2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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司会者:では、続きまして、株式会社ちとせ研究所の取締役最高光合成責任者であります中原剣さまからプレゼンをいただきたいと思います。
中原剣氏(以下、中原):ちとせグループの中原と申します。今日はこの機会を与えていただき、ありがとうございます。よろしいですか?
司会者:じゃあここから15分ということで、よーい、スタート。
中原:ちょっと焦りますけど。
私は今日は藻類を使ったタンパク質の生産ということでお話しさせていただきます。さきほど、座談会でも少し出てきた藻ですね。
最初に、私が属しているちとせグループの紹介をします。ちとせグループは今11社のバイオベンチャーから成っている企業群です。ここに書いてあるとおり、100名ぐらいでやっていて、この真ん中の坊主頭の人が藤田というCEOになります。7割が研究者で、博士が3割ぐらいということで、基本は研究を生業にしている会社です。
設立が2004年なので、スタートアップと言うよりはもうそろそろ中年ぐらいになるんですけれども、15年ぐらい経った会社です。
我々がどんなことを目指しているかを簡単に書きました。これは現代社会の構造と思っていただいて、この矢印はエネルギーの流れと思ってください。
基本的に今の人類は、この化石資源を掘って、そこからのエネルギーの流れに沿っていろいろな産業ができていると思っています。問題だと思っているのは、この流れが循環していなくてサステイナブルではないところです。
我々はこれを解決するために太陽を起点とした産業形態を作りたいと思っています。それをバイオでやるのが大きな目標です。
エネルギーのところを見ていただくとわかるように、人類の使っているエネルギー量は0.5なのですが、太陽から来ているのがその1万倍あるんですね。うまくこれを使いこなせれば、巡回のないところでも、サイクルが作れるので、ここらへんのいろいろな技術をバイオで作っているのが今の我々の状態です。
なかでも私が今注力してやっているのが、太陽のエネルギーを固定するというところ。とくにこの藻類に注目してやっていまして、今日はここのお話を少しさせていただきます。
中原:藻類と言といってもイメージが湧かないかと思うんですけれども、とても一般的なもので、この池の緑色のものです。これを顕微鏡で見ると、昔の理科で見たような小さな生き物がたくさんいるんです。これは微細藻類や藻と呼ばれることもあるのですが、ここでは藻類という単語で総称してお話しさせていただきます。
藻類と人間はぜんぜん関わりがないと思うかもしれないんですけれども、非常に関わりが深いものなんです。
ここの進化の話からしていきます。地球ができたのが45億年前で、藻類が35億年前に誕生しています。このあとに、海藻になって、陸に上がって、コケになって、シダになって、種子植物(になりました)。いま我々が食べているような農作物は種子植物の子孫にあたります。なので、この食料というものの原点をたどると藻類にたどり着く。
あとは、この進化の過程でできたバイオマスが地中に溜まって化石資源になって、我々がエネルギーとして使っているということで、食料とエネルギーという、現代人にとって欠くことのできないものを突き詰めていくと、この藻類にたどり着くことになります。
加えて、光合成を始めて酸素を出してはじめて空気ができているわけですね。だから、すべての原点をたどると藻類に行きつくと思っていただければと思います。
今度はこれを産業的な視点で見たときにどんな魅力があるか。さきほど言ったように、藻類は光合成を行います。光合成は、文字通り、光と二酸化炭素からモノを合成できる能力です。
いろいろなものを作ることができて、ここは市場規模に合わせて書いていますけれども、市場規模の小さいものから市場規模の大きいものまで、いろいろなものを作れます。これを合わせると、だいたい2,000兆円の市場になります。(藻類は)この2,000兆円という市場に打って出るポテンシャルを持った生き物だと思ってください。
中原:今日はこのうちのタンパク質ということなので、タンパク質のお話を中心にします。
「藻はタンパク質を作っているのか?」という疑問があると思うんですけれども、たくさん作っているんですね。代表的なタンパク質源としては大豆とお肉がありますが、大豆がだいたい3割で、肉がだいたい4割。これは乾燥させたときのタンパク質の含有量です。
