前澤氏から「なんでも聞いてください」

(月旅行計画「ディア・ムーン」のVTRが流れた後、記者の写真撮影)

前澤友作氏(以下、前澤):そろそろお写真タイムは終わりだそうで。ありがとうございます(笑)。

あらためまして、今日はお忙しいなかお集まりいただきまして、みなさんありがとうございます。ふだんは株式会社ZOZOの代表取締役をやらせていただいている前澤と申しますが、今日は個人のプロジェクトですので、個人・前澤友作として今日は来ております。よろしくお願いいたします。

すでに先日、アメリカ・ロサンゼルスで大まかな概要は会見でご説明させていただいたんですが、日本向けにはこれが初めての説明になりますので、今日は何卒最後までよろしくお願いします。また、なんでも聞いてください。よろしくお願いします。

今日は会社の決算説明会でないですし、事業説明会でもないので、個人・前澤友作として楽しい会見にしたいなと思いますので、楽しいご質問をぜひお願いいたします。

司会者:短いスピーチをしますよね?

前澤:大丈夫です。もうアンディさん、ご質問いただいて。

司会者:もうじゃあ質問から始めましょうか。

前澤:どうぞ。

司会者:OK?

前澤:レッツ・スタート。

司会者:本日のモデレーターの「Nikkei Asian Review」のアンディ・シャープです。今日のファッションすばらしいですね。もしかして、ZOZOTOWNのものですか?

前澤:いいんですか? そんな宣伝しちゃって(笑)。

司会者:(笑)。

前澤:今日は全身、最近始めた我々のプライベートブランド「ZOZO」を着ておりまして。「ZOZO」というブランドの特徴は、その人その人の体型に合ったピッタリのサイズを、体型をZOZOSUITというツールを使って計測したあと、ピッタリとした服をお届けしようというブランドでして。

今日も見ていただければわかるとおり、僕的にはかなりピッタリなんですが、いかがでしょうか? みなさんもこのようなピッタリなお洋服、買えますので、ぜひトライしてみてください。以上、宣伝でした。

司会者:(笑)。はい。広告は十分、ここまでとしたいと思うんですけれど。

月旅行は「インプットを増やすため」

司会者:まず私から1つ目の質問で、そのあとにQ&Aに移りたいと思います。

前澤さんのほうでは、非常に大きなZOZOTOWNという会社を経営しながら、宇宙飛行士をしてこれからトレーニングをやらないといけないですし、アートコレクターとしての側面もありますので、そういうこと(会社経営)は一日にどう対応されているのですか?

前澤:グッド・クエスチョン。私どものZOZOという会社は、短時間労働を社員にも推奨しております。具体的な施策としまして、6時間労働制を実は導入しています。普通は8時間ですよね。我々の場合、6時間で自分の仕事が終わったならば、「すぐ帰ってしまっていいよ」と、そんなことをしているんですけれども。

それをやり始めた瞬間、社員たちの働き方が変わりました。どう働き方が変わったかというと、もう無駄な作業はやめる。無駄な資料はやめる。無駄な会議はやめる。そういうふうになりました。結果として、ものすごく集中力が高まり、パフォーマンスも上がり、6時間で帰る人が続出しました。

つまり、私をはじめ、我々のZOZOという会社は、もう短時間で集中して、「好きなことをやって早く帰りましょう」ということをずっとやっているんですね。その関係で、私自身も会社に朝から晩までいるようなワークスタイルは取っておりません。会社には週3〜4日ぐらい(出社して)、行ったときはたいてい6時間で帰っています。

ですので、それ以外の時間もけっこうあるんです。それ以外の時間は何に使っているかというと、趣味のアートだったり、車が大好きだったり、今日のこの宇宙の発表もあったり、そういうお勉強だったり、体験だったり、お買い物だったり、そういうことにすごく時間を使います。

この会社以外で過ごす時間を、僕はすごい重要にしています。大切にしています。かつ、それは社員にも言い伝えています。

どういうことかといいますと、「会社でやること以外にもたくさんのインプットを増やしなさい」と。だから、会社が終わってどこかで習い事をするのもいい。誰かと会うこともいい。どこかへ旅行へ出かけることもいい。「このすべてがみんなにとってのインプットになります」と。そのインプットが、「明日、明後日のみんなの仕事にも必ず活きます」と。

つまり、インプットの量とアウトプットの量は常に僕は比例するのではないかなという考え方を社員にも伝えていて。だから、月へ行ったらきっと僕はいい仕事をできるなと思っているから行くんですね。

