経営戦略ど真ん中でのワークスタイル変革

司会者:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ、代表取締役社長の山口文洋様より、「経営戦略ど真ん中でのワークスタイル変革」と題してお話いただきます。

山口様はITベンチャー企業を経て、2006年にリクルートに入社。昨年、リクルートマーケティングパートナーズの代表取締役社長に就任し、人生のライフイベントに関わるビジネスを展開して、ご活躍中です。それでは山口様、お願いいたします。

(会場拍手)

山口文洋氏(以下、山口):みなさん、こんにちは。リクルートマーケティングパートナーズの山口と申します。

弊社は、経営戦略のど真ん中で、ワークスタイル変革にこの1年半チャレンジしてきました。私からは、そのチャレンジ事例として、今日の45分間で、そのエッセンスや私たちが葛藤したポイントなどについて、共有させていただければと思います。

売上げの4割が海外、グローバル化を進めるリクルート

自己紹介ですが、38歳です。現在のリクルートマーケティングパートナーズの社長には、1年半前に就任いたしました。まだ新米経営者でございます。

まず弊社の簡単なご紹介をいたしますと、リクルートグループは今、全世界でいろいろな事業を展開させていただいておりまして、売上は約1兆6,000億円。そして、海外の売上が4割強にいたるようなグローバル企業に、どんどん進化しております。

そのなかでも私がいるのは、リクルートマーケティングパートナーズです。実はリクルートは、4年前にホールディングス形態になりまして、会社を分社化しています。

国内でいいますと、主要7社に分社化をしておりまして、その1つを私が担当しています。

ワークスタイル変革の話に入る前に、どういった会社がチャレンジしたのかということで、簡単に弊社のサービスをみなさまにご紹介させていただければと思います。

ライフイベントに寄り添うサービスを展開

おそらく、みなさんが一番知っていらっしゃるサービスだと、「ゼクシィ」かと思います。婚活から結婚にいたるところの情報提供、もしくは意思決定支援する、情報誌やWebメディアを展開しております。

そして、女性が結婚した後の妊娠・出産・育児支援領域では、「赤すぐ」「妊すぐ」といった情報誌やWebメディアも展開しております。

そして、お子さんが小学生・中学生・高校生になったときの、大学・専門学校に行くような進路意思決定や、日々の学習支援というかたちで、オンライン学習サービスも提供しております。

そして、そのオンライン学習サービスは昨今では、世界8ヶ国で展開しています。私は、こちらの会社のチェアマンも務めています。

そして、大学を出た後、社会人になって、シニアになっても生涯学習をしていくなかで、いろんな資格をとり、お稽古を受けることもあると思います。そちらは「ケイコとマナブ」というサービスで、社会人の生涯教育支援をするサービスも運営しています。

家、住宅に並ぶ人生のなかでの高額な意思決定である「自動車」購入支援の情報提供も「カーセンサー」というサービスで提供しております。

対象は1400名、「ワークスタイル変革」4つの肝

まとめますと、我々はリクルートグループのなかで、出会いから始まり、結婚、妊活、出産、子育て、教育から進学。また、それらのライフイベントに寄り添うカーライフというところまで含めて、「ライフイベント」における意思決定を支援するサービスを提供している会社です。

今回のワークスタイルの対象は約1,400名の社員です。「リクルートは若い会社」という認知もされていると思います。実際、50代の方は1%程度しかおらず、40代の方が10%、20代、30代で約45%パーセントを占める会社でございます。

そして、ゼクシィや教育、子育てのサービス運営をしていることもあり、女性社員の比率が非常に高い会社でもあります。約6割が女性社員です。管理職のうち約4割が女性で、そのなかの約1割はワーキングマザーです。

このような会社が今回、ワークスタイル変革にチャレンジをしていくことになります。

今日、私がお伝えしたいことは4つです。実践してみたなかで、私なりに感じた「肝はここだ」というところを、みなさんに伝えさせていただきたいと思っております。

1つ目は、ワークスタイル変革を始める際の、「目的の明確化」の大切さです。なぜやるのかというWhyがないとHowが独り歩きします。結果として、「福利厚生の強化の一環ですか?」というような勘違いもされてしまいます。

2つ目、そのワークスタイル変革の実践には、「現場のワガゴト化」が大事です。経営陣だけでいつまでも総論の議論をしていてもダメで、現場を巻き込むことが非常に大切です。

3つ目、ワークスタイル変革を成功させるためには、目的の明確化と現場を巻き込むことに加え、同時にそれを実行推進できる「人事と総務とIT戦略の立案と打ち手」が求められると思います。

そして最後、せっかく取り組むのならば、不確実な10年後、20年後の未来に立ち向かうための新しい変革が生まれやすい企業のカルチャーづくり、風土づくりを同時にやっていくのが、さらなる効果を生むと考えています。この辺りも含めて変革の1年半をみなさまに共有させていただきたいと思います。

なぜ今、ワークスタイル変革なのか?

リクルートマーケティングパートナーズ、もしくはリクルートグループでも今、ワークスタイル変革に積極的に取り組んでいるのですが、「じゃあ、なぜこれを始めたのか?」という、5つの背景をお話させていただきたいと思います。

1つ目は、「なぜワークスタイル変革に取り組むのか」ですが、リクルートグループの経営理念やDNAが色濃く影響していると思ってます。

我々の会社は、経営理念やリクルートウェイのような大切な考え方のなか、そして人材マネジメントポリシー、リクルート創業者の江副の言葉のなかにも、「会社の持続的成長の源泉は人にある、従業員にある」という言葉があります。

そして、その従業員の「個の尊重をしよう」と、理念でもウェイでも創業者の言葉のなかでも、そして人材マネジメントポリシーでも掲げています。

では今、従業員の「個の尊重」を最大限できる仕組みがきちんと整備されているのかというと、そうではないということが、変革の大前提にございます。

そして、私自身のリクルートおける原体験もあります。実は私は新卒ではなくて中途採用で、リクルートに入社しています。

私はリクルートのなかで多様な仲間を集めて、「スタディサプリ」というオンライン教育サービスを、ゼロから立ち上げています。

非常にダイバーシティなチームだったからこそ、それができたという私自身の原体験です。そして、今はさらにそれを世界に広めるために「Quipper」というロンドンのオンライン教育サービスのベンチャー企業をM&Aしました。

そして、この1年半を通して、8ヶ国のメンバー、そして5拠点のグローバルマネジメントへ挑戦しているなかで、やはり人との働き方はリアルでなくバーチャルのリモートでも、コミュニケーションが取れるんだというところに、自分の原体験がございます。