これに対して、代表的に食べられている藻は5割から、多いものだと7割ぐらいまでタンパク質を含んでいるということから、タンパク質をすごく含んでいる生き物だとわかると思います。
さらに特徴的なのが省資源で作れるところですす。これは年間1キログラムのタンパク質を作るのに必要な土地の面積と水の量をビジュアルにしたものです。
さきほどから牛がけっこうやり玉に上がっていますけれども、やはり牛はこういう餌を食べて変換するので効率が悪いですね。だから、生産効率としてはすごく低くなってきます。
一方藻類は、今一番生産効率が高い植物である大豆の、30分の1の面積と4分の1の水の量で作ることができます。
これは前半にあったタンパク質危機の話で、我々がどう見ているかというところでいきますと、タンパク質の需要量が縦軸で、年度が横軸。人口が2050年に倍になるわけで、そうすると2005年の倍のタンパク質量が必要になる。
現状のタンパク質を補っているのはほぼ穀物なんですね。穀物も収量が少しずつ上がってくるので、タンパク質の需要に追いつこうとするんですけれども、間に合わずに需要と供給がクロスする。
このクロスするのがだいたい2025〜30年と我々は計算で見ていて、ここからは今の食生活ができなくなるということですね。タンパク質源を替えていかないと生活ができなくということで、この危機がビジネスチャンスになるため注目されていると思います。
中原:これが現在の主要タンパク質源の単位面積あたりの生産量になります。縦軸が面積あたりのキログラムで、横軸が代表的なタンパク質源です。1ヘクタールというのは100メートル×100メートルの土地で、この面積あたりで1年間にどれぐらいのタンパク質ができるかが書いてあります。
基本的には、牛や牛乳のように、餌をたくさん食べてタンパク質に換えるものは効率が低いです。これに対して、今一番多い植物の大豆がこれぐらいになる。
こういった生産効率の観点からタンパク質の話を見ていくと、ビジネスのトレンドもよくわかるので、そこも説明します。
まずビジネストレンドの1つとしてあるのが、要は動物性タンパク質の効率化が見えてきます。牛や豚のように非常に効率の低いものを食べていたら、今までのタンパク質量で間に合わない。
そこで、今日話題になっている昆虫食を食べることで、効率が非常に高くなります。餌を食べて、その昆虫になるタンパク質の効率が高いので、生産性が上がる。こういったところにいろいろな投資が集まっていて、次にお話しされるところの培養肉なども、たぶんこういった効率のよいタンパク質源として注目されています。
もう1つが、植物のタンパク質を擬態していくものです。これは肉というものを作らないで、植物を使って肉のテクスチャや味などを再現する。そうすると、高い生産性のままで肉が作れる。
これはJUSTというアメリカのベンチャーで、玉子の代わりに植物のタンパクを使ってマヨネーズを作ったりしています。有名なところでは、植物で完全にハンバーグのパテを作ったりというところも出てきています。
トレンドの3番目が、我々の取り組みで、これは植物をはるかに凌駕する生産性の高いものを作ってしまえということでやっています。それがさきほど言った藻類で、単位面積あたりでいくと、大豆の16倍ぐらいのタンパク質を作ることができます。
これだけのタンパク質を新たに作ることができるので、これを直接市場に出していくことが今の取り組みになっています。この取り組みをやっているのがタベルモ社で、この前資金調達を行ったところです。
中原:ほかのベンチャーと我々の立ち位置がどう違うのかというと、結局、昆虫食も培養肉も、何か餌をあげなきゃいけないわけですね。そうするとこういった穀物メジャーが作った原料を変換させて販売するということで、原料は誰かに依存しなきゃいけない。
それに対して我々は原料から作ってしまおうと。一番生産効率の高い、原料からそのまま消費者まで出してあげる。そういった取り組みをしているところが少し違うのかなと思います。
このへんのビジョンに共感していただいて、5月に産業革新機構さんと三菱商事さんから17億円を調達しています。
この資金でなにをしたいかと言うと、こういった一番生産性が出る場所はけっこう地球上でも限られていて、この熱帯の前後なんですよ。日本から一番近いのが東南アジアで、ここで藻をたくさん作る。そうすると生産コストがグッと下がるんですね。なので、調達したお金でここに工場を作っていこうと思っています。
通常、藻の培養はプールでやっているのが一般的なんですけれども、熱帯だと雨が降ってあふれてしまったり、周りからいろいろ入ってきてしまったりして、うまくできないんです。
我々はここを変えて、フィルムで縦にするタイプのリアクターを作って培養することで、熱帯でも作れて、さらに効率が上がる技術を開発しています。
