情報収集はTwitter

高橋ひでつう氏(以下、ひでつう):すごいアンテナを張ってるイメージがあるんですけど、情報収集はどこからが多いんですか?

ハヤカワ五味氏(以下、ハヤカワ):情報収集は、基本Twitterです。今、おもしろいことをつぶやいてる人を1000人ちょっとぐらいフォローしていて、全部見てるわけじゃないんですけど、ガーッと流し見をしてます。「なんかみんな『note』というやつ、やり始めてるな」からググる、みたいな感じですね。

ひでつう:なるほど。Twitterみたいなフローな情報を見て、気になったものがあったら自分で掘ってみて、それをストックにしてみたいな感じ?

ハヤカワ:そうですね。1人のInstagramやブログだけウォッチしてると、結局その人の後追いでしかなくなっちゃうし、情報量はその人のせいぜい50パーセントぐらいしかいけないじゃないですか。

でも、複数人をバーッと流し見してる状態だと、みんなから5パーセントずつぐらいもらってくるんで、全体で言うと1人に対しての100パーセントぐらいの情報量を持ってたりということもあると思うんですよ。だからTwitterは好きですね。

ひでつう:当然、同意できない意見とか、いろいろあると思うんですけど、そこも含めていろんな目線、視点を作っていくということですか?

ハヤカワ:「こういうこと言ってる人もいるんだな」くらいにしとくと、案外1つの意見だけ聞くよりもけっこういろんなことに寛容になれるし、全体の流れとか「今、みんながこっちに向かってるぞ」みたいなのは、わかりやすくていいかなと思いますね。

ひでつう:例えば今これ、(「note」に)12本上がってますけど……まとめても売ってるんだ。すごい雑に言っちゃえば、例えば(トータルで)4000円ぐらい払えば、ハヤカワ五味さんの人生なり、やってきたことなりがわかる。ある意味、追体験できるということですよね。

ハヤカワ:そうですね。とくに私に関しては、持ってる情報量はそこまで多くないので、けっこう「note」には正直に全部書き出すようにはしてますね。例えば、こういう講演会でもけっこうみんなしゃべり渋ると思うんですけど、私はわりとしゃべってるほうかなと。

気になる人はSNSで口説いてみる

ひでつう:僕はよくゼミの学生に、本、要するに有料コンテンツ、無料じゃないコンテンツを読みなさいと。次に現場に行く。講演会であったり、ライブだったり、展示会に行ったりする。3番目としては、人に会う。成功している人に会うとか、そういうことを言ってるんですけど。

ハヤカワさんは、Twitterとかで情報を得て、実際にそういう人たちに連絡を取ってみたり(している)。ああいう(下着ブランドの)モデルさんとかメンバーの人とか、どうやって集めてるんですか?

ハヤカワ:そういう人たちは基本的に……さっきからTwitterしか言ってなくて、私ツイッタラー臭がヤバいんですけど。やっぱりSNSで出会った部分が大きくて。けっこうSNSで出会うのはよくないみたいなイメージ、まだ若干あるかなと思うんですけど。

ひでつう:ありますね。

ハヤカワ:でも、別にきっかけでしかないので。そこで声かけやすいというフランクさがすごいあると思うから、そこを利用してもいいかなと。

ひでつう:たまに「ゆる募」みたいな感じでありますよね。

ハヤカワ:ありますね。それこそ、うちのデザイナーの子は最初Twitterで、たまたま友達が文化服装学院という服飾系の大学の文化祭の写真をアップしてたんですよ。それの写真に載ってる下着がめっちゃかわいかったんですよ。

それで「これは声をかけるしかない」と思って、その場で本人にリプライ送って、「今から行くんで、ごあいさつさせてくれませんか?」と言って。完全にナンパなんですけど(笑)。

ひでつう:なるほど(笑)。「今から文化祭行くんで」「待ってろ」と。

ハヤカワ:そのときふつうに顔出しでTwitterやってたんで、その安心感もあってOKみたいな感じになって。実際に文化祭に行ってあいさつして、そこからスタートでしたね。それで、いまだにうちのデザイナーをやってくれてて、今年中に社員登用するかなという感じです。

社長は一番ダメでいい

ひでつう:じゃあ、そういった流れでどんどんアクションを早くつかまえていくということですよね。すごいな。RPGゲームのパーティー組むじゃないですけど、いろんなスキルがある人を集めて、そういうゲームっぽいなと思ったんですけれども、いろんなスキルのある人を集めて起きる、「じゃあ、お前がやれよ」という軋轢があるじゃないですか。もしくは、「自分がやったほうが早い」とか。

この前うちの学生から質問があったのが、プログラマーとデザイナーとディレクターがいるんですけど、案件がうまくいっていないと。「なんで?」と言ったら、「プログラマーの人もデザイナーの人もプライドが高いんで」と。それで、「俺はどうすればいいんですか?」と。「そんなの、君がプログラミングとデザインを勉強すればいいんだ」と言ったんです。別にまんまマスターじゃないけど、言語のプロトコルが合うじゃないですか?

