CtoCのマーケットで起きている変化

田中章雄氏(以下、田中):これからC to Cのマーケットプレイスについてのセッションを行います。セッションを始めるにあたり、僕のほうで1枚スライドがあります。

興味深いので皆さんに見ていただきたいと思います。

これは何のサイトだかわかりますか? これはCraigslistのサイトなんです。このCraigslistのサイトに矢印がたくさん刺さっていて、その矢印のもとを辿っていくと、この2、3年でアメリカで出てきた新興系ネットベンチャーが並んでいるんですね。

例えばTransportという交通のカテゴリーがあります。そこに刺さっているのがUberとかHeliosとかありまして。もうちょっと上は、洋服の売買、sale for saleにはThe RealRealとかがあるんですね。

この図が何を示しているかというと、ここ数年間もともとアメリカではCraigslistのひとつひとつのカテゴリーだったものが、新興系のベンチャー、特にアプリ系のベンチャーに今襲われている。

今までずっと負けることがなかったCraigslistが、ついに全面戦争をベンチャーからしかけられている。その先にあるのが各バーティカルのマーケットプレイスやアプリです。

今回は面白いことにCraigslistと同じようなポジションにある元祖マーケットプレイスとしてもともとあった、クラシファイドをやっているビジネスの代表的なビジネスに中国と日本から来ていただきました。

今度は新しく攻めているほう、ひとつの分野に特化して攻めているというスモールビジネス、限りなくC(コンシューマー)に近いショップとショップオーナーが自分で開店するためのプラットフォームをやっていますStores.jpさんと、最近話題のメルカリさん、完全にC to Cのマーケットプレイス。

それぞれの立場において、この辺の業界では日本あるいは中国ではどんなことが起きているのかを探ってみたいと思いまして、今回のセッションを始めたいと思います。

クラシファイド広告サービス「Baixing」のミッション

田中:ではまずクラシファイドが攻められているということなので、クラシファイド系からプレゼンを行っていきたいと思います。まずは中国のBaixing.comのJian Shuo Wangさんに5分くらいでサービスの説明をしていただきたいと思います。Jian Shuoさん、あなたたちが中国でやっていることについて少しお話していただけますか?

Jian Shuo Wang氏(以下、Jian Shuo):皆さん、こんにちは、Jian Shuo Wangです。中国からきました。今日はここ日本で、私たちがどんなことしているか、そして何を学んだかを皆さんとシェアする機会に恵まれ、本当にうれしいです。

田中:IVSは2回目ですよね?

Jian Shuo:そうですね。前回は京都で、今回は札幌です。

田中:またお会いできてうれしいです。

Jian Shuo:ありがとうございます。では、5分くらいお時間をいただいて、私たちがどんなことをしているのか、そしてC to Cマーケットプレイスについてどんなことを学んだかをご紹介します。これが私たちのウェブサイトです。

田中:ところで、Baixingとはどういう意味なのでしょうか? 日本語ではバイシン(百姓)というと米農家のことですが。

Jian Shuo:米農家のことなんですか? 知りませんでした。Baixingとは一般の普通の人、という意味です。優れたビジネスパーソンだとかではなく、普通の人を指します。

田中:バイシンとは百姓という意味であるが、日本語でいうと一般ピープルということです。そこを皆さん留意いただければと思います。

Jian Shuo:でも、百姓というのは面白いですね。私たちがやっていることと共通するものがあります。昔はみんなが百姓でしたね。そして私たちがやっていることは普通の人に、どんな人にも利用いただけるサービスなのですから。私たちのミッションは。

ビジネスイメージは大きな掲示板

Jian Shuo:無料かつシンプルな方法でみんなが広告を出して、そしてものごとをスムーズに進められるようにすることです。これが私たちが考えるクラシファイドビジネスというものです。

クラシファイドとは広告ですが、とてもコストや技術を必要とする商業用広告とは違います。どんな個人も、百姓でも、広告をつくってオンラインにポストできるのです。

私たちのビジネスイメージは、大きなビルボード(掲示板)があって、そこに1人1人の個人が思い思いに書いた紙、お知らせを張り付けていくような感じです。私たちのオフィス内にも大きなビルボード(掲示板)があります。

今話しているビルボード(掲示板)は本当に巨大なものを想像してください。先ほどCraigslistについて、バーティカルがカテゴリーに攻め込んできているというお話しがありましたが、私たちは誰でも広告を張り付けることが出来る大きなビルボードをイメージしています。このピラミッドを見てください。1番上の赤い部分が大きなコーポレーション、

