登壇者が質問に答えるセッション「キャリアの虎」がスタート

佐藤拓哉氏(以下、佐藤):じゃあ、次のテーマにいきたいと思います。かわいいですね、この虎。僕が選びました。

(会場笑)

佐藤:「キャリアの虎、実名アンケートの質問に答える」と題しまして、この後、3パターンの質問をご紹介します。今回会場にいらっしゃる方から、ちょっとした悩みとか質問をまとめておりまして、それについてみんなで話してもらうというコーナーです。

まずケース1です。フリーランスを検討されてる男性29歳独身というところで、ちょっと長いんですけど、僕のほうからどういう経歴でどういう悩みがあるのかっていうのを、口頭でご説明させていただきます。

この29歳の男性は、大学卒業後メガバンクに入社されまして、リテール営業に従事するも“コレジャナイ感”を感じ、1年足らずで転職をしてしまうと。

大学時代の友人が楽しそうな仕事をしてるっていうのもあって、テック系ベンチャーにジョインする。最初はセールスに従事してたんですけども、顧客のところでヒアリングしてるうちに、新サービスの着想を得て、入社半年足らずながら経営陣に直談判し、新規開発事業を立ち上げリーダーを務める。で……これ長いな、まあいいや。

(会場笑)

佐藤:プロジェクトのリード自体が初めてのため、開発側に流されつつ、日々議論、むしろケンカをしながら、なんとか新サービスのローンチにこぎつけたと。

サービスの責任者として、新規の営業とサービスのブラッシュアップに向けたヒアリングに奔走。複数回の追加機能リリースを重ねてサービスがだいぶ安定してきたとともに、新たなフィールドを求め人づてでスタートアップに転職し、また新規事業の開発および営業部門の統括を任される。

ちょっと長いんで割愛して(笑)、どうやら新規事業開発とプロジェクトマネジメントとかでできるフリーランスの需要が一定数ありそうなので、テック系のフリーランスであればなんとかやっていけそうな気はしてる人みたいです。

ここからがおもしろいですね。フリーランスになろうと思ってるのに、彼女が猛烈に反対してると。

(会場笑)

佐藤:あるあるかもしれないですね(笑)。

安定した職を手放すことへの、反対の嵐の乗り越え方

中野賀通氏(以下、中野):わかりますね。

佐藤:わかりますか。独立しようとしたらすごい反対されて、「大丈夫なの? 収入安定するの?」っていうところがあるんだと。「どうしたものかと親に相談したところ、宇宙人を観るような目で見られた」と。

(会場笑)

佐藤:白い目で見られるみたいな、「世の中そんなに甘くない」っていうね、反対意見はやっぱり多いと思うんですけども、そんな中でみなさん独立したりとかしてるんで、一度きりの人生なのでどうせだったらフリーランスに……この方はフリーランスになろうと思ってるんですけど、勇気がないのかもしれないです。

どうせだったらフリーランスとして、自分の実力を試してみるのもありかと考えてるんですけども、周りが反対しまくって困ってると。社会人になってから自身の生き方について、身近な方に反対されたりっていうのはみなさんありますか? で、あった場合、どういう反論したというか、説得してきたのかっていうところをちょっと聞きたいと。

中野:これ、すごいわかるんですよ。「教員辞める」って言った瞬間に、みんなにもう反対の嵐ですね。

佐藤:こんな安定した職を手放すのか。

中野:もう「バカでしょ」ってみんなに言われて。

佐藤:(笑)。

中野:飲み会で言っても「バカでしょ」だし、自分の両親に言っても「アホでしょ」って泣かれるしみたいな。

佐藤:そうですよね。……泣かれたんですか?

