ミッションとバリューを守ることが仲間の証明

司会者:それでは、続きましてユーザベース稲垣さん、ご登壇よろしくお願いいたします。みなさん拍手でお迎えください。

(会場拍手)

稲垣裕介氏(以下、稲垣):みなさんこんばんは。ユーザベースの稲垣と申します。お二人の発表を見ていて重大なことに気が付いたんですけど、会社紹介を入れることを忘れたので会社紹介はホームページを見てください。

(会場笑)

その上で、それを削ってでも伝えたかったミッションとバリューについて僕からご説明できればと思います。まず私たちのミッションは「経済情報で、世界をかえる」としています。大きなキーワードとして、「経済」と「世界」を入れています。この2つのキーワードを大事に、事業を推進しています。

もう1つがバリューで、(スライドを指して)この7つのルールをちゃんと守ることが僕たちの仲間の証明だというかたちでチーム運営をしています。

僕たちとしてはミッションとバリュー、この2つを守ることが仲間であることの証明だという定義をして経営をしています。

創業者3名でのチーム経営

もう1つ特徴的なところは、創業者3名でチーム経営をしています。私ともう一人の代表、共同代表をやっている梅田、彼は僕の高校の同級生でして、愛知県の片田舎で自転車をこいでたときからずっと一緒にいる仲間です。

もう1人が、元代表取締役で、現在は療養に専念するため取締役となっている新野です。新野は梅田の証券会社時代の同期で、僕は起業するまで彼のことを知らなかったんですね。なので今起業して10年になるんですけれども、10年の付き合いというかたちになります。

私がもともとエンジニアで、彼ら二人がバンカーとかコンサルとか投資事業にいて、全然違う景色だったこともあり、さっきのミッションとバリューを作っていく上では、いろんな衝突や紆余曲折がありました。今日はそこもちょっとご説明できればと思っています。

ミッションを作るまでのきっかけ

まずミッションについてお話しします。ミッションを作るまでの話も長くなるのですが、梅田と新野のところからスタートします。2007年、梅田が戦略コンサルティングファームのCDIからUBS証券に転職し、新野も三井物産からUBSに移り、同期入社でした。証券会社の新人ということで、ビジネス情報をひたすら取り集める業務を泥臭くやってたんですね。

その中で、いろんな情報システムが導入されているにはされているのですが、なかなか欲しいデータにたどり着けなくて結局国会図書館に行ったり、Google検索に頼ってひたすら検索し続けるようなことをやっていたり、せっかくダウンロードしてきたデータもPDFになっていてエクセルに手作業で貼り付けたり、ということがありました。

ビジネス情報の世界は古臭くて非効率

本を写したりひたすら手打ち入力をする。「BtoCの世界では、Googleなど使いやすいサービスが生まれて世の中が発展してるのに、ビジネス情報の世界では、なんでこんな古臭いことをやらなきゃいけないんだ」と、その非効率をずっと感じながらやってたところがありました。

他方で私の方は、エンジニアとしてアビームという会社で働いていました。ビジネス情報を扱っていたわけではないのですが、彼らと私の共通する問題意識としては、やっぱりこのBtoCですね。BtoCの世界がこんなにも発展しているのになんでBtoBの世界は進化していないんだ、というところがありました。

Googleがこんなに発展しているのに、なんで自分たちはこんなに高いお金を払って法人のシステムを使ってるんだと思ったんですね。

さらにちょうどその頃は、スマートフォン、iPhoneが出てきた時代なんですね。世の中がどんどん進化していくのに自分たちが使っているものはこういうものでいいのかと、ずっと問題視していたところがありました。

私の方はITの現場で実際にそのBtoBのシステムを作っている側だったんですけど、現場のエンジニアの働き方は、ひたすら労働集約的だったんです。すべては人/月、工数管理です。基幹システムの開発だとその工数も膨大になりますが、1人のエンジニアの価値がすごく小さく見られてしまうことが気にかかっていました。

議論を重ねることで本当のミッションが見えてくる

一方で、横を見るとGoogleがすごくすばらしいものを作っていて「あんな革新的なエンジニアってどうやったら集まるんだろうな」ということはずっと考えていました。

テクノロジーは世の中の人たちの働き方をどんどん変えなきゃいけないのに、結局その新しいシステムに移行してもやってる作業は同じで、「なんのためにシステムを入れてるんだろう?」ということがずっと起きてしまっていたので、そこをテクノロジーの力で変えたいという思いが僕にはありました。

そこで梅田・新野と、僕の考えていたことが交わって、ユーザベースを創業し、世界中で利用される経済情報プラットフォームを作ることになりました。

人の力はすごく重要なもので、情報に対して人間が分析や解釈を加えることで、意味が生まれてきます。そしてテクノロジーがあれば、それをもっとスケールできる。

ですので、創業初期のミッションは「世界中のBtoBの情報をスムーズにし、経済情報プラットフォームを作っていく」というところに落としこみました。

ただ、ここから議論をどんどん重ねていって、僕たちとしてはやっぱりGoogleという存在がすごく大きかったんですよね。あんなクールな会社になりたいとずっと思っていた。そう考えると、あえてtoBの世界に閉じる必要性はないと感じたんです。