2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
第72回 『俺が10年後も漫画で生きてくための5つの戦略っ!〜シカーダ2巻発売記念☆スピリッツ元編集長と語る漫画の未来スペシャル!!』(全7記事)
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山田玲司氏(以下、山田):高橋君が無理矢理、「やっぱロルカに特殊能力何かつけようぜ」「マーベル超えようぜ」とかいろいろ、「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』やろうぜ」とか、いろいろな戯言を言っていんですよ。
で、普通の魔法とか武器とかじゃつまんねえなって言ったら、「山田さん、漫画はどうですか?」と。「漫画を武器にしろ」と。「これで戦え」と。みたいな話からちょっと。
熊谷氏(以下、熊谷):漫画詳しいですよね。
山田:詳しいですって、おまえの何だ、そのむちゃぶりはみたいな(笑)。
そんな打ち合わせから、ちょっとそのボール投げられたんで、本気で受けて、ちょっと待てよと。漫画が武器になるとしたら、どういうふうな感じになるのかということを徹底的に考えてつくった漫画がこれです。
なので、武器として漫画が出てくるので、『バビル2世』の下僕たちが表紙にいるわけです、これは。だから、これは主人公のシカーダの能力で漫画というものが現実としてあらわれてくるという150年後の話という。
だから、ちょっとおもしろいのが、150年後だから、今みんなが知っている漫画というのを150年後の人は全く知らない。いきなり見たら、どういう感想を持つかという。
例えば、この巻だと『ケロロ軍曹』がわかるやつは結構レベル高いよねみたいな。みたいな話になると。だから、その中で「えっ、ケロロってカエルじゃないんですか?」みたいな、「まだわかってないね」みたいなことが未来で言われているというののおもしろさみたいな。そこから見えてくる今の漫画の価値って何かという。で、つながってくるわけね。
そもそも、漫画というものが今文化として衰退期に入ってるって言われてるんだけど、そもそも漫画って、そんなに価値のないものだったの? 消えていいものなの? ということが、裏のテーマとして大きく入っているという。
それがSFラブストーリーの中の背後にあるものとして描かれているんで、実は文化論でもあるねというのがシカーダ。
乙君氏(以下、乙君):2巻の1つ、これだけちょっと言わせてほしいんですけど、ハイライトの1つとして、やっぱり『吼えろペン』って。
山田:ああ、島本先生出てきますね。
乙君:これうわさに聞くところによると、島本先生みずからネームを書き直されたという。
山田:書き直さねぇわけねえべ、あの男が。
乙君:そのへんの裏話みたいなのをちょっと聞かせてください。
高橋:『吼えろペン』を使わせてくださいと言うとき、毎回先生方に山田さんの書いたネームと。
乙君:どんな作家にも玲さんのネームを持っていくと。
しみちゃん:そう。こんな感じで使わせてくださいというのをみなさんにお渡ししているんですけれども、「使うのは全然大丈夫だよ」ってすぐ先生から言ってもらったんですけど、何かファクスに担当者の方から書いてあって。
乙君:ファクスなの。
高橋:担当者の方がファクスで送って、ファクスで返ってきて。何か「先生が描き直しちゃってさ」って言われて。
乙君:描き直すけどいいとかもなく、もう描き直したやつが来たの?
熊谷:でも、後日、バナーイ先生と2人で島本先生とお話しする機会があって、島本先生に開口一番「ごめんね」って言われて、バナーイ先生が謝られてました。「描き直しちゃってごめん」って言ってました。
乙君:そういうところは優しいですね。
熊谷:そうですね。
乙君:玲さんはどう思ったんですか。
山田:いや、うれしいじゃん。コラボじゃん。だから、もう何か島本魂が入っているわけ、これ。そういうのいいよねって思ってるんで、なるべく絡んでいきたいなという。来いっつってんじゃん、ここに。
乙君:島本先生、お待ちしております。
山田:俺が北海道行くっつってんじゃん。まあ、いいっすけどね。それぐらい好きだって言ってんですよ。
乙君:今言っちゃったから、今後ネーム渡す人、みんな描き直してくるかもしれないです。
だから、もう表彰状ですよ、これ。殿堂入りですから。勝手に山田賞贈っているから。したら、もう断る理由ねえじゃん。それは褒めてんだからって話じゃん。ということだよね。
乙君:最後に、もう本誌ではどんどん先に進んでるわけじゃないですか。今後、この人出るよみたいな、まだ言っていないの何かありますか? ……あれっ、ないな?
