2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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松本龍祐氏(以下、松本):みなさん、こんばんは。ソウゾウの代表の松本です。よろしくお願いします。
今日は「atte FeS(アッテ フェス)」ということで開催させていただいておりますが、業界的にはよくある勉強会とかセミナーなんですけれど、我々、アッテ(atte)というサービスを新しく出しました。いろいろご協力いただいたみなさんへの感謝の気持ちとか、これからよろしくお願いしますという意味を込めて、お祭りっぽくしたいなと、フェスと名付けました。
お酒を用意したので、ぜひ、僕らが話している途中でも、どんどん飲んでいただいて。今回、Far Yeast Brewing株式会社さんにクラフトビールを特別にご協賛いただいたので、ぜひ飲み干していただきたいなと思っております。
では、乾杯させていただいてもよろしいでしょうか。みなさん、グラスを片手に、乾杯〜!
参加者:乾杯~!
松本:テンション上げていきたいと思います(笑)。
司会者:ありがとうございました。続いて、また松本からですが、最初のセッションに入らせていただきます。「ソウゾウの作り方」という話です。よろしくお願いします。
松本:では、引き続き、お話させていただきます。
今回は、私が主にアッテのコンセプトやソウゾウ社自体についてお話させていただきます。
そのあと、プロデューサーの田辺から、アッテがどのようにできたか、企画の詰まっていく途中や、チームについてお話させていただきます。
最後に、デザイナーの井上から新規事業におけるデザイナーの役割や、アッテのUI/UX設計のこだわりのポイントなどについてお話させていただく構成です。
最後に少し質疑応答の時間を取っておりまして、こういう場だとみなさんあまり質問が出ないじゃないですか? 今回、質問していただいた方には、オリジナルグッズをプレゼントいたしますので、ぜひ奮ってご質問お願いします。
では、始めます。まず簡単に私の自己紹介ですけれど、もともと2006年からコミュニティファクトリーという会社をやっておりまして、いろいろなコミュニティサイトの開発とか、ソーシャルアプリ、mixiアプリを作ったり、mixiのソーシャルゲームを作ったり、あとはスマートフォンのアプリを作っておりました。
そのあと、その会社を2012年にヤフー株式会社に売却いたしまして、そこから2年半、ヤフーでアプリの戦略や新規事業の立案などをしていました。
そして、昨年の5月にメルカリにジョインいたしまして、そこから新規事業を担当し、その新規事業をやるために、2015年の9月の終わりにソウゾウを設立して、今代表をしているという次第です。
今回、僕がお話するのは「ソウゾウのキッカケ」と「なぜ作ったか」と「これから」、この3つにわけてお話させていただきます。
今回、応募フォームに「質問を書いたほうが(参加抽選に)受かりますよ」と書いたのもあるんですけど、たくさんご質問いただき、本当にありがとうございます!
ご質問をもとに構成を組んでみました。
まず最初に、「スタートアップ前後の話をうかがいたいです」「いつ頃からソウゾウを立ち上げることを考え始めたのか」と。とてもいいフリをいただきました。
まずはここで、「ソウゾウのキッカケ」に入りたいと思います。
まず一番最初ですが、代表の山田から「まっちゃん、なんか新しいサービス作ってよ!」と言われたのがきっかけです。私がメルカリに入ることになったのも、「なにか新しいサービスを作ってほしい」というざっくりとしたフリから入りました。クラシファイドをやるとかまったく決まってなかったんですね。
これもよく聞かれるのでまとめたんですが「なぜメルカリに入ったのか」。「また自分で会社やると思ってた」とよく言われるんですけど、実際、メルカリに入って、10年に1度レベルの会社だなと思ったんですね。KPIの数字を聞いてビビりました。
かつ、日本で終わらずに、本気でUSに取り組んでいるというクレイジーさ。実際、今、ソウゾウを除くと、プロダクトを作っているメンバーの9割くらいはUS版のメルカリの開発に取り組んでいます。というような振り切り方とか。
もし起業したらこの人と働きたいなと思っていたような人が、どんどんメルカリに入っちゃうので、このチームに加わったら、どれだけおもしろいだろうと思ったことが大きいです。そこに入ったら、自分で会社やるよりももっと大きいことができるんじゃないかな、楽しそうだなと思いました。
ソウゾウもそうですが、メルカリもかなりプロダクト志向の会社です。なので、山田からの口説き文句が「ゼロ→イチができるプロデューサーがいればどんどん事業が作れる」と。「とにかくなにか新しいものを作ってほしい。プロデューサーとして入って欲しい」と言われたというのが大きくて。
