ゲームプレイ実況動画で世界が繋がる
「Kamcord」が日本企業との提携で目指すもの

海外企業のプレゼンテーション #3/3

IVS 2015 Spring Miyazaki
に開催

2015年6月11日に開催されたIVS 2015 Springの特別企画「海外企業のプレゼンテーション」に、Eyeota・Kevin Tan(ケヴィン・タン)氏、MamiLove・Alice Chang(アリス・チャン)氏、Kamcord・Matt Zitz mann(マット・ジッツマン)氏ら海外の注目ベンチャー3社が登壇。モデレーターを務めるインフィニティ・ベンチャーズLLP・田中章雄氏の進行でディスカッションを行いました。モバイル動画共有サービス「Kamcord」を提供するマット氏は、ゲーム業界で驚異的な成長を続ける自社の事業とアジアや欧米に広がるマーケットについて語りました。

カムコードのゲームプレイ実況動画

田中章雄氏(以下、田中):さあ、次はマットです。準備はいいですか? では、カムコードについて聞いてみましょう。

マット・ジッツマン氏(以下、マット):いいですよ。カムコードはゲーマーたちがゲームのセッションを録画して、他のゲーマーとシェアできるようにした会社です。驚くことではありませんが、今は世界中で10億人以上の人がモバイルのゲームをしています。巨大な規模になっています。

田中:観客の中にもゲームをしている人がいますかね。

マット:そのとおりです(笑)。モバイルゲームは見過ごされるべき分野ではありません。それは巨大なマーケットです。アメリカではいつもそれを強調しなくてはいけませんが、アジアではその必要はないですね。

近年のゲーマーたちは、他人のゲームのセッションを見るのが好きなようです。この(スライドの)ピューディパイ(PewDiePie)というユーザーは、YouTubeで一番人気のチャンネルです。彼には3700万人もの視聴者がいます。

彼はYouTubeで最も注目されるゲーマーであり、人であり、多くの登録者を擁するチャンネルでもあります。かなり大きな現象を起こしています。

田中:彼はゲームをしているのですか? それともゲームを批評しているのですか?

マット:基本的には、ゲームをするコメディアンと定義できるでしょうか。彼は冗談を飛ばしながら、ゲームをしています。子供たちは中学校や高校から帰ると、テレビを点ける代わりに、彼のYouTubeのサイトを見ているのです。

田中:何かドラッグでハイになっている感じですか? どんな感じなのですかね?

マット:ああ、そうかもしれません。彼はスウェーデン出身ですが、わかりませんね。現在24歳です。このサイトのおかげでYouTubeは400万ドルの広告に伴う収益をあげています。

田中:この人が、年に400万ドルもの収益をあげているのですか!?

マット:ただ宣伝での収益だけで、400万ドルです。ピューディパイだけではありません。YouTubeに出ているトップのクリエイターたちは、新しいコンピューターの箱を開けるだけで、5万ドルもの収入を得ることができるのです。つまり1つのビデオが5万ドルです。

信じられない額です。南アフリカに飛んで突飛なビデオを作るだけで、15万ドルもの収益をあげることができるのです。信じられませんよね。

田中:新しいコンピューター製品を箱から出していくことだけで?

ケヴィン:製品の製造者が支払っているのですか?

マット:そうですね。箱から製品を出すビデオは、多くの視聴があります。ディズニーの製品を箱から出す、というビデオに熱を入れている人もいます。今の段階では、ディスニーが何のスポンサーなのかはわかりませんが。箱出し動画は人気があるのです。

田中:もう、実際の仕事など探す必要などありませんね。

マット:ええ。彼は、かなり洗練された人でもあります。彼のインタビューを見ましたが、とにかくゲームが好きなんです。私も5歳の頃からゲームにハマっていましたが、彼も同じようなものだと思います。似ているからわかり合える感じです。

Google時代に気づいたビジネスチャンス

田中:では、なぜあなたは彼みたいにクリエイターにならないんですか? カムコードを経営していくのは、大変なことだと思います。

マット:私はどちらかというと、オタクで技術系です。私も4年間マウンテンビューでGoogleの商品担当をしていました。

田中:いつ頃ですか?