次の黄色がスモールビジネス、私たちが見ているのは個人、C to Cで、誰もが紙で自由に世間にお知らせしたいことを書いて、ペタペタと巨大掲示板・ビルボードに貼っていくことです。とってもシンプル且つ自由で無料です。

CtoCマーケットプレイスの3つのポイント

C to Cマーケットプレイスから学んだ3つのキーポイント、それは「フリー」「シンプル」そして「豊かさ」です。まずはフリー(無料・自由さ)、についてお話します。

私たちは巨大でフリーなサービスを提供しています。そこでは個人が自由に無料でお知らせをポストすることが出来、個人が電話でコンタクトを取り合うことも自由で、物やサービスのやりとりで発生する決済も自由です。個人間でもビジネス間でも手数料はかかりません。

マネタイズはアップセルから。リストのトップに広告を載せておきたい場合には料金をお支払いいただいています。そしてページのサイドに載せる広告からもマネタイズしています。無料という響きもいいし、誰しも無料だと喜びますよね。

しかし無料ということはつまりコストをかけることが出来ないという意味でもあります。私たちの予算はとても低いです。4ページだけ、そして100人以下の従業員でやっていますが、毎月中国国内5000万人、毎日50万人の案件をカバーしています。

このようにやり繰りしながら無料でやっています。実際にどのくらいシンプルなページなのかお見せします。

皆さんも漢字からどんなカテゴリーになっているか想像がつくと思います。左がモバイル、右がPCトップページです。

田中:これがページトップですか?

Jian Shuo:そうです。

田中:とてもシンプルですね。カテゴリーだけなんですね。

Jian Shuo:とてもシンプルにしています。約200のカテゴリーがあります。カテゴリーの1つをクリックすればリストのページが出てきます。

これは車のリストですが、ひとつずつ載っていますね。気になるものがあれば、「View Ad(この掲載を見る)」をクリック。すると内容を見ることができます。

とてもシンプルなので誰でもすぐに出来ます。この3つのステップはどのカテゴリーでも同じです。私たちのサイトは中古車専門でも、仕事探し専門でも、デーティングサイトではありません。私たちのサイトは無料で誰でもポストすることが出来る掲示板なのです。

ですので、例えばインダストリーのカテゴリーを新規に作りたい場合、カテゴリーを自分でつくることができます。そして、カテゴリーを作った瞬間に他の人もそのカテゴリーに投稿することが出来ます。

水平的なアプローチが生み出した成果

田中:最も使われているカテゴリーはどれですか?

Jian Shuo:中古車が1番ですね。私たちは市場にホリゾンタル(水平)にアプローチしています。そして、中古車の取引に特に力を入れていたわけではありません。

それが突然、中国全体の30%の中古車が私たちのサイトで取引されるようになったのです。他にはアルバイト募集の広告が大きいですね。しかし、中古車に関しては特に何かしたわけではなく、自然に伸びていきましたね。

田中:それは変わりましたね。確か4、5年前にお会いしたときには、最も活用されているのは中古家電製品だったと仰っていたと記憶しています。

Jian Shuo:そうですね、常に変化しますから。私たちのこの掲示板は今最も流行っているものが集まります。中古車市場はここ数年で急成長しました。それに伴い、私たちのサイトの中古車カテゴリーも成長したのでしょう。

もしもホリゾンタル(水平)なアプローチを取らなければ、こんなことも目に見えてこなかったかもしれませんね。これがみんなの求めているものだってことが。

田中:ありがとうございます。

Jian Shuo:それと最後に、豊富さです。

私たちはとても大きな幅でやっています。さまざまな側面の、皆さんが想像出来る限りのカテゴリーが揃っています。そしてスモールビジネスへも個人へもサービスを提供し、さらに大きな都市でも小さな都市でもやっています。

中国にはとても多くの街があります。大きな街は北京や上海などですが、それ以外にもっと多くの小さな街があります。

そして現在ではその小さな街の人々が利用者の50%を占めています。つまり、このサービスはとても広く利用されているのです。そして携帯電話。現在では全体の72%が携帯電話(モバイル)からのアクセスです。これは急速に伸びています。

シンプル、無料。そして低コスト。カテゴリーもカバーする街も広く用意しているので、多くの方にご利用いただいています。そしてこれが結果的に収益につながり、最終的に利益が出ますのでとても嬉しく思っています。