副大統領が若者たちへエール

マイク・ペンス氏:みなさんありがとうございます。(ラリー・)アーン学長、心に刻まれる温かい歓迎をありがとうございます。アーン学長の後に表彰台に立ってはいけない、と心に刻まないといけませんね(笑)。

こういう言葉は簡単に使わないのですが、学長は私の友人であり師です。アーン博士、あなたの指導の元で、ヒルズデール大学はかつてないほど、自由への一歩を踏み出すための世代教育に力を注ぎ、その名を世に知らしめるまでになりました。生徒たちや、そして国家はあなたに借りがあることでしょう。

私と一緒に、あなたたちの敬意を第12代ヒルズデール大学長のラリー・アームに示そうではありませんか。

(会場拍手)

話を始める前にひとつ約束をさせてください。アーン学長とのような約束ではありません。私は「善とは何かを述べよ」なんて聞きませんからね(笑)。

評議員会の方々や、素晴らしい教授陣。前州知事や現下院議員ウォルバーグ氏に、素晴らしいゲストのみなさん、誇りである両親。この会場に集う、全ての家族、友人たち。そしてもっとも重要なのは、今日私の前に座っている、素晴らしい男性、女性諸君。2018年の卒業生に、第166回目を迎える卒業式訓示を行う栄誉を与えて下さったことに感謝します。自由の光とアメリカの理想、それはヒルズデール大学です。

(会場拍手)

まずは私の良き友人からのお祝いから始めさせてください。彼が2018年のヒルズデール大学卒業生にお祝いの言葉を授かりました。この学校にとって、非常に素晴らしいことでしょう。第45代アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプ大統領からの祝福です! おめでとうございます。

(会場拍手)

カレン(・ペンス)と私は、この素晴らしい大学の卒業式に参加できたことをとても名誉に感じています。また、今日この機会を与えられたことに身が引き締まる思いです。アーン学長、そして教授のみなさん。今日、妻に名誉ある学位を与える決断を下し、表彰してもらい、どうもありがとうございます。

妻の学力は、今日の卒業生の上位に入る成績でしょう。私の妻は教育者であり、作家、そして芸術家です。傷尽きやすい子どもたちや軍人の家族を助けるため、ミシガン州やアメリカ全土を飛び回ってきました。みなさん、私と一緒に副大統領夫人であるカレン・ペンスに、リスペクトを払ってもらえれば幸いです。

(会場拍手)

ヒルズデールが守り続けた教え

私自身の話をすると、アメリカにおいてヒルズデール大学は、長く、時に孤独に自由でありつづけてきました。この大学が設立されたのは、国家の歴史における素晴らしい時期でした。アメリカ独立宣言が「私たちはみんな平等につくられている」と、力強く宣言しているにも関わらず、アメリカの意義や目的に対する意見が割れている時です。

しかし、ヒルズデール大学の創始者たちにとっては、いかなる時でも、アメリカの建国の信念を、全ての人々に向けていたのです。1844年、ヒルズデール大学はどの大学もできなかったことを成し遂げました。人種や宗教、性別など、あらゆる差別を禁止していたのです。そしてその信念は確立されたのです。

(会場拍手)

ヒルズデール大学はアメリカの信条と公約を守る、健全な教育のために創設されました。ヒルズデール大学はその時代とともに揺るぎない信念を持ち続けています。

中央広場はこう刻まれていると聞きました。「ヒルズデール大学の働きと活気によって地上が栄え、天が豊かになりますように」。まさにその通りですね。この言葉が何世代にも渡って、心に残ると確信しています。ヒルズデール大学の2018年の卒業生たちは今ここで、とてつもないことを成し遂げることのできる、とてつもない人たちなのです。ここから始まるのです。

(会場拍手)

5ヵ国、37州からの366人の卒業生。あなたたちには他にない、魅力的で変革的な教育を受けました。私たちは今、冷酷な相対主義の時代を生きているようですが、しかし、私から見える顔は、色あせない真実を掲げる、人生を変えることのできる力強い顔ばかりですね。

ご存知の通り、品格とは持って生まれたもので、自立には欠かせないものです。正しい行い、それ自体が報いです。

アーン学長が雄弁に話したように、今、私たちは過去の恩恵に無関心すぎる時代を生きているようです。しかし、あなたたちは伝統と教育というアメリカの素晴らしい遺産の中で地に足を着けています。教育と伝統はいつだって限りないアメリカ人の未来の拠り所なのです。

ヒルズデール大学の教えでは、「すべきこと」を教えません。しかし、「どうなるべきか」を教えているのです。そして今日、自立と真実を意味する卒業証書を、あなたたちは受け取るのです。2018年の卒業生たち、あなたたちはみんなでここまで辿り着きました。自分に盛大な拍手を送ってください。私たちは一人ひとりを誇りに思います。

