2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
3 Things Fish Shouldn't Be Able to Do(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:金魚鉢の金魚を見ても、ギョロッとした瞳の裏で何を考えているのかは想像するのは難しいです。
ですが生物学者たちは、魚が浮力を得るために浮袋をどう使っているのかなど、興味をそそる発見をたくさんしてきました。魚の中には環境への適応力をフル活用して信じられないことをする種類もいます。
獲物に忍び寄って狩りを行うテッポウウオを取り上げましょう。
水鉄砲のように水を吐き出すことで虫を撃ち落とし、エサとして捕食するのです。
テッポウウオはまず、舌をチューブのようにして口の中に水を貯め、次にエラ蓋を閉じることで押し出します。狙いはとても正確で、水面から2メートルもの高さを秒速25センチの速さで飛ぶ虫を撃ち落とすこともあります。
スーパーマンとは違い、テッポウウオは生まれながらにして射撃の力を持っているわけではありません。その代わりに幼体のころから大人たちのやり方を観察して、いわば学校に通うように学ぶのです。微妙な計算や練習を膨大に行うことで射撃ができるようになります。
例えば空気から水のように、通り抜けける物質が変わると光は屈折したり反射したりします。物質によって密度が違うため、光がどのように透過するかも異なるのです。
つまり光がテッポウウオの目に届いても、見えているのは獲物の正確な位置ではありません。水の中に半分だけ鉛筆を入れるとずれて見えるのと同じです。
そこでテッポウウオは光の反射を計算にいれて狙いを澄ませる必要があります。ですがテッポウウオがどのように計算しているのか、はっきりしたことはわかっていません。まだどのようにして強力な水を発射できるかもわかっていません。
例えば獲物がより高いところにいれば、口を長く開けてたくさんの水を吸い込み、わずかにゆっくり吐き出します。こうすることで水をより強力に、長い時間打ち出せるのです。
研究者たちはまた、テッポウウオが映像記憶を持っていることも突き止めました。ある実験では、水槽の上にテッポウウオが的にするものとしない、2つの顔を映しました。的にするべき顔に水を当てた時にはエサが与えられます。
するとテッポウウオは的にすべきでない顔や、新しい別の顔は無視するようになったのです。顔が白人や黒人、あるいは映像の端が切れていてもそうだったのです。
次に紹介する魚は、強烈な尾びれを使って狩りをします。しかも水中ではなく地上でです。マングローブ・キリフィッシュは、酸素が少なく硫化水素(注:腐った卵のような匂いのする有害な物質)が多い水中に潜んでいます。水質は温かく泥のようです。
決して住心地のいい環境ではありませんが、キリフィッシュは平気です。
ですが水質があまりにも悪く、とくに硫化水素濃度が高くなりすぎると、キリフィッシュはその場を逃げ出し、最大2ヶ月ものあいだ地上で暮らします。普通魚は水から出ると、鰓弁(さいべん)とよばれる薄いエラの組織は使い物にならなくなります。そうなると酸素と二酸化炭素を交換することができなく、つまり呼吸ができなくなります。
キリフィッシュはそうならないように、層間細胞とよばれる細胞を鰓弁の間に展開させます。こうすることでエラが空気に触れる面積を減らし、乾燥して使えなくなるのを防ぐのです。水中に戻れば層間細胞を捨てて、エラがまた元通り使えるようにします。
エラが使えない地上では、キリフィッシュは皮膚呼吸を使います。キリフィッシュの肌には化学受容性の神経上皮細胞があり、空気に触れるとエラの状態を変えると共に、必要な物質を届けられるように血流も調整します。
比較的薄い上皮、一番外側の肌にはイオノサイトとよばれるイオン交換細胞が敷き詰められています。水中にいる魚の中で、エラにこうした機能を持つのはキリフィッシュだけです。イオノサイトによって血中のイオン濃度を調整できるので細胞がきちんと機能できるのです。
キリフィッシュの最後の秘密は、地上で狩りをする時に使う強力な尾びれです。体の上側の筋肉を収縮させることで、体を「C」の形にまで曲げられます。収縮させる勢いで尾びれを空中に叩き上げて、上にいる虫を叩き落とすのです。
タスクフィッシュは、道具を使うというサルとヒトだけに許されていた行為をする初めての魚かもしれません。
ある種類のタスクフィッシュは新鮮な貝を食べようとしますが、食べられる中身は殻に守られています。タスクフィッシュという名前はその尖った歯(タスク)からつけられました。
貝を掴み上げると、近くの岩の上にまで運んでから投げつけたり叩きつけたりして金床のように使います。動物が道具を使うという行為の定義があるわけではありませんが、科学者の間ではものを掴んだり操ることで環境を変えたり目的を達成するということだと考えられています。
またタスクフィッシュは大きくて角ばった貝を壊しやすい石を見つけると、その気に入った石を何度も使う様子も観察されています。研究者のなかには、タスクフィッシュが石の代わりに貝を掴んでいるだけで、実際に道具を使っているわけではないと反論する人もいます。
ですが魚には道具を掴める手足があるわけではありません。口で石を掴めばエサは浮いていってしまいます。道具を使う行為は、その動物が置かれた環境や生体によって変わってくるのかもしれません。
いずれにしても、タスクフィッシュは私たちが思う以上に複雑なスキルを見せてくれるのです。
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