マット:2008〜2012年までです。彼女はYouTubeを担当していたそうです。YouTubeでは、ゲームは大きな影響力があります。

Googleで働いていたときは、宣伝広告担当でした。ケヴィンの仕事にも、少し近いところがありますね。でも、私はどちらかというとテキストでの宣伝担当で、Googleはこの分野ではかなり儲かっていると言えます。

私が3年前に気がついたのは、これまではゲーマー同士がモバイルゲームをしているところを録画し、シェアする機会がなかったということです。モバイルゲームは、いくつか前のスライドでもお見せしましたが、非常に流行しており、YouTubeや他のサイトでもかなり幅広く取り上げられています。

しかし、誰も実際にモバイルゲームを録画してシェアするという考えはありませんでした。つまり私たちの会社は、世界で初めてのモバイルゲームを録画するプログラムを作り出したのです。

これはそのスクリーンショットとなりますが、録画したゲームに名前をつけ、再送したり、編集したりすることができます。またその録画したものをFacebookやTwitter、メールでシェアすることも可能です。

しかもこれを使えば、ゲームをしながら他のゲーマーの録画したセッションも見ることができるのです。それはまるで、ゲームの中に小さなYouTubeがあるような感覚です。

すごくいい感じにできていると思います。ゲームの開発者たちは、とても興味を持っています。会社自体も大きな成長を遂げ、これは過去18ヵ月にどれくらいこのアプリが使われたかを表しているのですが、1億5000万ものデバイスから使用歴がありました。

田中:すばらしい数ですね! 4000パーセントの発展は、うれしいものでしょうね。

マット:そうですね。まだ1億5000万でも大きくはありませんが、この成長はうれしく思っています。

田中:まだまだ、発展途上ということですか?

マット:まだ、成長を続けられます。このスライドが、日本での成長も含めたSDKのタイトル導入に関するスライドです。赤いラインがGoogleのアドサーバーから引っ張り出してきた、世界各地合わせたタイトルの数になり、青いラインが日本語のタイトルになります。

ゲーム開発者がカムコードを導入すべき理由

マット:もしあなたがゲームの開発者である場合、なぜカムコードを導入するべきかをご説明したいと思います。

私たちは試験の際に、カムコードを付けたり付けなかったりするという実験をすることができました。カムコードの機能が付いているゲームとそうでないゲームとを比べると、カムコード機能付きのゲームのほうが、7日後のゲーマーの継続率が高かったのです。

7日後のゲーマーの継続率は、7パーセント上昇しました。これは、なかなかいい数だと思います。

田中:どうして、そのような結果が出たと思いますか?

マット:さまざまな理由がありますが、おそらく2つのカテゴリーに絞られるでしょう。シェアをする側か、見る側です。もし、シェアする側であれば、シェアをしているゲームの動画に対して誇りを持ち、その動画に「Like it!」のコメントが出るのを喜んだりします。

そのうち、そのプロセスに病みつきになってしまうでしょう。それによって、彼らはさらにゲームが好きになってしまうサイクルになります。より強いゲームへの繋がりができるということです。

見る側とすると、好奇心からであったり、もしくはあるレベルからそれ以上に進めなくなってしまったりした時です。

田中:私は典型的な見る側です。

マット:もちろん見る側が、シェアする側よりもたくさんいると思います。人は娯楽が好きですが、根本的にはゲームによってコミュニティができあがり、そこにみんなが戻っていくのが好きなのです。

現在90万近くものユーザーが、登録してゲームをしています。私たちは、そこでもいい傾向を示していると言えるでしょう。

田中:このユーザーというのは、別々のゲームでも1つのユーザーで大丈夫なのですか?

マット:ええ。これはカムコードの登録情報なので、どのゲームでも同じユーザー情報で使うことができます。

最近ではiOSにも幅を広げています。もちろん、今まではSDKを使用していましたが、次のように考えてください。SDKはカメラのようなもので、さまざまなゲームに取り込まれており、今はiOSのアプリにも入っています。

それを使えば、今までカムコードでシェアされたすべての動画も見れます。今のところ1500万もの動画が記録に残されている、もしくはシェアされています。

さらに、そのiOSアプリを使えば、今まで知らなかったおもしろいゲームを見つけられるかもしれません。

田中:「Minecraft」とも提携しているのですか?