(会場拍手)

支えてくれた人たちに感謝の念を

今日はお祝いの日ですが、感謝の日でもあります。とくに、あなたたちを信頼してくれた人たち、ここに辿り着くまでに力となってくれた人たち、あなたたちの友人、教授。そして言うまでもなく、素晴らしい家族たちへの感謝の日です。

正直に言いましょう! 卒業式は演説を聞きにくる場所ではありません。今までこの大学で卒業演説をした人全員をこの会場に呼んで、演説の間じっとしておいてもらえたら、それは良いことですけどね。

(会場笑)

ともあれ、今ここにいるのはみなさんです。すばらしい卒業生として集まっています。キャップとガウンに、ここまで自分を高められた証が見えます。しかし、あなたたちの証は支えてくれる人たちの証でもあるのです。2018年の卒業クラスから一歩前に踏み出す前に、一度立ち上がり、後ろを振り返ってください。愛する人たち、兄弟姉妹、祖父母、そして苦労をかけたご両親に、あなたたちがここまで来れたことへの感謝の気持ちを見せてください。

今日、2018年の卒業生たちは大学を卒業し、新たな人生の一歩を踏み出します。話を進める前に、あなたたちがいい時期にいることについて、お話しさせてください。アメリカはあなたたちが明るく、機会に恵まれた新しい時代を生きる力と大望を心待ちにしているのです。

あなたたちはアメリカ経済の成長期そしてアメリカ国内、そして国外での力の再生期に世に出ていきます。私自身の世界各国での経験から、アメリカへの信頼は高まっていることは証明できます。

ご存知の通り、世界を舞台に、アメリカは自由な世界のリーダーとしての役割を担い、行動してきました。今週、イランや北朝鮮へそうしたように。月曜日にはイスラエルの首都・エルサレムに大使館を移転することで、また世界を導くでしょう。

国内では大小さまざなな企業が再び息を吹き返すでしょう。ここ15ヶ月の間に、310万人もの新たな雇用が増え、失業者数は17年間下がり続けています。そして、あなたたち卒業生にとってはもっともいいニュースで、アメリカの歴史上、こんなに仕事がある時代はなかったのです。

決して偶然や何かの間違いではありません。アメリカへの信頼が再び高まっているのは、トランプ大統領を始めとする行政が、あなたがこのヒルズデール大学の講堂で学んだこと、信念を促進してきたからなのです。信念はアメリカの偉大さと強さの源でした。

ホワイトハウスで大統領がワルシャワで言ったように、私たちは心と魂とともにために戦います。私たちは減税し、人々に権利を返し、自由を拡大してきました。私たちは合衆国憲法を支持し、神が与えた自由を守り、生きるために決して手放すことのできない権利を大切にしてきました。

(会場拍手)

アメリカは希望に満ちている

この学校を出れば、アメリカがたくさんの新しい希望に満ちていることを知るでしょう。自己責任と、自由が確立された世界です。しかし、私はアメリカの信頼がさらに高まっているのにはもう1つ理由があると思っています。

私たちは非宗教的な大衆文化によって、伝統的な価値観や宗教的な考えが軽んじられている時代に生きています。宗教的な信念をけなすことがオシャレだと受け入れられている時代に、私はアメリカへの信頼もまた、高まっていると信じているのです。

私を良く知る人々は私が保守的で、共和党のキリスト教徒であると知っています。聖書にもあるように、私は福音派であることを恥じません。40年前の春、私はここから近い教養大学の新入生として、キリスト教徒となったのです。

宗教的な信念を持つ地域がだんだん少なくなってきて、さまざまな主張が出てきました。アメリカの豊かな信仰の伝統は、国家の過去の遺物となってしまうでしょう。だだそれだけの話ではありません。真実は真実です。

信仰はアメリカを横断しています。毎日、私は目にします。大小さまざまなコミュニティで、アメリカ人の反応は良いときも悪いときもあります。私はこの素晴らしい国を数えきれないほど横断し、アメリカの人々の信仰が輝いているのを目の当たりにしてきました。

アメリカ人は時に、誰もが聞いたことのある、心からの素敵な言葉を聞かせてくれます。「あなたのために祈ります」。私はその意味を知っています。そして今私はそれを目の前にしています。ここ、ヒルズデール大学で。

大学は神の計り知れない恩恵に感謝すると宣言する人々によって設立されました。アメリカ人の生活における宗教は衰えるだろうと言われていますが、トランプ大統領がこのところおっしゃったように、国家の信頼に関わることです。

信仰は多くのアメリカ人の心を掴みます。祈りをささげたり、教会に行ったり、聖書を読む。宗教とともに生活するアメリカ人の考えは、アメリカの人口が飛躍的に上がっても、何十年経っても一貫しています。

