オーディエンス側でできる、1番手っ取り早い雰囲気作り

加藤恭子氏(以下、加藤):ありがとうございます。それではみなさんから来ている質問に、いくつか回答いただきたいと思います。

いろんな質問が出ています。実際に開催する側、企業側に関しての質問で、小池さんが答えられそうなこと、工夫されたことありますでしょうかね?

小池亮介氏(以下、小池):まずは名刺交換に関しては、ぜひオンラインで名刺交換をしていただければと思っていまして。Eightで名刺交換ができるので、ぜひそれでお願いします(笑)。すみません、これは宣伝です(笑)。

加藤:やり方としてはEight側でなにか操作を行うのですか?

小池:Eightの自分のアカウントをWebブラウザで見ていただくと、自分のオリジナルのURLを発行できます。そちらをチャットで流すようなかたちで、自分のメールアドレス等々はお送りすることができます。

加藤:そういう機能があるということですね。わかりました。オンラインの会見を行うときに、スポークスパーソンに対してなにか注意点はありますか? 

小池:1つは先ほど申し上げた、ふだんのオフラインのプレゼンテーションとは違うということを頭からちゃんと理解していただくということはあるかなと思っています。オーディエンスがいなくて、みんなノーリアクションだったりするので、例えば20分のプレゼンテーションでもラスト10分とかはけっこうつらいんですよね。

そのあたりはとにかくスクリプトをしっかり作り込んだうえで、登壇者との事前の打ち合わせのなかで、「話し続けてください。画面の向こうにはメディアさんがいるので、メディアさんに問いかけるかたちでお願いします」など話していました。

あとはノンバーバルの身振り手振りがなかなかうまく活用できないので、すごく大きくするか、逆にあまり付け加えないかのどっちかかなと思っています。そのあたりはリハーサルの中で、その人の特性に合わせて決めていくことになるのかなと思っています。

あとオーディエンス側でできる1番手っ取り早い雰囲気作りとしては、なにかプレゼンテーションのたびにすごくうなずいてあげたりとか、リアクションを会場全体でしてあげたりすることかなと思っています。そのあたりは登壇者というよりは、オーディエンスのスタッフ側に周知した部分はあったかなと思います。

加藤:確かに。スタッフがうなずくだけでもすごく違いますよね。

小池:そうですね。僕はずっと、めちゃくちゃうなずいてましたね。

加藤:反応が見えると見えないとでは、かなり違うというか。

小池:これは普通のオフラインの個別取材とかでも、記者さんがメモを取るので意外と無反応だったりするときによくする手ですね。

加藤:ありがとうございます。それから質問がチャットボックスのほうにも来ているので、拾いあげていきたいと思います。

小池:オガワ様からいただいた質問「電話、メール、SNSなどどういった手段を使われていますか?」に関して、基本的には今はメールで行なっています。

コロナ騒動に入ってからでもメディア開拓は一応続けていて、専門誌とかいいニュースがあれば躊躇なくメールしてます。基本メールかな。メールで知り合いの記者さんづてにアプローチするようなことはしていました。

コロナのニュースばかりで通常のネタがなくて困ってるという状況下だから、ポジティブなニュースを書きたいと思いの方はすごくお会いしています。なので出せるニュースがあれば、どんどん出していったほうがいいのかなと私は思っています。

まずは「小さく試す、実験する」ことから

加藤:ありがとうございます。私からも、一言お伝えしたいなと思います。今日、小池さん、三浦さんのお話がすばらしいもので、もしかしたら自分が真似するのが難しいかなと思っちゃった人もいると思います。一歩踏み出せそうなことを、ちょっと考えてみました。

まず小さく試す、実験するって、できることだと思うんですね。今ツールが普及していく段階だし、みなさん試行錯誤でやっているので、ちょっとの失敗が許されるタイミングだと思うんですよ(笑)。なのでこのタイミングで、ちっちゃくやって経験値を積み上げていく。とくに小さい会社、ベンチャーだったりすると、ある程度は勢いがあって許されるみたいなところもあるので、どんどん経験値を積み上げてもらいたい。

それから繰り返しになりますが、他社の広報の方と積極的に情報交換をしたり、連携したりということをどんどんやっていただきたいと思っています。もちろん私もやってまして、ほかのPR会社の方であったりとか、実際に企業のPR担当の方と積極的に情報交換をさせていただいてます。

それから次、3つ目なんですが、小池さんのところにも出てきたように、世の中の動きや普段からベンチマークしている他社の動きを徹底的に見て、自社の立ち位置を客観的に見ていくことを忘れないようにやっていく。これを心がけると、ズレた広報にならないで今の状況に合っている活動ができるんじゃないかなと。

最後に、もう相手に尋ねちゃうのがいいかなと思っています。「記者が何を考えてるかわからないです」とか「記者がどんなものを欲しいのかわかりません」とよく言われるんですけど、だったらちょっと聞いてみたらいいのかなと思っています。「ぶっちゃけ、これどうなんですか?」と聞けば、教えてくれる人は教えてくれます。どんどん聞いて、相手が求めるような情報をうまく提供するようなかたちでいけたらと私は考えていました。

面識のない相手への、SNSでの連絡について

加藤:そろそろ終わりにしたいんですけど、質問がまたいくつか来てますよね。「メディアアプローチについてもう少し伺いたい。SNSを通じて面識がない記者の方にも、いきなり連絡を取って構わないものなんでしょうか?」というのがあります。

私は連絡を取っていいと思っています。ただ、きちっと名乗るとか、丁寧に書くということは必要だとは思います。「これこれこういう理由でご連絡させていただきました」というのはありだと思います。

返事をきちっと返してくださる方もいますし、そういったものは受け入れてないという方もいるので、うまくいかないことももちろんあるでしょうけど、連絡は取っていただいて構わないと考えます。そのあたりは三浦さん、小池さんはどうですか?

