スポーツ疲れがなかなか取れないなら、「懸け口十文字」を習得せよ

理論スポーツ #19/26

運動をする時、あなたは体のどの部分を意識していますか? 例えばマラソンの時、主に意識しているのは腕の振り方や足運びだと思います。ですが実は、ある体の部位が運動全体にとても大きな影響を与えているんです。その部位とは「手首」。手首をしっかりと意識してあげないと、怪我の原因になってしまったり、疲れやすくなってしまったりするんです! YouTubeで武道を用いた運動法をレクチャーする、「理論スポーツ」の高橋氏。今回は、弓道に由来する「懸け口十文字」とその効果について解説します。

スポーツ上達の秘訣は「手首」にあり!?

高橋大智 氏(以下、高橋):こんにちは、高橋です。今回は弓道でよく使われる「懸け口十文字」という手首の使い方についてです。これはなにかといいますと、弓をつがえるときに、手首に角度をつくっちゃだめなんですよ。

こういうふうに矢を持ってつがえるときに、手首が下に曲がったり、

内側に向いてたりせずに、

角度をつくらないんですね。

だから上から見ても横から見ても角度が角度をつくらないこの取り懸けかたを「懸け口十文字」といいます。これを私はスポーツで応用しました。なにをやるかというと、こういうふうに手があって、

重力によって下に落ちやすいんですよね。だけどこれを起こしてあげるんですよ。

これを上に起こしてあげるんです、手首を。手首をだらんとリラックスして、力を入れずに振ると思うんですけど、この状態というのは、肩にものすごく荷重がかかってるんですよ。

手首の重さからなにからなにまで、手首に重さがかかって、肘に重さがかかっているので、肩にすごい力が入っています。そうじゃなくてこういうふうにしちゃう、手首を上に。

肩に荷重がかかるんじゃなくて、首のばして肩落として脇の下の筋肉を張った状態で巻き込むようにするんですよ。そうすると、力が手から肘までの外側の筋肉と、腕の裏側の筋肉と、脇の下の筋肉、。っちのほうに逃げてくれるんです、こっちの力が発揮される。

だから、手首というのをこういうふうにだらんと下ろすんじゃなくて、上向きに起こしちゃうんです。

野球にも使える懸け口十文字

弓の場合はこれで引くんですけど、これがなんに使えるかというと、野球のピッチングとかバッティングなど、そういったものに全部応用ができます。手首を上に起こしてあげて、起こしたまんまで投げてあげます。手首にふにゃーっと力を抜いた状態で投げると、手首の回転とか肘の回転とか、いろんな運動が入っちゃうんですよね。

だけどこれで、こういうふうに決めちゃうんです。

このかたちを崩さないんですよ。このかたちをどこかで崩してしまったら、また手首に力が入ったりとか、そういうことが起こるんですね。だから手首が上向きでそのまま投げちゃうんですよ。

そうではなくて、こういうふうに投げるんですよ。バッティングでもいいと思うんですけど、バッティングの場合だったら「懸け口十文字」は、手首にもし力を抜いてたら、バットを振るときに、もしも手首がこっちの方向(手首の順方向に強く)に曲がってたら、バットがボールに当たったときにボールの荷重が手首にかかっちゃうんですよ。

そうすると手首に負担がかかったり、スイングしたときに手に力が入ったりとか、あるいはスイングするときの胴体が、手首が曲がって肘が曲がって、という回転になっちゃうので、腰痛になったりバット振るときに負担が大きいんですね。

だけど「懸け口十文字」でこういうふうに手首が下に曲がってる部分をキュッと手首の手前方向に曲げてやる。曲げた状態で打ってあげるんですよ。

こういうふうに下ろした状態で当ってしまうんじゃなくて、

きゅっとここを掴んであげるんですね。

掴んであげるのでバットも垂直ではなくてこのぐらいに持ってあげるとちょうど曲がらない方向に手首が。

だらんと下向きにに曲げるんじゃなくて、手首の内側に曲げてあげるんですよ。この状態でボールを投げるんですよ。この状態でバットを振るんですよ。このままでテニスとか振るんですよ。

ぜんぶがこの1回の動作のときに、手首から肘の外側、腕の裏側、脇の下の筋肉が一気に同時に動くので、これが有効なんです。

怪我の防止にも効果あり

私はマラソンの世界でこれを応用しました。トライアスロンの世界ではこれを水泳と、自転車の持ち方にぜんぶ応用しました。ぜんぶ応用したことによって、トライアスロンも今も続けてますし、マラソンの記録も向上しました。

これは怪我の防止にもなるんですね。なんで怪我の防止になるかというと、上半身のブレがなくなるんですねこれで。上半身のブレが消える。

要するに、上半身があったときに、1個の運動で腕と胴と脚を別々に使うと、身体ってねじれたりうねったりということが起こるんですよ。だけど「懸け口十文字」で手首を決めてあげるんです。

手首が下に曲がったり自分で力を入れたりへんに抜いたりってことをせずに、このまま懸け口十文字にしちゃうんですよ。これで出ちゃうんですよ走るときも。これで腕を振るんですよ。

腕を振るときも身体の左右で腕を振るんじゃなくて、身体の中心に外側と腕の裏側と脇の下を一気に使ってあげると、胴体の肩と股関節、このあたりのブレが、ねじったりってことが少なくなるんですね。

