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Pinterest創業者が語る、ピンチになると会社を辞める“ブラック社員”の特徴

Lecture 11 - Hiring and Culture #3/3

シリコンバレーの有力な起業家ら3名が一堂に会し、スタートアップのチーム作りについて語ったトークセッション。本パートでは、Pinterest創業者のBen Silbermann(ベン・シルバーマン)氏がスタートアップに適した人材の見極め方を紹介しました。

企業内部の透明性について

ベン・シルバーマン氏(以下、ベン):ちょっと聞いてみたいことがあります。2人は透明性をとても大切にしていますよね。私達もそうしようといつもより透明性を高める為に努力しているのですが。

パトリック・コリソン氏(以下、パトリック):スタートアップの定義とは、大きな組織特有のしがらみがない組織だと何かで読みました。大企業となるとその国、ローカル部署の意見と国際企業として目指すトップの方針がずれてくる。

スタートアップは大企業とは違う動きが出来ます。スタートアップでは皆が同じ方向を向いて同じ目的を持って仕事をするので、情報に透明性が出やすいです。Stripeは以前スタッフ全員の送信メールがBCCで皆に送られることになっていました。

こうすることによってお互いのすべてのメールのやり取りを全員が把握することが出来、より効果的に全体を把握することが出来、少ないミーティングで済むと思ったからです。しかし皆に情報がすべて行ってしまうというのは状況を把握できるという良い点もありましたが問題点もありました。

ジョン・コリソン氏(以下、ジョン):文化を変えるのにツールを変えたのが良かったかもしれません。過去は会社の状況を把握するのにすべてのスタッフが送受信するBCCのメールを見ればよかったのですが、それを毎週皆に現在何が起きているのかをすべて報告するようなスタイルに変えました。

文化的側面では、内部で情報が溢れているので、逆に社外秘情報取扱いなどのルールを決めるに至りました。そして内部の皆が見る事ができるチャット上での発言が、意図せずに多くの人から批判を呼んでしまうとその人はもう発言しようとしなくなりますから、社内チャットのディスカッションへの参加の仕方だとか、批判的な発言についてもルールを定めたりしなければならなくなりました。

メールで透明性を担保することの是非

パトリック:そこにいるスタッフがこの夏にStripeでインターンをしてくれましたが、その時の経験はどうでしたか?

スタッフ:全体的に良い体験でした。多くの時間Hackpadを見て、今会社で何が起きているかを把握することに費やしました。読むのに夢中になると、自分の仕事がおろそかになるのではと感じました。

パトリック:HackpadとはGoogle Docsのようなものでニュースフィードがついています。そこですべてのドキュメントに目を通すことができます。

スタッフ:Stripeではすべての仕事、ドキュメントを公開することを奨励していました。Spin Upsというのがありましたね。そこではチームのリーダーが30分どんなことに取り組んでいるかをプレゼンし、興味がある人はそのプロジェクトの手伝いができるという取り組みでした。

パトリック:メールで透明性を高めようとしていることはどう思う?

スタッフ:何を見ておくべきで、何は必要でないかを覚えるのが大変でした。最初の週は2,000通ものメールが受信ボックスに届くような状況でした、

失敗を恐れて挑戦しなくなるのが1番ダメ

生徒:パトリックとジョンへ、最初に雇った人々は後にリーダーとなりましたか? ベン、最初に始めた時からビジョンは変わりましたか?

ジョン:最初に雇った10人のうちの多くが今はリーダーとして動いています。リーダーになるには努力して身に着けなければならないスキルがあります。マネージメントやリーダーシップに生まれながらに長けている人はいません。

人々のリーダシップスキルを育て、会社の中で成長してもらうのは簡単なことではありません。特に目の前の課題に必死に取り組んでいる場合には。しかし人を育てなければ会社にとってのダメージとなります。

ベン:私達の場合、ある人はリーダーとなり、ある人はなりませんでした。スタートアップで仕事をすることの利点は、大きな組織で働いていれば誰もその仕事を振ってこないであろうことまで経験できることだと思います。

経験がなくてもマネージャーになったり、とても難しいプロジェクトを任されたり。そして誰かにそのようなリスクを負わせるのであれば、それがもし自分のスタイルではなければまたもとに戻ることが出来るという文化を持つ必要があります。

さもなくば皆が失敗を恐れて挑戦しなくなります。個人で働くプログラマーやエンジニアが大きなチームをリードしたい、マネジメントをやってみたいと言った場合には任せてみます。

そして実際にやってみた後に彼らが、やってみてとてもよい経験になったけどもう二度とやりたくないという場合には、個人の仕事を通じて会社に貢献してください、もうマネージメントはしなくて良いですからと言っています。

しかし人に何かを任せてみないとそれがその人に合っているかわからないので、なるべく多くの人に、彼らが上手くやる可能性が見える、今の仕事とは違った責任のある仕事を任せてみるようにしてみます。

