「ジェンダー平等の実現」で後れを取る日本
SDGsに取り組む有識者らの問題意識

パネルディスカッション~世界で活躍するSDGsグローバルリーダーになるために~ #1/4

2019年1月26日、株式会社AIRが主催する「女性 x SDGsシンポジウム in国連大学~世界で活躍するSDGsグローバルリーダーになるために~ CePiC x 未来技術推進協会 x Kanatta」が開催されました。本パートでは、SDGsの推進に取り組む小木曽麻里氏、保科仁紅氏、仲田光雄氏が登壇する、第1部のパネルディスカッションの内容をお届けします。今回は、登壇者らがそれぞれの経歴と活動について紹介しました。

「ジェンダー平等の実現」で後れを取る日本

司会者:それではさっそく、第1部のパネルディスカッションをスタートいたします。まずパネルディスカッションの司会を務めます、株式会社AIR COOの井口を簡単にご紹介いたします。

2010年有限責任あずさ監査法人に入所。2013年LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンジャパンに入社。2016年、創業メンバーとして株式会社AIRに参画。現在ではジェンダー平等の実現を理念に、女性ドローンパイロットを育成するドローン事業、クラウドファンディング「Kanatta」を通じて、女性が活躍する社会の実現に挑戦しています。

ここからは、そんな井口の司会によるSDGsパネルディスカッションのお時間となります。それでは井口さん、ご登壇いただけますでしょうか。みなさまどうぞ拍手でお迎えください。

(会場拍手)

井口恵氏(以下、井口):ご紹介ありがとうございます。株式会社AIRの井口と申します。本日はよろしくお願いいたします。本当に寒いなか、これだけ多くの方にお集まりいただいてありがたく思います。私から、最初に簡単にSDGsについてお話させていただいたあとに、本日のパネラーの方々をご紹介させていただければと思います。

こちらはSDGsの簡単なご説明になります。SDGsとは、「誰一人取り残さない」という理念のもと、2015年に国連が提唱した、国連加盟国全体で取り組むべき重要な目標になります。2030年までに、それぞれの目標に全世界で取り組んでいこうということで、15年間に渡っての行動計画になります。

(スライドを指して)こちらにある通り、今の日本のランキングは15位ということで、2017年から昨年で4ランクダウンしています。

このなかで日本がどの目標に主に取り組むべきなのかということが、みなさまから見て(スライド)左下に書いてある部分です。赤く塗られているものが、「達成にほど遠い」と評価されている項目です。このなかで、日本はとくに、5番目の目標であるジェンダー平等の実現について、取り組みが遅れていると評価されています。

そんななか弊社は、クラウドファンディングを通じてジェンダーの平等を実現することをビジョンに、「Kanatta」というクラウドファンディングのプラットフォームを共有しております。

テクノロジーで社会課題を解決する「未来技術推進協会」

井口:本日は主にジェンダーの平等の実現について、パネルディスカッションをさせていただければと思います。今回は各界でご活躍されている方々にご登壇いただこうと思いますので、さっそくパネラーのみなさまをお呼びしたいと思います。最初のパネラーは、未来技術推進協会女子部代表の保科仁紅様。

(会場拍手)

続きまして、北斎プロジェクト協会代表理事、そしてTEDスピーカーでもある仲田光雄様。

(会場拍手)

そして最後に、笹川平和財団ジェンダーイノベーショングループ長・小木曽麻里様。どうぞお越しください。

(会場拍手)

井口:では、パネラーのみなさまに簡単に自己紹介から始めていただきたいと思います。まず保科様、よろしくお願いいたします。

保科仁紅氏(以下、保科):みなさんこんばんは。未来技術推進協会の保科仁紅と申します。簡単に自己紹介ということで、まず経歴から伝えさせていただきたいと思います。私は、東京理科大学を卒業しまして、そこで物理の勉強をしておりました。そこから社会人の1年目になる時は、ITの会社でSEを3年半ほど経験しまして、その後もうガラッと業界を変えまして、会計事務所に移りました。

総務の経験を1年半ほどしまして、その後にリサイクル協会にまたガラッと変えまして、そこで営業サポートの仕事をしておりました。そのタイミングで、ちょうどSDGsが始まりました。そのリサイクルの会社でもSDGsにはかなり力を入れており、そこで初めてSDGsがどういうものかということを知りました。

その後、ちょうど去年の6月頃に、私はフリーランスに切り替えまして、今は商社のIT部門で働きながら、未来技術推進協会自体へは去年の2月に一緒に参画しました。今はそこでダブルワークというかたちで携わっております。