将来のイメージとしては、こういうふうに植物はプランテーションでバーっと作りますけれども、藻もこうなっていくと思っています。これが穀物のようになって、みんなの生活に入っていくイメージをしているところです。
実際に藻の穀物化はすでに始まっています。これはアメリカのベンチャー(の取り組み)で、藻の粉(を作っているん)ですね。普通は真緑なんですけれども、色を抜いたりすることもできるので、完全に小麦粉みたいなかたちで使えます。
そうすると、(藻が)パンや普通の食事にどんどん入っていくんですね。このドレッシングも藻から採った油で作っているので、藻からフルコースの料理を作ることができる。そうしたときに、普通の食材としてみなさんの生活に入ってくるという世界が近いうちに来ます。
こういったコンセプトもあります。こういうお話があると、さきほどの擬態肉のようなものを藻から直接作ったりすることもできるんじゃないかなと思って。これはfarm to meatと言っていますけれども、こんな研究もしています。
中原:また、最終的には家で培養することが可能になるんじゃないかと。要は、さきほど言ったように、大豆だと畑で自給自足しようとしても、一家でやろうとすると1反、2反が必要になりますが、(藻は)非常に生産性効率が高いので、例えばその一角、部屋の片隅などでこういうふうに培養して、ここでタンパク質を自分で作ってしまう。それを毎日の生活で飲んでしまう。そんなふうなカルチャーを作っていけるとうれしいなと思っています。
実際にこういったコンセプトは実現できるのか。JAXAさんが今後有人の月面滞在をめざすんですね。そういったときに、じゃあタンパク源はどうするかと。地球から毎回運んでいる場合じゃないので、この中でタンパク質を作るという取り組みがあって、今、共同研究で装置を作ろうとしています。
最後に、今私が説明した取り組みを概念的に示したものになります。
これはいろいろな循環を年単位で区切ったもので、1万5,000年前に農業は革命が起きた。そのときに人が使うようになったのが、この野菜である月単位の循環であったり、穀物である年単位の循環、あとは果実であれば10年単位。こういったものをうまく使いこなして農業革命が起きています。
その後、産業革命のときはこういう化石資源。化石資源というのは数億年単位で回っているもの。これを使いこなして、また生活を変えてきた。
今回お話ししている藻類は、実は毎日取れる。365日毎日収穫できるようになる。そうすると、この「日」の単位で生産ができるんですね。こういったことができるようになると、人々のライフスタイルは大きく変わると思っていて、我々の取り組みがその一歩になると思いながらやっています。
少しでもこういう藻に興味を持ってくれる人を増やそうと思って、ここで登壇しています。Webでも藻のメディアということで「藻ディア」という名前をつけてやっているので、もしよかったら検索してみてください。
以上です。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。では、中原さん、どうもありがとうございました。時間、完璧に15分ぴったりでございました。流郷さんだけが時間オーバーしております。
(会場笑)
司会者:最後のスタートアップからのピッチになります。最後はインテグリカルチャー株式会社様のChief Culture Officer・田中啓太様からご案内いただきます。それではここから15分間でよろしくお願いいたします。
田中啓太氏(以下、田中):ご紹介にあずかりましたインテグリカルチャーの田中と申します。
私はふだんインテグリカルチャーの中では、研究開発も行っておりますが、主にPR戦略を中心に担当させていただいております。
本日は「細胞培養による食糧生産へ」ということで、弊社の技術の紹介やその事業にいたったストーリーなどをこの場でご紹介させていただければと思います。
まず我々が将来的に目指していく方向性についてです。我々は純粋培養肉の略称として「純肉」という言葉を使っているんですけれども、英語名では「clean meat」という、業界名で呼ばれているものを作っていきたいと考えております。つまりは、細胞培養で作った純粋な肉というものを目指そうと考えております。
その肉を作る上でのバックグラウンドとなったのは、将来の食料危機です。タンパク源として、肉が70兆円、魚類が20兆円と現状でも非常に市場が大きいんですけれども、これが2020年になっていくと、人口増加に伴ってその市場もどんどん大きくなっていく。