ハヤカワさんはそういうチーム……美大生なので多いじゃないですか? そういうグループワークとかあると思うんですけど、チームのコミュニケーションを取るのに、どうやって工夫してますか? みんなが同じ方向を向くということに対して。

ハヤカワ:私、自分で言うのもアレなんですけど、けっこうチーム組むのとかチーム戦が得意で、インターンでもわりとチームまとめて進めるのが得意なんですよ。

実体験も話したいんですけど、まず最初にベースの考え方として……。これはたぶんゲームやってる人にしかわかんないかもしれないんですけど、勇者とか主人公はだいたいザコなんですよ(笑)。

ひでつう:なるほど。

ハヤカワ:けっこう使えないパターンが多くて。というのも、勇者とか主人公とかはわりと(パラメーター)すべてが平均的に振られてるから、「ちょっと強いふつう」くらいだと思うんですよ。だから、特長がないというか。

そうなったときに、魔法使いという人は魔法がめちゃくちゃ強いじゃないですか。賢者という人はめちゃくちゃ回復してくれるみたいに、それぞれ特長があるじゃないですか。

そういった人たちに対して、主人公はすごく尊敬してると思うんですよね。「この人は、なんて(すごい)回復してくれるんだ!」みたいな。「君は回復隊長だ!」と思っていると思うし。

そういった、「自分はこれができない」というのを認めて、さらにできる人を尊敬するというのが、第一にチームを組むうえで大切かなと思ってて。

個人的に、会社の社長でも2つタイプがいると思っていて、もう完全にスター性が高い、キラキラ社長タイプと、けっこう社員からいじられてる、わりとダメな社長タイプがあると思っていて、私はたぶん後者だと思うんですよ。

案外私1人じゃなにもできなくて、でも私は全員尊敬してるから、「この仕事をこれだけやってほしい」というのを、尊敬しているからこそしっかり頼めるし。しっかり頼むというのも、1つ技術が必要なのかなと思いますね。

ひでつう:いわゆる、社長は一番ダメでいいという。

ハヤカワ:社長は一番ダメでいいし、その場その場をマイナスにするんじゃなくて、常にプラスにするというのも大事だなと思ってて。

電通インターンの成功体験

実際に私は去年、電通という会社のインターンに参加して、その間に1泊2日で課題を1つ完成させて発表するという企画があったんですよ。

課題発表が夜の19時で、翌日の11時提出なんですよ。必然的に「もう寝るな」と言ってるようなものじゃないですか?

みんな「寝ないでやろう!」という感じになってたんですけど、私はチームをまとめる役みたいな感じになっていて、もう「寝よう」と決めたんですよ。「うちのチームは断固として寝る! 私が寝たいから」と言って、まず寝ることを決定したんですけど。

そしたら、みんな寝るまでしっかり仕事して、翌日起きたタイミングで、1人のチームメンバーが来なかったんですよ。「ああ、これは完全に起きてこないな」と言って。

もう、その人抜きで進めてたんですけど、あと(提出まで)1時間ぐらいで来たんですよね、その寝てた人が……となったときに、たぶんたいていの人は「なんで寝てたんだ!?」と責めると思うんですよ。

じゃなくて私は、そのときに自分でも本当にファインプレーだなと思ったのが、あとから来た人に対して「この意見どう思う?」という、新鮮な意見を求めたんですよ。

その場で4人ぐらいで煮詰まって、「こういう意見が出ました」というのに対して、今来た人にフィードバックをお願いした。そういうプラスへの転換というか、その場その場でマイナスに考えるんじゃなくて、どうにかプラスに変えてくみたいな機転の利かせ方が、チームワークだと大切かなと。誰かを非難しても始まらないんで。

ひでつう:なるほど。いや……名言連発っすね。まあでも、チームでよくありがちっすよね。

ハヤカワ:そうですよ、「なんでお前、これできないんだ?」とか。

ひでつう:でもそれは、なにも解決にならないから、むしろ逆にいい方向に持っていくようなのがリーダーということですね。

ハヤカワ:誰か1人、本当になにもできない人がいても「君は笑ってて」みたいな感じで私は言ってて(笑)。「君はどんなにこのチームが不安になってても、それぞれの悩みを聞いてアハハと笑う役をやってて」くらいに思ってます。

実際、今年の頭に「FUTURE LIONS」という賞に出すときにも、1人マジで来れないやつがいて。そいつにはもう「お前は相談役になって」とずっと言ってました。

インターンに参加するのはなぜ?

ひでつう:今、さらっとインターンと言って、みんな「ほえっ!?」と思ったと思うんですよ。ブランドをやって、学校も行って、インターンは何年生のときですか?

ハヤカワ:去年なので、2年の夏ですね。

ひでつう:実は、うちは就職活動するのが遅いんですよ。どうしても美大にありがちな……もちろんハヤカワさんも美大の方なんですけど、「就職するやつはカッコ悪い」的な空気があるじゃないですか。

ハヤカワ:あー。

ひでつう:確か(面白法人)カヤックにも(インターンに)行ってましたよね?

ハヤカワ:そうですね。カヤックもインターンでバイトとか。

ひでつう:うちのゼミの卒業生が何人か行っているんですけど。

ハヤカワ:合いそうですね。

ひでつう:非常に相性よくて。なんですけど、逆にいうと、別にハタから見てりゃふつうに「インターン行く必要あるの?」みたいに思うんですけど。なんで行こうと思ったんですか?

ハヤカワ:インターンでなにが起きてるか気になって。正直、インターンはめっちゃ予算かかるじゃないですか。「それを会社がやるメリットとは何なんだろう?」とすごい疑問に思って。

ひでつう:そうですよね、会社からすれば全部(費用を)持って、教育もして。しかも、来てくれるかわかんないもんね。

ハヤカワ:そう。しかも遠方のインターンだと宿泊費が出る場合があったり。

ひでつう:そうですよね。(受け入れ先が)大きな会社で、(参加者が)優秀な方だと、全部持ってくれますもんね。

ハヤカワ:あと、そういうのがなかったとしても弁当が出るというのがあって。「これはタダで弁当が食える」と思って、行ったんですよ(笑)。

ひでつう:(笑)。

ハヤカワ:しかも、ノートとかもらえるらしいみたいな感じで(笑)。電通のインターンは、最初にノートとかいろいろもらえるんですよ。そういう安易な考えで応募して。