リクルートスタッフィングの女性管理職比率は41.4パーセント

司会:では、2つ目のプログラムに入りたいと思います。「働き方改革の最前線から」ということで、リクルートグループの中でもっとも働き方で進化していると言ってよいかと思いますが、リクルートスタッフィングの取り組みをお話させていただきます。それでは、松野さん、よろしくお願いいたします。

松野あゆみ氏(以下、松野):リクルートスタッフィングからは、スマートワーク推進担当の私と営業担当の高島からそれぞれにご説明をいたします。松野と申します。よろしくお願いいたします。

まず簡単に自己紹介をさせていただきます。私、90年にリクルートに入りまして、その後93年にリクルートスタッフィングに移りました。

最初は派遣スタッフの皆さんへのお仕事のご紹介などを担当しておりました。その後、12年ほど前に人事に移りまして人事業務を担当し、2013年の2月にスマートワーク推進が始まったんですが、そのタイミングからこの取組に関わってております。

スマートワーク推進をやればやるほど、自分の中にふつふつとこれをリクルートスタッフィングだけではなくて、他の会社にも広めていきたいという思いも強くなりまして、実は今年の6月にリクルートスタッフィングを卒業いたしました。

プライベートでは、1年生と6年生の母です。最近は中学受験に向けまして、6年生の長女と深い暗闇の中で悶々とした生活を送っております。

早速ですけども会社の紹介です。リクルートスタッフィングですが、登録スタッフの方約90万人をかかえる人材派遣業の会社になっております。従業員数は有期雇用の方も含めまして約1900名、社員でいいますと男性が約4割、女性約6割と女性割合が多い会社になっています。

女性管理職の比率は、41.4パーセントです。いわゆる2030(2020年に指導的地位に占める女性の割合を30パーセントにするという政府目標)を越えている数字になっているんですけども、ただいま女性の割合は6割ですと申し上げました。そこにはまだ届いていない数字になっています。この数字は6割であってもよいと考えております。

アンケート結果から見える男女のキャリア観の違い

続いて、スマートワークを始める上での課題は何だったのかということで、大きく2つあります。まず1つ、男女間でキャリアに対する意識が大きく違ったというところです。

グラフをご覧いただきたいのですが左側、男性は、私は将来より高い役職を担っていきたいと思っている、女性はそうではないと1.4ポイントの開きがありました。右側は、両立指標です。女性は2ポイント台。両立からはほど遠いというのが現状でした。こちらは2012年度のアンケート結果から読み取れました。

課題の2つ目。先ほど石原さんの資料にもございましたが、弊社でもそうでした。営業成績と労働時間に相関は見られない。皆さんのお手元にハフィントンポストの記事があると思うんですが、そちらにもこのデータが載っております。

このファクトなんですけど過去数年に渡って調べました。弊社の社長がグループ各社、他の資料で調べた時もまったく同じ結果でした。

この事実は、今でこそ皆さん「そうだよね」と頷いてくださると思うんですが、2013年に始めた当初、これを見せても弊社の管理職の多くは、「わかるんだけどさ。そうはいってもね」と思う人がほとんどでした。この固定概念を打ち破っていくことが主な課題でした。

何をやったか。「スマートワーク」です。定義はこちらの通り(スマートワーク=限られた時間の中で賢く・濃く・イキイキと働くことで、最大の成果を出すこと)です。これを推進する上で2つの大きな考え方がございました。

スマートワークを実現するための生産性向上の取り組み

下の図を見てください。右側、同じ成果をより短い時間でやっていきましょうという生産性向上。左側、同じ時間ならより高い成果を残せるようにしましょうという営業力強化。

本日は生産性向上についてお話させていただきますが、もし営業力強化についてご興味があれば、後でお声をかけていただければと思います。

推進のポイントです。両輪、トップダウンとボトムアップでやってきました。トップダウン、トップコミットが大事とよく言われる話です。私もまったくそのように思います。

キーパーソンはもちろん社長です。そして、弊社ではもう1人、担当役員です。一般的には人事担当役員が担うケースが多いと思いますが、人事・ダイバー担当役員ではなく、屋台骨事業の担当役員を据えました。いわゆる営業担当役員です。営業担当役員が大きな売上責任を持ちつつ、スマートワーク推進にも責任を持つ。そのことに大きな意義がございました。

そして、働き方の変革が最大の経営戦略だということを初期の段階で、役職者以上に共有しました。こちらはワーク・ライフバランスさんにもアドバイスをいただいて、小室(淑恵)さんと対談しました。 

全国行脚で従業員一人ひとりにメッセージということで、「私たちは働き方のルールを変えます」と。「今までは終わらなければ延長するという野球のルールでやってきました。それをサッカーのルールに変えますよ」と従業員にメッセージをしました。

そしてボトムアップで、全社全組織で推進するために、スマートワーク委員を設置し、さらに牽引組織を選抜してそちらにはアドバイザーもつけました。

仕組みを変えて、コミュニケーションを取る

そして、どんな観点で取り組んだかということです。トップダウン、ボトムアップで取り組みましたが、観点としては大きく2つです。システム、いわゆる仕組みを変えましたということと、コミュニケーションをしました、ということです。こちらの図では矢印がありますが、矢印の起点に注目をしてください。

トップダウンはコミュニケーションから始まってシステムに行き、またコミュニケーションへと循環をします。ボトムアップでは、システム、仕組み作りから始めてコミュニケーションしていくというふうに循環します。

最初から「これがいいよね」と思っていたわけではないのですが、やっていく中で「やるには順番があるね」と。こんなやり方がいいかもしれないと思ってきたというところです。弊社は今3年目なんですけども、どんなふうに取り組んだかという年表です。

トップダウンはコミュニケーションからと申し上げました。コミュニケーションはこのように全国行脚をして皆さんに伝えていく。そして仕組みを整えて、年間の労働時間のキャップを決める。評価表彰に連動させる。そして、ICT(情報通信技術)を含めたBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を促進していくということを行いました。

ボトムアップは仕組み作りからと申し上げました。仕組みが何かと申しますと、全社全組織でやりますよ、選抜組織を作ってそれに牽引をしてもらえますよということを各年度やっております。そして、コミュニケーション。その取り組みを身近な物にしていくということをやっています。

牽引組織は部ごとに選抜し、部長を責任者に

具体的に何をやったかというということです。今日はすべてお話できませんので、抜粋してお話させていただきますが、仕組み面での取り組みです。

一番下、全社牽引の役割組織を選抜しました。毎年度8グループを選抜しました。毎年度違うグループを選抜しております。

ここで、1つ失敗まではいかないのですが、ちょっと課題が残ったことがありましたので、ご紹介させていただきます。初年度ですが、選んだ組織を課単位にしました。

弊社の組織なんですが、大体50名くらいの大きな部がありまして、この中に4、5個の課があるような状態です。その内の1つの課を選抜しました。

ここ(選抜された課)は一生懸命動いてくれるんですけど、なかなか他の課やグループまで波及しない。部を大きく動かすまでいかないということがありました。けっこう難儀しました。ですので、翌年度からは部を選ぶことに。部長に最終的な責任者になってもらうことをやりました。