熊谷:ネタバレです。
乙君:この人の漫画出るよみたいな。この人の漫画出るよ、みたいな。せっかく公式なんだし。
山田・高橋・熊谷:……。
乙訓:え、そんなに? ごめん!
熊谷:うん。先に言っちゃうと、ちょっとおもしろくなくなっちゃうかなと思って。
乙君:わかりました。
山田:ただ、度肝を抜く人を出てきますよ。
乙君:度肝を抜く人が。
山田:ありって言いながら言ってる。でも、何回も出てくるのは『いちご100%』ね。
乙君:『いちご100%』出てくるんですか?
山田:『いちご100%』も出さなきゃだめだよねって話になるわけ。だからバランスの話。
高橋:僕が好きだから出してる。
乙君:世代だからってこと?
高橋:そう(笑)。
乙君:Jじゃん(笑)。
山田:だから、ついつい殿堂入り的な感じだと、手塚から、トキワ荘に寄るんだよ。レジェンド級になってくるから。いや、そうじゃねえだろうって。150年たったら、今のポップカルチャー全部が同じ土俵に上がってるはずだと。
そうなったときに、今一番批判されてるようなエロで、低俗だとか言われたりとかするんでしょ? J(週刊少年ジャンプ)のほうでは(笑)。
そんなものだって、俺たちだって、春画展だって、すっげえ盛り上がったわけじゃん、去年。あれはアートだっつって、大変な価値があるみたいな言われてるんだけど、当時はあれですよ、エロ本ですよ。
だから、それだって、今もめてるJの何とかだってわかんないじゃないですか。後の文化遺産になるかもしれないみたいな目線は忘れないようにしたいよねって言って。
今、権威がある漫画ばかりを持ち上げてるようでは、漫画のことわかってるって言えるんですかという問いが常にあるという。
乙君:わかりました。じゃ、今後も請うご期待ということで、シカーダ2巻発売中ですので、ぜひ。
山田:つーかね、この漫画ね、1個言わせて。いや、すげえんだよ! すげえことが起こんだよ、やっぱり!
乙君:それ自分で描いてますけどね。
山田:超おもしれえんだよ、これ! 超おもしろいのはわかってんだけど、超おもしろいこと考えたんだけど、どうって振るわけじゃん。打ち合わせして徹底的に。
いや、そこはちょっとみたいな。もう何回もひっくり返して。最終的な落としどころで、1カ月かけて1本のネームをつくってる。悪いわけねえんだよ、これが。
それでそのときに、もうちょっと泣きそうぐらいなところまでいってるネームをバナーイ君に投げると、バナーイ君、さらに泣きそうにしてくるんだよ。
バナーイ君、ネームで感動したら、その感動を絵に落とし込もうとして全力だから、非常にパワフルになってる。
乙君:なるほど。2割も3割も増すと。
山田:そう。だから、俺だったら恥ずかしくて描かないぐらいの演出になってる。でも、それはおもしろいなと思って。だから、あっ、俺のネームを彼はこう受けとめて、こう演出するぐらい感動してくれたんだなという。
だから、この台詞は、俺だと恥ずかしくて、ちょっと抑え目に演出するようなことまでがーんと前に出すんだよ。これはちょっとした体験で、ちょっとおもしろいね、これ。
乙君:じゃ、ますます玲司さんのそのネームが10冊買った方には、もう新鮮に。
山田:ちょっとおもしろいと思います。だから、俺が何を照れてるかがバレてしまうと。俺の照れをバナーイ君は外して描いてるんだよ。だから、もう全力だよね、本当に。だから、わかりづらいということがないというか、直球でばーんってぶつかってくる。
高橋:ここがいい台詞ですね、今の。
山田:本当にそう。
乙君:これ見たいもんな。だから、やっぱり1回ちょっと公開してから現物をあげるというかたちにしませんか。
山田:何すか。あっ、ネーム? ああ、いいよ、いいよ、そんなの全然。
乙君:その違いとか言われたらさ、やっぱりみんな読みたいよね。
山田:あっ、じゃ、いいよ、それでも。じゃ、プレゼントする前に公開してもいいよ。全然いいよ、そんなもん。俺の漢字がひどいのも見てもらえたらいい。
(会場笑)
乙君:それは玲さんも身を切るようなあれですけど、公開するというのは。
山田:勢い余って漢字どうでもよくなってる。ごんべんがさんずいになる。
乙君:大分違うんですね。
山田:だいぶ違う(笑)。大丈夫? 読める? みたいな、そういう感じになってますけど。
乙君:ということで、じゃ、その方向で進めていかせてください。シカーダ2巻発売中です。みなさん、よろしくお願いします。
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