マット:「Minecraft」とは提携していません。しかし、多くのユーザーがゲームの記録をシェアしたいと言っています。「Minecraft」からカムコードに動画を載せたいというのです。

今はアップロードに使えるプログラムがあり、それを使えばいろいろなゲームの録画をアップロードすることが可能です。

YouTubeの子供向け番組の影響

田中:少しいいですか? YouTubeは最近子供用の番組を開始しましたね。彼らもアプリがあります。私の息子は5歳ですが、YouTubeですべてのアニメを観ているような気がします。

もし私の息子が、YouTubeから直接「Minecraft」の番組にいって、観てしまうとしたらどうしますか? 私も時々子供と一緒に観ていて、あまりおもしろいとは思いませんが、彼はとても興味を持っているようです。

マット:かなりの影響力のようですね。大変ですね。「Minecraft」はゲームのプレイを観るということにも、大きな影響を及ぼしています。どちらかというと、より年齢層の低い使用者が多いと思われます。

田中:今一番、子供に人気のゲームだと思います。

マット:そうですね。とにかく、iOSアプリによってカムコードが各種のゲームのビデオを1つの場所にまとめ、ゲーム会社はそれを探したり、フィルターをしたりすることができるということが、他にない特徴ではないでしょうか。

加えて、ビデオの画面の下のほうにボタンがあり、それを使用すると、アプリを購入するサイトに移動することができます。インストールのボタンもあります。

SDKの機能も使って、私たちはユーザーがどのような頻度でゲームをしているかを知り、また、ゲームの開発者の質なども評価することができるようになりました。

つまりiOSアプリを使えば、私たちのサイトからゲーム購入サイトに人を動かすことができます。そして、30日後のゲームの継続率が78パーセントも上昇し、ユーザーの質も非常に高く、さらに衝撃なことですが、30日後のゲームのプレイ時間も、他の平均のユーザーの5〜6倍にも長くなります。

こういった使用者はゲームを繰り返すプレイヤーで、どんどんゲームに惹かれていっているようです。

日本のゲーム会社との提携

マット:今、ここ東京、日本にいますが、もっといろんなゲームの開発者と出会いたいと思っています。

田中:あなたはバルコニーから東京タワーの見える場所に、オフィスがあるのですね。

マット:そうです。最近東京にオフィスを開きました。5人の社員がいて、こちらにも1人来ています。(社員に向かって)手を挙げてください。彼はビジネス経営の担当をしています。その他に技術者もいます。

田中:(写真に写っている)オペレーションの人は何ですか?

マット:あれはユキです。これはサンフランシスコでのネイルを終えたばかりのときに撮った写真で、私たちにネイルを見せてくれています。私たちは、おもしろい写真をたくさん撮りました。楽しみのために写真撮影をしただけですよ。

細かくは言いませんが、最近は日本の主要なゲームと提携して、一緒にやっていこうと思っています。

まずは、技術的に地域に合わせたプログラムを作ろうとしていたので、多様なコメントをゲームの開発者からいただきました。そして、カムコードのSDKを使って、私たちはニコニコ動画やLINEでもゲームをシェアできるようにしました。

さらに、技術的な統合を進めるために、ウェブサイトを設けて、地域のカムコードの技術者がゲーム開発者のオフィスに訪問することができるようにしました。こうして、ゲームの開発者からの質問に応対できるようにしています。

将来のマーケットの方針

マット:そろそろ、まとめます。これは2週間前に新しく取り入れたもので、アンドロイドのアプリも開発しました。欧米でのマーケットを対象としたものになりますが、明らかに地域で広がりつつあると言えます。

将来のマーケットの方針ですが、アンドロイドのアプリで、誰でもどのゲームでも録画できるようになります。カムコードのアプリをダウンロードして、どのゲームを録画するか決める。すると、そのゲームを開始することができ、ゲームの録画を始めることができます。

ユーザーの経験として非常に生かされるもので、将来的にはSDKを使う必要がなくなるでしょう。

田中:つまり、すべてのゲームが対象になるということですか?

マット:そうです、「Minecraft」も含まれることになるでしょう。アンドロイドにある技術を使えば、どのユーザーもすべてのゲームを録画することができるようになります。

これはGoogleが開発しているAPIであり、アンドロイド5.0で使用可能となります。5.0での使用は12パーセント程度に過ぎませんが、今後25〜30パーセントへの成長が見込まれています。iOSの成長は、いつもゆっくりですからね。

田中:Apple社は、これに関しては追いつくことができると思いますか? ゆっくりですか?

マット:Appleが最近発表した中で、リプリケットというカムコードの2012年版くらいのものがあります。ただ録画してシェアするというものです。

iOS9であり、コミュニティの特徴があるだけですので、ゲーム開発者が主にカムコードを採用している大きな理由にはなりますが……。私たちが開発したものを、Appleがいいと思っているのはすばらしいと思います。

今Appleでは、私たちが開発したバージョンを作ろうとしているのではないかと思います。しかし、私たちは今後も早い速度で開発を続けていく予定です。アンドロイドでの使用も含め、SDKとiOSの提携も含まれます。

モバイルゲーム業界の将来性

田中:(マットに対して)質問はありますか?

