2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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高橋ひでつう氏(以下、ひでつう):すごいアンテナを張ってるイメージがあるんですけど、情報収集はどこからが多いんですか?
ハヤカワ五味氏(以下、ハヤカワ):情報収集は、基本Twitterです。今、おもしろいことをつぶやいてる人を1000人ちょっとぐらいフォローしていて、全部見てるわけじゃないんですけど、ガーッと流し見をしてます。「なんかみんな『note』というやつ、やり始めてるな」からググる、みたいな感じですね。
ひでつう:なるほど。Twitterみたいなフローな情報を見て、気になったものがあったら自分で掘ってみて、それをストックにしてみたいな感じ?
ハヤカワ:そうですね。1人のInstagramやブログだけウォッチしてると、結局その人の後追いでしかなくなっちゃうし、情報量はその人のせいぜい50パーセントぐらいしかいけないじゃないですか。
でも、複数人をバーッと流し見してる状態だと、みんなから5パーセントずつぐらいもらってくるんで、全体で言うと1人に対しての100パーセントぐらいの情報量を持ってたりということもあると思うんですよ。だからTwitterは好きですね。
ひでつう:当然、同意できない意見とか、いろいろあると思うんですけど、そこも含めていろんな目線、視点を作っていくということですか?
ハヤカワ:「こういうこと言ってる人もいるんだな」くらいにしとくと、案外1つの意見だけ聞くよりもけっこういろんなことに寛容になれるし、全体の流れとか「今、みんながこっちに向かってるぞ」みたいなのは、わかりやすくていいかなと思いますね。
ひでつう:例えば今これ、(「note」に)12本上がってますけど……まとめても売ってるんだ。すごい雑に言っちゃえば、例えば(トータルで)4000円ぐらい払えば、ハヤカワ五味さんの人生なり、やってきたことなりがわかる。ある意味、追体験できるということですよね。
ハヤカワ:そうですね。とくに私に関しては、持ってる情報量はそこまで多くないので、けっこう「note」には正直に全部書き出すようにはしてますね。例えば、こういう講演会でもけっこうみんなしゃべり渋ると思うんですけど、私はわりとしゃべってるほうかなと。
ひでつう:僕はよくゼミの学生に、本、要するに有料コンテンツ、無料じゃないコンテンツを読みなさいと。次に現場に行く。講演会であったり、ライブだったり、展示会に行ったりする。3番目としては、人に会う。成功している人に会うとか、そういうことを言ってるんですけど。
ハヤカワさんは、Twitterとかで情報を得て、実際にそういう人たちに連絡を取ってみたり(している)。ああいう(下着ブランドの)モデルさんとかメンバーの人とか、どうやって集めてるんですか?
ハヤカワ:そういう人たちは基本的に……さっきからTwitterしか言ってなくて、私ツイッタラー臭がヤバいんですけど。やっぱりSNSで出会った部分が大きくて。けっこうSNSで出会うのはよくないみたいなイメージ、まだ若干あるかなと思うんですけど。
ひでつう:ありますね。
ハヤカワ:でも、別にきっかけでしかないので。そこで声かけやすいというフランクさがすごいあると思うから、そこを利用してもいいかなと。
ひでつう:たまに「ゆる募」みたいな感じでありますよね。
ハヤカワ:ありますね。それこそ、うちのデザイナーの子は最初Twitterで、たまたま友達が文化服装学院という服飾系の大学の文化祭の写真をアップしてたんですよ。それの写真に載ってる下着がめっちゃかわいかったんですよ。
それで「これは声をかけるしかない」と思って、その場で本人にリプライ送って、「今から行くんで、ごあいさつさせてくれませんか?」と言って。完全にナンパなんですけど(笑)。
ひでつう:なるほど(笑)。「今から文化祭行くんで」「待ってろ」と。
ハヤカワ:そのときふつうに顔出しでTwitterやってたんで、その安心感もあってOKみたいな感じになって。実際に文化祭に行ってあいさつして、そこからスタートでしたね。それで、いまだにうちのデザイナーをやってくれてて、今年中に社員登用するかなという感じです。
ひでつう:じゃあ、そういった流れでどんどんアクションを早くつかまえていくということですよね。すごいな。RPGゲームのパーティー組むじゃないですけど、いろんなスキルがある人を集めて、そういうゲームっぽいなと思ったんですけれども、いろんなスキルのある人を集めて起きる、「じゃあ、お前がやれよ」という軋轢があるじゃないですか。もしくは、「自分がやったほうが早い」とか。
この前うちの学生から質問があったのが、プログラマーとデザイナーとディレクターがいるんですけど、案件がうまくいっていないと。「なんで?」と言ったら、「プログラマーの人もデザイナーの人もプライドが高いんで」と。それで、「俺はどうすればいいんですか?」と。「そんなの、君がプログラミングとデザインを勉強すればいいんだ」と言ったんです。別にまんまマスターじゃないけど、言語のプロトコルが合うじゃないですか?