ビジョンと現実のギャップ

ベン:もうひとつの質問、ビジョンは始めた当時から変わったか、ですが最初に人を雇い始めた時、私達はコレクション出来るツールをつくろう、きっと多くの人が気に入ってくれるはずだと思っていました。

そして始めてすぐに気が付いたことは、他の人のコレクションを見ることで、自分でもそれが好きだと気が付かなかった新しいことを発見できるという利点があったことです。

昨年はサーチやフィードプロダクトづくりに多くの投資をしました。最初は本当に人々が使ってくれるかもわからなかったので、家族でも友達でもない人々が使い始めてくれた時は本当にうれしかったです。

1番の驚きはユーザー層の幅広さです。会社が大きくなるにつれ、ビジョンや夢もまた初期に思い描いたものよりも大きくなるのです。私達が今どこにいるか、そしてこれからどこを目指すかの間にはギャップがあります。そしてそのギャップが最近では広がっている気がします。

会社が傾くと辞めていく人の特徴

生徒:多くのスタートアップがつくっているのはiPhoneではありません。子供の子供までが知っているプロダクトをつくれるという保証はどこにもありません。どのようにして人生を削ってでも一緒に仕事をしようと人々を説得するのですか? 

パトリック:スタートアップの魅力はそれが成功する確証がどこにもないことだと思います。絶対にこうなる、とわかっていたら面白くないです。

家族や子供にしばらく会えないというポイントですが、確かにスタートアップを始めてすぐはほとんどの時間を仕事に費やすことになります。しかし寝る時間もなく2年間働き続けることになるだとか、色々誇張されて話されていると思います。

現実的には世に言われるほど身を削ることではありません。現実的に考えれば一般的平均労働時間よりも、毎日2時間ほど多く働くようなイメージで、その後5年間の喜びとワクワク感に比べればそれも必要な投資であると考えます。

ベン:あのiPhoneですら、出来上がるまではヒットするかわかりませんでした。候補者は、皆さんのビジネスに成功する確証があるとは考えません。逆に言えば絶対に成功するから、と言ってそれを信じて入ってくる人は雇うべきではないのかもしれません。

だって絶対などないのですから、絶対成功するという可能性を信じてしまうのはどうでしょうか。しかしどこが面白いポイントで、これからどこに向かう可能性があるのか、どこが挑戦で、これが今ある限りのベストな計画だ、と提示し、候補者にこのプラン遂行の為に一緒にやって欲しいというのは良いと思います。

僕たちは火星に行くんだ! と言えば挑戦を求める最高の人々が集まり、火星に本当に行ける確率が上がりますよね。しかし、Googleが持つような成功と安定を求めて入社したいと言ってくる人は避けるべきです。

面接で、「あなたの会社は素晴らしいです」と言う人々に「他にどの会社の面接に行ったんですか?」と聞くと「今後花開くところで働きたいので、Stripe 、Jawbone、 Airbnb、 Uber、 GoogleXに面接に行きました」という答えが返ってくるようでは、その人は本当にイチから始めるリスクがあるスタートアップよりも安定を好むということが分かってしまいます。

そしてそのような人々は会社が困難な状況になると大抵辞めてしまいます。彼らは何かを成し遂げたいというよりも、少し名の知れたところで働きたいだけなのですから。

パトリック:そのような人には個人的なキャリアアップの観点から見て、会社が結果を出すときの一部でありたいという動機もあると思います。どんなに優れた人でも、今からGoogleの本質を変えるような影響力を持つ人になるのは難しいでしょう。しかしスタートアップであれば、どれだけ自分がやれるのか、どれだけ自分が会社に影響を与えることが出来るかテストできるという訳です。

プロダクトのファンを雇うのは良策

生徒:ユーザーベースプロダクトであるということが雇用戦略に影響を与えていますか?

ベン:自分のプロダクトを毎日使っている人を雇うべき、とよく言われます。私達はその人が本当に情熱を持っているか、プロダクトを使ったことがあるかを見ます。ずっと使っていなくても良いのです。

そこで私達に、「なぜ毎日使わないのか? 何か不便な理由があるのか?」と聞くチャンスが生まれ、「それならばその不便な理由、障害を取り除き私達のプロダクトを改善してビジョンにより近づく手伝いをしてください」と誘えますから。

本などでスタートアップについて色々語られていますが、それがすべて皆さんのスタートアップについての真実ではありません。私達にとっては、私達のビジョンに共感してくれる人、私達のプロダクトを好きで、それを発展させたいと思っている人を選びます。

ジョン:先ほども言いましたが、最初のメンバーを雇うのは大変です。彼らには他で働くという選択肢もあり、こちら側はまだしっかりと体制が整っていないのですから。

それを考えてもすでに皆さんのプロダクトを好きで使ってくれている人を雇うのは良い方法だと思います。初期にStripeも4人のStripeユーザーを雇いました。

サム・アルトマン氏:ありがとうございました。

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