「そもそも、未来技術推進協会って何?」という方々が多いかと思います。その名前のごとく、未来技術・テクノロジーを使って社会課題を解決していくことに重きを置いた団体になります。未来技術推進協会は技術者のコミュニティになっておりまして、イメージがつくかわからないですけども、女性がかなり少ないんですね。

2017年の8月に団体ができた時には、女性が2人しかいなかったそうです。そこから「女性をもっと増やそう」ということで、女子部というものができました。今は(メンバーが)15人ぐらいに増えまして、今日私は女子部の代表として参加しております。その辺の観点を交えていろいろとお話しできればと思います。私からは以上になります。

井口:はい。保科さん、ありがとうございます。では、続きまして仲田様、お願いいたします。

女性の感性がなければメディアの仕事は成り立たない

仲田光雄氏(以下、仲田):みなさん、こんばんは。私は北斎プロジェクト協会の代表理事をしております、仲田と申します。よろしくお願いいたします。

みなさん(雑誌を)ご存知かどうかわからないですが、私は最初は雑誌業界で働いていて、マガジンハウスの『POPEYE(ポパイ)』や『平凡パンチ』のフリーライターからスタートしました。その後上場企業の出版局の立ち上げに参画して、『NOVA STATION (ノヴァ・ステーション)』という雑誌の編集長をやっていました。

その時にメディアミックスということで、例えばテレビやラジオなどと(雑誌を)組み合わせたイベントを行ったり、(さまざまな形で)情報発信をしていました。その後は独立して、北斎プロジェクト協会を、またYouTubeで『Tokyo Voice TV』を立ち上げております。

このような雑誌やメディアの仕事をしていると、実は女性と仕事をすることがものすごく多いです。そのなかでもとくに女性の感性はとても大切にしています。そのような感性がないと、やっぱり雑誌などのメディア系の仕事は成り立たないというのは、私の理念です。その辺もあって、北斎プロジェクト協会は、昔の伝統プラス、新しい今の時代のデジタルや芸術を組み合わせて世界に発信しています。

私のテーマのなかに、女性の自立というものもあります。そのようなことからSDGsのジェンダーの平等というのは、今後も続けていくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。

井口:仲田様、ありがとうございます。(スライドの写真を指しながら)すごく素敵なお写真が掲載されています。

仲田:今日、写真のアンバサダーも会場に来ていますので、あとでご紹介いたします。

井口:はい。ありがとうございます。では、最後に小木曽さま、よろしくお願いいたします。

お金と技術を結集すれば、すべての社会問題は解決できる

小木曽麻里氏(以下、小木曽):笹川平和財団の小木曽麻里と申します。今日は本当に貴重な機会をありがとうございます。若い人がたくさんいらして、逆にすごく緊張してしまいます。

簡単に私のバックグラウンド(のご紹介)です。大学を出まして、バブルの時代に流されるように銀行に就職したのですけれども、やはり本当に社会課題に取り組む仕事がしたいということは、ずっと思っておりました。7年経ったところで銀行を辞めまして、アメリカの大学院にまいりました。

そこで、今まで自分が銀行でやっていた金融を使ってなにかできないかということと、自分の興味があった環境を勉強しました。その後、ワシントンD.C.の世界銀行というところに就職いたしまして、12年ほど主に貧困に取り組む仕事をしてまいりました。

仕事としましては、安全な水や電気を届けたり、起業したい人がどうやってお金を得られるかといった仕事をいろいろとさせていただきました。とくに興味を持ってやっていたことは、やっぱり与えるだけの援助の限界を見るなかで、どうやってサスティナブルに持続的に開発ができるのかということを考え、主に民間企業の関わりに取り組ませていただいてきました。

そのなかで、貧困というのはずいぶん減ってきたということは数字的にも事実であると思います。一方でみなさんよくご存知のとおり、今、非常に格差というものが広がってきている状況だと思います。私がよくお話しさせていただくことなのですが、今の世の中ですべての技術を用いて、すべてのお金を社会課題に向ければ、すべての社会課題ってあっという間に解決できると言われているんですね。

では、なぜそれができないのかというと、行くべきところにお金が回っていない。技術が思うように使われていない。じゃあどうしたらよいだろうということで、最近はインパクト投資、社会的課題にどうやってお金を向けるかということに取り組ませていただいております。

あとは、やはり世界銀行のようなところで働かせていただいて、戻って来た時に、やはりジェンダーは日本社会で一番大きな問題じゃないかと非常に感じました。ここ数年でジェンダー部を立ち上げまして、そこでジェンダーの問題に当たらせていただいております。

最近では、ジェンダーと投資を組み合わせまして「ジェンダー投資」というものを推進させていただいております。なかなか世界的規模で盛り上がってきておりますので、ぜひ日本もそういう動きができればよいなと思っております。ありがとうございます。

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