2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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佐々木俊尚氏(以下、佐々木):他に質問はいかがでしょうか。はい、どうぞ。
質問者:これは特に佐々木さんにお伺いしたいんですけれども、プラットフォームが重要だっていうのはすごいよくわかっていて、メディアにとっても重要だっていうのもわかっているんですが。
そうなるとプラットフォームが重要であるっていうことが影響力がでかいために、パブリッシャーとか作家とか、そういった人たちって読者っていうよりも、プラットフォームに向けてコンテンツをつくっていくような流れが、どんどんできていくんじゃないかなと思っていて。
そういう流れによって、作家とかアーティストとか、そういった人たちって本当に読者に対してコンテンツを届けられるのかなみたいなことは、ちょっとお聞きしたいなと思っています。
佐々木:プラットフォーム最適化とユーザー最適化が、イコールじゃないとお考えの理由は何でしょうか?
質問者:結局、プラットフォームで、バズるっていうのって、本当にバズることっていうのは、人類の大体人間にとってバズるものって、大体似通ってるのかなと思っていて。
ショッキングなものとか、おもしろいとか、感動とか、そういったことを狙っていくと、本当の作家が伝えたいこととかそういったことって、もしかしてバズらない種類のものかもしれないけど、そういったものが伝わらなくなってしまうんじゃないかなと思っています。
佐々木:例えば、SmartNewsの鈴木健が言い出した言葉で、フォークボール理論っていうのがあって。見た目上の見出しとか、あるいは三面の画像が激し過ぎても中身を読むと、それが釣り見出しだったりするケースって結構あって。読んでみたらがっくりみたいな。
フォークボールがガクンと落ちるよねって。フォークボールをどこまで下げるかってのが大事であると。あんまりフォークボールばかり狙ってると、逆にコンテンツホルダー側の信頼度って落ちるので、逆に読まれなくなるっていうのが1つ。
それから、今のお話っていうのは、多分マスリーチ論の世界の話なんですね。マスリーチの分野で言うと、それって別にプラットフォームがなくたって、じゃあ、『国家の品格』っていう本がはやると、100冊以上の品格本が出るっていう。
あれ、別にSNSで拡散してるわけではなくて本屋の店頭ですよね。ということは今の出版社ってのは、読者向けにつくってんじゃなくて、取次と書店っていうプラットフォーム向けにつくってるっていうことになりますよね。という意味では、別に状況はあんまり変わんないわけです。プラットフォームに依拠しようが、別に既存の出版流通モデルに依拠しようが。
佐々木:結局そういうマスモデルではなくて、よりよい相手に、どう情報を送り届けるかっていうことのほうが実は重要であると。ひょっとしたら、さっきの出版業界のした話になるんだけど、10万部とか今、滅多に世に出ないと。で、だったら、売れない、売れないといいながら、6,000部、8,000部ぐらいは、そここそ出たりする本もありますよ。
だったら6,000部で成立するようなビジネスモデルをつくることのほうが大事であると。そのためには人数を少なく少数精鋭にし、より簡易な形で本をつくり、なおかつ6,000部はきちんと必要とされる読者のもとに送り届けられるモデルをつくる必要がある。
それなら既存の取り次ぎシステムでは決して不可能であるわけで、だったらそこにこそインターネットの可能性ってあるんじゃないの。
例えば、Facebookにしろ、Twitterにしろ、マスじゃないんです。FacebookやTwitterってのは決して全員に送り届けるのは無理です。Facebookで、全員に送れるぐらいなのは、マーク・ザッカ―バーグの個人ページぐらいしかないわけで。
そうじゃなくて、ある特定のキュレーションの時代っていう概念を提示したんだけど、そういう人たちの集まりみたいな、ある種のクラスターみたいなのが無数に存在しているのがインターネットの本質であり。
実はネットというのは、ローコンテクストのマスリーチの文化ではなくて、ハイコンテクストのクラスターが多数存在する状況をつくるのが上手なメディアであるっていう発想なんですね。
そうするとそこの上に立って、さまざまなビオトープとさまざまなクラスターにきちんと情報を送り届けることができれば、それちゃんと読まれるわけですよ、部数が少なくても。それこそが、実は本質なんですね。
だから釣り見出しをつけてるのは、プラットフォーム最適化だっていうスタート地点の認識がちょっと違うんじゃないかなっていうことです。
質問者:ありがとうございました。
佐々木:紙の質問、3つ目、最後のやつですけども、これ、いきますか。日本市場でも、欧米並みのハイクオリティな、オリジナル動画のメディアが成立するのか。日本ではCGアニメやローコスト動画が多い印象です。どうでしょうか?