それにもかかわらず、生産に対する環境負荷といった原因から、持続的な発展が難しくなっていくだろうというところを、我々がなんとか解決したいという思いで始まりました。
田中:これに対して我々が1つの大きなソリューションとして提案しているのが、この細胞培養によって食糧生産を行う、「細胞農業」というものあります。
今日の私のミッションとして、ぜひともみなさんにこの「細胞農業」という単語を覚えて帰っていただきたいと考えています。
これは、さきほどから何回も出ていますように、細胞培養によって肉を生産して、これを食料とする。これによって広大な農地が不要になったり、超省資源な生産が可能になるコンセプトになっております。
実際にその細胞農業の業界も、実はこの1年間でかなり数が増えてきました。とくに欧米諸国やカナダを中心にスタートアップが続々と誕生しておりまして。例えば、左のほうから、肉全般を扱っているような会社さんもありますし、牛肉、豚肉、鶏肉といった、その地域に根ざしたタンパク源生産を目指しているような会社さんも多くなっています。
最近ですと、Finless Foodsという会社さんが魚肉を扱っている会社もございます。また、ほかにも牛乳や卵といったデイリー製品なども細胞培養によって作り出そうという試みも行われています。
ただし、細胞農業において大きな問題があることも併せてお話ししたいと思います。それは培養コストの問題です。とくに有名なものとして、このマーク・ポスト先生というオランダのマーストリヒト大学の教授が作られた細胞培養だけで作ったハンバーグのパテがありますが、当時のレートで2,800万円でした。
数はだいたい200g。なので、ハンバーガー1~2個しか作れない量に対して3,000万円ぐらいのお金が使われるというように、コスト的に問題があることが判明しました。
田中:これに対して、我々は、この独自の細胞培養システムによって、この培養コストを1万分の1に下げていくことを目指して、日々研究開発を行っております。
そもそもなぜ細胞培養がこんなに高くなってしまうのかという原因は、細胞培養に使う細胞培養液のコストでした。
赤の「基礎培地」と青の「成長因子」という2つのファクターがあって、とくに基礎培地に関しては、実はスポーツドリンクとあまり成分が変わらない点でそこまで大きな額にはならないんですけれども、この成長因子という特別なタンパク質が大きな額を占めてしまうことが問題になっていました。
弊社の川島一公CTOは細胞培養や内分泌学を専門にしている研究者なんですけれども、彼がある日突然思いついたんですよ。生物はこんなに高いタンパク質を投与せず勝手にどんどん身体ができていくじゃないかと。
なぜそうなるかといったら、細胞自体がそのタンパク質を出してくれるんですよね。なので、そもそも買う必要がなくて、「培養している細胞自体が、その超高価なタンパク質を出してくれるのであれば、彼らに任せればいいじゃないか」という発想をもとにできたのが、この「Culnet System」という弊社独自の培養システムです。
この概要は、例えば、ある細胞は別の細胞を増やすためにタンパク質を出すことが知られております。例えば、ここの図ですと、筋肉細胞と肝臓細胞を別々のフラスコの中で培養してあげて、この液体を循環させてあげると、実は肝臓細胞から出てくる栄養分が筋肉細胞を増やすことができるとわかっています。
また、この肝臓細胞も、別の因子やタンパク質の栄養を別の細胞からもらうことによって増えてくれることもわかっております。これによって、この成長因子が0円になることが達成できました。
そして、実際に彼の研究成果を用いて、さまざまな細胞培養をしてみました。スライド下のほうが弊社のCulnet Systemを使った技術で、この細胞培養の共培養方式によって栄養を供給するという新しい方法をとることによって、例えば肝臓細胞や、培養に高いコストがかかっていたものが、100分の1以下のコストでできあがることがわかりました。
そして、そのほかのいろいろな臓器の細胞を調べてみたところ、どの細胞に関してもこのシステムの中で汎用的に培養できることがわかっております。
田中:では、我々がやっているこの技術は、いったいなにができる技術なのかと言いますと、汎用大規模細胞培養技術。言い換えれば、いろいろな細胞を大量に安く作る技術が弊社のCulnet Systemの本質となっています。
そして、実際にそのコンセプトを実証するための実験を行っておりますが、一番左上の画像が0号機です。この真ん中の瓶3つが並んでいるProof of Conceptから第1号機になります。また10月中旬以降にはラボスケールのプラントが完成する目処が立っています。