いきなり本題に入ってしまいますけれども。つまり僕もこの一環で今回この冒険をすることにしているんです。

つまり、会社だけに時間を費やすんじゃなくて、たくさんのインプットを増やすというのを日頃からとても大事にしているので……。そうですね。ちょっと長くなっちゃって、ごめん(笑)。すいません。

復興支援と月旅行とのバランスについて

記者1:私はインドネシアに来て30年経つのですが、月に行くことは非常に良いことだと思います。私も行きたいですし、ここにいるみなさんも行かれたいと思います。

ただ日本には批判されている方もいるとは思うんですが、例えば「社会に貢献されたらどうですか?」と言われている方もいらっしゃると思います。それに対して前澤さんは3.11の福島の被害を受けた方々にも貢献していますし、国際機関を通して子どもにも貢献しているとお答えされていましたが。

最近のインドネシアの地震で2,000名の方々が亡くなられて800名の方がまだ行方不明で、1,000人の方々が今避難されている状態です。月に行くこととこういう社会貢献、人類への貢献ということをバランスしていただきたいなと思います。

インドネシアを助けていただいたらインドネシアの全人口だけではなく、イスラム教の方々は2億2,000万人くらい世界にはいるんですが、その方々も前澤さんの名前を生涯覚えていると思うんですけれども。そういうことはお考えになられていますか?

前澤:ご質問ありがとうございます。まずはインドネシアもそうですが、近年世界各地でいろいろな災害が起きていますし、たくさんの方が亡くなったり、たくさんの方が怪我をされていることは本当に僕も心を痛めています。

毎度毎度その度に思うんですが、「自分には何ができるのか」と。日本の場合はだいたいなにか起きるとすぐに会社としても個人としてもいろいろやらせていただいています。海外でもやらせていただいたことはあります。

ただお国柄なんでしょうか、そういったことを「やってます!」と公にするのがはばかられる国でもあります。

今までやったことの中の一部ですが、みなさまにもしっかり公表して「このような支援活動をしています」とか「このような義援金を送らせていただきました」とか、そういった話はちょこちょこはさせていただいています。不十分なところもありますし、すべてを公表していないというのもありますので、よく認知されていないところもあると思います。

どこまでそれをやれば正解かというのは生涯の課題になるのでしょうし、それと自分の趣味だったり、自分の得意な分野で役に立てるために使うお金だったり、それは本当におっしゃったとおりバランスの問題でしょうし。

そのバランスにも正解がないと思うので、それは一生苦悩して葛藤し続けながら、自分の中のバランスというのを見つけたいとも思いますし。

基本的にもうこういう立場ですので自分は、仕事もそうですし趣味もそうですし、根幹には、必ずその先には「誰かの役に立ちたい」「誰かを感動させたい」「喜ばせたい」という想いがありますので。これからの活動はバランスを取りながら両方でやっていけたらいいと思います。

あと、寄付をすることや義援金を送るのはどうしてもお金を送って、それで終わってしまうので、自分としてはもっと自分の体を動かしたり、もっと自分の知恵を絞ってなにかお手伝いしたいというのがあります。そういう意味で毎回寄付するたびに「それだけでいいのかな?」というジレンマは毎回あります。

それと逆ですけど今回月に行くことや、なにかを買ってみなさんとシェアするのは自分が得意な分野ですし、自分の頭をふり絞ってやっていることですし、自分で自発的に動ける行動なのでそっちがどうしても表にも出ますし、そっちが積極的に映るんでしょうけれども。そこはおっしゃるとおりバランスを見てやっていきたいなと思います。以上です。

どのようなアーティストを招待したいか

記者2:ニコニコ動画の七尾と申します。よろしくお願いします。まず宇宙を舞台にしたアートで世界を平和にする、このプロジェクトはすばらしいと思います。

いくつか興味があるんですが、招待する方々の具体的な招待のポイントや、いつごろから交渉を行うのかというお話と、とくに前澤さんはSWITCH STYLEのドラマーでもあったわけで。

(前澤氏、口に人差し指を当てて「シー!」のジェスチャー)

あ、すみません(笑)。交渉もあると思うので具体名はお聞きしませんが、どのようなミュージシャンを招待したいとお考えなのか、よろしくお願いします。

前澤:ご質問ありがとうございます。ミュージシャンだけじゃなくて画家さんだったり映画監督だったりファッションデザイナーだったり、ちょっとまだ分野はしっかり決めていませんけど。

