「俺って生きてる意味あるの…?」 心が弱ったときに試したいデカルト的思考法

ニコ生岡田斗司夫ゼミ2月14日号「最強の心が強くなる方法と阿保と馬鹿・生活保護と人権の境界」 #5/5

岡田斗司夫氏が「心が強くなる方法」をテーマに語ります。「心が弱っているときに『俺って生きてる意味あるのか?』と考えてしまう」といった視聴者のお悩みに対し、岡田氏はデカルト的思考法を紹介。『方法序説』の中に書かれた「我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」の考えでまずは「地盤」を固めることが必要だと語りました。また、自分自身の存在意義を疑ってしまう人は、それを個性だととらえた方がいいそうです。その他にもメモを使った不安解消法や、スティーブ・ジョブズから学ぶ焦燥感のメリットなど、心の問題に悩む人に向けてアドバイスを行いました。

ホリエモンが宇宙詐欺にひっかかった件について一言

岡田斗司夫氏:(コメントにて)「ホリエモンが宇宙詐欺にひっかかった件について一言」。それはホリエモンにTwitterで聞いてみな。そしたら、また怒鳴られるから。「知らないくせに口出すな。馬鹿」って言われるだけだからですね(笑)。

本人に言わせれば、あれは宇宙詐欺にひっかかったんではなくて、いろんなところに投資してて、そのうちの投資の1つがうまくいかなくて。それはもうわかってたんだけども、急にアメリカの弁護士から「ちょっとちょっと。これ訴訟したら勝てるよ」というふうに言われたんで「勝てるのか」と思って訴訟したら、週刊文春が鬼の首とったように報道した。

というふうなことを本人はTweetしてたので、それに関してはさらに聞いてみるといいのではないでしょうか。

心が弱っている時、どう対処すべきか

じゃあ、どうしようかな、クラウドファンディングの話しようかな。それとも、心の強さの話をしようかな。どっちにしようかな。クラウドファンディングはまだ来週でもいけるかな。

ちょっとね、今回からやっとこうと思ったのが、「心の強さ」というのを時々やろうと思ってるんだ。なんでかっていうと、1つは心の強さ問題の相談とか質問がすごく多いんだよね。「こんなふうに落ち込んでしまいます」というのが多いというのがあるんで、まとめてコーナーにしていったほうが楽だなと思いました。

今日は、僕のやってるサロンから、いくつか質問が来ました。Mさんですね。

「心が弱ってる時、今自分がやってることを信じることができなくて、焦燥感に駆られ身悶えする。『もっといい方法があるんじゃないか?』『今やってることって無駄なんじゃないのか?』から始まって、果ては『こんな状態の俺って生きてる意味あるのか?』までいっていまう。

判断力がぐにゃぐにゃになってしまうので、例えば、すっぱりやめて行動するといったことができず、精神的に不安なまま惰性でフラフラします。それがまたしんどい。

まず、この状態にならないためには、どいういうふうにすればいいのでしょうか? この状態から抜け出すためにはどんなことをすると良いのでしょうか?」

ということでですね、さあ、みなさんのコメントは。(コメントにて)「鈍感力ではダメなのか」「筋トレしよう」「深呼吸」「昔のオレのよう」「難しい」「考えるな」「鬱になる前に引き返せ」。

さてさて。僕が同じような状態になることあるんですよ。悩んで、自分がやってることがわかんなくなって、このままで……。だいたい方法から、人間は具体的なことから悩みだして、抽象的なことへいくんだよね。

「一番最初はこれでいいのか」っていう、目の前にあるこれで悩んでるんですよ。「この方法でいいんだと思うんだけど、別の方法はなかったのか」「そういえばあの時も」「そもそも、俺って」「俺なんて生きてる意味がない」というふうにどんどん抽象的な方向へ悩んでいくという癖があるよね。

だから、具体的な領域で悩んでるうちはそれは「悩み」なんだけどさ。抽象的なことにいってくると、もうこれ「自己否定」という趣味をしてるような感じがするんですけれども。

