「20代はスマホが本妻、テレビは愛人」 LINE・田端氏が語る、“若者の○○離れ”の正体

田端信太郎氏講演 #2/4

いまや国内5400万人が利用するまでに成長したコミュニケーションアプリLINE。その成長を支える上級執行役員・田端信太郎氏が、多くの会社で課題となっている「若者の○○離れ」の原因について言及し、その解決策を提示します。

モバイル広告には10倍の伸びしろがある

田端信太郎氏:マーケティングというものについて引いて見ますと、時間の接点、消費者との接点を、時間というものをお金で売っているようなものなんです。だから当然なんですけれども、15秒のCMと30秒のCMを比べると30秒のCMが倍するわけです。

そういった意味で言いますと、マクロに見ると、いろんなメディアの接点と広告費。オレンジ色が時間のシェアです。アメリカのデータなんですけれども、新聞と雑誌を足したプリントメディアは、今や生活者の時間の7%しか取れてないんです。

で、そういった形でオレンジが時間、青が広告予算のシェアなんですけれども、7%のシェアしかないプリント予算に、いまだに広告主は25%も使っているわけです。

業界全体を見ますと、テレビCMというのは概ねリーズナブルだと言えます。不当にぼったくっているわけではありません。他は全体的に見ると、あるメディアが貰いすぎてて、あるメディアが貰わなすぎているのが一目瞭然なんですけれども。

一言で言いますと、印刷メディアがお金を実態、実力以上に貰いすぎていて、実力以上に貰わなさすぎているのがモバイルだということですね。これ2011年、2012年、モバイルは生活者の時間の10%を取っていますが、広告予算としては1%しか取れてない。

ここだけでも理論上10倍の伸びしろがありますし、さっきの10%といってもメディア接触時間自体がばんばん伸びていくでしょうから、もっともっと伸びしろがあるんですね。だから新聞や雑誌がどんどん廃刊休刊になり、いろんな新しいベンチャー企業がモバイルグループにどんどん生まれるわけです。

テレビが愛人、スマホが本妻

先ほどちょっとテレビのことについて言いましたけれども、テレビの業界の方はですね、テレビを見ながら手元にスマートフォンがあるのがかなり当たり前の前提になっていますから、セカンドスクリーンとか言われています。

テレビを見ながら、スマートフォンから視聴者参加のクイズに出よう、あるいはアンケートに答えよう、いろんな連携サービスがあります。これ自体は別にLINEもそんなお手伝いをさせていただいているんで、非常にありがたい動きというか、当然の時代の流れだと思っているんですけれども。

例えば、セカンドスクリーンという話がひっかかるんです。スマートフォンがセカンド。じゃあ、何がファーストかと。テレビ画面だということですが(笑)。

これ博報堂さんのデータなんですけれども、男女ともに20代以下では1日の接触時間で比べると、すでにスマホに触れている時間のほうがテレビよりも長いわけです。

あるいは時間のシェアだけじゃなくて、究極的にですね、そこら辺の若者を捕まえて、そのまま究極の選択じゃないですけれども、スマホとテレビでどっちかしかなかったらどっち選ぶか。

ほとんどの方がスマホを選ぶと思います。つまりですね、どちらがファーストかといえば、特に20代くらいの若い人に限っては、明らかにスマホのほうがファースト。テレビのほうがセカンド。

どっちが愛人でどっちが正妻か本妻か分からないですけれども、そういったようなところがありまして、いまやスマートフォンがファーストだと。当たり前です。

「若者の○○離れ」は、大人が彼らを無視してるだけ

よくですね、私はいろんな自動車メーカーさんや、大手の飲料会社さんとか、ビールメーカーさんとかに呼ばれて、社内セミナーの講師をさせていただくことがあります。

若者の車離れ、ビール離れといわれているわけです。あるいは若者の何とか離れといえばいろんな表現がのぼってくるんですけれども。じゃあ若者の車離れといいますが、20代向けのスポーツ車を出すとして、その広告設定予算のうち何%をスマートフォンに割いていますかと。

先ほどからですね、若い男性層だと、今全体のメディア接触時間でいうところの2、30%はスマホを触っています。テレビより長いわけです。ところが広告宣伝、マーケティング予算の2、30%をスマートフォンに割いている車会社なんて聞いたことがありません。

結果的になんですが、若者が離れたと言っていますけれども、若者が見ているメディアに存在感を出さずに、結果的に若者を無視している形になっているのはどちらですかね? 

今多少挑発的なことなんかを言わせていただいています。それくらい、どうしてもですね、これは男性が50代、60代になると比率がもう激減するんですね。スマートフォンの接触時間のほうが、テレビの接触よりもはるかに少ないんです。だから大体、端的に言いますと、偉い方というのはスマホの接触が若い人よりもはるかに少なくなっています。生活者の実態のはるか先を行っているというのが今の実態であります。

ユーザーがどんどん短気に

更に、スマートフォンとPC、あるいはテレビとスマホだけじゃなくて、これはPCからスマホへの移行で何が起こっているかということなんですけれども、PCにおいてはいわゆるSEO、あるいはSEM含めて検索結果で1ページ目に出るということが非常に大事でした。あるいは上位に出てくるというのが非常に大事でした。

ところが、スマートフォンに移行することで何が起こっているかと。2ページ目以降に出たところで、スマートフォンの場合、検索結果の2ページ目を見る人がほとんどいないんです。