中野:泣かれましたよ。

久保裕丈氏(以下、久保):まあ、別にね、相談しなきゃいいんじゃないですかね。

中野:あ、それも、だから、1つの正解だと思います。

久保:もうなんも相談しないで、やっちゃったらいいんじゃないですか。1回目の起業の時、その後彼女にけっこうすぐ別れを告げられたんで、もしかするとそのせいなのかもしれないですけど。

佐藤:そのせいじゃないですかね(笑)。

久保:やりたいことだったら、相談する必要ないと思うんですけどね、別に。

中野:あと、自分の人生だから周りにとやかく言われて決断することじゃないですからね。

佐藤:みんなに賛成……応援してほしいんでしょうね。やっぱ不安だから。

まずは副業からスタートするという選択肢も

黒田悠介氏(以下、黒田):事後報告でいいと思いますけどね。

中野:それが正解かもしれないですね。

黒田:「フリーランスになったわ」でもいいし、あとはさっき言ってた兼業フリーランスみたいなことやってみて、やってみたら意外といけたよっていう証拠があれば、少しもしかしたら安心するのかもしれないですね。

佐藤:なるほど、なるほど。サラリーマンを経験しながら、副業とか横側でやりながら、「これ、いけるな」って見込みが立って独立するほうがいいと。

黒田:さっきの図にもあったスキルシェアリング系のサービスって、最近すごく増えてるんですよ。「ココナラ」とか「WoWme」とか。ああいうところでまずやってみて「500円儲かったよ」だけでも、まずはいいかなって気がします。

佐藤:なるほどなるほど。

小林伸行氏(以下、小林):その人の気持ちもよくわかる。僕もよく反対されるんで。

反対されるって、周りの友達だったりに心配されるってことなんですけど、考え方としては、「周りの人が反対するってことは、それってもしかしたら成功する」っていう考え方もひとつあると思うんですよね。だから、やってみられたらいいんじゃないのかなって私は思います。

久保:まあ、あと、……あ、(マイクが)入った!

(会場笑)

久保:もしかしたら周りの人がその人の資質とかを見て、「向いてないんじゃないのか」っていってるのかもしれないと。なんで反対してるのかっていうのが、「単にリスキーだからやめときな」って言ってるのか、もしくは「資質的にまだ不十分だったり不安なところがあるからやめときな」って言ってるのか。それ次第かなと思いますね。

(マイクが切れる)……あの、すぐマイク切れちゃうんです、すいません。

(会場笑)

佐藤:なるほどなあ。ちなみにフリーランス以外でもいいんですけども、この中でなにかやろうと思って反対された経験ある方。

(会場挙手)

佐藤:あ、けっこういらっしゃいますね。やっぱチャレンジするとね。

黒田:そうなんですよね。

佐藤:なるほど。じゃあ、結論としては、「そもそも相談すんな」っていうところか、「ちょっとずつ副業しながら」とか、そういうことで大丈夫ですか?

久保:あ、もうそのとおりです。

労働集約的なフリーランス業を続けていくことの不安

佐藤:ありがとうございます。じゃあ、次。ケース2のほういきますね。

次は専業のフリーランスさんで、33歳既婚で子供がいらっしゃると。ちょっとまた読み上げさせていただきます。

大学卒業後、外資系戦略コンサルティングファームに入社し、これも近いですね、29歳を機にフリーランスとして独立して現在に至ります。入社3年経ったあたりで、友人からスタートアップ企業に誘われたんですけども、当時はリスクテイクに及び腰、ちょっとビビっちゃったっていうのもあって、ジョインしなかった経験がある方ですと。誘われたけど断っちゃった人ですね。

自分自身でマネジメントする必要は大いにあるんですが、ワークスタイル自体はコンサルティングファーム時の激務とか、どうしても受け入れがたい理不尽な環境に追い込まれることはフリーランスになって無くなったと。また、当時に比べて収入も増えたため、現状には満足してるみたいですね。

ただし、フリーランス業というのは、少なくともこの人の場合は労働集約的……わかりますかね、時間を切り売りするみたいな感じですね。このまま続けていくか、将来どこかの時点で限界がこないかっていう不安だと。年齢的、体力的、あとITだったらスキルもどんどんついていけなくなったりするんで、そういうところに危機感と不安があると。