ケヴィン:アキオが言ったように、13歳の私の娘は『Minecraft』に多大な時間を使っています。

マット:すばらしいですね。

ケヴィン:他のテレビは一切観ません。

田中:不思議なことですね。「Minecraft」を勉強して、追いつかなくてはいけないようです。簡単ではないのに、子供たちはとても好きですね。

ケヴィン:本当に理解できません。プレゼンテーションからすると、あなたはメディアの会社を作っているように思われます。宣伝広告などを使用していますか? 普通の宣伝などですが。

マット:今は、宣伝広告にはあまり重きを置いていません。昨年は4月にシリーズAを売り出し、その後シリーズBを出しました。海外の企業とも提携し、投資もかなり得ています。どちらかといえば、将来的にどのような方針で進めていけるかを考えています。

上を見れば、確かにゲームをダウンロードする広告なども使えるでしょう。Facebookもですね。ゲームを推進する方法を、いくつもの企業から教えてもらっています。

韓国で新しくビデオを流すサイトができているようで、バーチャルな商品をギフトとしてストリーマーに送ることもできるようです。このような利益取得の方法は、YouTubeやTwitchなど他のサイトではまだ始まっていません。寄付をするというような考えは入っていません。

Twitchのウェブサイトには構成されていないのです。クリエイターがプログラムの基盤に付け加えるようなものなのですが、Twitchの最初の骨組みには組み込まれてはいないようです。

さらに興味深いのは、娘さんですよね、女の子です。私たちのサイトを使用している人たちの40パーセントが女性です。

田中:本当ですか?

マット:そうなんです。とてもおもしろい話があります。カムコードのおかげで、デートをしている人たちもいるんです。

田中:変わってますね。どうなってるんですか?

アリス:どのような年齢層の女性ですか?

マット:さまざまです。『マイ・トーキング・トム』などでは、40歳の女性である場合もあります。私たちのサイトを頻回に使うユーザーの1人に、多発性硬化症のため植物状態の女性がいるのですが、カムコードで1万人のフォロワーがいて、日々カムコードに動画を載せています。

カムコードが非常にいいと思う理由の1つとしては、 こういった女性のユーザーの獲得です。PCMなどの今までのゲームは男性的すぎましたが、現在のモバイルゲームは女性にも魅力的で、女性ユーザーが半分を占めており、そういったユーザーがカムコードも使用しているのです。

田中:ケヴィンが、あなたのサイトのオーディエンスデータに興味を持ちそうですね。

マット:さらに利益があがりますからね。わかりますよ。

ケヴィン:それだけではありませんよ。あなたのようなビジネスは、将来性のある大規模なメディア企業だと思っています。

マット:そのとおりだと思います。ゲーム業界は大きなマーケットです。実は、共同創業者がこの会社のアイデアを最初に持ちかけてきた際に、私はかなりしっかりと考えを練る必要がありました。

確かに人はモバイルゲームを観ますよね。2012年でも、それはすでによくあることでした。今でももちろんそうです。そのおかげで成功したようなものです。私たちの会社の成功は、ゲーム業界の将来性を証明しています。

田中:私は先週、ニューヨークにいました。そこに「NBA.com」のCEOが来ていましたが、その重役たちが驚きを込めて話していたのは、次世代の子供たちのスポーツはアメリカンフットボールではないということです。

それはe-スポーツ、つまりゲーマーがコンピューター上で行うスポーツです。彼らは、ネットワークにどうやってe-スポーツを導入することができるかに頭を悩ませています。そうすることで、今後の世代ともつながっていこうとする試みです。

私自身、そういった重役たちがゲームについて真剣に話し合っているのを聞いて、驚きを隠せませんでした。かなりまじめな話でした。

マット:e-スポーツも、近い将来モバイルに導入されるでしょう。今はそういったe-スポーツは、パソコンなどでのデバイスでのゲームが大半ですが、モバイルにはあまり焦点をおいていません。私たちはそういったギャップにも立ち入っていき、成長を続けたいと思っています。

田中:マット、ありがとうございました。

マット:ありがとうございます。

田中:マットに拍手を送っていただきたいと思います。

(会場拍手)

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