト図鑑っていう、そういうドキュメントを勝手に自分でWord文書で作ったりしました。化石は、これ殻なんですけど、殻本体ではなくて、そこに鉱物がしみ込んだものなんですね。じゃあ鉱物ってなんだろうって調べたら、いつのまにか鉱物が好きになっていました。

ひと口に鉱物と言っても正方晶系、六方晶系といった結晶の形だとか、ケイ酸塩鉱物や硫酸塩鉱物といったどのような成分でできているかなど様々な分類があって、それによって水晶、トパーズ、アマゾナイト、クロシドライトなど、様々な鉱物がわけられています。

どういう鉱物があるんだろうかと調べていて、そういう鉱物とかの資料を見ていて、ふと目についたものがあります。組成式です。組成式っていうのは、その鉱物が一体どういう元素でできているのかを表す式なんですけど、それはなんだろうと調べているうちに今度はなぜか化学が好きになりました。

鉱物っていうのは無機化学で、要するにミネラルとかなんですけど、なぜか有機化学、生命とかそっちのほうに関係が深い化学が好きになってしまいました。

科学雑誌である『ニュートン』などを、テストで点がよかったときなどに買ってもらったりとか、誕生日に実験道具、要するにビーカーとか試験管などを買ってもらったりしていました。あとは朝早起きして、パソコン上でこういう分子の立体模型がいじれるようなソフトを使って遊んでいました。

こういう原子が一体何でできているのだろうと興味を持ってたどり着いたのが素粒子です。まず世の中の大半の物質がアップ、ダウン、電子という3つの素粒子でできているということに驚きました。

また素粒子を見るために、これは「高エネルギー加速器研究機構」っていうところにある加速器ってやつなんですけど、全長3km直径1kmある巨大な円形の装置で、ここで素粒子同士をぶつけて性質を調べたりしています。要するに、こんな大きな機械を、絶対に目で見ることができない世界を見るのに使っていることに驚きました。

5年生になると、これ本当にちょっとよくわかんないんですけど、いつの間にか宇宙工学が好きになりました。「はやぶさ」です。それまでのドラマというよりは、どちらかというと、どういう技術が使われているかに興味を持ちました。

イオンエンジンの仕組みもよくわかったし、姿勢制御をするときにスラスターっていうロケット型の小型エンジンが使われるんですけど、それが壊れたときに光の圧力、要するに光も素粒子なんで、それの圧力を使って姿勢を制御したとかいうことは、それまでに興味を持っていたのでよくわかりました。

5年生の時の夏休みの自由研究は「はやぶさ」についてだったんですけど、その年は自分1人だけだったんですけど、その次の年ははやぶさが帰ってきてて世間一般では話題になってたんで、学校で10人くらいやっている人がいました。

一緒に船旅する仲間を集めよう

あるところにたくさんマグカップが並んでいるとしましょう。そのひとつひとつが僕の興味です。自分はどれか1つのマグカップの中に浮かんでいる船に乗っています。要するにマグカップって不透明なので、中にいると周りは見えません。でもそこに興味という名の水をどんどん注いでいきます。

そうするといつの間にか溢れて、周りの世界が見えるようになります。そうすると隣のコップの中に進むことができるようになります。

どんどん進んで行って、他のカップに進みたいという、要するに他のものについて知りたいっていうふうに思ったときに、1つのコップだけが接してるものよりも、2つ3つとどんどんたくさんあったほうが、絶対に触れているコップの数は多くなります。

でも昔使ったのが、やっぱり水が減っていたら進めませんので、やっぱりそこに水をそそぐ、要するに情報をちゃんと仕入れてなきゃいけないと思っています。

でもやっぱり1人で船旅っていうのは寂しいし、動ける距離も限られてくると思うんですね。やっぱりそうしたら、ほかにも人がいたほうが絶対に動ける範囲が広まるし、たくさんの方角を同時に見ることができるようになると思います。じゃあ一緒に船旅をする仲間が世界中の人だったらどうでしょう?

仲間を増やしたくて作ったカードゲーム

僕が小学校3年生のころ、学校で友達が神経衰弱のようなカードゲームを作っていました。自分も何かカードゲームを作りたいと思って、戦わないカードゲームを作ることにしました。仲間に入れるようなゲームにしようと思ったんです。

仲間に入れるなら、3年生のころ化学が好きだったので、「結合」をカードゲームにしたらうまくできるんじゃないかと思いました。そういうカードゲームを作れば化学の楽しさを友達と共有できると思ったんです。

要するに最近化学離れ、理科離れというのが問題になっていますが、自分にとってすごく化学って楽しいものなので、嫌いになってしまうのはもったいないと思ったんです。できたのを友達とかにやってもらいました。

そうするとやっぱりおもしろいって言ってもらったし、分子を作っていくゲームなので、この分子はなに? などと興味を持って聞いてもらうことができました。その興味っていうのはやっぱりその後につながっていくと思います。

商品が売れたことより、広まったことがうれしい

まずカードゲームをもっと広めたいと思って「東京国際科学フェスティバル」というイベントを見つけて、誰でも出店可能ということだったので参加してみました。そこで、大人とかが難しい難しいって言ってくるのに「ただのカードゲームだよ、簡単だよ」っていうふうに言って小っちゃい子とか頑張って引っ張ってきて、最初は無理やりやらせました。

無理やりやらせるとはできるんです。なぜかというと、先にカードゲームのルールができているので、ルール自体は化学と関係ないんですよ。要するに原子ごとに色分けされているんで、これは色と数さえわかればできるゲームなんです。

なんですが、やっぱりやっているうちに分子などの名前が自然にゲームの中に出てくるので、自然と触れ合ってもらえます。最初は友達だけだったのが、今では幼稚園の子や、小学校低学年の子さえが分子というものに触れ合ってくれています。

「もっと広めたい!」ということで、会社を起業し商品化しました。

今だいたいもうすぐ5万部いくくらいまで売れています。売れたというよりは、広まったということが自分は嬉しいと思っています。