高校生のときは成績が悪かった
ジョージ・ルーカス氏:インディ・ジョーンズは私がストーリーを書いてプロデュースしましたが、演出は私に似た別の男(スティーブン・スピルバーグ)によるものです。
(会場笑)
みなさんにふたつのお話をします。ひとつはテーブルを囲んで何度かお答えしたことがあるので、みなさんと共有すべきだと思っています。現在の私がどうやってここまで来たのかということです。
高校生のとき、私はとても成績が悪く学校が嫌いでした。ものづくりが好きで、木工や車、エンジンを好み、外車サービスで働いていました。カーレースをすることだけを望んでいました。
卒業の直前に自動車事故に遭い、生死をさまよいました。長期間入院することになり、そこでこの世界の中での自分の居場所はどこかと考えました。それで新たな学問に挑戦することを決めました。ジュニアカレッジでは成績が悪かったのですが、社会科学や人文学、人類学や心理学に夢中になり、突然自分が没頭できるものを見つけたのです。それで成績も非常に良くなりました。
大学からアートの道に
大学を卒業するまであと2年となったとき、人類学の単位を取ろうとしていました。4歳のときからの幼なじみである親友に、南カリフォルニア大学(USC)に入るにはテストを受けなければいけないと言われました。
私はひとりでは受けたくなかったので、親友を誘うとOKをもらい、一緒に受けました。受かるとは思っていませんでしたが、合格しました。USCへの入学を認められたのです。そこで親友に「これから何をすればいいかな。人類学以外のことはやりたくないんだけど」と尋ねました。