デカルト式思考法「まずは地盤を固める」

まあ、デカルトに「我思う故に我あり」って言葉があるじゃん。あれを俺採用してんだけども。まず地盤を固めるんだ。

デカルトっていう人はいろんなことを「それは信じられない」と言って、すべてを疑問に考える時に、「ちょっと待てよ。すべてを疑問に考えたら、あまりにもフラフラする」と。そうじゃなくて、1個だけでいいから、とりあえず、足場作ろうと。

「俺は考えてる、悩んでる。ということは、俺という存在、自我だけはあるというふうに仮定してみてもかまわないよなあ」というのがデカルトの第1歩。そこから、『方法序説』というものの考え方の分厚い本をバーっと1冊書いちゃったっていう、昔の哲学のおじさんなんだけれども。

まず、地盤を固める、1歩を固めるというのがすごく大事なんだ。「俺って生きてる意味があるんだろうか」っていうさっきの疑問。これは明らかに地盤がグラグラしちゃってるんだよね。デカルトが固めたような、まず、基礎の1歩目の地盤が作れないと。

こういう時は普通、「じゃあ、どうやって地盤を固めるんでしょうか?」とか、「じゃあ、まず、自分が自信を持って言い切れることは何ですか」って話になっちゃうんだけども、デカルトぐらい理性的で考えるのが趣味のやつだったらさ、そっちの発想でいいんだよ。

でも、普通の人間はそんなふうに、年がら年中考えてるほど暇でもないしさ。基礎の足場を組んでからやっていくという方法って日本人には無理があると思うんだよね。

自分自身を疑ってしまうのは個性

なので、俺のオススメは「自分は地盤がゆるいほうだ」という自覚を持つんだよね。つまり、何か悩んだら、「『俺って生きてる意味あるの?』という一番基礎の地盤のほうまで疑ってしまうという癖がある」というふうに考えたほうがいい。

わかるかな。「地盤」というのは強くならないんだ。例えば、「俺ってこれでいいんだ」という自信とか。「いやいや、そこまで疑ってもしょうがないよ」っていうような、それはそういうのって「個性」なんだよね。

なので、個性で自分自身を疑ってしまうとか、存在意義を疑ってしまうようなやつは、それは直らないんだよ。

よくゲストで西野君来るじゃん、キングコングの。あいつ見たら、絶対自分肯定してるでしょう? すごい自分に自信があるでしょう? あれって、たぶんファンの人は「どうやったら、ああなれるんだろう?」と思うんだけども、あんなふうになれなんだよ。あれ、個性だから。

あの個性で本人は苦労してるからね。どこまでも肯定的な、ポジティブな個性のおかげで本人苦労してるから。ポジティブでも苦労するのが個性ならば、ネガティブでも苦労するのは個性なので、地盤はまず強くならないと。

ゆるい地盤、自分の存在意義とか自信というのがゆるいと。なので、どのような注意が必要かということをいつも考えたほうがいい。

不安になったらメモをとる

なので、メモですね。僕のオススメはメモです。「不安になったら、とことんならないと不安だ」というのが、たぶん、この人の原因だと思うよ。「一度不安になりだしちゃったら、他の不安も全部考えつかないと、逆に不安になっちゃう」と思っちゃうから「必要な不安」と「趣味の不安」というのが切り分けられてないんだ。

「必要な不安」は「これでいいのか?」「このやり方でいいのか?」だけのはずなのに、「そういえば、俺はいつもそんな癖がある」。ここら辺も、まだギリギリ不安になってかまわない。

でも、「俺って何なんだろう?」「俺って生きてていいんだろうか?」というのはもうすでに考える必要はない。それはたぶんいろいろものをやってたら、30代、40代、50代ぐらいになって、「あ、これでいいんだ」っていうように「ポン!」とくるようなものだから。