ここに入ったら、自分も活躍できるんじゃないかなとイメージが湧いたことが入ったキッカケです。
前職にはめちゃくちゃ無理を言って移籍したんですけれど、実際にどんなタイミングでプロジェクトを進めていったか。今の話のとおり、入ることと、新規事業をやることは決まったけれども、なにを作るということは決まっていなかったわけですね。
誘われてから入社までに、半年弱、4、5ヶ月くらいあって、その間にも、もやもや考えてたんですが……。
入社までに話は特に進まず、5月に入社をして、そのあとメルカリ本体のプロデューサーなどもやって、メルカリに慣れながら、実際には7月の終わりくらいに、私とインターン生3人で新規事業の検討をスタートしました。
最初に考えてたことなんですけれど、まず「メルカリで新規事業をやるならC2Cサービスだよな」ということ。次に「メルカリがモノをやっているから、サービスのC2C、人と人とをつなげるようなC2Cがいいんじゃないかな」というところまでは、すんなり、入社前に頭の中にありました。
でも、どうしてもモノよりはマッチングが難しそうだなということが肌感覚としてあったので、なにかしらのジャンルに特化したほうがいいんじゃないかなと思っていました。家事代行とか、短期間のお手伝いとか、あとはスクール的なものとか。そういうことをいろいろ考えていたわけですが、はっきり決まってはなかったです。
でも、全方位でやるということも気になると。スクールもやりたいし、家事代行もやりたいし、ちょっとしたお手伝いもやりたいし、メルカリ自体もカテゴリー特化ではなくて、全方位にやることでうまくいったので、そういうことがやりたいなと思っていました。
全方位でサービスをやる、と。サービスのマッチングで考えると、モノであれば宅配すれば沖縄と北海道の人もマッチングできるんですけれど、例えばヨガ教室、ヨガを教えますということでは、沖縄と北海道の人はマッチングできないんですよね。
どうしてもサービスのマッチングとすると、地域の制限が生まれちゃう。地域で情報を掲載するとなると、クライシファイドかなぁ、とか。こんなことを7月のタイミングでは、もやもやと考えていました。
とりあえず、まずは両軸で考えると。クラシファイドがうまくいくということもよくわからなかったので。ぜんぜん確信が持てなかったので、両軸で考え始めました。
この辺りの段階で、インターン生にも入ってもらいました。
まずは、特化型のサービスのC2Cをいろいろ調べました。「Homejoy」とか「TaskRabbit」とか。Homejoyがちょうど、事業検討している間に潰れちゃったんですね。これがけっこう大きかったかもしれないんですけれど、ほかのサービスもそんなに大きくなってるサービスはないなぁと思って。
あとは、サービスのC2Cなんですが、どちらかと言うと、マッチングするということが主で、間にしっかり人が介在したり、事前審査をしたりするものだったり。どちらかと言うとクラウドソーシングみたいなサービスもすごく多くて。でも人が複雑に入って介在するってなんかメルカリっぽくない、もっとインターネットに任せたサービスを作りたいなと思っていました。
それに対して、「craigslist」とか「58同城」という中国のサイト、この中国のサイトは上場しているんですけれど、クラシファイドを調べてみたら、海外でかなり売り上げが大きいなと。
実際、ヨーロッパでもクラシファイドで上場している会社があったり、このcraigslistは未上場なのではっきりわからないんですが、400億円くらいの売り上げがあると言われています。58は上場していて200億円弱くらいの売り上げがあると、ヨーロッパの会社も上場している会社は何百億円という売り上げ規模がある。
この時点で、実はクラシファイドっていいんじゃないのと思いました。上場企業をベースに、マンスリーアクティブユーザーと売り上げを比較して、どのくらい収益性があるかというおおざっぱな比較をしたりとか、サービスのC2C領域になるので、各国で法規制があるかどうか、この時点から日本だけじゃなくて海外でもサービス展開をするということは明確に決めていました。
いけるということで、クラシファイド型でいこうということになりました。ここがはっきり決まる段階で、だいたい7月の終わりからスタートして、8月の終わりくらい、1ヶ月くらいでこういうことを決めたという感じですね。
ということで、まず、クラシファイドになったと。
次に、UIなんですけれど、UIも事前にさくっと決めていました。「スマホ的なサービスを作る!」じゃないとスマホアプリを新規に出しても絶対うまくいかないので、そこも早い段階で検討したと。
「スマホ的なサービスを作るってなんぞや?」というなかでもいくつかポイントがあって、タイムラインでサーっと見る、メルカリもそうですし、Twitterもそうですし、Facebookもそうですし。みなさんがいつも使っているサービスはかなりがタイムラインだったり。