すみません、これちょっと(スライドの)下が。「検索結果で何ページ目まで見ますか?」という記述に対して、この青いほうがスマートフォン、赤いほうがPCです。スマートフォンの場合は、検索結果の場合は1ページ目しか見ないというユーザーが47%です。

PCの場合は1ページ目しか見ないユーザーは19%で、2ページ目以降これくらい、3ページ目、4ページ目……。スマホの場合は1ページ目しか見ないんです。更にはブラウザの滞在時間自体も減っています。LINEみたいなものも使っているんで。

結果的に何が起こっているかというと、検索結果で上位に出る、あるいはSEOでロングテールのワードで上位に出るっていうこと自体の重要性が減っているってことなんです。

いろんなメディアの中から今スマートフォンに移行していく中で、あるいは紙のメディアの企業にも良く言われるんですけれども、メディアが変わろうが、大事なのは任意のお客様に任意のプロダクトを届けること、それが企業の本質だという話をいただきます。

ところがですね、私がよく言っていますのは、スマートフォンにより起こっていることは何かと言いますと、宅配ピザ屋さんがピザを届ける時間が自転車からスクーターになったというような、単なるチャネルの変化ではなくてですね。

これまで板前さんだけが握っていたような寿司の業界に対して、宅配寿司が出てきてしまった。好きなものを好きなだけ、いつでもどこでも食べられるような自由がもたらされたといった回転寿司も、マーケティング的な本質じゃないかと思うんですけれども。

そういった形になってきているというのが、今起こっていることなんじゃないのかなと。なので単純なチャネルの変化っていうだけでもないので、自社のビジネスの中身であったりとか、プロダクトの中身であったりも、文脈に合わせて変化していくものが今求められている。そんなふうに思っています。

アクティブユーザーの多さがLINEのウリ

そんなふうに、今やあらゆるメディアがスマートフォンに執念しつつあるって言ったんですけれども、そんなLINEの現状についてこれから少しお話させてください。

LINEの現状、ちょっと私が言うのも何ですけれども、おそらく日本の中では、スマホ上で最も利用されているアプリのひとつではないかなと思います。

今日本国内では5400万人以上の方が登録していまして、これは外部データですが毎日利用するアクティブユーザー、デイリーアクティブユーザーの比率が66%、3分の2の方が毎日使っているという形です。

スマホのアプリのビジネス、今日も会場にいろんなスマホのアプリの技術の会社がいっぱいあると思います。是非聞いてください。アクティブユーザー何人いますか? あるいはマンスリーアクティブユーザー。月に1回でも使っていればマンスリーアクティブユーザーと言います。

我々はデイリーアクティブユーザーが66%いる。おそらく会場にいるアプリのベンダーの中で、これほどデイリーアクティブユーザーの比率が高いアプリは無いと自負しています。

それはなぜかというと、当然LINEを使って連絡を取るってことが、世の中のある種標準になっています。LINEで友人からメッセージが来たら無視するわけにはいかないですよね。そういう役割も含めて、アクティブ率が非常に高いというところが、我々が手ごたえを感じているところです。

登録ユーザー数自体はですね、幽霊部員がどんどん増えていきます。一説によりますと、日本人の宗教に入っている人数を全部足すと3億人とかいくらしいんですけれども、そんなようなことでですね(笑)。

登録してる数自体に意味は無いんです。毎週毎週お参りに行っている。仏壇でも神棚でも拝んでいる。実際に使っているユーザーが大事なんです。それが何人いるか、その比率がどれくらいかというところが一番大事なんですが、我々はその比率に非常に手ごたえを感じています。

これはニールセンさんのデータなんですけれども、ちょうどこれ、アップデートされていない1年前のデータなんですけれども、日本のスマートフォンのいろいろサービスのネット利用時間とか、PCも含めてなんですけれども。

LINEのほうはですね、「インターネット総利用時間のトータルのうち利用時間のシェアでみたとき、PCも含めて2割をLINEが使っていて、PC全体も含めた総利用時間の中でもYahooに肉薄しているというのが1年前の状況です。

これに対して今スマートフォン自体の普及率、あるいはLINE自体のアクティブ度が上がっていることも含めて、ますますこれが拡大していくんじゃないかと、そんなふうに思っています。

LINEユーザー層の厚み

皆さんの中でLINEユーザーにどんなイメージを持たれているか。必ずしも私も分からないんですけれども、よくありがちなのが、若い女性が中心に使っているんじゃないかというイメージをお持ちいただく方が非常に多いんですけれども、LINEユーザーの男女比、あるいは性、年齢、あるいは職業分布。

もう今ですね、老若男女といいますが、10代から60代以上まで、あるいは男も女も、会社員の方も学生の方も主婦の方にも使っていただいているというような状況になっています。

日本人全体の年齢を並べたところ真ん中の数が40代の半ばなんですけれども、LINEユーザーの55%の方は年齢が30代以上です。つまり正しくは、若い女性だけのものでは決してありません。

あとは例えば居住地においても、これだけを見せるとマーケティングをやっている方はすぐに気付くんですけれども、日本人全体の地方別の人口分布とほぼ同じなんです。

これはFacebookやTwitterでは、もっともっと大都市中心に寄ってしまいます。高学歴、高収入、高リテラシーの、相対的にパワーユーザー、エリート層って言えばいいんですけれども。

じゃあ地方でブルーカラー的にお仕事されている方がソーシャルメディアをどんどん使っているかっていうと必ずしも使っていません。ところがLINEだけは使っている率が非常に高いんですね。

制作協力:VoXT

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