それはもう、10年や20年の熟成期間の蔵のほうに放り投げておいて。あんまり個別の回答を毎回々々与えないほうがいいと思います。

スティーブ・ジョブズから学ぶ焦燥感のメリット

次ですね、Kさんのうつの話いきます。「心の強さ」の話だからね、こんな話ばかりで申し訳ない。

「軽いうつを経験しました。原因は焦燥感にあります。焦燥感というのは視野を狭くし、『その1本の道でしか生きていけない』と固定観念にとらわれ、他人に嫉妬し、周りを見なくなります。ふと、周りを見た時、他人からの目に恐れを抱きます。どうすればいいのですか?」

というふうにありました。まあ、うつになったのは自分の「焦燥感」が原因だと。焦燥感というのは、視野がグーッと狭くなって、それしか見えなくなってしまう、というふうなことなんだけども。

前に、「志田未来と結婚しなければならない」と思い込んだ高校生の話したんだけども、みんな覚えてるかな。高校生から投書が来て、その人生相談に答えようとしたんだけれども。

本人は「早く志田未来と結婚しなければ、志田未来が大人になってしまう。俺以外に好きな人ができたらどうするんだ! 岡田さん、早くなんとか答えてください! 僕はもうすぐ期末試験なんです!」っていう、ものすごい質問状を書いてきて。「なに言いやがるんだ」と思ったんだけども(笑)。

彼もね、焦燥感に駆られて、視野が狭くなってたんだよ。こういう焦燥感を抱く・抱かないというのは、実は「個人の選択」ではないんだよね。つまり、焦燥感を抱いて、それしか見えなくなる。それをやめろと言っても無駄なんだ。それはある種「呪い」みたいなものでさ、選べないないんだよ。

たぶん、志田未来と結婚しなければいけないと思った高校生には、何を言ってもだめなんだ。何を言ってもだめなので、「そんなことを考えるな」と言うのではなくて。そんなことがあったら、それはもう「天から隕石が落ちてきた」みたいな厄災だから、人間には逃げようがないんだよ。

なので、基本的に「そんな逃げようがない焦燥感を持ってしまった時ってどうすればいいのか?」というのに答えるとすると、焦燥感のメリットぐらいしか思いつかないんだよね。

焦燥感のメリットというのでは、例えば、『スティーブ・ジョブズ』っていうやつも、この間、『スティーブズ』の4巻が発売されて読んだけども、改めて読んだら、スティーブ・ジョブズって明らかにキチガイなんだよね。

ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ 1

年がら年中焦燥感に駆られて。「Apple2は俺のもんだ」というふうに言ったと思ったら、「Apple2なんかもう古い。Apple3をやるべきだ」というふうに言ってみたり。今だったら、パロアルト研究所に行って「この斬新なグラフィクユーザーインターフェースを世間に出すべきだ」というふうに言ったり。

とりあえず、年がら年中、焦燥感にかられて、年がら年中、視野が狭くなって、その結果、うまくいった人なんだよ。

焦燥感にかられて成功する人もいる

要するに、「結果として失敗した焦燥感」と、「結果として成功した焦燥感」だけが世の中にはあるんだよ。

別に、スティーブ・ジョブズは頭が良かっただとか、そんなんじゃなくて。スティーブ・ジョブズみたいに焦燥感に駆られて、いろんなビジネスをやった人って、たぶん、この放送見てる人の中にもいっぱいいると思うし。焦燥感で追い込まれて1本道しか見えなくて、彼女に振られた人もいっぱいいると思うんだけども。

その中で、たまたま成功する人もいるんだよね。なので、焦燥感というのはそのためにあるんだ。人間に無理をさせるため。人間に負担をかけるため。その結果、おおむねひどい目に遭うんだけれども、それからは逃げようがない。

逃げようがないので、もうこうなったら、先人の、自分より前に生きた人が焦燥感とか視野が狭くなることで、どんなひどい目に遭ったのか。逆に、どんな美談があるのかというお話を頭の中にいっぱい入れて、自分の中の焦燥感を薄めるぐらいしか方法がないと思います。

あ、もう52分。遥かに過ぎてしまいましたので、じゃあ、次は有料会員放送のほうへ移るよ。

有料会員放送に続く)

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