あとは、自分で細かく打つんじゃなくて、アプリでいくなら位置は勝手にGPSで取れるので、GPSを活かすとか。
あとは、スマホだから待ちたくない。即時性がすごく大事だなということを考えて、サービス設計、コンセプトを考えていました。
となると、「チャットっぽいな」と。チャット感覚なアプリを作りたい、ということと、いろんな人に使ってもらいたいので、とにかくシンプルにするというUIの大きな方向性が決まりました。
ここでは、僕とインターン生を中心に、プロトタイピングツールとかを使って、ずっとパターン出しとかをして、検討していました。
ここまで、さっきの調査と同時並行でやっていて、だいたい1.5ヶ月くらいでこういうところまで決まりました。
ここから、じゃあどうしようかと会社を設立して、チームを作っていったということですね。まだこれは、チームを作る前の段階の話です。
というあたりが、まずアッテができる一番最初の段階。
次に、また事前質問で「チームビルディング」についてとか、「事業設定の仕方」「社内事業のカニバリについて」についてご質問をいただきました。
ということで、今度は「なぜソウゾウを作ったか」についてお話したいと思います。
新しいサービスをやるのに、新しい会社を作る必要は特にないわけですよね。なんですけれど……。
「新しいぶどう酒は新しい革袋に」という、これは聖書からの言葉なんですけれど、新しいサービスを作るなら、新しい箱を作ったほうがいいよねと漠然と思っていたわけです。
この漠然と思っていたことが、メルカリの代表の山田ともぴったり合って、新しい会社を作ることに対して特になにもディスカッションはなく、すーっと新しい会社を作っちゃったという感じなんですが。
実際、新しい会社を作ることを決めたときに考えたことや、作ってみて感じたこと、新しい会社を作ってよかったことは、いくつかあります。
それが、この3つかなと思っていまして、「スピード感が上がるということ」、「新しいチャレンジができるということ」、あとは「採用に役立てる」。このあたりがよかったなと思っています。
3つお話しますと、まず「スピード感を上げる」なんですが、新しい会社になって、最初のメンバーは、社員が僕を含めて4人とインターン生3人という体制でスタートしたので、1つの机の島で全部が完結するわけです。これがとてもよくて、「ミーティングしましょう!」とかじゃなくても、顔を上げるだけで議論ができる。
小さいチームにすることで、コミュニケーションコストが下がるということはとても大きい効果です。
あと、新しい事業をやりましょうとチームに入っても、どうしても「前の部署の引き継ぎが……」とか「ちょっと話聞きたい」とかがあるじゃないですか。100パーセント新しい事業に集中ってしづらいんですけど、子会社、グループ会社とはいえ、移っちゃえばそういうことって生まれづらい。
今までのことは考えず、気持ちをはっきり切り替えて、新しい事業にチャレンジできる。これも無視できない効果なんじゃないかなと思っています。
あとは、接点を減らす、なんですけれど、これはノイズと関連することなんですけれど。新しい組織ができました。新しいことをやってます。なので、既存の組織との接点が小さいわけですね。
よくあるのが、大企業が新規事業をやると、各部署との調整が続いてスピードが落ちちゃうということがあるんですが、接点がとても少ないがゆえに、スタートアップと同じような動き方ができると。これも大きい効果なんじゃないかなと思います。
次が、新しいチャレンジをする。今回、ソウゾウ社では、いくつか意識的にチャレンジをしています。
まずは、技術的なチャレンジ。たとえば、サーバーサイドで、メルカリではPHPを使っているんですけれども、全部サーバーサイドをGoで書くとか。メルカリ自体は自社のサーバーと、一部Amazonを使っているんですけれど、全体的にGoogle Cloud Platformを使うとか。クライアントサイドも最初から全部Swiftの新しい書き方で書くとか。そういうチャレンジをしています。
あとは、開発環境ですね。これは本当は無理に変えなくてもよかったかもしれないんですけど、開発のチケットをメルカリはRedmineでやっているのを、新しいやり方でしてみるとか。
開発の方法自体も、最初に仕様を細かく書くというより、最初にまずデザインを起こす。インターフェイスをまず考えて、それを議論してから仕様に落とすというやり方。そういうことを意識的に取り入れて、やりました。
これも、既存の組織と紐付いているとなかなか、変えましょうとはやりづらいんですけど、新しい会社にしたことによってチャレンジできたと思っています。
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