実際にはじめのProof of Conceptを使ってみて、これが鶏の肝臓細胞をどこまで増やせるか、1グラム増やしてみる試行実験を行いました。
「たった1グラムじゃないか」ということで、少しガッカリされるかもしれないですが、実は1グラム増やすのに通常の細胞培養の方法だと100万、200万円以上簡単にかかってしまうんですね。ただ、我々がやった方法に関しては、ほぼ1万円以下に下げられる実証が可能となりました。
では、実際に我々がこれからどんどん肉だけを作っていって、すぐにでも売り出すかといったら実はそうではなくて、Culnet Systemという培養システムはさまざまなものを生み出すことができる可能性を秘めています。
「培養上清」と言いまして、細胞培養をしていく過程の中で出てくる細胞の培養液の中にも実は機能性のタンパク質や、糖鎖、脂質などのさまざまな栄養成分が大量にcomplex状態で含まれているのが特徴となっております。
長期的にはこの細胞組織、端的には肉となると想定しております。
全体の流れとしましては、例えば、細胞の栄養となる糖分・アミノ酸を入れることによって、このCulnet Systemの中で有用物質、培養の細胞などのコスメやサプリ・食品の原材料となるような成分が大量に安く安定供給できることを考えております。
田中:そして、はじめからいきなりその肉にいくのではなく、より単価の高いコスメ成分などの原材料ベースのものを製造するビジネスを先に進めていこうと考えております。
1つ事例を申し上げますと、我々のスタートメンバーに森竜太郎というメンバーがおりまして、彼が出してくれた1つの概念に「セルラー・コスメティクス」というものがあります。細胞生産物から作るコスメ成分の総称として使っております。
通常では安定的に作り出すのが難しいため、どうしても製品として使うことが難しくなっていたような成分を安定的に作れることが期待できます。
または、例えば、天然物から取ってきたいんだけれども、なかなか天然物の中にどういう成分が混ざり込んでいるかわからないから、製品として使う際の品質の不安に対しても、汚染のないような原料の製造が可能であるといったメリットが考えられております。
これからの生産体制の動きの予定として、直近2020年に関しては、月産100キログラムスケールのプラントができあがりまして。これによって細胞の上清液やバイオ試薬方面へ使えるようなプロダクトを設計していく方針となっております。
2023年ぐらいになってくると、月産約3トンから100トンということで、なにを作るかによってかなり幅はあるんですけれども、こういった中型プラントができあがっていって、これによってコスメ・サプリの原材料の方面が安定供給する計画でおります。
我々が本当に目指すべき2026年には、サプリ・食品の分野で、例えば肉として単価が高いフォアグラといった製品のほうに先に注力していくと考えております。
我々が目指すべき肉に関しては、実はCullnet system1つの技術だけでは難しくて、血管を入れていって厚みを増やしていくことが非常に重要になってきます。そういったことも踏まえまして、現在、東京女子医科大学さんと共同研究を進めともに血管を中に入れていくことによって厚みのあるステーキを作っていく技術の開発を進めております。
企業様との想定される事業連携は、例えば直近で短中期的な話だと、有用物質を、安定的に製造できる培養方法を考えることに対しての検討は、我々が得意なものとなっております。
中長期的には食品事業、事業モデルの共同開発となっておりまして。また、直近5年ぐらいの内容ですと、このプラントをどのように作っていくかというような、開発・建設の方向でご一緒できると考えております。
田中:最後のほうになってきますが、我々は、現在10人の体制で研究開発と事業開発を行っております。非常にいいチームが集まっておりまして。例えばCTOの川島一公は非常に天才的な研究者ですし、それに対してCEOの羽生雄毅は法規制の面などの社会実装を一番の得意分野としております。
また、COOの福本に関しましては、我々のこの非常に困難な課題を解決するための会社体制や事業開発に尽力しております。新メンバーの泉水や金山や佐藤、船津の4人も、研究開発ともに経験のあるメンバーにも活躍いただいています。
最後に、我々は「優しいSFの世界の実現を目指したい」ということを常々言っているように、誰もが持続的に食を楽しみ健康的に生活できる世界を作りたいと考えております。
では、簡単ではありますが、私、田中から弊社の紹介をさせていただきました。ありがとうございました。
(会場拍手)
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