股関節と肩甲骨というのは、自分からねじるとものすごく力が入っちゃうんですよ。結局、肩甲骨まわりと股関節まわりの筋肉が張っちゃうんですけど、これでやると、他人からはすごく股関節と肩甲骨が動いているように見られるんですけど、実際自分で動かしてないんですよね。

それはなにかというと、腕全体が全部動いてるんですよ。だから肩甲骨も自分で動かすか、それとも、首を伸ばして肩を出して「懸け口十文字」で手首を決めてパッと出すんだったら、これはもう、違うんですね。おんなじように腕だけを動かしたか、身体を含めて動かしたか、もう違うんですね。

おなじ肩甲骨が動いてるように見えても、自分から動かしたのか、腕の裏と肘から手首と脇の下を同時に動かす運動をやった結果肩甲骨が動いたかというのは、これはちょっと違うんですね。

もっと具体的にいうと肩甲骨の上部が動いてるか、肩甲骨の下部が締まったことによって動いてるように見えてるか、これは違うんですけど、そういう動かし方をすれば上半身のブレが消えてくれるんですね。

あらゆる面で良い効果が期待できる

指とか手首はぶらぶらさせてると肩とか肘の動きにものすごく影響されるんですよ。だけど手首を「懸け口十文字」でピシっと決めて肘とか肩の動きというのを制限されると、肘から手首が動かないので体幹部のこういった部分が動かざるを得ないですね。

それによって1回の動作であらゆる筋肉を一度に動かすことができるので、運動動作が向上できると。そして怪我とか不調もかなり上半身のブレが消えるので、膝が痛かったり腰が痛いとか肩が痛いとか、そういったことが軽減することができるんですね。

上半身がブレたりしているとそのねじれによって、腰が痛くなったりとか、1回のひねりで足をポンと踏んだときに片足に荷重をかけてからこういうふうにひねり出されて出るんで、膝の負担が大きいんです。

そういったことも「懸け口十文字」で、手首を重力と逆の方向に曲げてあげると動きにくくなるんですね。動きにくくなるとどうなるかというと、腰の無駄なブレとか膝の左右のブレが消えて、結果的にひねり動作が無くなって、動きやすくなる、という体感を得ることができます。

なのでぜひこういった動きも運動動作、サッカー、バレーなどでもぜひやってみてください。これは身体の不調とかも全部とれるものだと思うので試してみる価値はあると思います。

じゃあこれで終わります。ありがとうございました。

理論スポーツ
武道の身体の使い方、姿勢に基づく
全スポーツの運動技術を高める具体的手法を公開します。
筋トレ法、栄養学、メンタル調整、身体の仕組みなど、
内容は多岐にわたります。
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参照リンク

トレッドミルと屋外トレーニングのメリットデメリット
https://www.youtube.com/watch?v=_xRjvvmeqKk
スポーツ動作、体の不調を軽減させる武道での「筋骨」の考え方
https://www.youtube.com/watch?v=-tEwoONNQe0
目線を変えることで運動中の力みを取るには
https://www.youtube.com/watch?v=47Bny3-94zk
イメージトレーニングがスポーツによい科学的根拠 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4tmID8EHrfs
動きを変えるためにぜひゆるめたい筋肉
https://www.youtube.com/watch?v=8BbJDGveQXg
スポーツでの脚の疲れをほぐす体使い
https://www.youtube.com/watch?v=BrDT9QKcFHw
ランニング:効率のよいカーブの曲がり方 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=DzvJWIpjm5s
ピッチャーが効率よく球を投げるには - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EQmOD79-3EA
ランニング:スムーズに走るための姿勢と走り方 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=f1x24uXc5tg
腰のハリをなくし、肩をリラックスした姿勢をとるためのコツ
https://www.youtube.com/watch?v=FOixicKX888
ランニング:腸腰筋の使い方 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Frnoh-E-clY
ランニング:走る動作で有効な肩甲骨の使い方
https://www.youtube.com/watch?v=gdWuN4r-6Zw
座った姿勢から強く動きやすい体を身につけるには
https://www.youtube.com/watch?v=IUfVkleIHj8
スポーツに応用するための「武道の姿勢」の構築法
https://www.youtube.com/watch?v=Jeb3lwSNBY4
スポーツで言葉にとらわれると実力が下がる - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lil0l881wIo
ランニング:股関節の動かしかた
https://www.youtube.com/watch?v=mZiz4OKS9bo
ランニングに有効な目線の使い方 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NNa6UaSm6mo
異分野のスポーツにより、体の使い方を変える方法
https://www.youtube.com/watch?v=RDefD7ltpeo
変化球を投げる上で注意したいこと - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=T_ic_wNmLZE
運動動作の腕の力みをなくす「懸け口十文字」
https://www.youtube.com/watch?v=U3dwi8dREqk
ランニング:ひざ痛の直し方
https://www.youtube.com/watch?v=Vc3LmwGz-R8
スポーツ・運動技術を向上させるXの関係を理解する
https://www.youtube.com/watch?v=VhLEBRSuoaU
リラックスした状態に体を整える方法
https://www.youtube.com/watch?v=VQXclujnS9U
ランニング:効率よく腕を振るためには
https://www.youtube.com/watch?v=Z0Qlu55XxJM

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