ダーウィンが愛した食虫植物

マイケル・アランダ氏:チャールズ・ダーウィンは人生を通じて、世界中の植物や動物を研究しました。1860年に彼は植物と出会い、植物の研究を始めました。

「私は種の起源よりも、グロス・エラー(Gross Error)を気に掛けている」

何の植物か想像つきますか?

食虫植物の一種であるモウセンゴケ(Tercera)は、虫を捕獲し消化する能力で知られています。食虫植物の中には、蛙やさらには小さい哺乳類を捕獲し食すものもあります。

ハエトリグサ(Venus Flytrap)についてはみなさん聞いたことがあるかもしれません。ただ食虫植物にはなんと600種以上あり、毎年新しい種が発見されています。

研究者たちは、食虫植物かどうかを識別するときに、2つのポイントを見ます。 死んだ生物から栄養を吸収できるか。そして獲物を誘い込み、捕獲し、消化する機能を持っているかです。

ではなぜ食虫植物は他の植物と違ってこの機能を持ち合わせているのでしょうか。ほとんどの植物は栄養を土から根をつたって得ていますが、食虫植物は基本的に沼地のような湿原地帯で発見されます。

湿原地帯のような環境では、定期的に水が栄養分を流出させてしまいます。そのため食虫植物はその特徴的な葉を活用し、生物から栄養を獲得することになったのです。

どのように食虫植物がこのような活動を行なうかは何百も種類があるためそれぞれ異なり、最低でも9つの科に分類されます。

多様な食虫植物の特徴とは

嚢(のう)状葉植物は、長いチューブ状の葉の中に、その甘い蜜で獲物をおびき寄せ、つるつるとしている内部を利用し、獲物を下に落とします。これは落とし穴トラップ(Pitfall Trap)と呼ばれ、中には雨水や消化酵素、前の獲物の残骸が含まれています。死ぬにはあまり良い場所ではないようですね。

タヌキモは200種以上あり、食虫植物の中で最大のグループです。

気泡上の形の葉と細い蔓があり落とし戸のような仕組みになっています。この蔓に虫が触れると、戸が開き、獲物を吸い寄せ、15分の間に消化を済ませるのです。なかなか効率的ですね。

ダーウィンは、モウセンゴケは蜘蛛の巣の仕組みに似ており、蜜に似せた粘着性のある液体で獲物をおびき寄せると説明しています。この液体には粘液が含まれており、獲物をそのベタベタした触角で捕まえるのです。

ハエトリグサはその捕まえ方でよく知られています。虫がその葉の中に入り、プレッシャーを与えたときが葉を閉じる引き金なのです。

ただ最初の段階では全てを閉じません。これについて研究者たちの考えでは、小さい虫を逃がす隙間をわざと与えることで、小さい栄養補給のための時間を割かないためとされています。

その代わり次に閉じるときは、人間と同じように酵素を利用することで葉を閉じ、ゆっくりと獲物を消化します。他の食虫植物とはちがって、ハエトリグサは10日間かけて獲物を消化するのです。

150年以上食虫植物はその驚くべき多様性により、人々を魅了そして困惑してきました。19世紀後半まで、研究者たちは食虫植物は共通の祖先をもつと考えていました。しかしここ25年間の研究によると、その食虫性は単独で、最低でも6回の進化を遂げたとされています。

食虫植物は収斂進化の素晴らしい例であり、関連性のない有機体がそれぞれの環境、今回のケースでは世界中にある栄養不十分な沼や湿地帯に適応するために、似た特徴への発展を遂げたのです。