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第61回:深沢ロイの頑張らない数学(苦手意識の解消について)(全1記事)

数字とは計算するものでなく言葉である––グローバルな社会で活きる「数会話」とはなにか?

西澤ロイの頑張らない英語。このラジオは、英語が上達しない原因を根本から治療するイングリッシュ・ドクターの西澤ロイ氏が、英語の効果的な上達法・学習ノウハウ、英語を使って活躍している方のインタビューなどを伝える番組です。TOEIC満点を獲得し、「頑張らない」をキーワードに英語勉強法をレクチャーするロイ氏が、リスナーからの疑問に答えます。今回は、ビジネス英語の専門家である深沢真太郎氏をゲストに招き、社会人向けの数学教育について語ります。

数字とは言葉である

西澤ロイ氏(以下、ロイ):では、さっきのπの話もそうだと思うんですけど、数学に興味があるけれど苦手だという方にどんなアドバイスをしますか?

深沢真太郎氏(以下、深沢):すごく本質を突いた質問ですね。私がよく子供にしろ大人にしろアドバイスをするのは、「数字というのは言葉である」と認識をしていきなさいと。数字は言葉です。「数字ってなあに?」って聞くと、ほとんどの人が「計算するもの」とか、そういう答えをするんですね。もちろん計算するものではあるんだけども、ちゃんと定義をすると数字というのは言葉なんです。

会話をする。コミュニケーションに使える言語だと認識したほうが、数字と楽に生きられますと。例えば、今日って7月2日じゃないですか、今日を数学で表現すると「50パーセントの日」なんです。

ロイ:ほう。

深沢:なぜかというと、1年のちょうど半分の日だからです。

ロイ:ああ、なるほど、なるほど。

深沢:「今日は50パーセントの日です」なんてというと「ああ、そうか。ちょうど半分や」みたいな、何気ない会話も数字でできます。ロイさん今奥さんいますよね?

ロイ:はい。

深沢:奥様への愛を数字で表現してみてください(笑)。

上村:さあ、これは試されるぞ(笑)。

ロイ:それは……。

深沢:みたいな。まあ、止めておきますけど(笑)。こういう会話ができるわけですよ。例えば1つの例としては、私がパートナーへの愛を表現するのであれば、「今はMaxを100としたら今は90ぐらいです」と表現します。当然「残りの10は何なの? 何で100じゃないのよ」ってなるじゃないですか。

「まだ残りがあるってことよ。これからその愛は増えるということよ」と表現できるわけですね。これは何を言っているかというと、何でもいいからゴールを数字で表現しましょう。それに対して自分はどこにいるか数字で表現しましょう。その差がこれからどうなるのかということも数字で表現できるわけですね。こうやって数字を使っていくわけですよ。大人って。

ロイ:なるほど。

深沢:ということを、教えたほうが遥かにいいわけですね。

ロイ:いや、そういう数字の使い方をしている人はあまりいないですよね。

深沢:そうですね。だけど、こういう数字の使い方ができる人が増えたほうが絶対にいいわけですよ。なので数字は言葉なんだということを認識して生きていったほうがいいというふうにアドバイスしているという感じですね。今の話で苦手とかって思う人っていないはずなんですよ。

ロイ:すごいおもしろいですよね。どうやって表現できるんだろうみたいな。

深沢:そうです。そうです。だから、私はビジネススクールの講義とかでは、例えば愛の値段がいくらかを計算しなさいとか、そういうことをやるわけなんですよ。正解ってないわけじゃないですか。どんな答えでもいいんですよ。おもしろければ。

上村:そうか。数学って、算数もそうですけど、絶対に答えがあるものというイメージがあるから、逆に苦手意識というか窮屈に感じてしまうのあるかもしれないですね。

深沢:おっしゃる通りだと思います。

上村:正に数字は言葉ということですね。正に答えがないものもあるんだというのを教えてもらえれば、苦手意識がすごくなくなる気がしますね。

深沢:自由で縛られることもないし。そっちのほうが楽しいし、いいかなと思います。

数会話を身に着けよう

ロイ:いやあ、本当に英語も一緒だなと思うんですよ。

深沢:うーん、そうですよね。

ロイ:英語は正に言葉で、答えがないはずなのに、答えがある教育を受けちゃうんですよ。例えば、彼は頭がいいだとHe is smart.って書けば正解みたいな。そこで例えば、「He knows a lot of things=たくさんのことを知ってる」というふうには考えられないんですよね。その発想がすごい大事だなって、いつも教えているんですけど、数学を使う数字を使うという発想はなかったので、すごい勉強になりました。

深沢:ああ、いえいえ。とんでもないです。確かにそういう発想にはならないからね、世界共通で伝わるじゃないですか。英語も世界共通だと思うんですけども、数字も世界共通で伝わるの言語なので。だから、これからグローバル化なんて言われてますけど、英語の英会話と数字の数会話というのが両方できる大人というのがこれからの時代は活躍できる大人なんだなって思うわけです。

ロイ:なるほど。数会話ですね。

深沢:英会話と数会話ができる大人になりましょうというのがメッセージかな。

上村:今日すごいですね。スタジオがもう一致団結して「おお!」って(笑)。

(一同笑)

深沢:ナイスリアクション!(笑)

10戦9勝の理由

上村:というわけで、まだまだお話を聞いていきたいところではあるのですが、そろそろお時間が近づいて参っております。では深沢さん告知等ありましたらお願いします。

深沢:すみません。貴重なお時間をいただいて。著作活動もしているものですから、これは3年前に出た『仕事で数字を使うってこういうことです』という本で、おかげさまで、大変よく売れている本なので、「本当に苦手で、数字を見ると吐き気がします」という方は、この本を読まれると、ちょっと風向きが変わるかな。扉が開くかなと思います。誰でも楽しく読める本です。

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ロイ:読み物としてすごい楽しいです。ストーリーになっているのでおもしろいです。僕もおすすめです。

深沢:ありがとうございます。これは最新刊なんですけど、新書になってますけど『10戦9勝の数字の使い方』。

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これは苦手ではあるんだけど、どちらかというとレベル高めになっているんですよ。内容が。なので上司との議論に勝ちたいとか、仕事で成果を出したいという人が、自分を高めるために数学的思考を鍛える本なので、ちょっと読み応えがあるほうが良いなという方は、こっちのほうをおすすめします。

ロイ:因みに、読まないと10戦何勝ぐらいになってしまうんですか?

深沢:読まないと10戦1勝ぐらいだと思いますね。

ロイ:それが9倍!

深沢:なんと! それはすごいですよ。もう。よく聞かれますよ。でもこれ「なんで9勝なんですか?」って。「全勝じゃないんですか?」って聞かれるんですけどね、10戦9勝の意味は、10戦して全勝したら角が立つじゃないですか。1回ぐらいは相手に華を持たせるぐらいのほうが、ちょうどビジネスパーソンとしてバランスがいいよという意味の10戦9勝です。

ロイ:なるほど。深いな(笑)。

上村:はい。というわけで本日ゲストにお迎えしましたのがビジネス数学の専門家、深沢真太郎さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。

深沢:ありがとうございました。

ロイ:ありがとうございました。

(一同拍手)

上村:以上、「西澤ロイの頑張らない英語」お届けしましたのは、ナビゲーター上村潤と。

ロイ:西澤ロイでした。Thanks for a lot for listening. See you on next week. Bye bye.

上村:Bye bye.

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