ハヤカワさんはそういうチーム……美大生なので多いじゃないですか? そういうグループワークとかあると思うんですけど、チームのコミュニケーションを取るのに、どうやって工夫してますか? みんなが同じ方向を向くということに対して。
ハヤカワ:私、自分で言うのもアレなんですけど、けっこうチーム組むのとかチーム戦が得意で、インターンでもわりとチームまとめて進めるのが得意なんですよ。
実体験も話したいんですけど、まず最初にベースの考え方として……。これはたぶんゲームやってる人にしかわかんないかもしれないんですけど、勇者とか主人公はだいたいザコなんですよ(笑)。
ひでつう:なるほど。
ハヤカワ:けっこう使えないパターンが多くて。というのも、勇者とか主人公とかはわりと(パラメーター)すべてが平均的に振られてるから、「ちょっと強いふつう」くらいだと思うんですよ。だから、特長がないというか。
そうなったときに、魔法使いという人は魔法がめちゃくちゃ強いじゃないですか。賢者という人はめちゃくちゃ回復してくれるみたいに、それぞれ特長があるじゃないですか。
そういった人たちに対して、主人公はすごく尊敬してると思うんですよね。「この人は、なんて(すごい)回復してくれるんだ!」みたいな。「君は回復隊長だ!」と思っていると思うし。
そういった、「自分はこれができない」というのを認めて、さらにできる人を尊敬するというのが、第一にチームを組むうえで大切かなと思ってて。
個人的に、会社の社長でも2つタイプがいると思っていて、もう完全にスター性が高い、キラキラ社長タイプと、けっこう社員からいじられてる、わりとダメな社長タイプがあると思っていて、私はたぶん後者だと思うんですよ。
案外私1人じゃなにもできなくて、でも私は全員尊敬してるから、「この仕事をこれだけやってほしい」というのを、尊敬しているからこそしっかり頼めるし。しっかり頼むというのも、1つ技術が必要なのかなと思いますね。
ひでつう:いわゆる、社長は一番ダメでいいという。
ハヤカワ:社長は一番ダメでいいし、その場その場をマイナスにするんじゃなくて、常にプラスにするというのも大事だなと思ってて。
実際に私は去年、電通という会社のインターンに参加して、その間に1泊2日で課題を1つ完成させて発表するという企画があったんですよ。
課題発表が夜の19時で、翌日の11時提出なんですよ。必然的に「もう寝るな」と言ってるようなものじゃないですか?
みんな「寝ないでやろう!」という感じになってたんですけど、私はチームをまとめる役みたいな感じになっていて、もう「寝よう」と決めたんですよ。「うちのチームは断固として寝る! 私が寝たいから」と言って、まず寝ることを決定したんですけど。
そしたら、みんな寝るまでしっかり仕事して、翌日起きたタイミングで、1人のチームメンバーが来なかったんですよ。「ああ、これは完全に起きてこないな」と言って。
もう、その人抜きで進めてたんですけど、あと(提出まで)1時間ぐらいで来たんですよね、その寝てた人が……となったときに、たぶんたいていの人は「なんで寝てたんだ!?」と責めると思うんですよ。
じゃなくて私は、そのときに自分でも本当にファインプレーだなと思ったのが、あとから来た人に対して「この意見どう思う?」という、新鮮な意見を求めたんですよ。
その場で4人ぐらいで煮詰まって、「こういう意見が出ました」というのに対して、今来た人にフィードバックをお願いした。そういうプラスへの転換というか、その場その場でマイナスに考えるんじゃなくて、どうにかプラスに変えてくみたいな機転の利かせ方が、チームワークだと大切かなと。誰かを非難しても始まらないんで。
ひでつう:なるほど。いや……名言連発っすね。まあでも、チームでよくありがちっすよね。
ハヤカワ:そうですよ、「なんでお前、これできないんだ?」とか。
ひでつう:でもそれは、なにも解決にならないから、むしろ逆にいい方向に持っていくようなのがリーダーということですね。
ハヤカワ:誰か1人、本当になにもできない人がいても「君は笑ってて」みたいな感じで私は言ってて(笑)。「君はどんなにこのチームが不安になってても、それぞれの悩みを聞いてアハハと笑う役をやってて」くらいに思ってます。
実際、今年の頭に「FUTURE LIONS」という賞に出すときにも、1人マジで来れないやつがいて。そいつにはもう「お前は相談役になって」とずっと言ってました。
ひでつう:今、さらっとインターンと言って、みんな「ほえっ!?」と思ったと思うんですよ。ブランドをやって、学校も行って、インターンは何年生のときですか?
