なぜ私たちのうんちは緑色になるのか?

ハンク・グリーン:インターネットには何でも好きなことを尋ねることができる。例えば、「宇宙はどのくらい大きいの?」とか、「ヒメウミガメの平均寿命は?」とか、「なぜナマケモノはあんなにだらけてるの」とか。

でもみんなの多くは、インターネットの英知に、みんなが便器の中で見つけたものを説明してもらおうとするよね。

Googleにいる友達によると、世界でいちばんよくGoogle検索される質問は、少なくとも英語では、「なぜ私たちのうんちは緑色なのか?」なんだって。

それはほんと、理にかなっているよね。ぼくたちはみんなここで好奇心を育てているんだし、人間の身体より興味をそそるものってある?

そこでこの質問に答えるためには、「なぜうんちは普通、茶色なのか?」ってことから始めなきゃならない。

うんちが茶色いのはビリルビンが理由

多くのほ乳類の糞の茶色っていう色は、ビリルビン(胆赤素)と呼ばれる物質から来ていて、そのビリルビンっていうのは、肝臓が、死んでぼろぼろに使い古された赤血球を処理して排泄する準備をするときに作られるものなんだよ。

ビリルビンは実際には、ヘモグロビンから作られるんだ。

赤血球が体中に酸素を運ぶために使うタンパク質のことだね。でもみんなの赤血球が赤いにもかかわらず、ビリルビンそのものは黄色だ。

それは肝臓に吸収され、胆液として分泌されるんだけど、それにはビリルビンが入っているから黄色がかった緑なんだよ。

肝臓は小腸に胆液を分泌するんだけど、そこでの胆液の主な仕事は、脂質分子を脂肪酸に分解して脂肪を消化することなんだ。

ところが、胆液は体内を駆け巡っている途中だから、ビリルビンを含む老廃物でいっぱいなんだ。だから、その中につまっている胆液のせいで、みんなの糞は最初黄色がかった緑色なんだね。

たいていは、このゴミが消化器官を通って移動するうちに、ビリルビンは腸内細菌──腸内で生きて老廃物を分解する際に栄養素を吸収するのを助ける、すばらしい微生物の手先──によって分解されるんだ。これらの細菌はビリルビンを食べ、それを無色の副産物に代謝する。でもその副産物は、酸素に反応すると、ステルコビリンという色素を形成して茶色になるんだ。

ステルコビリンが、みんなのうんちを茶色にするものなんだよ。だから、もしうんちが緑色なら、それはうんちが消化器官を通過するのが速すぎて、細菌がビリルビンを副産物に消化するひまがなかったってことだね。

だからもしみんなが、下剤を飲んだとか、軽い症状の食中毒、あるいはもしかしてものすごい二日酔いになった後なんかに、そのモノが少し緑色になっていることに気付いたら、何か別のことが起こってうんちを急かしすぎているのかもしれない。

だから、たまに糞が緑色でも心配することはないけど、もしいつもその色だったら、きみの糞は腸が必要な栄養をすべて吸収するのに十分な時間を体内で過ごしていないってことになるかもしれないね。

謎が解けた!