とにかく僕の夢が世界平和ですので、世界をなんらかのかたちで、自分のクリエーションで良くしたいという想いの強い方を探して声をかけたいと思います。

あと自分がその方の作品を好きというのも大事かなと思いますので、そういう感じで声をかけたいと思ってまして。現状はもちろんまだ誰も決まってもないですし、まだ勧誘というか声をかける活動は開始しておりません。

記者3:BBC World Serviceでトルコ言語を担当しているイルキンと申します。

まず2つ質問があるんですが、アートというものは前澤さんにとってどういう意味をもっていますか?

そして、今まで24名しか月に行ったことがなくて、全員アメリカ人の宇宙飛行士だったと思うんですが、前澤さんとしてはどういう国の方々を連れて行きたいということはお考えはありますか? セレクションプロセスはどういうふうになっていますか?

あとは『コンタクト』という映画があるんですが、それをご覧になられたいろいろな性格の方が宇宙船に乗ると、非常に難しい状況も発生してしまうと思うんですが、例えばバンクシーを連れて行くとなった時に、バンクシーが宇宙ロケットを爆発させたいみたいなことをおっしゃったらどうされますか?

そういういろいろな方を連れて行くというご要望はありますか?

前澤:ご質問ありがとうございます。まずアートは大好きなんですが、言葉を持っていないので、言語を越えて向き合います。

そして、例えば僕の隣に同じようにアートを見る人がいれば、その方が何語で話そうが何人であろうが、「なんかいいよね」とお互い言っているんだけども、そこには言葉がないので。別に共通言語ではないんですが、つまり、アートというのは言葉がないのに人と人を繋いでくれたり、言葉がないのに深く自分自身を見つめ直すきっかけをくれたりという意味で、とても大好きです。

続いての質問で、どういう国のどういう人というところなんですが、なるべくワールドワイドに、いろいろな地域のいろいろな方、いろいろなアーティストをお連れしたいというのはあります。

確かにアーティストのみなさんなので、突拍子もないことを言う方もきっといるでしょう。ただ、そういうのをなだめすかして、どうかケンカしないでねとか、そういうのをやるのがホストキュレーター、僕の役割でもあると思っていますので、仲良く楽しい旅にしたいなと思います。

両親をとても尊敬している

記者4:海外のフリーランスジャーナリストのヒロユキ・フジタと申します。前澤さん自身がもう歴史的人物だと思うんですが、男性でも女性でもいいんですが、歴史的人物で前澤さんが一番大好きで尊敬されていらっしゃる方はいらっしゃいますか?

前澤:身内の回答で申し訳ないんですが、両親をとても尊敬しています。こんな厄介な息子を育ててくれてありがとうと思っています。

今回の件もそうですし、日々の僕のいろいろな発言、発信をとても心配して見守って、きっと今日も生中継で見ていると思うんですが、とても尊敬しております。

記者5:AFPのリチャード・カープです。

トレーニングに関しての質問なんですが、もうすでにトレーニングは始まっているんですか? それと、どういうトレーニングをこれから行わなければいけないんですか?

あと、宇宙に行くのは非常に危険だと思うんですが、一番怖いと思っていることと、一番楽しみに思っていることをご紹介ください。

前澤:ご質問ありがとうございます。

トレーニングの内容についてはまだいっさい決まっておりません。ただ、イーロン・マスクさんには「そんなに過酷じゃないよ」とざっくり聞いております(笑)。ただ、自分自身で必ず英語は必要になるかなと思っています。

あと、基本的に人間ドックも毎年行っていますし、そういったところで異常がなければ、まず問題ないと簡単には聞いているんですが、まだ具体的には決まっておりません。

それから危険だとか怖いだとか、そういうのも言い始めてしまったらきりがないので、まだ気にしないようにはしていますが、今回は僕だけではなくて、アーティストもお連れするということで、当然、安全面でのそれなりの担保がないと、僕も「さあ行きましょう」と言えませんから、そこはこれから入念にSpaceX社と安全面の話はしていきたいと思います。

あと自分が一番楽しみにしているのは、月に近づくことももちろん楽しみなんですが、地球を丸く見ることです。もちろん写真ではたくさんみなさんも見ていると思うんですが、それを自分の目で見たらどれほど感動するんだろうというのを、今から想像するだけで涙が出そうになるくらい、それを楽しみにしています。