ハヤカワ:去年なので、2年の夏ですね。
ひでつう:実は、うちは就職活動するのが遅いんですよ。どうしても美大にありがちな……もちろんハヤカワさんも美大の方なんですけど、「就職するやつはカッコ悪い」的な空気があるじゃないですか。
ハヤカワ:あー。
ひでつう:確か(面白法人)カヤックにも(インターンに)行ってましたよね?
ハヤカワ:そうですね。カヤックもインターンでバイトとか。
ひでつう:うちのゼミの卒業生が何人か行っているんですけど。
ハヤカワ:合いそうですね。
ひでつう:非常に相性よくて。なんですけど、逆にいうと、別にハタから見てりゃふつうに「インターン行く必要あるの?」みたいに思うんですけど。なんで行こうと思ったんですか?
ハヤカワ:インターンでなにが起きてるか気になって。正直、インターンはめっちゃ予算かかるじゃないですか。「それを会社がやるメリットとは何なんだろう?」とすごい疑問に思って。
ひでつう:そうですよね、会社からすれば全部(費用を)持って、教育もして。しかも、来てくれるかわかんないもんね。
ハヤカワ:そう。しかも遠方のインターンだと宿泊費が出る場合があったり。
ひでつう:そうですよね。(受け入れ先が)大きな会社で、(参加者が)優秀な方だと、全部持ってくれますもんね。
ハヤカワ:あと、そういうのがなかったとしても弁当が出るというのがあって。「これはタダで弁当が食える」と思って、行ったんですよ(笑)。
ひでつう:(笑)。
ハヤカワ:しかも、ノートとかもらえるらしいみたいな感じで(笑)。電通のインターンは、最初にノートとかいろいろもらえるんですよ。そういう安易な考えで応募して。
ひでつう:要するに、世間のインターンで何が起きてるか。例えば、よく「新卒カード」というのがあるんですけど、卒業してから数年バイトしながら自分ができることを探すみたいな意見もあって。
僕の意見としては……基本的にこういう言い方ですけど、その人を尊重するので。「俺の意見ですよ」と言いながら、「俺は(大学)4年間でできなかったことが、なんで3年とか2年バイトしてできるのかわからない」と思うんですけど。ハヤカワさんはどう思います?
ハヤカワ:なんか場合によると思ってて。というのも、今付き合ってる人が実際に卒業したあと、何年かな……? たぶん2〜3年。最初1〜2年くらいはぜんぜん食えなくて、バイトしながら制作してた時期があって。
でも、その人の場合だと単に、もともと手を動かす時間が大学時代からカツカツで、それが伸びちゃって、「この作品とこの作品とこの作品、作りたいんだけど、単に物理的に時間がないから延長戦」みたいな感じで、バイトしつつ稼ぐ道を探してた場合もあるので、それとかだったら別にいいなとは思うんですけど。
ひでつう:例えば学費のために、学校というものがなくなったからという意味合いがあればぜんぜんアリだと思うんですけど。単にモラトリアムを伸ばしたいみたいな人は、どう思いますか?
ハヤカワ:ありますよね。そういった場合は、私は正直「つまんなくね?」と思っちゃって。とりあえずなんか探そうみたいなのは、大学がなくなったら余計……その環境が1個なくなるわけじゃないですか。何もない更地で自分のやることを探しても、たぶん大学時代よりも悪条件じゃないですか。
ひでつう:そうなんですよね。周りから友達がいなくなるしね。
ハヤカワ:街中で仕事を探すという状況から、突然砂漠の中心で仕事を探すくらいになってるなと思ってて。
ひでつう:名言連発っすね。ツイートしていいですか?(笑)。
ハヤカワ:(笑)。そのくらい悪条件なのに、さらにそこから探したとして、ただ砂漠しかないわけじゃないですか。「自分とは何なんだろう?」という思いだけはせて。
ひでつう:みんな新卒1年目で忙しいから時間も割いてくれないし、先生もいないわけですからね。
ハヤカワ:そう。いないし、授業もないしとなると悪条件で、そういうのはもったいないなと思って。それくらいだったら会社に入って、会社入ってもそこで人生終了みたいなわけじゃないんで、会社入りつつ探すというのでもいいのかなと思います。
バイトよりもぜんぜん待遇いいと思うので。そういう現金面で見ても、会社に入っちゃったほうがいいんじゃないかなと。今、すごい簡単に辞められるんで。
ひでつう:もっと巻き戻した話なんですけど、けっこう多い悩みが「やりたいことがわかりません」という人が多いんですよ。まあ、たぶんそういう質問を山ほど受けてると思いますけど、それに対していつもどう答えてますか? 100万回ぐらい聞かれてると思うんですけど。
