CLOSE

プレゼンに悩める者の集い 〜 営業としてのプレゼンを考える(全4記事)

「商品の評価はプレゼンで決まる」 営業で勝つ“武器”としてのプレゼンを考える

営業で上手く商品の価値を伝え、契約を勝ち取るためにはどんなプレゼンを行えばいいのでしょうか? トレタ代表・中村氏は「プレゼンと商品の評価を切り分けて考えられる人はあまりいない」と言います。つまり、プレゼンがしっかりまとまっていれば、相手は説明されている商品に対しても好印象を持ってくれるということ。「プレゼンは最も効率的な投資」である理由がここにあります。そのために必要なのは、資料をしっかり準備し、自分の言葉で語ることができるようになるまで、練習すること。全ビジネスマン必見の内容となっています。

プレゼンの改善は最も効率的な投資

中村仁氏(以下、中村):ということで、なぜプレゼンが大事なのかっていうのを、もう一度、整理します。

僕は今まで実際に、いろいろなプレゼンをしたり見たりしてきましたが、プレゼンをしたときに、「商品そのものの評価」と「プレゼンの評価」とを、ちゃんと切り分けて判断できる人はまずいないんです。

なので、商品がダメでもプレゼンがいいと勝っちゃうんだよね。でも逆に、商品がどんなに良くてもプレゼンがダメだと負ける。

それは、この前僕が出たピッチイベントでもそうで、プレゼンがちゃんときれいにまとまっているだけで、すごく高い評価をもらえるわけですよ。「いいサービスですね」って。

それだったらもう、プレゼンの評価を徹底的に高めてしまえば、結果的に商品を良く評価をしてくれるわけだから、そっちのほうが得だよねっていう話です。

人間そんなに冷静に評価を切り分けることなんてできなくて、「この人はプレゼンすごいうまいけど、商品クソだろう」ということはないんです。なので、プレゼンの改善っていうのは実は営業にとって最も効率的な投資なんじゃないかと思うわけです。

もちろん、「この機能がありますか?」って言われたら「あります」って答えたいんで開発してくれとか。ここ使いづらいって言われてるので、ここ改善してくれとか。そういうリクエストに耳を傾けて対応していくことも、売っていくためには大事だと思うんですが、それはそれでもちろんやっていただくとして。

ただそれ以上に、プレゼンをいかに上手にやるかっていうのは、実は一番リターンが見込める特別な投資だと思っています。なのでここ、頑張ってみんなやりましょうねっていう話です。

僕のプレゼンスタイルをご紹介します

最後にちょっと事例をご紹介。僕めったに出ないんですけど、この前「RISING EXPO」出たんだよね。あれ、見てる人ほとんどいないですね。なのであれをちょっと最後に見ていただきながら、どういうことを考えて、あのプレゼン作ったかを、ご説明します。

RISING EXPO、どういうピッチイベントだったかと言うと、持ち時間は10分ということで制限されてました。ただ良心的なイベントだったんで、10分たっても叩き切られずに、ちょっと話をさせてもらえるという、結構猶予があったんですけど。

相手は投資家だけです。事業提携だとか、そういうの全然なし。投資する人たちだけです。ベンチャーキャピタルの方ばっかり。

サイバーエージェント・ベンチャーズが主催です。彼らがもってきたオーダーは、10分のなかで会社概要と主要メンバーの紹介、事業計画と課題説明と解決策、トレタの強み、今後の展開、全部収めてくれっていう内容でした。

実際やってみようと、まず時間の制限を考えずに作ってみたら、まず課題説明、うちはBtoBサービスなので難しいんです。これがBtoCだと、みんな「いいお店がなかなか見つからないよね」って言ったら、「そうだね」っていって、ひと言で納得してくれる、共感してくれるんだけど、「飲食店の予約の管理って大変なんですよね」って言っても業界を知らない人には、「そうなの?」っていう話になっちゃって共感を得られない。なので課題の説明がかなり大変。それで2分かかります。

あとトレタの強みはUIだね、と。デザインを見せたいんだ、そこちゃんと説明したいんだっていうことになると、ふだんの営業活動でやってるようなデモになるので、あれをやると下手したら5分かかるんだよね。さらに、1画面ずつ、ここにはこういうボタン、こういう機能があってっていうことになると、これだけで7分かかるんですよ。

それ以外に、あと3分で全部を説明する。無理ですよね。ということでどうしたかっていうと、もう割り切ろうと。今回のゴールは、投資家の皆さんに興味を持ってもらうっていうことだけにしようと。とにかく興味さえ持ってもらればいい、そしたらそのあと連絡が来るだろうというところにとにかく限定してしまいましょうということです。

なので、投資家の興味を引きそうなことだけを話す。もう、飲食店の人に刺さることなんて、時間の無駄だから一言も言わない。あと基本的に「すごそうだな」と、なんとなくそういう印象与えられれば勝ち。なので、いちいち細かい説明はしないっていう、こういう方針でプレゼンを作りました。

実際にどのぐらい準備したかっていうと、資料をだいたい、大きいバージョンで5つ作りました。その5つのバージョンで、だいたい少ないので5回。多いので10回ぐらいデモやって。多分、4、50回ぐらいデモをやってるって感じです。

あれ、3か月前ぐらいだったっけ? 最初に準備し始めたの。セルフリハーサルを会議室にこもってやったりとか、ケンゴチさんに付き合ってもらったりとか、カトズミさんに付き合ってもらったりとかやりながら。

説明の仕方も、5バージョン作ってやるとまったく違うのをやるわけだから。うまくいかない、どうもしっくりこないって言って、5回作り直すんです。

あと、やっぱりウチの売りはUIだし、プロダクトのデモはどうしてもやりたいと。確かに時間はかかるんだけどやりたい。なのでここも機能の細かい説明は一切しないっていうことで割り切って、それよりもいかに簡単に予約ができるか、取れるかっていう点さえ伝わればいいやと。

なのでデモは短時間で一気に終わらせる。短時間で終わらせれば、「ああ、すげえな、スムーズに予約取れんな」ってなるはずなので、もうさっさと短時間で終わらせましょうっていう方針で、だったら僕がお店の人の役をやって、予約を取るお客さんの役をケンゴチさんにやってもらって、ロープレ的に普通に予約の電話を受けている、そのままに再現してしまおうと。

そうして、「紙で書いてるのと全然、変わらないテンポでスムーズに予約管理ができるね」みたいなことが伝われば、それで勝ちかなっていうことで割り切りました。

実際のプレゼンをお見せします

ということで、どんなプレゼンができたかっていうのを、ちょっとご覧いただきます。

(当日のプレゼン映像。実際の予約の流れをデモ)

中村:それなりに結構早口でしゃべって詰め込んで、でもきっちり10分で喋るということでやっています。

ちゃんと決められた時間内で収めるって、相当練習を積まないといけないと思うんですが、営業の方は、そこまでシビアでもないと思うので、そこまで突き詰めなくてもいいとは思うんですが、やっぱり練習量って必ず出てくるんで、つっかえた時点でもう練習足りないんだなって感じるように、自分のことを評価すればいいと思うんですよね。

なので、そんな感じで皆さんぜひ丁寧に資料を作って、自分の言葉で語って、練習を積み重ねてください。僕もそれやるときに、自分の説明のしかたが最初の説明と当日本番やるときの説明って全然違っていて、やっぱり自分なりの洗練され方があるんだよね。

なので営業の皆さん、それぞれスタイルがあると思いますから、自分なりの語り方みたいなものを練習のなかで見つけてもらえばいいんじゃないかなと思っています。

以上です。ありがとうございました。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!