大熊将八氏(以下、大熊):さっきの話に戻るんですけど。日本でも、Viibar、2,000人以上の制作者を囲っていて、その中身は映画とか、テレビ制作会社出身のプロが多いんですかね。
でもハイクオリティっていうのを何と言うかの問題だと思うんですけど。例えば、ハリウッド映画を撮れるとか、向こうでめっちゃ人気なテレビ番組のディレクターを呼んできたからって、ネットで例えばめっちゃバズるような動画が撮れるとは限らないと思っていて。
その辺をさっき言った、向こうのコンテントリーというマッチングのこととか、そこの教育じゃないですが、もともとのテレビとか映画でやってた人が、ネットでバズるしハイクオリティって言われてるぐらいのをつくるには、こうしたらいいね、ネットではこういうふうなのがよりウケるとか、こういうふうなとこまで担っているんですけど。
そういったプレーヤーが、日本で1個挟まったほうが、よりそういうのが進むだろうなっていうのは思いますね。単に人が、映画とかテレビとか好きな人が来れば何とかなるっていう話でもなく、ちょっと違うのかなとは思いますね。
佐々木:そうですね。多分、広告から始まるんじゃないかなと僕は思っていて。ブランド広告、ブランドCMってありますよね。例えばわかりやすい例でいくと、アウトドアブランドとかって、ネットに広告をほとんど出してなかったんですよね、今まで。
例えば、自転車メーカーとかカリマーとか、Patagoniaだとか。で、なぜネットに出さないかというと、ネットはやっぱりチープなイメージがあるからだっていうのが、その根拠になってる。
ところが最近、そういうブランドも実はネットに広告を徐々に出し始めていて、それはなぜかというと質の高い広告、質の高い動画みたいなのをつくれる可能性がある、開けてきたからだっていうような話なんですよ。
この流れが推し進められると、いずれそのテレビのCMの中でも、特にブランドCMみたいな分野は、今まではテレビのCMだったわけです。それが一気にネット側に移行してくる可能性は、僕はあるかなと。
そうなったときにすごく質の高い、テレビではコンビニのお菓子とか日用雑貨しかやってないけど、ネットに来ると高級なブランドのCMも一部流れてますよっていう転換は、起こる可能性はあるかなと思うんですね。
大熊:そうですね、確かに。本当に今までは、ネットの広告の市場っていうのはテレビからとってなかったわけですね。
紙とか雑誌からとってたけれども、テレビとネットというのが全くセパレートされていたのが動画になって、いよいよテレビからテレビを減らすかわりにネットに出そうかっていう形になるかもっていうことですもんね。話になるぐらい、それをし得るっていうことですね。それはすごくあると思いますね。
佐々木:他、いかがでしょうか。はい、どうぞ。
質問者:本日は、ありがとうございました。先ほどバーベル理論、課金を徹底的に広く浅くっていうモデルのほうと、もう1つは徹底的に狭く深く、例えば課金にだったりイベントコミュニティーみたいなものと、2つあるとおっしゃっていたかと思うんですけども。
先ほど佐々木さんのほうで、分散型メディアでのイノベーションとしては、バズフィードのPOUNDがあるとおっしゃったかなと思うんですが、逆に言うと徹底的に狭く深くのほうのモデルというところで、何かイノベーションみたいなものってあったりするんでしょうか?