ハヤカワ:めっちゃ聞かれますよ。すごい疑問なのが、「じゃあ、なんで生きてるの?」と、毎回返しちゃうんですけど(笑)。
ひでつう:怖いよー(笑)。
ハヤカワ:でもそれは、素朴に考えてみると、例えば飯を食うためとか、もしかしたらめちゃくちゃおいしいラザニアがあるから、それを食べるためかもしれないし、もしかしたら来週更新の『週刊少年ジャンプ』を見るためかもしれないし、かわいいタイツを買いたいからとか、そういうのかもしれないですけど、なにかしら1つくらい好きなものがあると思うんですよ。
なんかそれがこう、生きる意味じゃないですか。本当に簡単なものでも生きる意味になると思うんですけど。そういうもの突き詰めていけばいいのかなと思ってて。
例えば、めちゃくちゃ『ジャンプ』好きだったら、本当に『週刊少年ジャンプ』とか集英社はバイト採用してるんで、バイトからでもいいから、編集部の内部に入ってみるとかでもいいと思うし。
ひでつう:そうですよね。いきなり漫画家になるじゃなくても、そばに触れるということですよね。
ハヤカワ:案外調べると、周りになにかしらの仕事が落ちてると思うんで。そういうとこからスタートで、だんだんやりたいこと明確化してくというか。
例えば漫画、実際にバイトしてみたら、「僕は編集じゃなくて、装丁をやりたいんだ」みたいな。「カバーのデザインやりたいな」となってきて、「じゃあ、カバーのデザインやるためにこの会社入って……」とかで、だんだん絞られてくるんじゃないかなと思います。
ひでつう:実際に入ったり、そばに行くことによってわかることがいっぱいあると。例えば電通だったら、広告とかマーケティングのこととかがインターンで入ったらわかると思いますし、カヤックだったらWebサービスがわかったりするということですよね。それがやっぱり、自分の今やってる事業にフィードバックされていく。
ハヤカワ:そうですね。例えば、電通に入って突然独立する人もやっぱり一定数いるので、本のデザインの会社に入ったら、一生本のデザインしなきゃいけないというわけでもないなと。
本のデザインやってるうちに、なかを書きたくなって小説家になるかもしれないし。なんか1回そのとっかかりとして、情報を得るということで就職するのがすごいいいんじゃないかなと思ってます。
ひでつう:なるほど。電通と言うと、みんな2chの情報で「悪の枢軸」とか。「でも、みんな好きなアニメにも絡んでるよ」と言うと、「ええっ!」と。
結局、ネットの情報にあるものだけ(を見る)とかじゃなくて、自分で掘っていくみたいな。僕も(電通に)友達いますけど、世界一の広告会社であるのは事実だし、カヤックにしても日本でトップクラスのWebの会社じゃないですか。
そういう意味で、入りやすいところよりも、すごいチャレンジして、いつも上を狙ってる気がするんですけど、そこらへんはどういう理由で?
たぶんハヤカワさんにはもっと楽な方法があるじゃないですか。さっきのハードル上げるじゃないですけど、自分のハードル上げてくというのは、どういう理由からなんですか?
ハヤカワ:会社だけに関して言えば、結局、レベルが高いところはいろんな仕事をめっちゃやってるじゃないですか。だから、どれか1つくらいは私が興味あるのがあるんじゃないかなという意味で、必然的に上の会社になっちゃうんですよ。結局、どんどん下請けになるごとにニッチになっていって。
車会社も、トップはいろんなデザインや環境問題をやってると思うんですけど、だんだん下にいくごとにネジ1つ何ミリみたいな感じになってくじゃないですか。そしたらたぶん、ネジのことしか考えられないなと思って。
じゃなくて、もっと環境問題とかにいて、自分なりにやりたいこと見つけてきたいなという意味で広いところに行く、イコール上になっちゃう感じですかね。
ひでつう:なるほど。もちろんネジが良い・悪いという意味じゃなくて、ハヤカワさんとしては目線を広く持ちたいから、なるべく上のところから行ってみようみたいなところなんですよね?
ハヤカワ:はい。とくに私は職人気質じゃないというか。私も正直、今1個だけめちゃくちゃやりたいことがあるわけでもないんですよ。やっぱり、自分もまだ手探りだし。という段階になにか1つに絞るよりは、もっと可能性のある場所に行ったほうがいいんじゃないかなということで、私はいわゆる上の会社というか、いろんなことやってるほうに行きたいなと思ってます。
もっとやることが決まってる人とか、これ1本で行きたいという人は、もっと細かいほうに行くのがいいんじゃないかなと。
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