とくに最近は、受注するにもコンペティティブ……何ですかね? 「コンペティティブ」って。

久保:競合がいる。

佐藤:競合か、はい。……だと感じるケースもあり、今はこの若さがゆえになんとか食えていけてるのかと思ったりもしています。5歳になる娘もすくすく成長し、ライフステージが如実に変化している実感の中、将来の収支を考えるとリアルに寝付けない時もあると。自分も当時の友人のように起業できていればと思うんですが、これといった事業アイデアや資金があるわけではないと。

そこでパネラーの方々にお聞きしたい悩みです。今後もフリーランスをして続けていくべきか、それとも、それ、ちょっとあきらめて再就職すべきか。勤めの時はその時の人生が見えなかったためフリーランスになってみましたが、現在の立ち位置も将来像をイメージできてないっていうところが、正直なところです。

パネラーのみなさまが仮に私のような現状だと想像した時に、独断と偏見でかまわないので、ご自身であればどういうふうにやっていくか。フリーランスをどうにか不安な中続けていくか、再就職を検討すべきなのか。そういう経験については、みなさんはどうですか?

「自分はなにができるのか」を更新し続けること

小林:今、その人何歳でしたっけ? 三十いくつ?

佐藤:33ですね。

黒田:私と同い年ですか。33なんで。

久保:出身の業界も近いのであれですけど、何て言うのか。漠然とした不安がどこからきてるのかなと。これは想像なんですけども、自分の今持っている知識だったりとかスキルセットっていうのが、いずれ陳腐化するんじゃないのかなっていうところからくる不安なのかなって思うんですよね。

だから「コンペティティブだ」ってことも、たぶん自分と近しいことができる人が徐々に増えちゃっているとか。

佐藤:そうですね。競合が増えてるんでしょうね。

久保:ですよね。だから、自分よりも安い時間単価で受けられる人が増えてきちゃってるっていうことの表れかなと思っています。

フリーランスをやっているにせよ会社勤めにせよ、たぶんなにかしら自分のトラックレコードとかノウハウって、アップデートし続けないことには絶対置いてかれちゃうし、生き残れないものだと思うんですね。

別にこれは「フリーランスを続けるべきか? 会社に入るべきか?」っていう議論ではなくて、どっちかっていうと自分自身の仕事のうえでのトラックレコードを常にちゃんと更新し続ける、「私はこれをやっている人間です」っていうのをちゃんと更新し続けられるかっていうようなところと、そのために必要なインプットをどれだけ増やし続けられるかっていう感じじゃないのかなって思いました。

佐藤:なるほどですね。

佐藤:どうですか? 中野さん。

中野:まあ、でも本当にそのまま。っていうか、(久保さんが)「イケメンだな」と思って。

(会場笑)

黒田:イケメンですね。

中野:「イケメンやなあ」と思って。でも、本当におっしゃるとおりだと思いますね。だから、働き方というかね。未来に対しての考え方自体がブレてなかったら、別に大丈夫なんじゃないかなって。

佐藤:この中でお子さんいらっしゃる方、いらっしゃいます?

(中野氏&小林氏挙手)

佐藤:お子さんができて不安になることとかありますか? 起業も安定……さっき言ってたライブドアショックみたいなのとか、いろんな外的環境とかの影響によって、いろいろ振れるリスクがあると思いますけど、そういうところって心配されたりしますか?

中野:いやまあ、不安になりましたし、今の会社自体、僕は創業メンバーじゃなくて後追いなので。当時3〜4年前は13、4人ぐらいしかいなくて。上場会社のそれなりのポジションにいて、そっち移るって話の時はやっぱり「不安だよ」って周りには言われましたけど。

でも、子供から見て「なんかイキイキしてる父ちゃん」と「いつまでもくだ巻いてる父ちゃん」とどっちがいいかなって思いまして。もうそれぐらいの気持ちで決めてもいいんじゃないって思いましたけどね。