鳥が鳴くのはなぜ?

マイケル・アランダ氏:「早起きは三文の徳」と言いますが、もしも朝に鳥の歌で起こされたら、イライラしますよね。

では、鳥が日が昇る前からうるさく鳴くのはなぜでしょうか。

実は、鳥というのはクリアな音質のために朝早く歌うようなのです。その理由を説明する前に、まずは鳥の鳴き声について知っておかなければなりません。

鳥の鳴き声は、基本的には短いものです。「自分はここにいるよ!」や「危ないぞ!」と伝えるためにキーキー、ガーガー鳴いたりすることを、鳥たちは生まれた時から知っています。

歌うのはオス鳥が多いですが、時々メス鳥が歌うこともあります。幼い鳥は、生まれた時から鳥の歌を知っているわけではないため、大人の鳥の真似をして学んでいかなければなりません。

オス鳥はメス鳥を惹きつけるために歌うこともありますが、ほとんどの場合、ほかのオス鳥が自分の陣地に入らないようにするための警告として歌います。

だから、人間にとっては美しい歌であっても、実際にはあまり美しくないメッセージも入っているかもしれませんね。

なぜ朝でなければいけないのか

これで鳥が歌う理由がわかりましたが、ではなぜ朝に歌うのでしょうか。

鳥の鳴き声は一年中聞こえますが、鳥の歌をもっともよく耳にするのは春です。とくに早朝には、より大きな声で何度も歌います。

専門家は、この現象を「夜明けコーラス」と呼んでおり、音の綺麗さと関係していると考えています。

夜が明けたら太陽が土を暖め、そして空気を暖めていきます。

時間が経つにつれて、暖かい空気が上昇し、冷たい空気の層と混ざり、空気の分子が異なったスピードで動き回り、大気の動きを乱します。

この動乱が鳥の歌の邪魔をするため、音質を下げてしまうのです。

同じ種類のオス鳥でも、歌がまったく同じというわけではありません。一羽一羽がそれぞれ少し異なるバージョンで歌っています。それは、ほかのオス鳥と区別をつけてメス鳥にアピールするためであり、それにはクリアな音質が不可欠です。

だから複雑で綺麗なメッセージを送るには、大気の動乱がない早朝が一番適しているのです。

さらに、朝、歌を歌うことは、オスが夜を生き残ったという意味があるのに加えて、朝ご飯を探す前にゆっくりして歌う余裕があるという意味も含まれているので、メスに健康的なかっこよさもアピールできるというわけです。