三浦優子氏(以下、三浦):実際にSNSでアプローチいただいたことはあって、最初はびっくりするんですけれども、やりとりをさせていただいて「妙な人じゃない。大丈夫な人だ」と思ったら、それからお付き合いが続いていくこともあります。

小池:「プライベートで使うSNSじゃない」と、ちゃんと切り分けて、文面であったりとか自己紹介の仕方であったりというのを気をつければ、SNSでもいいかなと私は思っています。

三浦:ちなみにFacebookに関しては、ほぼビジネス利用になっております。あ、投稿を見ているとそうでもないぞという声が飛んできそうですが(笑)。一応、仕事関係の方とほぼ一緒につながってやっておりますので、Facebookなんかだったらぜんぜん問題はございません。

複数の登壇者が、それぞれ遠隔地から参加するパターン

加藤:ありがとうございます。他に質問が来ているものとしては、「Sansanさんの会見の場合は、企業の登壇者の方が1ヶ所にいたけれども、今やっているような、それぞれスピーカーが遠隔地にいるみたいな場合になにか気をつけなければいけないこととか(ありますか?)。そういうオンラインの会見自体もありなのでしょうか?」と。

小池:それで言うと、私の説明がうまくなくて恐縮なんですが、弊社のオンラインのイベントもすべてパートナー5社は各社から参加いただいています。各社を各会場として参加いただいて、すべて遠隔でやってました。なので一応できはしたかな? というところは思っています。

ただ各社で、例えばネット環境であったりとか機材であったりとか、それぞれバラバラだったりもするので、前週とか、欲を言えば前々週の段階でつないでみて、リハーサルを行なっての入念な準備は必要かなと思いました。

加藤:ありがとうございます。私もネットで記事を見たんですけど、ローソンの会見も海外の方と中継して行ったと書かれていました。遠隔地の会見というのもこれから増えてくるでしょうし、実施も可能ということだと思います。

三浦:例えばGoogleさんがこの間やられた会見は、スピーカーの1人はアメリカにいらっしゃって、日本の本社に2、3人いらっしゃって、ゲストスピーカーが2人、文部省の方と経済産業省の方とそれぞれ別のところにいらっしゃって、4元中継くらいで会見をやられていました。写真以外はぜんぜん問題ありませんでした。

加藤:そうですよね。海外だとやっぱり、そういうのは多いですよね。午前中だとアメリカも起きてる時間だったりもしますね。

小池:1点イトウさんから質問いただいている「これだけ人数をかけるとなると、完全オンラインは難しそうですね」というところです。松竹梅をつければできるのかなと思っています。今回は自粛の要請とかもまったく出てなかった3月11日のタイミングだったので、社員も出社してオンラインの中継をするという手段を取りました。

今、出勤自粛が要請されている環境下においては、3月11日の記者会見と同じようなクオリティとはいかないまでも、各拠点をつないだ記者会見はするのかなと思ってます。そうするとやっぱり背景であったりとか、カメラの性能であったりとか、けっこう制限は生まれると思うんですけどね。

より情報発信みたいなところを優先して考えるとなると、多少そういった見え感が劣ってしまっても、情報発信を優先して開催できたりするのかなと思ったりしていました。クオリティと、今やるかどうかの天秤かなと思っています。

加藤:ありがとうございます。そろそろお時間も超過しているので、終了にしたいと思います。今日お手伝いしてくださった、川原さん、小泉さん、お2人とも広報にお詳しいのでなにか一言あったらごく簡単にいただきたいんですけど、よろしいでしょうか?

川原氏:ありがとうございます。私も1年以上くらいリモートで、すでにずっと香港から東京の広報をしているので、あんまり環境は変わってない感じなんです。そもそも会見をやったりといったことは、そのときは東京に帰って行なっていたので、そこのノウハウがなかったので私自身もとても勉強になりました。

あと写真に関してです。私が遠隔から行なっていた際は、例えば社長と記者の方が東京で同じ部屋にいるときはそこで撮っていただいたりもしました。そうでない場合は、いくつかカットを用意してました。前から撮ってるような写真と、いわゆる「ろくろを回している」ような、いかにも話しているような写真を何パターンか用意しておいて、それを記者の方に提供するというようなこともやっておりました。

加藤:ありがとうございます。続いて小泉さん。

小泉氏:私自身、今はリアルな店舗のBtoCをやっています。店舗でも今後やっていったらおもしろいかなと思ったのと。

あと今後、うちも休業に入っちゃってるんですよ。社内広報的なところも課題になるのかなと。うちの場合は私がゴーストライターになって、会長とか社長とか節目ごとにメッセージを出しています。そういったところも、今後みなさんと情報共有できたら参考になるなとは思いました。今日はありがとうございました。

加藤:ありがとうございました。そうですね。この会もちょっと1回では終わらないかなという気がしました。ネタもたくさんありますし、状況もどんどん変わっていきますし。また今回参加できなかった方もいましたので、また引き続きみなさんにお時間をいただいて、なにかイベントをやっていけたらと思っております。

本日は遅くまでどうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

小池:ありがとうございました。

三浦:ありがとうございます。