大熊:そうですね。それで言うと、マネタイズ手段がすごくふえた例があると思っていて。昔だとネットで課金するとかっていっても、決済とかもとってないし、すごい面倒くさいとかあったんですけれど、今はすごい簡単に課金もしやすくなりましたね、というのとか。
まさに今日のこのイベントに近いとかなんですけど、サロン的なものというので、メディアっていうよりも、我々は人のコミュニティをつくるんだっていう定義で、そこに課金してもらうっていうようなところは、やり方がどんどんいろいろと多様化しているなというのは、あると思いますね。
佐々木:どうやって、そのエンゲージメントを高めるかっていうモデル。エンゲージメントを高めるための、さまざまなシェアリングサービスとか、ツールみたいなのが急速にふえてきているので、やりやすくなったってのはある。
今回のイベントでやってたPeatixみたいなのも1つあるしね。ということだと思いますね。だからビジネスモデルというか、仕組みそのものをイノベーションしているところは、あんまり実は必要ないんじゃないかなと。だって、何千人とか何万人とかその辺の規模だったら、別に手作業でやっても済むだけの話なんですよ。
逆に言うと、その手作業でわりと人間の手でやってる感じのほうが、実はこっちのほうが重要になるんじゃないのかなって、データ分析とかやるよりはっていうね。徹底的にアルゴリズム化されてく部分と、より人間の色が濃くなってくる両極端に分かれるっていうのは、確かにそうかなと思いますね。
質問者:ありがとうございました。
佐々木:他、いかがでしょうか。はい、どうぞ。
質問者:テレビ局というかテレビに関して、少しデータ分析に関してお聞きしたいんですけども。今の日本ってテレビの市場って、ネットの媒体の、1.8倍とか、結構大きいじゃないですか依然として。
そしたら何か、先ほどのPOUNDみたいに、データ会社みたいな、そういうのがあるってことは、アメリカとかでも、そういうテレビの視聴データとかで、もっとテクノロジーを使用してもらってもいいのかなと思うんですけど、そういうのってご存じないですかね? 佐々木さん、大熊さん、どちらにもお聞きしたいんですけど。
大熊:アメリカのデータ分析会社ですか?
質問者:そうです。
大熊:それで言うと、あんまり詳しくないんですけども、アメリカは日本よりやりやすいかなと思っていて。ソフトバンクキャピタルっていうVCの人から、ざっくりした業界感を聞いたんですけど、日本についての精通している方で、「日本は電通があるから、全然違うよね。電通、電通」。といっていました。電通がデータを持ってますねという話ですね。
日本と比べてアメリカは各テレビ局が真剣にデータ持って分析に熱心だからいろいろやりやすいってのは、よく言っていました。いうぐらいしか、ちょっと知らないんですけど。
佐々木:別にアメリカの視聴率をあんまり主にする必要はないんだけれども、日本で言うと僕が知ってる範囲で言えば、PTPですね。スパイダーっていう録画の機器をつくってるPTPっていう会社があって。
あそこのスパイダーってのは言ってみれば、ただの1週間丸ごと全局録画デバイスなんですけれど、ユーザー、インターネットにつながっているんでデバイスを家に置く。アドレス録画っていうんですね。今、法人向けにしか売ってないんだけど、インターネットでつながってるんで、双方向通信ができるわけです。
そのときに、どの人がどの曲を見てるかっていうのがリアルタイム視聴率が採れる、1秒ごと。別に、もっともっと細かく採ることもできるんだけど1秒。そうすると、例えばこういうふうにそれぞれ各局、民放とNHKと、ずっとグラフが流れていて、突然こっちがぽんと落ちる、CMに入ったようなところ。そうすると別の局のところがポンと上がる。
これは他の局とザッピングしたら、一番すごかったのがここだったっていう、そこら辺のリアルタイムの動きが全部見えるっていうグラフはPTPは、もう採れるようにはなってると思います。
ただ、それを採っちゃうとテレビ業界にとってインパクトは極めて大きいので、そこをやれるようにするのかどうか、もしくは放送業界で、そこをどう調整させるのかっていうところは、かなり難しいかなと。
質問者:ありがとうございます。
佐々木:まだ時間がありますので、他いかがでしょうか。はい、どうぞ。
質問者:ありがとうございました。大熊さんに質問なんですが、アメリカから帰ってきて、今やっていることであったりとか、これからやりたいことなどはありますか?
大熊:非常にプライベートな質問ですね。
(会場笑)
佐々木:就職活動、どうするの?
大熊:その辺に関しては、ノーコメントとしてもらって。
(会場笑)
大熊:日本でも、こういうのをやったらいいかとか、こういうことができるとかといった提案はいろんなメディアさんにしていけるのかなと思っています。アメリカの動きを全部見習うべきだ、みたいな人もいますけど、日米ではいろいろな条件が違います。
僕は実際アメリカへ行ってきて、日本とどう違うか比べられないところもあるし、こういうところは比べられるんじゃないかとか、日本独自でいいんじゃないかとかっていうのは、結構知れたかなと思うので、それを活かして、メディアの領域で面白いことがやっていけたらいいなと思っています
今、いろんなメディアさんに対して、僕の中でできることがあるんじゃないかなというのは思っていますね。こういう感じで大丈夫でしょうか。
質問者:ありがとうございます。頑張ってください。
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