小保方晴子氏が発表し、後に論文を撤回したSTAP細胞について、理研が検証実験を打ち切ると発表。また同時に、小保方晴子氏からの退職願を理研が受理したことも明かされ、小保方氏と野依理事長からのコメントも発表されました。(2014年12月19日 理化学研究所 STAP現象の

チームリーダーから、検証実験のまとめ

相澤慎一氏:検証結果をまとめますと、Oct-GFPを導入した新生児脾臓、肝臓からのGFP陽性細胞の出現頻度は低く、再現性をもって、これらの細胞の多能性獲得、未分化性を分子マーカーの発言によって確認することは、出来ませんでした。

細胞塊が有する緑色蛍光を、自家蛍光と区別することも困難で、その由来を明確に判定することは出来ませんでした。

研究論文で報告されたSTAP幹細胞、FI幹細胞の樹立条件下でも、形態的に類似細胞の出現は認められましたが、低頻度であり、継代樹立することは出来ず、これら類似細胞出現の意義を判定することは出来ませんでした。

STAP様細胞塊から、さまざまな手法、条件でキメラ作成を検討しましたが、リプログラミングを有意に示すキメラ作成を認めることは出来ませんでした。

それで、これ以上の検証は、個々に検討すべき課題はもちろん科学のことでありますからございますけれども、これ以上の検証は検証実験の範疇を超えるもの、と考えます。それで、検証実験の期限を来年3月まで予定していましたが、丹羽副チームリーダーによる検証も含め、検証実験はここで終了することと致しました。以上です。

坪井裕氏(以下、坪井):理事の坪井です。ただいま相澤チームリーダー、丹羽副チームリーダーからご説明いたしましたが、いずれの説明においてもSTAP現象の確認に至らなかったことから、この検証結果、チームリーダー、副チームリーダーによる科学的な判断を踏まえまして、所としても理研としても、当初は来年3月までとして進めてまいりました本実証実験を、12月18日付をもって終了することと致しましたので、ご報告申し上げます。

小保方氏より12月21日付での退職願が出され、受理

坪井:なお恐縮ですが、関連した報告事項があります。検証チームの小保方研究員でございますが、12月21日付で退職したい、という旨の願いが、12月15日、月曜日に提出されました。

研究所と致しましては、本人の意思を受け止めまして、退職を認めることと致しました。

で、小保方さんからこの検証結果、および退職関するコメントが出されましたので、恐縮ですがこれより配布させていただきます。また本件に関する理事長コメントも合わせて配布をさせていただきます。以上でございます。

小保方氏のコメント全文

どのような状況下であっても必ず十分な結果をと思い必死に過ごした3か月でした。

予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかった事などが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果に留まってしまったことに大変困惑しております。

私の未熟さゆえに論文発表・撤回に際し、理化学研究所を始め多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことの責任を痛感しておりお詫びの言葉もありません。

検証終了を以て退職願を提出させていただきました。最後になりますが本検証実験にあたり検証チームの皆様はじめ、ご支援・応援してくださった方々に心より御礼申し上げます。

2014年12月19日 小保方 晴子

理研・野依理事長より、退職願の承認に際してのコメント

STAP論文が公表されてからこの10ヶ月間余り、小保方晴子氏にはさまざまな心労が重なってきたことと思います。このたび退職願が提出されましたが、これ以上心の負担が増すことを懸念し、本人の意志を尊重することとしました。

前途ある若者なので、前向きに新しい人生を歩まれることを期待しています。

同理事長より、STAP現象の検証結果の公表に際してのコメント

STAP 細胞にかかる研究論文は、本年7月2日に Nature 誌論文二篇が撤回されました。これをもって記述された内容はすべて削除され、科学界においてはSTAP 論文は白紙に戻ったことになります。

しかし、STAP 現象は科学界を超えて、社会的問題にもなったことから、理研は、一般社会、国民の関心に応える道でもあると考え、研究不正再発防止改革推進本部の下で検証を実施してきました。

今回、相澤慎一実験総括責任者による検証実験を進め、加えて、小保方晴子氏本人による検証実験を第三者立ち会いの下で、11月末を期限として実施しました。

その結果、今回の検証においてSTAP現象の確認には至らなかったことから、これをもって検証計画を終了することを、ここに報告するものです。 以 上