アメリカの人口から見ると、建国当初よりも4倍ものたくさんのアメリカ人が教会に行きます。アメリカにおける宗教は後退していないのです。全く逆なのです。日々、信仰は新たな人生をアメリカ中に与えてくれるのです。

(会場拍手)

かつての副大統領からの金言

私にとって、この国の未来以外に大切なものはありません。信仰は無数のアメリカ人の希望の源であり、確立された信仰は私たちの自由の礎でもあり続けています。私たちの設立者に認められた宗教は共和制の本質となったのですから。

これはヒルズデール大学で教え継がれている真実で、新しい考え方ではありません。ここでは信仰が盛んなのです。喜ばしいことに、ヒルズデール大学内にもうすぐ新しい礼拝堂が開かれますね。ほんの数ヶ月で。ここ100年の大学構内の礼拝堂としては最大のものとなるでしょうね。

(会場拍手)

ヒルズデール大学はいつでも最初のアメリカ副大統領、ジョン・アダムズの金言をなぞってきました。引用しますと、「私たちの憲法は、道徳的かつ宗教的な人々のためだけに作られたものです。その他の政府には全体的に不十分なものです」みなさんが証明するように、それぞれ異なった信頼の伝統は、鉄が鉄によって磨かれるように、ヒルズデールの生徒、教授陣を輝かせるのです。

そしてあなたがこの特別な場所からの旅立ちに向ける、私からの励ましです。人生に何が訪れようと、確固たる考えと、価値ある信念を持ってください。素晴らしきアメリカの新時代のために。

ヒルズデール大学の2018年の卒業生のみなさん。あなたたちはアメリカの理想が根付いた唯一の場所で教育を受けてきました。聖書にあるように、多く与えられた者からは多くが求められます。あなたたちがそうでしょう。あなたが学んだことは、自由の礎を持ち続けさせてくれるでしょう。それにふさわしいのがあなたたちです。あなたたちの魅力と理想で、社会を一新させてください。

勘違いしないでもらいたいのは、いまだある大きな課題で、気弱で了見が狭い人のためには行動を起こさないでください。勇気と粘り強さ、そして精神力が求められます。あなたが正しいと信じることに対して、反対されたり、あざ笑われたりする時が来るでしょう。しかし、あなたたちがヒルズデールで学んだように、強さは、困難を快く受け入れさせてくれます。

(会場拍手)

忘れないでください。ニュースの一面を飾るような偉業は、あまり華々しいものではありません。社会を変えることは、あなたが日々、始めようとしている習慣の積み重ねなのです。あなたは例えどこにいようと、ヒルズデール大学での学びとともに、時代を一新し、判断する人になるのです。

強い共同体を作り続けるべし

大いなる尊厳をもとに、声高らかに言います。個性的な男性として、女性として成長し続けてください。成長させてくれる、友情を育んでください。そして正しさを追い求めてください。活気あふれる人物であってください。そして家族を愛してください。

私たちの自由な社会の基盤は、次の世代に受け継がれるべき私たちの大切なものです。アメリカを形作る過程で、誰もがともに暮らせる、強い共同体を作り続けてください。いつの日にか、「ヒルズデール、それは人である」と書かれた古い一文が時を超えた知識として、M-99(注:大学近くの大通りの名称)で語り継がれることを忘れないでください。

(会場拍手)

今日、卒業生を送る栄誉に感謝します。最後に激励させてください。2018年のヒルズデールの卒業生たち、信念を持ちましょう。この日を迎えるまでに自分が成し遂げたことに信念を持ってください。ここで培ってきた理想と信条に信念を持ってください。

信条は私たちを人として強く結びつけ、国家に対する目的を与えてくれます。アメリカが上向きであるとの信念を持ってください。アメリカをよりよくすることが、あなたたちに課せられた使命なのです。

最後に、あなたたちはここから信念を持って旅立ちます。ウィンストン・チャーチルは、かつてアメリカ連邦議会で「この世の素晴らしい目的と設計の誠実な部下でいられることは、私たちの名誉です」と演説しました。素晴らしい目的と設計を与えてくれる神を信じる限り、神は決してあなたを見捨てはしないでしょう。

神に仕える。ここで学んだこと、経験したことを生かして生きる。あなたたち自身をこれまでこの革命的な大学の卒業生がしてきたように、気高い使命に捧げる。それを私たちは心で知っています。

私たちが今一度素晴らしい国をつくることができた暁には、あなたたちの世代がアメリカをかつてないほど素晴らしい国にしていってくれるでしょう。

おめでとうございます。2018年の卒業生たち、あなたたちは卒業です。今日という日はあなたたちのための日です。今日から新しい未来が始まります。神のご加護を。あなたたちに、ヒルズデール大学に、アメリカ合衆国に。

(会場拍手)